Coolier - 新生・東方創想話

夏、帰る場所底2-3

2010/05/13 15:56:33
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5親友との再会、新たな友達に乾杯
早苗の実家
かなり泣いた後、決別の意味を込めて置いていった机に置いてあった携帯電話を起動させようとしたけど、電源が入らない。電池が切れていたことを忘れていた、神奈子様と諏訪子様と共にここを去る前日に一番の友達と2年くらい使った携帯で1時間ほど話して、結局は彼女の家でまた最後の別れになるかもしれないと長く話した事がふと蘇った。
(ここは、我慢しなくちゃ)
充電器を見つけ、繋いで電源を入れる。その当時と変わらないが画面が現れた。実家に来る途中、携帯の料金設定は一番安いのに変更したけどまだ使えるからとお父さんが教えてくれた。メールの問い合わせを押す、メール、ショートメール問わず大量に受信された。ほぼ迷惑メールだったが、根気よく探して友達からのメールを探し出す。
(有った)
友達のメールを見つけ出す、それは年賀メールでアドレスは変わっていない。
(よかった、久しぶりに会えるかな)
善は急げとわかれた日の時に約束した、キーワードをメールの件名に書き、送信を押すだけなのに。
(あれ、押せない)
また恐怖心が蘇り、夏なのに鳥肌が立つ。けれど、これを送らなければ会えない。さまざまな感情が渦巻き、迷いを生じさせている、どうしよう?
「送れば、いいんじゃない」
「えっ」
後ろを振り向くと、神社で巫女のバイトをしていて私の姉気分とでもいえる
「瀬菜姉」
中嶋瀬菜が居た。
「久しぶりね、早苗。その分だと元気に過ごしていたようね」
「うん、瀬菜姉も元気そうだね」
「まあね、最近私の眼鏡にかなう男はいないし」
「瀬菜姉の眼鏡に適う人は中々難しいけど」
「それは自覚してるわ」
「はは」
いつも私の遊び相手をしていてくれて、神奈子様や諏訪子様の事を知っているうちのひとりでもある。父から私が居た世界、幻想郷に聞いているらしく、幻想郷についてさわりの部分を話し瀬菜姉の感想は
「泊まりには行きたいかな、暮らすには不便だけど」
「そう」
「それじゃ、送信」
「えっ!」
いつの間にか携帯を取られ、メールは送信された。
「瀬菜姉!」
思わず声を張り上げてしまった。しかし、瀬菜姉は真剣な顔で
「がんばりなさい、どんなに会ってなくても友達は友達、きっと何時でも迎えてくれる」
「瀬菜姉」
携帯から、着うたが流れる。「ゆめいっぱい」音声電話着信音、つまり電話。
「それじゃあ、ごゆっくり」
「瀬菜姉!」
瀬菜姉が部屋を出ていく、少し考えてから恐る恐る携帯を取り通話状態にする。
「はい」
「早苗?」
久しぶりに聴く友達の声、体に電流が走る。
「ひさしぶり、裕美」
「久しぶり、早苗元気だった?」
「ええ、まあ」
「ねえ、今どこ?もしかして実家?」
「実家だけど」
「それじゃあ、今から家に来られる?」
「行けるけど」
「それじゃあ、待ってるわね」
ガチャ、電話切られた、心配していたけど杞憂だったようね。簡単な化粧を施し、昨日塚越君から買ってもらった服を着て、お父さんに出かける事を伝え外に出る。瀬菜姉がバイクで待っていた。
「行くんでしょ友達の家に、乗って行きなさい」
「ありがとう、瀬菜姉」
フルフェイスのヘルメットをかぶり、義姉の体にしがみつく。
「じゃ、出るわよ」
「はい」
甲高いマフラーからの音、ギアにつながり、加速を体で感じる。

