みなさん、こんにちは。
ZUNチャンネル「美の思う壺」のお時間がやってまいりました。
お伝えするのは、皆さまおなじみ射命丸でございます。
本日はスタジオを飛び出して、いま永遠亭で開催されている“幻想郷クロッシング2010:芸術は可能か?”
の様子を、現地から生中継でお送りするスペシャルバージョンです!
会期後半に向けて、より一層の盛り上がりを見せている美術展“幻想郷クロッシング2010”。
見逃せない情報盛りだくさんでお届けします。
どうぞ、チャンネルはそのままで!
……いやー、それにしても今日は一段と賑わっていますね。
まずは、今回この美術展を企画された蓬莱山 輝夜さんにお話を伺いたいと思います。
こんにちは!
「こんにちは」
今までにも永遠亭ではさまざまな展覧会が催されてきましたが、本格的な美術展はこれが初めてですね。
「そうですね。どうせやるなら今までにないものを、ということで、思い切って大幅に方向転換してみたんです」
なるほど……確かに、前回のイベント「生き残(サバイバ)れ! 輝夜と妹紅・涙の喧嘩道」とは
全く方向性が違いますね。
「前回のイベントは、おもに格闘技ファンの方々から熱い声援を頂くことができました。
普通の人間にかけたら人生終了クラスの技のオンパレードでしたからね!」
その……お身体のほうは大丈夫なんでしょうか?
いかに蓬莱人のお二人とは言え、相当にハードなイベントだったのでは……。
「うふふ。まあ、死ぬのはお互い慣れっこになってますからねえ。
会期中に永琳がカウントしてくれたところによると、私の死亡回数が4274回。
妹紅の死亡回数が4771回でした。お互いに今持てる限りの技を出すことができたと自負しています」
なるほど。
「あ、そうそう。これ、よろしかったら番組プレゼントに出してください。
私と妹紅のサイン(※血液で記名)も付けときましたよ!」
おお……これは有難うございます!
では、ただいま頂きましたイベント限定ビデオ「永夜血風録:全身の毛穴で受け止めろ!!完全版」は
番組の最後でプレゼントに出したいと思います。
サイン付きですからねー。これは格闘・弾幕ファン垂涎の1本になること間違い無しですよ。
では、本日はよろしくお願いします!
「こちらこそ。では、さっそく作品を見ていきましょうか」
はいはい。
では会場の中へ向かいましょう!
――はい、というわけで会場に入りましたが。
内装もお洒落な感じですね。
これは夜……あるいは宇宙のイメージですか?
「ええ、これはウチのイナバたちによるデザインです。テーマは“幽々子さんの胃袋”ですね」
なるほど、だから宇宙にお茶碗が浮かんでいるわけですか……。
おっ、これが最初の作品ですね?
「はい。出展者は紅魔館のフランドール・スカーレットさんですね」
<作品ナンバー01:「古明地さそり」/ フランドール・スカーレット>
(作品がアップで映る……奇怪な彫刻。
身体はサソリで、頭だけ紫色の髪をした少女という筆舌に尽くしがたい外見である)
これは何と表現したらいいのか……シュールレアリスムですか?
大きなサソリとも、人間ともつかぬ見た目ですが。
「フランドールさんは、“人の心を読むおっかない妖怪が地底にいるらしい”という噂話を
小耳に挟んだそうなんです。
そこから着想を得て、彼女なりの“おっかない妖怪”というものを作り出したのでしょうね」
これを作ったあんたの方がおっかねえわい、とツッコミたいところですが……
おや、サソリの頭に何か書かれたフキダシが貼り付けられていますね。
(サソリの頭がアップで映る。「おまえのひみつを しっている」と書いてあるようだ)
………………。
「……まだ、時代がフランドールさんの感性に追いついていないようですね」
次の作品、行きましょうか?
「は、はい」
<作品ナンバー02:「タイヤヒラメダンス」/ 永江 衣玖>
(作品がアップで映る……ごく普通の箪笥。
かと思いきや、中途半端に開いた引き出しを覗き込んでみると、車のタイヤとヒラメの模型が!)
タイヤ、ヒラメ、箪笥……。
「くすっ……ただのダジャレですね」
次の作品、行きましょうか?
「はい」
……いま、これ見て笑いました?
「わ、笑ってません!」
<作品ナンバー03:想起「ブラックヒストリー」/ 古明地さとり>
(作品がアップで映る……小さな手帳サイズのノート。
表紙には、“かっこいいスペルカードの名前 アイデア帳!”と書かれている)
嫌な予感がしますね。
「ええ、ページを開いてもいないのにひしひしと伝わってくる何かがあります」
誰のノートですか?
「名前を書く欄には、何かが書かれていた形跡だけがあって……名前は消されていますね」
もしかしたら忘れているだけで、これは自分のノートなのではないか?
