本作品は作品集109『寅の叫び声』
http://coolier.sytes.net:8080/sosowa/ssw_l/?mode=read&key=1271579428&log=109
の続編となっております。
ちなみに前回完結とか書いていますが、気にしないでください。勢い余って書いてしまいました。
一応前回あらすじ : why todayにナズ星ちゅっちゅで二名様お部屋にご案内ー
よくわからなければ前作をお読みください。
それではどうぞ
↓
「――ご主人、行こうか。」
私はナズーリンに手を引かれ、俯きながら無言で廊下を歩いています。
しかし無言と言っても決して沈痛なものではありません。
静寂な廊下に響くナズーリンの小さな歩幅から発せられる柔らかい足音からはなんとも言えない幸せを感じられます。
繋いだ小さな手は柔らかく暖かで、指先からも微かに鼓動を感じられ、耳を澄ませば鼓動すら聞こえてくるようでした。
そんな心地良い沈黙の中、私たちは歩いていました。
そして部屋の前で立ち止まるとナズーリンが扉に手を掛けました。
そのドアにはチーズを模った木の札が掛かっています。
そこにはある文字が書かれていました。
『ナズーリンの部屋』
ナズーリンの部屋へと私たちはやってきました。
命蓮寺は寺院ですので部屋の仕切りは襖や障子になっています。
自由に間仕切りができて便利ではありますが、住むにあたってそれではプライベートなどあって無い様なものです。
そのため、居住区には壁とドアを用いた造りになっています。多少の防音対策も施されています。
正直私もナズーリンの部屋に入るのは初めてのことです。
やはり間柄、ナズーリンと接するのは私が一番多いわけですが、仕事以外でナズーリンと一緒に居るのは主に居間や食堂など共有区域です。
実はプライベートではほとんど一緒に居ることがありません。
普段私と一緒に居ることで色々気苦労が多いと思いますので、せめて一人の時間では安らげるようにと配慮しているつもりです。
……私はこれでも少しは自覚しているのですよ?
部屋に入った瞬間、何やらふんわりと柔らかく甘い香りが鼻腔をくすぐります。
甘ったるい香水のような嫌な香りではなく、ナズーリン自身の持つ香りでしょうか。
初めてナズーリンの部屋に入るということもあって、妙にどきどきしてしまいます。
部屋に入った瞬間の印象は全体的に明るいということです。壁も派手ではないものの明るめの壁紙が張られています。
ずいぶん広い……わけではないですね。皆と同じ広さです。
明る目の色合いと先に入ったナズーリンの小さい体のせいもあってか、私の部屋と比べて遥かに広く見えたようです。
ドアを開けて正面奥のベッドが目に入りました。
ベッドの布団は淡いピンクの色合いで、ネコさんの絵が沢山散りばめられて可愛らしいです。
枕元には虎柄のような猫みたいな何とも愛嬌のあるぬいぐるみがちょこんと座っています。
心なしか私の衣装に似ているのは気のせいでしょうか。
ふと右に目をやると机が置かれています。
こちらは作業をするためでしょうか。上にはダウジングのための道具やら私にはよくわからない小物が置かれています。
机の上の本立てには少し難しそうな本も何冊か立てられていますね。
――そこから上に目を向けたところで私は顔から火が出る思いになりました。
机の前の壁には見覚えのあるものがあったのです。
それは、聖を解放したとき記念に皆で撮影した写真。
それだけなら私も自分の部屋に張ってあるのですが。
その隣には私の写真が張ってあったのです。
どうやら私の写っている部分を大きく引き伸ばしたようです。
それはまるで実際の私と同じような大きさで。
――そして椅子に座るとちょうど向かい合うような位置に。
私が横を向いたままぼうっとしているのに気づいたのでしょうか。
ナズーリンが恥ずかしさを誤魔化すかの様に慌てて言いました。
「――ご、ご主人。いつまでも立ってるのもなんだしとりあえず座ろうか。」
そう急かすナズーリンはベッドの端に座りました。
私も満面の笑顔の写真というのは本人が見ていると結構恥ずかしいものです。
「そ、そうですね。では私も失礼して。」
私もこのままでは恥ずかしさに耐え切れないので言葉に甘えることにします。
よいしょっと。
私が座るとナズーリンと向かい合わせになり、私と目が合ったナズーリンがにっこりと微笑みました。
「あだだだだだだだだだ」
直後鼻に激痛が走ります! 何ですか一体!