友人宅前、
20分くらいだろうか、友達の家の前に着きそこで義姉のバイクから下りた。
「迎えに来てほしい時は電話しなさい」
「わかった」
ヘルメットを義姉に預けて、そして義姉は去っていく、甲高い音を残し。
「よし、いこう」
気合を入れて、門のインターホンを押す。ちょっとまってから、私の友達、裕美・ウィリアムズが玄関から飛んできて、門を開け互いに体を抱きしめあった。
「早苗~」
「久しぶりね、裕美」
「そうね、それにしてもあなたどこに行ってたの?携帯にメール送っても反応なかったし」
「ごめん、今まで携帯が使えない所に居たの」
「携帯の使えない所?とりあえずそうゆうことにしておく、入って美味しい紅茶をだしてあげる」
「ありがとう」
裕美の後についていく。裕美とは高校の時の友達で、イギリスと日本のハーフでウイリアムズ家は魔法使いの血筋があるとのことだ。友達になったのは席が近い事もあるが、当時私は諏訪子様に髪の毛を黒く見えるようにできる、術を小さい時から使っていた。翠髪のままだと風紀調査等で色々まずいため。ヘアカラーで着色しても良かったかもしれないけど、したくはないとの諏訪子様の判断で掛けてもい、教わっていた。中学からの同級生も私の髪の毛は黒だと思っていた。しかし、彼女は見抜きお互いに人とは違う何かを持っているという事で一気に深い友達になる。
「魔法の方は、今もやっているの?」
「あんまり、お婆様から禁止令が出て今は、東西の薬草の研究を行っているわ」
「へえ~」
今リビングでお茶をもらっている。気を使ってくれたのか、気分を落ちつかせてくれるお茶を出してくれた。
「それで、早苗の方はどうなの」
「私の方は、・・・信じられないかもしれないけど聞いてくれる?」
「いいわよ、友達なんだし」
「それじゃあ、はなすね」
また、幻想郷についての話をした。空飛ぶ巫女、泥棒魔法使い、吸血鬼、妖怪亡霊、月のお姫様、閻魔様、八百万の神様、生活の事。魔法を使われたのか、すらすらと話した。
「凄く面白そうな所ね、私も行ってみたいな」
「生活はすごく大変だけど慣れると楽しいかな」
「そうなんだ」
この後、色々な話題で盛り上がり、途中お昼を食べ時間はあっという間に過ぎた。この話の中で、高校の時の片思いの人の話題が出た。彼はクラス1のプレイボーイで、私より綺麗な同級生が多くを友達としていて。私は諦めていたが、どうやら裕美の話では彼は私に好意を持っていたとの話で、今は首都の大学に通っているそうだ。夢に出てきた、人がやっとわかって、安心したような残念なような気持ちが渦巻く。
「たま~に、私のバイト先の薬膳カフェに来る事があってこの前来た時に話してくれたのよ」
「そうなんだ」
「今は、彼女持ちだけどね」
「そう・・・」
やっぱ、置く手過ぎたのかな。でも、もし彼と付き合ったとしても、私は幻想郷への引っ越しの時どうしたのだろうか、分かれるか、残るのかどっちを選んだろう。時計を見ると、午後6時を超えていた。
「それじゃあ、帰るね門限あるし」
「わかった、明日は遊びましょう」
「楽しみにしている」
すでに、義姉は来ていたので、来る時と同じようにヘルメットをかぶり実家へと帰った。お父さんが既に夕飯を作り始めており、お母さんも帰っており久しぶりの家族だんらんの夕食になった。


守屋神社について早々、お茶と羊羹をもらった。しかも神楽殿で。なんでも早苗さんが作ったとか、美味しく頂く。その中でこの神様達と早苗さんがこの幻想郷に来たのが2年前という話も聞く。その後男での必要な所の掃除を頼まれた。
「いいですけど、・・・・ゴットパワーで何とかできないのですか?」
「めんどくさいから」
との回答を神奈子様より受けたので、掃除をする事になった。加えて、屋根の一部に弾幕の流れ弾での穴がありそこの修理は専門の河童が来てやるそうなので、応急処置の布を変えた。夕飯はお梅さんという天狗の方が純和風の夕食を作ってくださりそれをいただいた。なお、呼び方に様付けしているのは敬意を表してである。二柱も了承してくださった。

