夏。人間も妖怪も運動が活発になる季節だと言われていたこともあるが、最近の人間は家の中に居て暑いからと外にでないことが多いらしい。長く生きているものから見ると本当に嘆かわしいことだ。子供はもっと外に出るべきだと言うのに。
…しかし暑い夏だ。これではこの僕でさえ外に出る気が起きない。最近はさらに暑くなっていってるような気がする。龍神さまの機嫌でもよすぎるのだろうか。これでは何人か死人が出てもおかしくはない。里の人間は大丈夫だろうか。
「霖之助さん、いるわよね。」
誰かが僕を呼んでいるようだ。しかし暑すぎて確認もしたくはない。そのま
まの状態でうなだれている。
「?寝ているのかしら。」
そのまま奥へとあがっていく音が聞こえる。
「霖之…って大丈夫?」
「…ああ、霊夢…か。」
まあ歩いて勝手に奥まで来るような知り合いはほかには、…数名は居るな。
「こうも暑いと、何もする気が起きないな。だから客以外はお断りだ。」
「はぁ、ここでは冬は暖かいのになんで夏は涼しくしないの?」
いつも通り無視か。何か突っ込む気にもならないが、質問には答えておく。
「しょうがないだろ。そういうものがあまり見つからないし、見つけにいくとしても、この暑さの中無縁塚まで行けというのか?だったら手伝ってもらうぞ。」
「そんなのいやに決まっているわよ…」
こっちだって嫌なんだよ…。そういっても無駄だろうけれど一応つぶやいておく。
急に立ち上がって、霊夢はなぜかお茶を入れてくる。ポットからコップに移し替えて、その暑いお茶を…
「なんで、こんな暑いときに、熱そうなお茶を飲むんだ!!」
突っ込まずにはいられなかった。見てるこっちが暑い。これはなにもしてくれない僕への嫌がらせか!?
「ここまで来るまででもう汗かいてのどがからからなのよ。」
だとしてもほかに飲む物があるだろう!?
「そんなに暑いのだったら、ここに来るのではなく冥界とかに行く方が良いだろう?何故わざわざこの香霖堂なんかに?」
冥界は幽霊があふれていてとても肌寒い場所だ。現界の季節など関係ないので、いつでも涼しい場所である。とは言っても冥界に行けるようになったのは最近の事で、幽霊亡霊などがたくさん居るので危険な場所である。そんな事霊夢に言う方が愚かな事ではあるが。
「そこまでいくのにとても暑い中を通るじゃないの。」
「それはこの暑い中お茶を飲もうとしたが者が言う言葉か?…はぁ、分かった分かった、暑さを和らげる物を持ってこよう。」
このまま霊夢が愚痴などを言い続けるのを聞いていたくない。
そう言うと、霊夢は顔を輝かせてこちらを見た。
「では少し待っていてくれ。」
そういって僕はその場を去った。
…さっきは持ってくると言ったが、本当にそのような物を全然入荷できていない。というかそんな物があったらもうとっくに使用している。
「はぁ…、どうしたものかな」
そして、足下にある物を見る。
「……これを使うしか無いかな。」
「おそかったじゃない。で、何を持ってきたの?」
もう期待しまくりの顔で見られる。
これで失敗したら霊夢はさぞかしご立腹になるだろう。しかし、こっちもあれを持ち出しまでしたんだ。そんなことは多分起こらないだろう。
「これだよ。」
香霖堂特製酒を上に持ち上げる。
「…え」
霊夢の笑顔が凍り付く。あげていた顔を伏せてしまう。
確かにこれでただの酒だったら、当たり前のように霊夢は怒るだろう。
ただ、この酒はただの酒ではない。香霖堂特製酒だ。
「残念がるのはまだ早いよ霊夢。」
「酒ならつい昨日鬼と山ほど飲んだわよ…」
「いやいや、これはただの酒ではないよ。」
霊夢が顔を上げる。
「じゃあ鬼の酒とどっちが貴重?」
「まずそれを聞くか。…まあ今この時期においてでは、たぶん鬼のひょうたんから出るような酒よりかは貴重と言えると思う。」
「すごい自信ね…。だったら言ってみなさい。」
やはり偉そうなのが気になるが、もう焦らすのはよくないだろう。
「これはね、なんと冷たいお酒なんだよ!」
霊夢は息を飲んだ。
そう、夏のみとても貴重なお酒だ。これを飲むには氷の妖精か河童あたりに頼むしか無いだろう。
「…すごいわね。そんなのどうやって作ったの?」
霊夢も感動しているようだ。当たり前だ。こっちもこんな貴重な物を出してきたのだから。
これを作るのは、魔理沙が持つミニ八卦炉と同じ、ある物を溶かして混ぜた物の近くにおいておいたのだ。その物は用途が【物を冷やして保存する】だったのを見てひらめいた。保存しておくための物だけあって、それを部屋においておくと冷えすぎてしまう。道具はそれにあった使い方があるのだ。今回はそれは保存するための物であっただけ。…早く部屋を冷やすための物が欲しい。
ただしそれを霊夢に教えるわけにはいかない。奪われてしまうだろう。取りあえずは注意を違う物に向けさせよう。
「それは企業秘密だよ。そんな事より飲もうじゃないか。」
「それもそうね!じゃあ飲みましょう。」
そういってふたを開け……ん?
なにこれ、……まさかっ!?