何か黒いものが突然目の前をよぎり、それが鼻の穴に挿されました。
瞬間的に目を瞑ってしまいそれが何かわかりませんでした。
涙でにじむ目を開けると何か目前に黒いものが上に伸びていきます。
それを目で追っていくと頭上で折れ曲がって、ナズーリンの両手に行き着いていました。
ダウジングロッドで鼻を吊り上げられていたのです。
ベッドに座ったままノーモーションで。全く見えませんでした。
「な、に、を、して、る、ん、だい?」
そう言いながらぐりぐりしてきます。とっても素敵な笑顔で。
「ナズーリン! いきなり何をするんですか?! 急にそんなの入れないでください!」
突然の非道にたまらず抗議の声を上げます。
それはそうと直角に曲がってるダウジングロッドを正面から鼻に突っ込むって難しくないですか? 距離感とか。
それもダブルで。いや、今そんなことはどうでもいいんです。
「痛いですから! そんな動かさないでください!」
「ほらほら、こんな物分りの悪いご主人にはお仕置きし、ない、とね。」
ぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐりぐり。
右のロッドを上上下下左右左右。左も一拍遅れて上上下下左右左右。
違うタイミングで同じ動きをさせるって器用ですよね。いや、さすがナズーリン。
って、だから今そんなことはどうでもいいんです!!
動かされるたびに悲鳴とも喘ぎ声とも言えない声が漏れてしまいます。
「やぁ! お願いれす! 抜いてくらさい! ひょんな奥に入れないれ! さけちゃいまふ!」
「ほらほら、そんなに暴れない。余計に痛くなるよ?」
「そんにゃ無茶な!!」
何とか抜こうと必死に抵抗しますが、片方を抜こうとするともう片方が引っ張りあげられ、良い様に邪魔をされてしまいます。
必死に顔を振り回してやっと抜けました。
私は息も絶え絶えです。
「あーあ。抜けちゃった。」
助かりました。私は涙目で鼻をさすります。
「あーほら、見なよ。こんなにベトベトにしちゃってー。」
鼻水にまみれたダウジングロッドを私の眼前に近づけられました。
「いや! ナズーリン! そんなの見せないでください! 近づけないで!」
「自分で出したものだろう? ほら、こんなにしちゃって……駄目じゃないか。こんな粗相をしちゃ?」
私の目の前で二本のダウジングロッドを付けたり離したりを繰り返します。
そのたびに粘着質な音を立てて糸を引きます。
「そ、それは仕方ないじゃないですか……ナズーリンがいけないんですよ。こんなことされたんじゃ……」
「私のせいだっていうのかい? ご主人が自分でこんなにしたんじゃないか。」
ダウジングロッドを引っ込めると私に向かって言いました。
「ご主人、ほら、机の上にティッシュがあるだろ? それ取ってくれないか。」
ああ、これですか。わかりました。
机の上にあるティッシュをナズーリンに手渡すと数枚取り、ロッドの先を拭き取りました。
「あーあ、ご主人もこんなにベトベトにしちゃって。私が拭いてあげるよ。」
そう言うとナズーリンは私のほうに迫りました。
「いいですよ! それぐらい自分で拭けますから!」
「私のせいでこんなにしちゃったんだろう? いいから大人しくしてなよ。」
ナズーリンは新しいティッシュを取ると、優しく鼻を拭いてくれました。
「あー。涙どころか涎まで垂らしちゃって。全く締りがないな。」
酷っ!!
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「さて、ご主人……なぜこんなことになったのか解っているよね?」
ティッシュを丸めてゴミ箱に放り込むと、ナズーリンは私を見据えて不機嫌そうにそう言ういました。
(え……?) 私はナズーリンの言うとおりにしただけなのですが、思い起してみてもさっぱりわかりません。
人の部屋の中をキョロキョロ見回していたのがいけなかったのでしょうか……でもそんなことじゃないですよね。
「――ごめんなさい。解りません。教えてくださいナズーリン……」
私は知らずのうちにナズーリンを怒らせてしまったことにすっかり消沈してしまいました。
ナズーリンは一瞬やれやれといった顔をするも、すぐに仏頂面に戻ると自身の右側と私とを交互に見ながら右手をひらひらさせました。
(え?)