風呂上がり、涼みのため神社の階段の所にご座を引いて日本酒をもらっている。
「どうだい、この世界は」
「そうですね、ある火星の水先案内人の漫画とにていますね」
「火星の水先案内人・・・ああ、あれか確かにそうかもな」
「ええ、科学が進んでそのリバウンドという形でこの世界が存在するという事だと思います。懐古主義ではありませんが昔を懐かしみ、非日常を求めるゆえに」
「そうか」
神奈子様が酒を飲む、僕もつられて飲む。
「そいえば、琢磨は年いくつ」
「20才ですけど」
「20才か、紫から聞いたけど大学に通っているんだよね」
「ええまあ、月吉野市にある大学に通っていますね」
「ふ~ん、就職はどうするつもりだい」
「就職ですか、福祉関係に行くつもりでいますがね大学で学んでいる事そうなので。・・・でもどうして聞くんですか?」
「いや、ちょっと気になってね」
まだ決める時期ではないだろうが、目安はつけとかないと。
「まだ動いていないのなら、ねえ家の神主にならない」
「おっ、それはいいね」
諏訪子様の意見に、神奈子様までが同意する。
「藪から棒になんですか、・・・・・・神主、儀式や神事に関する知識ありませんよ」
「問題ないよ、私達で教えてあげるし」
神主か興味ありといえば、有りだが難しい所だ。けれども向こうでの生活もある。たまに実家に帰れれば問題ないが、それもわからない。
「いい就職先が見つからなければ頼みます」
「そう、残念」
こうは言ってお茶を濁してみたがう~ん、まさか本当にか、確認しておこう
「それ冗談ですか?」
「半分本気うち神主いないし、神社は巫女と神主ワンセットでないと」
諏訪子様にマジ顔で言さらりとわれてしまった。
「神様が言うと何か、変な感じですね」
「そうかな、人(飲み相手)が居ないと神様もさびしくて死んじゃう」
神奈子様は、キラ~ンというウル~というかそのような擬音があうような顔された。
「かわいい顔して、頼まないでください」
「はは、いい顔だ。紫が気にいるわけだ」
「本と、かわいい」
「・・・・・・・」
顔を赤めてうつむいてしまった、早く帰りたい。

「そういえば」
ちょっとしてから神奈子様が声をかけてきた。
「なんですか」
「お前さんが居た世界でまだ完成されていない技術があったらどう考える?」
「どうって言っても・・・・夢の国の映画に有った未来泥棒ですかね」
「未来泥棒か・・・・やっぱり、そうだよな」
「?」
あれ?未来泥棒の映画って2年前の映画だっけ?
「いや、忘れちゃっていいから」
「はあ」
後で、諏訪子様がこの質問について教えてくれた。何でも核融合の制御を神様の力を使い産業革命をしようとしたそうだ、結局は諏訪子様の判断ではやめる事にしたそうだ。

こうして、この日は終わった。寝床は、生活用の社務所でだ。

6それぞれの帰る場所

朝早く、私は家を出た。裕美の提案で霧ヶ峰湿原でバードウオッチングをおこなうために。お母さんとの約束の味噌汁は、作ってから出てきた。
「おまたせ」
「それじゃ、行こうかしら」
裕美の車で霧ヶ峰高原に行き朝が開けるまで、色々な鳥をみた。向こうに帰ったら、やってみようかな。けど変な妖怪や鳥が出てきそう。バードウオッチングを終えたついでに薬草集めを始める事にした
「これちがう?」
「ごめん、ちがう」
そう簡単には見つからない。高校の時に聞いた話だと薬草は繊細だから人が入らない土地の方が見つけやすいが、人が居る土地でもあるけど見つけにくいとのことだ。
「見つけた」
「うん、あたり」
苦労して見つける楽しさ、たわいのない話で盛り上がる。変わった遊びである、・・・・・買い物等も好きだけど。
「時間、何時まで平気?」
「一応、お昼までかな」
「わかった」