「…凍ってしまっている…?」
…しかし暑い夏だ。これではこの僕でさえ外に出る気が起きない。最近はさらに暑くなっていってるような気がする。龍神さまの機嫌でもよすぎるのだろうか。これでは何人か死人が出てもおかしくはない。里の人間は大丈夫だろうか。
「霖之助さん、いるわよね。」
誰かが僕を呼んでいるようだ。しかし暑すぎて確認もしたくはない。そのま
まの状態でうなだれている。
「?寝ているのかしら。」
そのまま奥へとあがっていく音が聞こえる。
「霖之…って大丈夫?」
「…ああ、霊夢…か。」
まあ歩いて勝手に奥まで来るような知り合いはほかには、…数名は居るな。
「こうも暑いと、何もする気が起きないな。だから客以外はお断りだ。」
「はぁ、ここでは冬は暖かいのになんで夏は涼しくしないの?」
いつも通り無視か。何か突っ込む気にもならないが、質問には答えておく。
「しょうがないだろ。そういうものがあまり見つからないし、見つけにいくとしても、この暑さの中無縁塚まで行けというのか?だったら手伝ってもらうぞ。」
「そんなのいやに決まっているわよ…」
こっちだって嫌なんだよ…。そういっても無駄だろうけれど一応つぶやいておく。
急に立ち上がって、霊夢はなぜかお茶を入れてくる。ポットからコップに移し替えて、その暑いお茶を…
「なんで、こんな暑いときに、熱そうなお茶を飲むんだ!!」
突っ込まずにはいられなかった。見てるこっちが暑い。これはなにもしてくれない僕への嫌がらせか!?
「ここまで来るまででもう汗かいてのどがからからなのよ。」
だとしてもほかに飲む物があるだろう!?
「そんなに暑いのだったら、ここに来るのではなく冥界とかに行く方が良いだろう?何故わざわざこの香霖堂なんかに?」
冥界は幽霊があふれていてとても肌寒い場所だ。現界の季節など関係ないので、いつでも涼しい場所である。とは言っても冥界に行けるようになったのは最近の事で、幽霊亡霊などがたくさん居るので危険な場所である。そんな事霊夢に言う方が愚かな事ではあるが。
「そこまでいくのにとても暑い中を通るじゃないの。」
「それはこの暑い中お茶を飲もうとしたが者が言う言葉か?…はぁ、分かった分かった、暑さを和らげる物を持ってこよう。」
このまま霊夢が愚痴などを言い続けるのを聞いていたくない。
そう言うと、霊夢は顔を輝かせてこちらを見た。
「では少し待っていてくれ。」
そういって僕はその場を去った。
…さっきは持ってくると言ったが、本当にそのような物を全然入荷できていない。というかそんな物があったらもうとっくに使用している。
「はぁ…、どうしたものかな」
そして、足下にある物を見る。
「……これを使うしか無いかな。」
「おそかったじゃない。で、何を持ってきたの?」
もう期待しまくりの顔で見られる。
これで失敗したら霊夢はさぞかしご立腹になるだろう。しかし、こっちもあれを持ち出しまでしたんだ。そんなことは多分起こらないだろう。
「これだよ。」
香霖堂特製酒を上に持ち上げる。
「…え」
霊夢の笑顔が凍り付く。あげていた顔を伏せてしまう。
確かにこれでただの酒だったら、当たり前のように霊夢は怒るだろう。
ただ、この酒はただの酒ではない。香霖堂特製酒だ。
「残念がるのはまだ早いよ霊夢。」
「酒ならつい昨日鬼と山ほど飲んだわよ…」
「いやいや、これはただの酒ではないよ。」
霊夢が顔を上げる。
「じゃあ鬼の酒とどっちが貴重?」
「まずそれを聞くか。…まあ今この時期においてでは、たぶん鬼のひょうたんから出るような酒よりかは貴重と言えると思う。」
「すごい自信ね…。だったら言ってみなさい。」
やはり偉そうなのが気になるが、もう焦らすのはよくないだろう。
「これはね、なんと冷たいお酒なんだよ!」
霊夢は息を飲んだ。
そう、夏のみとても貴重なお酒だ。これを飲むには氷の妖精か河童あたりに頼むしか無いだろう。
「…すごいわね。そんなのどうやって作ったの?」
霊夢も感動しているようだ。当たり前だ。こっちもこんな貴重な物を出してきたのだから。
これを作るのは、魔理沙が持つミニ八卦炉と同じ、ある物を溶かして混ぜた物の近くにおいておいたのだ。その物は用途が【物を冷やして保存する】だったのを見てひらめいた。保存しておくための物だけあって、それを部屋においておくと冷えすぎてしまう。道具はそれにあった使い方があるのだ。今回はそれは保存するための物であっただけ。…早く部屋を冷やすための物が欲しい。
ただしそれを霊夢に教えるわけにはいかない。奪われてしまうだろう。取りあえずは注意を違う物に向けさせよう。
「それは企業秘密だよ。そんな事より飲もうじゃないか。」
「それもそうね!じゃあ飲みましょう。」
そういってふたを開け……ん?
なにこれ、……まさかっ!?
「…凍ってしまっている…?」
こーりん、まず君の頭を冷やすべきだw
普通三点リーダは『……』のように2つ1セットで使うのでそれに気をつけるといいかもしれません
これからも楽しみにしていますよ。
この後霖之助は霊夢から冷たい視線を向けられるんでしょうねぇ……まぁ冷えて良かったんじゃないですかね、視線ですがw
あれ? この後霊夢に酒瓶強奪される霖之助さんしか思い浮かばないよ?
おもしろかったですw