私が不思議そうな顔をしていると「ぼふぼふ」とベッドを叩き出しました。
ナズーリンが一段と不機嫌な顔になってきます。
あ……私はようやく気づいて椅子から腰を浮かせました。
ナズーリンの顔が少しほころびました。
(最初からそういってくれればいいのに……)
村紗船長のベッドより少し柔らかいのか、それとも私とナズーリンの体格が違いすぎたのか、
私がナズーリンの隣に座ると大きく沈みました。
踏ん張りが効かなくなったナズーリンはそのままこてんと私に倒れ込んできました。
――結果できたのは膝枕。
「……」
「……」
しばしの沈黙。
座ったまま倒れてきたので、ナズーリンは私に背を向けた状態です。
私からは顔が見えませんが、ほっぺが真っ赤になってます。
ナズーリンは想定外だったようで、座った姿勢のまま硬直してしまい、足を浮かせたままスリッパの裏が壁の方を向いています。
その姿に私は無意識のうちに三角巾越しに優しく髪を撫でていました。
ナズーリンの緊張を解きほぐすように、そっと。
突然耳に感じた感触にビクッと緊張したみたいですが、撫でるたびに強張っていたような体も徐々に力が抜けてきました。
足も床に着けて私にされるがままになっています。
撫でながらも言葉を紡ぎます。
「ナズーリン、いつもありがとうございます。こんな情けない主人に仕えていただいて感謝しています。せめて今日はナズーリンの為に色々してあげたいと思います。」
今日といってももうあまり時間はありませんけどね。
あはは、と笑いながらそう言いましたが、
「ご主人は……」
顔を伏せたままナズーリンがぽつりと呟きます。
「ご主人は本当に鈍感だしうっかりだし。」
う……心が痛いです。
「残念だし大事なところで何かしらやらかすし。」
「あ……あはは……返す言葉もないです……」
「本当に私が居なければ今頃どうなってたことやら。」
流石に自覚はしてますが、そこまではっきり言われてしまうと少し悲しいです……
「だから……」
一度言葉を区切ります。
「だから一生私が付いていないと駄目なんだよな。ご主人は。」
ナズーリンは無言のままもそりと身をよじらせると、太股の間に顔を埋もれさせてしまいました。
そして突っ伏したままギュッと私の服の裾を握り締めてきました。
「ナズーリン……ありがとうございます。」
それきり二人とも黙ってしまいました。
頭を撫でるさわさわとした心地よい音だけが部屋に響きます。
「…………ん」
静寂を破るようにナズーリンが小さくつぶやきました。
「何ですか、ナズーリン……」
突然だったのと顔を埋めてくぐもった声だったこともあってよく聞き取れませんでした。
「ご主人……」
今度は少し顔を起してちゃんと言ってくれました。
「どうしましたか?」
再び返事を返します。
「クッキー。食べさせてくれないか? 今日は何でもしてくれるんだろう?」
「はいはい。わかりました。少々お待ちを。」
私はベッドの端に置いてあるクッキーの入った袋に手を伸ばします。
巾着のような口を緩めると甘い香りが立ち昇ります。
その中から一つを手に取ります。
「はい、ナズーリン、喉につかえちゃいますよ。起きてください。」
ナズーリンは顔を上げると私を見てふるふると首を振りました。
ああ、わかりました。このままでですか? 詰まらせないように気をつけてくださいね。
欠片を零さないように気をつけながら、クッキーを摘んだ手をナズーリンの口元に差し伸べるとぎゅうっと脛の辺りを摘まれました。
痛みに抗議しようとナズーリンを見れば、眉を顰めてぷくっと膨らませた頬をふるふると振ります。
「あうう……わかりましたよぅ……」
流石に鈍感と言われた私でもナズーリンの意図はわかってましたよ。でも私も結構恥ずかしいんですからね。
待ってるほうは目を瞑っていられますけど、する側はギリギリまで見てないといけないんですから。
目を瞑ったままで鼻に突っ込んじゃいけませんし。
私は意を決してクッキーを半分ほどを唇で挟むと、目を瞑ったナズーリンに顔を近づけます。
ですが、上半身を曲げて行くにつれて私の体勢がだんだん苦しくなってきました。
このままでは届かせるのは難しいです。
そっとナズーリンの背中に右手を差し入れ、少しだけ抱き上げるようにします。
――ああ、本当に軽いです。小さいです。私の手にほんの少しだけ余るような、そんな小さな背中。
全然重さを感じません。こんな小さい体で毎日私の為に奔走してくれていたのですか。
そう思ったら急に愛おしくなってしまい、思わず左手を上から回してナズーリンの体を抱き抱えてしまいました。
そのあまりの腰の細さに私は壊してしまいそうで怖くもなりました。
ナズーリンは不意に襲われた感覚に一瞬だけ強張りましたが、すぐに私の腕に体を預けてきました。
あと少しでクッキーが届きそうです。
微かにナズーリンの唇にクッキーが触れました。
それを察知したのか、キュッと結ばれていた小さな唇が緩められ、微かに白い歯が覗きました。
その隙間へクッキーを優しく差し入れると、はむはむと可愛らしく唇を動かして少しずつ咥え込んでいきます。
普段の姿から考えられない可愛い姿に私は思わず胸が高鳴り、顔に熱を帯びていくのがわかります。
もう近すぎてナズーリンの顔がぼやけてよく見えません。私も目を閉じて少しずつ頭を下げていきます。
不意にふわっと暖かく、しっとりとした優しい感触が私の唇を包み込みました。
それと同時に私の腰周りに心地よい圧迫感を感じました。