守屋神社
朝食を食べ終えて今、神社上空で僕と神奈子様との間で弾幕勝負を行っている。暇が理由とのことだが。
「亡穀アンリメンバードクロップ」
神奈子様から放たれた緑と赤の粒的な弾幕が迫ってくる、あらかじめ幅を決めておき、その幅いっぱいを使いしかも上下3段でだ。
「かなり、掠りっているな」
ヘルメット内に表示されているデーターを読みシールドにかすりを示す数値がかなり高い、高機動で回避を行うのではなく弾幕の動きを読んでわずかな動きで対処してため。
「残りのダミーお札は2枚か」
残機というか、戦闘継続用の2枚のみ。選択肢として、自分のスペルを使う、じりじりと粘り勝ちにいくかどちらかだ。
「回避しているだけじゃ、つまんないね少しは攻撃しないの?」
遊び足りないうえに、挑発も含まれているようだ
「やるか、希望「剣鈴」」
自分のスペルを展開、エネルギー状の剣で神奈子様の弾幕を割き道を作るだが効果が低く途中で新たな弾幕に突っ込みお札を一枚消費してしまうが、真正面に着く事ができた。
「漢符(ロマン)「仁王」」
この勝負を行う前に新しく作った、超一撃必殺のスペルを発動する。腕に2本の杭状の形になったエネルギーの塊が作られる。すべての物を破壊できるような強力なプレッシャーを放っている。手の甲をグウの形にして、放てるようにする。1,2
「甘いわよ」
3!高エネルギーの塊が放たれたが、ひょい
「えっ、・・・しまった」
タイミング良く回避された、ブンと杭はすでに出ている、ここなら外さない距離と考えていた距離なのに、
「えい♡」
ゴットデコピンを食らい、ラス1、そのまま態勢を立て直す前に弾幕の濃い所にながされてアウト。
「まだまだね」
某庭球の王子のセリフをさらりと言われた
「うわ~」
ピッチューンと自分がやられたことを表す、ブザーとヘルメット内にやられたことを示す文字が流れる。
「あいてて」
エネルギーの塊に思いっきりぶつかり、体にちょっとした痛みが走っている。原付で自己を起して吹っ飛んだ時よりは軽いが。
「おうおう、大丈夫か?」
「なんとか」
神奈子様が心配をなさってこちらに来た、すでに弾幕は消えているこっちもヘルメットを上げて答える。
「しかし、最後は惜しかったな」
「ええまあ」
漢符「仁王」アーマー0コア3以降の超必殺的な装備の名前と能力を拝借したもので、2回相手に当たれば確実に撃破できる能力を持っているが、その威力と引き換えに近接戦でしか使えず、そして当てにくいのと独特の間があり扱いにくい武器でも有る。スペルとしてはもちろんこの当てにくいという所を継承し、正面のみで接近しないと効果は出ず、しかし相手のスペルカードを一当で2枚削ることが可能である。ただし、当ればの話である。
「超一撃必殺、なかなかしびれるね~」
「閉鎖空間でないと僕は扱えませんけどね」
そのゲームでの自分の実力を言ってみる。
「それでも、扱えるんだからいいじゃん」
「ネットだともっととんでもない人もいるんですけどね」
「難しいが、一撃必殺燃えるね~」
どうやら、向こうの世界に行ってしまったようだ。下から声が聞こえ
「はあ~、いつもの状態になってしまたね」
「そうなんですか?」
呆れたように諏訪子様が言って、思わず地面に下りて確認してしまう。
「うん、あいつ向こうで早苗がゲームしていた時期に自分で買ってきてちゃっかり夜中にやっていたしそれに」
「まだ何かあるんですか」
「勇○者シリーズも一緒に見ていたよ、早苗と暇だから」
「はあ~」