そう考え出すと、この作品は急に怖ろしいものになりますねえ。
「自分の黒歴史が、知らないうちに衆目に曝されているってことになりますものね。
さすがは心を覗き見る妖怪といったところでしょうか」
気になるなあ。ちょっとページめくってみましょうか?
がたがたっ!(揺れるカメラ)
あ、最初のページにも何か書いてありますよ。
えー、レm「見るなバカーーーーーっ!!」
がたたん!(カメラ、激しくブレる)
ちょっ、何かと思ったらレミリアさんじゃないですか。
ぜへへー……ぜへへー……(レミリア乱入。激しく息を吐いて、肩を上下させている)
「どうしたのかしら、そんなに慌てて……あ、ひょっとしてこのノート」
「私のじゃないわよ!! 違うわよ!!」
じゃあ、どうしてそんなにムキになって回収しようとするんです?
「それはほら、これはあくまで美術作品みたいだし、作者でもない奴があれこれ触っちゃまずいかなー……って」
ニヤニヤ(文)
にやにや(輝夜)
「な、なに笑ってんのよ……」
ニヤニヤ(文)
にやにや(輝夜)
「だから違うんだってばー! 私はこんなノート知らな
―――― C M ――――
♪ででんでんで ♪ででんでんでー……
待ってました!! ゴーストサムライ!!
<He is Ghost SAMURAI>
じゃきーん! だんっ! だんっ!
<秘密1:専用の半霊剣術>
専用の半霊剣術を操り……
がっしゃーん!
<秘密2:サムライ&ブシドー>
侍魂で……
「サムラァイ」
<秘密3:西行寺の極秘任務>
極秘任務を遂行する!!
「ブシドーゥ」
こきゃっ! ずびしゅっ!
―― 西行寺家 初代庭師・魂魄 妖忌 ――
これが、ジジイ・アクションの決定版!!
「サムラァイ」
「サムラァイ」
「ブシドーゥ」
ゴーストサムライ ~地獄の半霊爺ちゃん~
12月23日(木) 夜⑨時 30分
木曜妖画劇場
―――― C M 終わり ――――
(再び中継は永遠亭から。画面の端にレミリアが映っているが、なぜかしゃがみガードポーズのまま
ピクリとも動かない……何があったのだろうか)
おっ、CM終わりましたか。
さっきは、ある意味ちょうど良いタイミングだったかも知れませんね。
「ええ。あの光景がテレビに映ったりなんかしたら……あまりに可哀相だわ」
あの、レミリアさん?
(レミリア無言。まるで彫像のように固まっている)
「そっとしておいてあげましょう……次の作品に行きましょうか」
ええ……。
<作品ナンバー04:「世界の中心で、秋をさけぶ」/ 秋 静葉&秋 穣子>
(作品がアップで映る……オレンジ、赤、黄色を基調としたカラーの地球儀。
その上に小さな秋姉妹のフィギュアが立っており、紅葉を掲げている)
これは可愛いなあ。やっとマトモなのが来た感じですね!
「姉妹による連名作品ですね。テーマが非常に分かりやすいこともあって、
この展示会の中ではかなり人気が高い作品みたいですよ」
地球儀のそばに、小さなボタンが付いていますね。
押してみましょう。
(地球儀の上に立っている秋姉妹フィギュアから、「おコメ食べろ!」とボイスが流れる)
ギミック付きとは凝ってますねー。
「サソリとか黒歴史の後に見ると、まるで心の清涼剤みたいだわ……」
確かに、あそこら辺の作品は上級者向けのようですからね。
では、次の作品行きましょうか?
<作品ナンバー05:「ファッショナブル・ケロちゃん」/ 八坂 神奈子&東風谷 早苗>
(作品がアップで映る……ずらりと並んだ小さな諏訪子人形。どれも着ている服や帽子の色が全て異なっている)
おお、これも可愛いですね……カラーバリエーションが沢山あるんですね。
「はい。これは、諏訪子さんの衣装を色んなカエルの体色にして並べたポップアート系の作品ですね」
なるほど。解説プレートも付いていますね、どれどれ……
・レッド諏訪子……イチゴヤドクガエル
・ブルー諏訪子……コバルトヤドクガエル
・寝不足諏訪子……アカメアマガエル
・カモフラージュ諏訪子……ミツヅノコノハガエル
・ジャイアント諏訪子……ゴライアスガエル
・フローズン諏訪子……チルノにやられたカエル etc.
「マニアックで面白いわね」
確かに。これはカエル好きにはたまらないんじゃないでしょうか?
「実はこれ以外にも、早苗さんは個人で別の作品を出しているんです。見てみましょう」
<作品ナンバー06:「MSN-02 パーフェクト・ミシャグジオング」/ 東風谷 早苗>
(作品がアップで映る……足なんか飾りだったあのロボットが魔改造されている。
子供が見たら泣き出しそうな凄まじい造型である。まるでギーガーの絵のようだ)
これ、モザイクかけたほうが良いんじゃないですか?