ナズーリンも私に抱きついてきたのです。
暫くそのままクッキーを齧ることなく、お互いの体温を感じ合うかの様にじっとしています。
咥えた感じではサクサクした食感だと思われますが、徐々に表面が柔らかくなってきました。
と突然、今度は私の唇とクッキーとの間に何やら温かくて柔らかいものが差し込まれ、私の中で動き回って来ました。
私は舌に感じた初めての感覚にびっくりしてしまい、思わず引っ込めてしまいました。
そしてそのままクッキーを奪い取られてしまいました。
「ナズーリン、何をするんですか……そのクッキーは私の為に作ってくれたんじゃないんですか? もう……」
私は恥ずかしさを誤魔化すように少し抗議してみますが、ナズーリンは私の腰をギュッと抱きかかえてお腹に顔を埋めたままで顔は見えません。
そのまま小動物のように可愛らしく咀嚼しています。顔は見えませんがほっぺは真っ赤になってます。
その姿を見て私は思わず頬が緩んでしまいました。
そのまま食べ終わるまで優しく頭を撫でていると、三角巾が取れてしまいました。私に頭を擦り付けていたせいで緩んでいたようです。
「あ……取れちゃった……」
小さくナズーリンが声を上げ顔を上げました。
ナズーリンが付け直そうと手を伸ばしたのを見て思いました。
――やっぱりスカーフとして教えてあげましょう。
もしかするとナズーリンを辱めることになるかもしれない。でも、他の人の前で恥などかかせたくありません。
私は思い切って言うことにしました。
「ナズーリン。私の贈ったこれなんですが、実はスカーフなんですよ。村紗船長がしているでしょう? あれと同じように首に巻くものなんです。私の説明が足りなかったようですね。ごめんなさい。」
私はスカーフを広げながらそう言いました。すると、ナズーリンは再び私のお腹に顔を埋めながら首を振りました。
「ご主人……いいんだ。本当は私もそんな気はしてたんだけど、スカーフなんか結んだことなくて……」
そこで一旦言葉を切ると、更に顔を押し付けながら言いました。
「それで、ご主人にだけは私の見っとも無い姿なんか見せたくなくて、あれで咄嗟に誤魔化したんだ。ごめん。せっかくのプレゼントだったのに……」
――そうだったのですか。
ナズーリンは常に冷静で気丈な姿しか見たことがありません。
もしかして本当のナズーリンはもっと見た目相応の弱い女の子なのかもしれません。
私の威厳を損なわないよう従者として常に気を張っていたということですか……
「いいんですよ。ナズーリンがしっかりしているのは命蓮寺の誰もが知っていることです。でも、せめて私と二人で居るときぐらいは肩の力を抜いてもいいんですよ。」
私の服が握り締められます。
「――私だけにはナズーリンの素の姿を見せてください。私はナズーリンの全てを知りたいんです。」
「――ありがとう。ご主人……」
再びギュッと腰を抱きしめられると、私のお腹の辺りに少し濡れたような感触がありました。
そうして暫くの間私はそのままナズーリンの髪を撫でていました。
「ご主人。良かったら私に結び方を教えてくれないかな?」
突然顔を上げたナズーリンがそう切り出してきました。
「ええ、お安い御用ですよ。もしかして私がナズーリンの役に立てるって初めてじゃないですかね? あはは。」
そんなことないさ、と言うナズーリンを起こして肩を並べるように座らせました。
並んで座って改めて思いました。私よりも頭一つ小さいです。
練習の末、自分で結ぶのも結んであげることもできるようになりましたが、教えるとなるといささか不安です。
大口を叩いておいて手こずるのも恥ずかしいですしね。
一番いいのは私と同じ向き、同じ視線でするのが間違いないのですが……
そうだ!
私はナズーリンの膝の裏と脇にそれぞれ手を差し入れると、ひょいっと私の膝の上に乗せました。
「あわわわわわわわわわあ! 何をするんだご主人!!」
「暴れないでくださいナズーリン、教えるのにはこうするのが一番簡単なんですよ!」
私が後ろから抱きかかえるようにして膝の上に座らせたナズーリン。
思ったとおりです。
ちょうど二人の頭の位置が同じになって、自分で結ぶのと同じような感覚で教えることができます。
「ご主人。少しくすぐったいんだが。」
そう言うとナズーリンが身をよじります。
私の顔の前にナズーリンの後頭部があります。
ナズーリンの髪が規則的に揺れています。
私の鼻息がナズーリンのうなじに掛かっているのですね。
私もそのままでは前が見づらいですから、もう一度持ち上げ左足の上に跨らせるように座らせます。
「ほら、こうすれば一緒に出来ますよ。」
そう言いながらナズーリンの肩に顎を乗っけて後ろから両手を取ります。
細くてもふわふわ柔らかで、とっても温かいです。私の手にすっぽりと収まってしまいます。
傍から見るとまるで母子が遊んでいるかの様に見えることでしょう。
観念したのかナズーリンはすっかり大人しくなっています。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「いいですか。―――これを―――こうして、ほら、できました。」
私はナズーリンの手をとり、一つ一つ手順を説明します。
「うん。やり方はわかったよ。今度は自分でやってみるよ。」
一度緩めて今度はナズーリンが一人でやってみます。
私は邪魔にならないように頭を引っ込めます。でも一度試しただけで出来るのでしょうか?