開いた口が塞がらない、暇で見ていたとは、そう言えばあの時間帯は子供たちが帰ってくる時間だし。・・・・神様が普通に暮らしている漫画もあったな。
「琢磨も見てたんでしょ、あのシリーズ」
「ええまあ、今もシリーズ最後の奴はゲームでお世話になってますけど」
「ふ~ん」
この後、神楽殿の縁側に座りお茶を飲みつつとある携帯獣の話になった。(ヘルメットは取っているが機械のスーツを着てお茶を飲んでいるのは、はたから見ればシュールだ。特撮の休憩時間ぽいといえばそう見えるかも。)やっぱ、早苗さんもプレイヤーで映画もアニメも見たそうだ。神奈子様と諏訪子様も。その1作目の映画の話になり
「それで、映画のある場面で泣いてしまって」
断片的に覚えているその場面の話した。オリジナル、クローン、そんなことは関係ない、命は一つであり、それを争うことに意味はない。
「ああ、確かにあの場面ならね、私達は映画館じゃなくて家でビデオ借りて見たんだけど早苗も神奈子も泣いちゃって、私にはなにかぐぐと来たかな」
「へえ~」
「そういえば、初代が流れついていたな、紅のとセットで」
そういい、社務所に入って持ってきたのは本体が白でボタンが黒と紫のド初期の奴だ。
「懐かしい、時代を感じさせますね、持ってもいいですか?」
「はい」
諏訪子様から受け取り、手に持つと自然と遊ぶ時の手の形を作りその重みを感じる。
「琢磨にとっても懐かしいでしょ、それ、遊びたいけど電池がないからね~使えないんだ」
「それは、まあしかたないですよ」
「そうだね」
同意してもらった、
「そうだ」
ふと、思いつき今持っている自分の携帯遊び場を社務所の泊まった部屋から持ちに行き比べてみる。ついでにスーツは脱いで来た。
「これが、今の携帯ゲーム機です」
「へえ~こんなに薄くて軽いんだ、今のゲーム機は」
「ええまあ、3Dも十分に使えますし、ネットもできます」
「ネットもそれまた凄いなあ」
なぜか二人してしんみり状態に、20年前に初めて発売された携帯ゲーム機白黒の液晶で乾電池を使う、それが今ではリチウムイオン電池でカラー液晶、鮮明なCGも難なく使える、それだけ時が経ったと言えば、簡単だが言い知れぬ恐怖が体を貫く。
「時代を振り返られる、その気持ちは大切なものよ」
「紫さん」
突如として知っている人の声が聞こえ、空間に線が入り、袋を開ける時と同じようにして開かれた。その真赤な空間から紫さんが出てきた。フレンドリ~な挨拶と共に
「は~い、どうこの世界は楽しんでいる?」
「ええ、まあ」
「ずいぶんと早いわね、まだ10時は過ぎていないけど」
ふと、時計を見ると諏訪子様の言うととおり10時前だった。
「お茶、もらいに来ちゃった」
「じゃあ、湯呑取ってきますね」
そう言い、社務所の台所へ湯呑を取りに行った。そして、向こうから持ってきたというポットでお茶を入れる。
「いい味ね」
紫さんが匂いと味を楽しみ
「いい茶葉を使ってるからですよ」
「そうそう、奉納品で人間の里から来たものだし、早苗が一生懸命信仰を集めようとがんばったからよ」
そう言い、諏訪子様がこの茶葉の出所を教えてくれた。
「へえ~結構頑張っているみたいね」
「まあね、ただ最近は麓の新しいお寺のせいで中々集まらないんだけどね」
諏訪子様がちょっと残念そうに言われた。
「そうなんですか」
「そうなのよ」
ずずとタイミング良く3人でお茶を飲む。
「「「ふう~、お茶がおいしい」」」
ことばのタイミングが見事にあってしまい、全員で笑ってしまった。神奈子様といえば何時の間にか下りて、筆で某ロボットゲームの仮想搭載兵器を書いていた、設定画並みに、細かく。


