Coolier - 新生・東方創想話

例月騒例ライブ

2010/05/07 12:14:28
最終更新
サイズ
4.72KB
ページ数
1
閲覧数
622
評価数
3/10
POINT
430
Rate
8.27

分類タグ


 その日、『文々。新聞』に大きな記事がのった。この記事により
幻想郷中の人間も妖怪も大いに喜んだ。
 プリズムリバー定期演奏会が発表されたのだ。

 霧の湖の湖畔にあるプリズムリバー邸はこの時期になると、いつ
もよりも騒がしくなっていた。
「姉さんたち。今回の演奏する楽譜はちゃんと持ってるよね。前み
たいになくしたじゃ、さまにならないんだから。特にメルラン姉さ
んは――」
「リリカは心配性ね。その時だって何とかなったじゃない」
「あれは、私と幽香さんの機転が働いたからでしょう、ってなくし
たの!!」
「えへへへ」
 トランペットを吹きながら出て行くメルランをリリカは地団駄を
踏んで見送っていた。その後ろでルナサは、バイオリンを弾いてい
る。

 今回の依頼は永遠亭の例月祭の演奏。いつもは永遠亭で行われる
例月祭は永琳の提案で人間の里で開かれることになった。
 ルナサは会場予定地で永琳と打ち合わせをしていた。
「本当にありがとうね。今月は騒がしい満月の祭りになると姫も喜
んでいいるわ。もちろんわたしもね」
「それでは永琳さん。今回はどんな曲がいいでしょうか」
「そうね――お任せするわ。姫もウサギたちもあなたたちの演奏を
楽しみにしているから、賑やかでも静かなものでも」
「では・・・・・・妹たちと検討をします」
 人間の里と迷いの竹林の間にライブ会場が設置されていた。妖怪
の山から河童の技術屋と妖怪ウサギがせっせと働いていた。
 監督はにとりとウドンゲが仕切っていた。
「エーリン師匠。チケットは完売しました」
「あら、てゐもうなの。後は、満月の日を待ちましょうか」

 例月祭まで一週間を切った。
 本番直前の練習は太陽の畑でしている。簡易の練習会場でルナサ
は耳をすまして妹たちの演奏を聞いていた。
「メルラン、そこはもっと小さく。リリカはメルランの音をちゃん
と聞きなさい」
「「はーい」」
「今回は私たちそれぞれのソロを入れるから・・・・・・失敗は許されな
いよ」
「ソロかぁ。ルナサ姉さんは何を弾くつもりなのさ」
「私は小夜曲か夜想曲ね。リリカは・・・」
「メヌエットかな」
「わたしはマーチ」 
 それぞれのソロを三姉妹は演奏をしている。妖精たちは生演奏に
聴き入っていた。賑やかな騒霊ライブはもうすぐ始まる。
「そうだ、今回は特別ゲストを呼ぼう。姉さんたちにも本番直前ま
で内緒にした方が楽しいかもね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 特等席をただで陣取る妖精が三人いる。光の三妖精、サニーとル
ナ、スターは高額の席をに座っていた。お金のない妖精はライブの
手伝いでしか基本的に見ることができない。しかし、サニーの力を
使えばただで見ることができるのだ。
「ああ、早く始まらないかな。待ちくたびれたよ」
 サニーは足をバタバタさせながら始まりを待っていた。その隣で
は、ルナがせっかくの満月が見えないことに不機嫌になっていた。
「さすがね。すごいわサニー」
「ふふん。このライブを見れるなんて私に感謝しなさい」
「でも、サニー。この席は誰かが来るんじゃないの。例えば紅魔館
のお嬢様とか・・・・・・」
「大丈夫よルナ。特等席っていってもこんなにあるんだから、ここ
ってわけじゃないでしょ。きっと、冥界か閻魔さまだよ」
「それにしたって、見つかったら大変なことになるんじゃないの」
「紅魔館のお嬢様以外ならそんなに被害は出ないと思うわ。冥界の
お嬢様はお優しいって聞いてるし。閻魔様の説教だってルナの力を
使ったら聞き流せるじゃない」
「ライブ、聴けなくなるけどね」
「二人とも静かに・・・・・・誰かきた」
 スターは階段を見た。少しずつ存在感が近づいて来ていた。