「――できた。」
その声に私は肩越しに顔を伸ばし、スカーフの具合を見てみます。
「すごい、ちゃんと出来てるじゃないですか!」
時々つっかえたようでしたが、一度やり方を見ただけでもう出来るようになっています。流石はナズーリン、器用なものです。
「一度やっただけで出来るなんて凄いです! 私なんて何刻もかかったのに……」
「いやそれはご主……いや、なんでもない。ご主人の教え方が良かったからだよ。」
「そんなことありませんよ。ナズーリンが上手なんです。」
私がナズーリンのほうを向いてそう言った瞬間、ナズーリンも私の方を向きました。
顔いっぱいに広がるナズーリンの顔。不意に襲われた唇の感触。みるみる見開かれる目。
「ふみゃあぁ!」
奇声を上げたナズーリンが慌てて飛び避けてしまいます。
両足を前に跳ね上げて完全にバランスを崩しました。
危ない! 落ちてしまいます! とっさに腰の辺りをキュッと抱きかかえます。
「ちょ、こら、何をするんだ! でひゃひゃひゃひゃ!」
「ああ、暴れないでください! 落っこちちゃいます!」
半分落ちかけたナズーリンを引き上げましたが、身をよじって私の手から逃れようとします。
暴れれば暴れるほど落とすまいと私もわき腹を持つ手に力が入ります。
「だからその手を離せって!」
「おとなしくしてくださいナズーリン! 落ちちゃいますよ!」
私は手の入れた力を緩めましたが、身をよじったせいでまた脇腹に指が食い込みました。
「う、ぐぁひゃひゃひゃ! わかったから落ちないからわき腹揉むの止めろ!!」
私の眼前でナズーリンの頭が激しく動きます。
ナズーリンの髪の毛が私の鼻をつんつんくすぐります。
ちょっと、そ、それ以上動かれると……
「びぇっしゃもん!!!!!」
そして私は意識を失いました。
気が付くと一面の板張りが目に入りました。天井、でしょうか?
周りが柔らかい。これは……布団ですね。でもこのベッドは私のではないですね……
なぜ私は知らないベッドで大の字で寝ているのでしょう……
一体何が起こったんでしょう……思い出そうとすると、突然頭痛がしました。
あいたたた……おでこが痛いです……
痛む頭を必死に空回りさせて飛んだ記憶を探っていきます。
――そうだ、私はナズーリンにスカーフの結び方を教えて、振り向きざまにキスしてしまって、慌てたナズーリンを押さえたら暴れだして……
鼻に刺激を受けた私は顔を背ける間もなく盛大にくしゃみをぶちかましてしまったのです。
さっきのロッド攻撃のせいで鼻が敏感になってたみたいです。
でも、なんでこんなに頭が痛いのでしょうか。ナズーリンに聞いてみましょう。
!!――ナズーリン!!
そうだ!! ナズーリンは一体どこに!!
慌てて跳ね起きると、視線の先にはナズーリンが居ました。
――床にうつ伏せに倒れて。
ベッドからは遠く離れた場所でナズーリンは倒れていました。
私のこの頭の痛みはまさか……
最悪の事態が脳裏をよぎります。
私が額なのに気を失うほどです。それを後頭部に受けたナズーリンは一体どれだけの衝撃だったのでしょう。
ベッドから遥かに飛ばされて倒れているのがそれを物語っています。
私はナズーリンのもとへ駆け寄ります。
「あ……ナ、ナズーリン……大丈夫ですか?」
反応がありません。
もう一度声をかけてみます。
「ナズーリン?……」
沈黙が部屋の中を支配します。
「ねえ、また。私をからかっているんでしょう?」
ナズーリンの肩をゆすりますが、ピクリとも動きません。
「ほら、ナズーリン、早く起きないと捲っちゃいますよー。」
傍らに転がったダウジングロッドを拾い上げ、そっとスカートの穴に引っ掛けます。
小声で囁くとちょっとずつスカートを捲りあげていきます。
普段だったら直ぐに飛び起きて私の脛を蹴り上げてくるはずです。
「……」
ねえ、どうしたんですか? いつものように怒ってくださいよー。
「……」
「ん……」
ナズーリンが微かに呻きました。
よかった! 気が付きましたか! しかし尚も苦しそうです。
「ッ…… ひ、聖を……」
「聖ですね! わかりました! すぐ助けを呼んできます!」
私は慌てて部屋を飛び出しました。