薬草集めに区切りをつけ、霧ケ峰高原をから降りてきて湖の畔にある美術館へ来ている。目的はここのランチ、味噌天丼を食べるためにだ。
「いつのまに、これが名物になったの」
「ここ最近かな、イベントで募集されて見事これがグランプリを取ったわけ」
「へえ~」
とりあえず、食べてみる。さすが、信州味噌をつかってあるだけにたれがご飯にあって美味しく、上に乗っている天ぷら季節ものと名物のワカサギの味も。
「なかなか、おいしいわね」
「そうでしょ」
デザート(?)の豆腐も食べ終えて、展示品を見て帰路についた。実家の前で車から降りて
「それじゃあね、早苗」
「うん、裕美も元気で」
ふと寂しさがこみ上げてきた。それが顔にも出てたのか、
「元気だしなよ早苗、長い人生また会えるさ」
「そうだね」
ちょっと元気が湧いた。
「妙薬は自分で作る物頑張りなさい」
懐かしい、決まり文句を言ってくれた。
「ありがとう」
彼女の車を見送る、さて帰りの準備をしないと

「ごちそうさまでした」
お昼御飯を社務所でもらい
「さすが、料理人ね美味しかったわ」
「はい、お粗末さまでした」
お梅さんの料理を紫さんと共に食べた。
「それで、これで琢磨は帰るんだろ」
神奈子さまにそう言われ、
「そうですね」
「残念だね、もう少しいてもよかったんじゃない」
「彼は勉強の合間を縫ってきているから」
諏訪子様は残念がり、紫さんが、僕がここいる事ができない理由を話してくれた。
「また来たいんですけどね、・・・・・紫さんだめですか?」
駄目もとで聞いてみた。
「そうね、私の気が向いた時か霊夢の方で手伝いが必要な時があれば呼ぶかもしれないね」
「その時はお願いします」
素直に感想を言った。またここに来られる機会を得られるかもしれない喜びとともに。
「その時は家にも顔だしな」
「そうそう」
神奈子様も諏訪子様もどこか嬉しそうだ。

一休みし、すでに帰りの準備はしてあり荷物は地面の上に置いた。
「それでは、ごちそうさまでした」
鳥居の所で感謝の言葉を述べる。
「また、遊びにこいよ」
「まってるから」
「今度は私の家の掃除も手伝ってくれるかしら」
上から、神奈子様、諏訪子様、お梅さんの順に
「ええ、またこれる機会があれば、お手伝いします」
お辞儀をした
「それじゃあ、神奈子また後で」
「ああそうだな」
紫さんと神奈子様が何か話しているが気にしない事にした。紫さんがスキマを開き入って行った。
「それでは、お世話になりました」
もう一回、お辞儀をして荷物を背負い僕もスキマに入って行った。
「いちゃったね」
「そうだな」
「良い子でしたね」
しんみりとしつつも何か、温かい物が心を揺らす。
「さて、早苗の方はどうかな」


紫さんにまたも手を握ってもらいつつスキマを抜けたら、カフェ三笠の休憩室出た、たった、2泊3日なのになんか懐かしさを感じてしまう。それほど濃密な時間を過ごしたという事か
「それじゃあ、塚越君」
「はい、早苗さんのお迎えでしたね」
「そう、疲れている所悪いけど頑張ってね」
「はい」
荷物を置き、マスターに帰って来た事を報告して、車のキーを借りた。
「さて、行きますか」
エンジンに火を入れて、十分暖機してからガレージを出た。途中のコンビニで赤牛とチョコ黒雷を買って。