「夢に出てきそうな……ちょっと首の角度おかしくないかしら?」
解説プレートによると、「常識にとらわれない造型を目指しました!」とのことですが。
「とらわれなさすぎでしょ、これは……さっきのケロちゃん人形の後に見ると、悪夢のようだわ」
MSNというのは、“Moriya Suwako Numbers”の略称と書いてありますね。
さすがはロボオタですね!
「あの、ちょっと……!?」
どうしました?
「このロボット、微妙に動いてるように見えるんだけど」
いやいや、まさかそんなこt
ザザッ! ズザザーーー……
♪ぴー……♪
しばらく おまちください(向日葵畑の画像)
―――― C M ――――
昔から、悪の栄えたためしはないと 世の例えには言うけれど
どうやらそうではないらしい
(雨の中、傘を差して歩く幽香とメディスンの後姿)
幻想郷の闇の中、悪が栄えていると言う……
わからない事ばかりだが わかっている事ただ一つ
許せぬ悪を消す事だ
(閉じていた瞳を静かに開く映姫)
この世とあの世の境の場所に 舟を浮かべて待っている……
サボってなけりゃの話だが
(大鎌を肩に担いで、三途の川を見つめる小町)
♪じゃきーん♪
必殺!妖怪渡し人
ZUNチャンネル 毎週金曜 夜10時から
好評放送中!
―――― C M 終わり ――――
あー、テステス。
映像は回復したでしょうか?
さきほどは突然アクシデントが入り、視聴者の皆様にはご迷惑をお掛けしてしまいました。
東風谷 早苗さんの作品「MSN-02 パーフェクト・ミシャグジオング」が勝手に動き出しまして……
(揺れる画面。炎に包まれる会場の中で、ミシャグジオングと対峙している輝夜&レミリアが映る)
ただいま、頼もしい6ボスのお二人がタッグを組んでミシャグジオング討伐に当たっています!
黒歴史のショックによって殺意の波動に目覚めたレミリアさんが、猛攻を加えております!
(渦巻く炎の中、ミシャグジオングと激闘を展開するレミリアを置いて輝夜が歩み寄ってくる)
輝夜さん。状況はどうですか?
「怖ろしいロボットだわ。色んな果物を投げつけてくるのよ」
レミリアさん1人で、大丈夫でしょうか?
「たぶん平気よ。さあ、次の作品の紹介に移りましょう!」
会場が思いっきり燃えてますけど、大丈夫なんですか?
「永遠亭が燃えるなんてよくあることだから、別に気にするほどでもないわ。
妹紅が来るたびに燃えてるし。ここは彼女に任せて、私たちは避難しましょう」
いいのかなあ……。
(遠ざかる第1会場。どさくさに紛れて、黒歴史ノートを炎の中に投げ込むレミリア)
――ふう、気を取り直して第2会場へやって来ました。
あのロボットが気がかりですが、レミリアさんを信じましょう。
時間的に見て、今日ご紹介する作品は次がラストですね。
<作品ナンバー07:「デスクリムZUN」/ レミリア・スカーレット>
(作品がアップで映る……迷彩服を着た咲夜、美鈴、パチュリーが銃を構えて走っている写真。
ムササビの着ぐるみを着たフランドールと小悪魔も写っている。
写真の額縁には、「せっかくだから、俺はこの赤い館を選ぶぜ」と書かれている)
………………。
「………………」
私には、あの姉妹の美的センスが分かりません。
「私にも分からないわ。時代がまだ彼女達に追いついていないようね」
そのフレーズ、便利で良いですね。
私もこれから新聞で使わせて頂きたいです!
「そう言えば、さっきの不気味なロボットはどうなったのかしら……」
あっ、噂をすれば何とやら。
レミリアさんが走ってきますよ。
♪BGM:ロッキーより“Gonna Fly Now”
(燃え盛る第1会場を背に、満面の笑みを浮かべて駆けてくる傷だらけのレミリア。
引きちぎったミシャグジオングの頭を、高々と掲げている)
スカーレット姉妹の美的センス以上に、私にはこの番組がもともと何だったのかも分からなくなってきました。
そろそろお時間ですし、今週はここまでにしておきましょうか。
輝夜さん、ありがとうございました!
「芸術は爆発だ!」
ちゅどーん!
おっと、忘れるとこでした。
番組冒頭でもお知らせしました通り、視聴者プレゼントがありましたね。
輝夜さんと妹紅さんの激闘の日々を余さず収録した、血と汗と涙の記録!
永遠亭イベント限定ビデオ「永夜血風録:全身の毛穴で受け止めろ!!完全版」サイン付きを
抽選で5名の方に差し上げます。
あて先は、CMのあとで!
さよーならー!