「聖!!」
「どうしたのですか星! 騒々しいですよ。」
突然ドアを開けると机に向かって何か物書きをしている聖が居ました。
私が聖に向かって進むと慌てて書面を隠そうとしていましたが、そんな聖の手を掴み上げます。
「あ、しょ、星、あのね、これは違うのよ。経典よ、経典。」
何故かうろたえた聖に構わず、引っ張っていきます。
「何処へ行くんですか星。何があったんですか。」
「大変なんです! ナズーリンが! ナズーリンが……!」
私は言葉が詰まり、それ以上言うことはかないませんでした。
しかし、ただ事ではない私の様子に何かを察したのか聖の表情が引き締まりました。
向かった先はナズーリンの部屋。
そこで私達が見たものは……
部屋の真ん中で倒れたナズーリンの姿が……
「ナズーリン! どうしたのです! ナズーリン! しっかりしなさい!!」
普段のおっとりとした聖からは考えられないほどの叫び声。
反応が無いことを見ると慌てて駆け寄りナズーリンの元に跪きます。
「う……聖……か……水を……」
「わかったわ。水ね。すぐに持ってくるわ。」
「星。あなたはとりあえず水を汲んできなさい。あと洗面器にも水を。それからタオルも。」
私は急いで台所へ駆け込みコップに水を汲みます。
「あ、星。もうすぐご飯できるからねー。……って慌てて何処行くのよ。」
村紗船長の言葉を背に受けながら風呂場へと向かいます。
洗面器に水を張り、タオルを腕に掛け、ナズーリンの元へと向かいます。
慌てて転んでぶちまけないようには注意します。こんなときであるからこそ時間を無駄にはしたくありません。
「聖! ナズーリンはどうですか!」
部屋に飛び込むと、聖は回復魔法か何かでしょうか、ナズーリンに向かって両手を伸ばし術を掛けています。
私は黙ってその様子を見守ります。
聖は術を止めると、ナズーリンの首筋に手を当てました。
「――星。洗面器はいいわ。そちらに置きなさい。それからタオルは私に頂戴。」
しばし目を瞑り指先に集中しているのかのようでした。
やがて手を離し床に伏せて乱れていたナズーリンの髪をそっと手で梳くと私が手渡したタオルを広げました。
それをそっとナズーリンの顔に掛けました。
「聖。何を、するんです?」
私は上ずった声でそう聖に問いかけます。
聖はナズーリンの顔にタオルから手を離すと丁寧に合掌しました。
「え? 聖。一体何の真似ですか? 聖?」
私は震えて出てこない声を何とか紡ぎ、再度問いかけます。
聖は何も答えません。
長い合掌を解き、聖は私のほうに向き直ると目を伏せ、ゆっくりと首を横に振りました。
「そ……そんな……まさか……」
床に落としたコップが染みを広げます。
私は染みの中に崩れ落ちました。
「……星。あなたが部屋を出ている間、何が起きたのかナズーリンが話してくれました。」
「あ、そ、……じ、事故なんです……私は、決して、そんなつもりじゃ……」
聖はへたり込んで両手で顔を覆った私の肩に手を置くと優しく諭すように言いました。
「貴女を責めるつもりはありません。仕方の無かったことです。星。貴女は自分の部屋に戻って少し気を落ち着けてきなさい。」
聖に肩を支えられ立ち上がると、ふらつく足を廊下の壁に手をつきつつ何とか私の部屋にたどり着きました。
ベッドへ座らせた私に聖が言いました。
「ナズーリンのことは私に任せなさい。いいですね。それからまだこのことは口外してはだめよ。」
「もう間もなく夕食の時間になります。今日話すのは止めましょう。明日の朝、朝食の後皆が揃ったところで報告しましょう。」
「明日は準備になり、明後日が式になるでしょう。準備は私がしますが、皆にも手伝ってもらうことになるでしょう。」
「――星。いいですね。くれぐれも決して早まった真似だけはしないようにね。」
暗い部屋のドアを閉める直前、聖は私に向かってそう言いました。
私は放心状態のまま、床をじっと見ていました。
「ねーご飯できてるよー! 皆何してんのーー!」
その言葉で私は我に返りました。
村紗船長が廊下を歩いてこちらに近づいてきているのがわかります。
まずい、このままナズーリンの部屋を開けられたら……!