「お世話になりました」
「おいおい、家族にそれはないよ」
「そうよ、家族なんだし」
帰る準備を終えて、居間で両親に挨拶をしていた。
「また、帰ってこれる時があれば何時でも歓迎するから」
「そうよ、まってるわ」
「お父さん、お母さん」
涙がこみ上げ、両親に抱きしめられた。

「それじゃあ、行くね」
「ああ」
「また何時でも、待ってるから」
「うん」
我が家を出たて家を見上げた、ふと寂しさがこみ上げるがそれらを振り切って琢磨君が待つ秋宮前にあるお店の駐車場に向かった。

秋宮が目の前にある店で、赤牛を飲み干しタバコを一服、きどって吹かす。口から紫煙を空に流し、その漂う煙に幻想郷での3日間に思いをはせる。やっぱ宴会の事しか出て来なかった。
「また、一緒に飲みたいな」
「お待たせしました」
早苗さんが来たので、急いでタバコを消した。
「ああ、どうだった?」
「ええ、色々と片付きました」
ニッコリ笑顔で返された、何か吹っ切れたような表情で。
「そうなんだ」
「そちらは?」
「こっちもなかなかおもしろかった」
率直な感想を言った。
「良かったです、そう言えばタバコ吸われるのですか?」
「詰まった時用にね、吹かし程度だけど、もしかしてタバコのにおいは嫌い?」
「いいえ、神社の集まり等のお手伝いで慣れているので」
「そうなんだ、それじゃあ車に乗って」
「はい」

帰り車の中は、それぞれの話で盛り上がった。BGMはユーミンのやさしに包まれたならと優しい旋律のピアノメドレー。

カフェ三笠
「それじゃあ、これで」
「「またのお越しをお待ちしています」」
マスターと僕の声がはもる。
「ありがとうございました」
「また来るね」
紫さんが開けたスキマに二人が入って行く。それを見送った。

「塚越、紫さんからの預かりものだ」
「はい」
それを受け取り、休憩室で開けた。手紙と栄養ドリンクと給料が入っていた。手紙はねぎらいと今度の買い物を楽しみにしている事が書いてあり、栄養ドリンクについては泳琳という人の特製の物で、かなり強力と書いてあった。有効栄養期限は一カ月のため、
「今は平気だから、実習が終わったら飲もう」
後で飲むことにした。さて、帰るか。今いるアパートに、小さいけど自分だけの城。


帰って来た幻想郷、何にも感情が湧かなかったけど、清々しい空気に気持ちが落ち着いた。
「ただいま帰りました」
「「おかえり、早苗」」
二柱は何時ものように迎えてくれた。
あとがき
ここまで長くなるとは、思いませんでした。お待ちしていた方にはこんなに待たせてすみませんでした。以前、思いつき一気に書くと言いましたが実際は何度も悩んでつっかえていました。今、ここで書き終えて、自分でもまだこの続きを書いたい気持ちで一杯です。書き終えてもまだ、何か書き足せそうで恐いのですが、自分で決めた終末を迎えたのでこの話はここで終わりです。お付き合いいただきありがとうございました。


おまけクーインアウトレットにて
「紫さん、これは恥ずかしすぎです」
「いいじゃん、手を繋いでくれるって言ったんだし」
おそろいの服で紫さんと手を繋ぎ
「いいわね、紫」
「そうね」
「同感」
泳琳さん、幽々子さん、神奈子様がぼやいていた。

おまけ2早苗の部屋
「あっ、ホットケーキ小麦粉でも作れたんだ」
料理の参考用に持ってきた中学と高校で使った家庭科の教科書を見て、あっけにとらわれた。
「まいっか、こっちの方がおいしいし」
それでもって、おやつを作りに行くホットケーキを。


           まだ道半ば、前に向かってゆこうゆっくりでも確実に
豊香
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