「・・・・・・もう、パチェが遅いから遅れたじゃない」
「まあまあ、まだ始まってませんよ」
 階段からレミリア率いる紅魔館が上がってきた。

 三妖精は緊張していた。まさかのお嬢が現れたからだ。
「どうするのよ。サニーは力を解いちゃダメよ」
「わかってるよ。ルナも力は全力で・・・・・・」
「出口はあの階段だけだし、見つかるのは時間の問題ね」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 会場周辺には様々な屋台が出来ていて、夜雀の八目鰻屋台や中有
の道の出店が賑わいを増していた。ここぞとばかりの広報活動を行
う、守矢の神社と命蓮寺。妖怪も人間もこの日は楽しく騒ぐのだっ
た。

 ライブは妖精たちの弾幕で始まった。三姉妹も弾幕を天の向けて
放ち、リリカがマイクを取って叫んだ。
「では、皆さん。まずは一曲目・・・・・・ユーレイガクダーン」
 観客のテンションも急上昇。被害が出ない程度に弾幕を張って楽
しい演奏が会場中を包んでいった。
 三姉妹のソロは特に騒がしく・・・時にはしっとりと・・・観客のテン
ションを自由自在に操っていた。
 汗を弾けさせながらリリカは笑顔で姉たちの演奏を幻想的に和ら
げていく。アンコールと弾幕の雨霰にライブは大成功だ。
 ライブは終盤に入る頃になってルナサはメルランとリリカに目で
合図をした。リリカは頷いてマイクを取る。
「ではーここで特別ゲストーー。私たちのライブにも時々参加して
くれる幻想郷の歌姫の登場です。八目鰻屋台店主――ミスティア」
 真っ暗になった会場。ステージの一点に照明が集中した。そこに、
ミスティアが空から舞い降りた。
「みなさーん。わたしの歌でも楽しんでいってねーー。曲はツキウ
サギです」
 さらに会場が白熱していった。

 今月の例月祭は大成功に終わった。時々はこんなに賑やかでもい
いのではないかと永琳は思った。
 姫も楽しんでいてホッとした。

 その頃の三妖精はメイドに睨まれながらジッとしていた。
「サニー。絶対見つかっているよね」
「・・・・・・」
 お嬢様はライブに騒いで気づいていないようだった。
 ライブは無事に終わった。
 楽屋で四人はいっきに座り込んだ。ルナサはコップにお茶をついでそれぞれに渡していった。
「それにしても、リリカが直前に言った提案には本当に驚いたわ。
ミスティアに歌ってもらうのは賛成だけど。私たちにも内緒にすることないじゃない」
 特別ゲストのことは成功だった。ミスティアは笑顔で汗を拭いていた。五曲を熱唱したのだ。
「ああ、楽しかったですよ。私も屋台の準備をしていたら出てくれって言われて・・・・・・もうびっくりしました」
「いいじゃん。みんな楽しんでくれたんだから」

 会場は未だに熱気が収まらないでいた。
「「「アンコール。アンコール。アンコール・・・・・」」」

「どうするの姉さんたち。私はまだいけるけど」
「いくに決まってるじゃない」
「私もまだ、歌いたいです」

「じゃあ、アンコールに応えよう」
 月が沈んでもライブは終わらなかった。
雛菊
簡易評価

点数のボタンをクリックしコメントなしで評価します。

コメント



0.250簡易評価
1.70名前が無い程度の能力削除
面白いです。三月精のオチは良いww

でもなぁ……なんか足りない。開場してからライブ始まるまでの盛り上がりとかもう一筆付け加えてもよいかも。後あとがきの部分本編じゃダメだったんですかね?
6.40名前が無い程度の能力削除
とりあえず、タイトルは誤字でしょうか?
それとも意図的?

あなたの連投が目立ちますが、どの作品もあまり練られていないように感じます。
思い付きを連投されても、特に読者は反応しないと思いますよ。

時間をかければ、この作品だってもっと良いものになると思います。
期待を込めて、この点数で。
9.70ずわいがに削除
誤字の多さや文の素っ気なさが少々勿体ないですね
投稿直後に改めて作品本文をチェックしてみると良いかもしれません

三姉妹が主人公というより、本当にライブがメインな感じでしたね
祭の雰囲気にみんな酔っちゃいなさい!
そして三妖精は反省しなさいww