「あ、村紗船長。ご飯ですね。すぐに行きますよ。皆は私が呼んできますから準備しててください。」
「そう、よろしくね。早くしてねー。」
精一杯平気な振りをして村紗船長に返事をすると、私は聖の部屋へ向かいました。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「皆遅くなってごめんなさい。じゃあ頂きましょうか。」
「ねえ、ナズーリンはどうしたの? せっかく今日はあの子の好きなカレーにしたって言うのに。」
「今日はって、あんたの食事当番はいつもカレーじゃないのよ。まあ美味しいからいいんだけどね。」
「そうだっけ? まあ細かいことはいいじゃない一輪。星だってカレー好きでしょ?」
そう聞いてきた村紗の声に私は咄嗟に何と返したらいいのかわからず、黙ってしまいました。
「ナズーリンはまた星の探し物のため、先ほど飛び出していってしまったの。今日は帰ってこないと思うわ。」
私の横から聖がフォローします。
「もー。さっきから浮かない顔して食べてたと思ったらそういうことだったのね。今更星の無くし物ぐらいで驚きはしないから素直にそう言いなさいよ。」
「はい……」
しかし私は決して失くしてはいけないものを亡くしてしまいました……
「せめてご飯ぐらい食べてからにすればいいのに。全く、ナズーリン帰ってきたらちゃんとお礼言っときなさいよ。」
「はい……」
しかし私はもうナズーリンにお礼を言うことはできません……
「本当に星ってばナズーリン居なくなっちゃったら生きて行けるのかしら。ま、そんなこと考える必要もないわよね。」
「はい……」
ナズーリンのいない世界など生きている価値などありません……
「あー、もうハイハイばっかりー。ちょっと聞いてるの?」
俯いてしまった私の背中を村紗船長はバンバン叩いて耳元で囁きます。
(それで、今日はあの後ナズーリンとはどうだったのよ。あとで教えてよね。誰にも言わないから。)
ナズーリンの名前を聞くたびに胸が張り裂けそうになり、私はたまらず席を立ちます。
「ご馳走さまでした。」
「あれー? 今日はおかわりいらないの?」
「今日はあまり食欲がなくて……失礼します。」
カレーの味は全然わかりませんでした。
私は本堂の縁側に座り星空を眺めながらナズーリンのことを思い出していました。
静かな夜です。夜空を見上げていると苦しくも楽しかった日々のことが思い起こされてきます。
「星。ここにいたのですか。」
静寂に溶け込むような透き通った声が響きました。
「聖…… ナズーリンはどこへ?」
「私の部屋です。あの後私の部屋に連れて行き、式の日まで遺体を保存するための術を施しました。」
――遺体。
その言葉を聞かされ、やはりナズーリンは死んでしまったのだと再認識させられました。
「――星。」
「なんでしょうか。」
肩を落とした私に聖が言いました。
「星。起きてしまったことは仕方ありません。悲しいですが、明日からはやらねばならないことが沢山あります。」
「ナズーリンの為にもせめて最期は主として相応しい姿を見せてあげましょう。」
「ここにいては冷えてしまいますよ。今日はもうお休みなさい。明日皆にどう報告するかも考えておいてくださいね。」
聖の言葉に促され、私は部屋に戻ることにしました。とても眠るような気分ではありませんが明日一輪達にどう報告すればいいのか考えなければなりません。
私は灯りを落とすと、微かに射し込む月明かりを頼りに布団へともぐり込もうとしました。
ベッドの上に上がり、布団の中に足を入れようと思いました。
とその時!! 突然布団の奥から何かが伸び、足首を掴まれました!
「ひいぃっ!!」
突然襲われた感触に驚き、布団を捲くって奥を見ると闇の中で二つの眼光が光ります!
「うらめしや~~」
「そ、その声はナズーリン! 生きていたんですか!!」
喜びのあまりそう叫びましたが、様子が違います。
足を掴んでいるその手はとても冷たく、足首を握り潰されんばかりの凄まじい力で掴んでいます。
普段のナズーリンからは考えられないほどの力です。
なんとか逃れようと残った足を踏ん張ろうと伸ばしたところ、そちらの足も掴まれました。
私は必死にもがきますが、掴まれた両足は微動だにしません。
「助けて!」
必死にシーツを掴みますが、何の気休めにもなりません。徐々に布団の奥に引きずり込まれます。
そしてついにナズーリンに組み敷かれてしまいました。布団の中は真っ暗で何も見えません。
軽いはずのナズーリンですが、四肢を掴まれた私の体は固まってしまったかのように動きません。
私の両腕を押さえていた手の片方が外され、私の首を掴みました。
「よくもやってくれたな~~! お前も私の墓に一緒に入ってもらおうぞ~~」
やはり幽霊……!
自由になった手で首に掛かった手を外そうと試みますが、やはり異常な力にビクともしません。
私は……ナズーリンに酷いことをしてしまいました。これも報いなのでしょう。
私は覚悟を決めました。
ナズーリンの居ない世界で私だけ生きているなど耐えられません。
それに私もナズーリンに殺されるならば悔いはありません。
ナズーリンと一緒に極楽浄土へ行くというのも悪くないでしょう。
殺し殺されで極楽浄土へ行けるかわかりませんけどね。
でも、ナズーリンと一緒ならばどんな所でも耐えられます。
微笑を浮かべ目を瞑ると、全身の力を抜きました。
私は最期の時を待ちます。
すると、突然唇に柔らかい感触が。
驚きに目を見開くとナズーリンが顔いっぱいにありました。
首から外した手は私を抱きしめ、温かい体温が伝わってきます。
え? 温かい? もしかして……
「ナズーリン! 生きていたのですか!!」
「なんだ、今頃気づいたのか。」
薄闇の中のナズーリンは笑っているようでした。
「あんな恥ずかしい死因じゃ死んでも死に切れないさ。まあ、気も失ってたし、本当に死ぬかと思ったのは確かだけどね。」
じゃあ、本当に生きてる……?
「今だってあんな必死な顔しちゃってさ。笑いを堪えるの大変だったよ。」
「うぅ……ナズーリン! ナズーリン! うぁわあああぁ……」
「ほらほらそんなに泣かない。」
私はナズーリンを抱きしめながらただただ泣きました。
ひとしきり泣いた後、ようやく気持ちが落ち着きました。しかしどうも腑に落ちないことばかりです。
「ナズーリン。いろいろ聞いていいですか?」
「ああ、どうぞ。」
「ナズーリンが死んだと思わせた、あれは聖もグルだったのですか?」
「ご主人が部屋を出て行った後、聖に部屋で起きたことを話したんだ。そしたら『本当に星ったら……少しお仕置きしちゃいましょ♪』って。」
……聖め。純真な毘沙門天代理になんていう事を……
「ナズーリン。なんでこんなに冷たい手をしてたのですか?」
「あらかじめ手足を氷水につけておいて冷やしておいたんだ。死体か幽霊と思わせるためにね。」
わざわざそんな手の込んだことを……
「ナズーリン。なんでこんなに力が強くなっていたのですか?」
「聖が身体強化魔法をかけてくれたからさ。生きた私と思わせないために。」
……ああ、やっぱり。それでこの力に納得しました。
と、今更ながらに私はようやく気づきました。
「あ、あの。ところでナズーリン。なんで裸なんですか!?」
「今日は私の為に色々してくれるってさっき確かに言ったよね?」
言いましたけど! 色々って何ですか?! ていうかそれ理由になってないですよ!?
「ねえナズーリン。さっきから尻尾で掴んでいるそれはなんですか?」
「ダウジングロッドだよ。聖がくれたんだ。」
尻尾の先には普段のダウジングロッドよりも遥かに短い棒?のようなものが握られています。
「それたぶん違いますよね?! 大きさも形も全然違うじゃないですか!」
「いや、使い方は同じだよ。探っていって敏感に反応する場所がポイントになるって聖が言ってた。」
何渡してるんですか聖ーーー!
「ていうかそれ反応するのは本当にロッドなんですか?! ねえ?!」
「女の子同士ですからやっぱりこれが必要ですよね? って言って渡してくれたんだが。」
やっぱりそれロッド違うーーーー!!!
「ねえ、ナズーリン。もしかして身体強化魔法掛けた本当の理由ってもしかして……」
「おおっ! ご主人にしては察しがいいな。『星に任せたらきっとまた肝心なところで何かしでかすわね。やっぱりここはナズちゃんが攻めにならないとダメかしら。』って言って意気揚々と魔法をかけてくれた。」
何してくれやがるんですか聖ーーー!
いやぁ! 助けて! っていうか動けないーーー!!
「だから身体強化魔法掛かってるって言ったじゃないか。あ、この部屋も沈黙の魔法掛けてもらったから。いくら声出しても外には聞こえないよ。」
「声って何の声ですか!! ねえ、ナズーリン!! なんでそんな素敵な笑顔なんですか!! ちょっとナズーリン!!!」
うふふ、打ち合わせどおりみたいね。
――星、明日の皆への結婚発表の挨拶はちゃんと考えておいてくださいね。
さて、明日は私も式の準備で忙しくなるわね。
今日は早く日記に記して眠るとしましょう。
――お幸せにね二人とも。
今日も素敵な一日でした。
ありがとう御座います(何
もう甘くて甘くて読んでる最中砂糖駄々漏れ状態でした。
結婚式には絶対出席します!
ったく、GW終わって道路空いてるからって、飛ばし過ぎなんだよ。暴走し過ぎ!
ん? 後からそんな言い訳されてもねぇ。
そりゃ甘いってもんだ、うん甘い甘い ……甘過ぎるっ!!
はい、これ違反切符。あー、こりゃ一発免停だわ。ご苦労ちゃーん。
……白蓮様が何を書いていたか教えてくれるんだったら見逃すんだけどね?
聖視点が危険ならむこうに投稿すればいいじゃないか。
さあさあ、そっちの方も早く仕上げに入るんだ!(ワキワキ
何度も危ないシーンに冷や汗を掻きましたが、とっても面白かったです!
そして後半、ナズーリンが本当に死んじゃったんじゃないかって、本気で涙が出ちゃうところでした……。
でも最後はハッピー(?)な二人にほっと安心しました!
クッキーゲーム、それはポッキーよりも折れにくく、そして近い。せっかちなカップルに大人気のお戯れなのだ。…って早くもバカッポゥ炸裂じゃないですかー!
ところで聖んは破戒僧にも程があるww
途中で本当にナズーリンが死んじゃったのかと思ってひやっとしました。
なんというか、女の子の心の中の描写がすごく上手です。
とりあえず、にやにやがとまらない作品でした。