「あなたは、博麗霊夢です」
目が覚めると、あなたの頭の中にこんな一文が用意されていました。
あなたは、ああ私は博麗霊夢なのだなあ、と思ってベッドを出ます。
そして、いつも通り顔を洗い歯を磨いてリビングへと向かいます。
「おはよう」
あなたの母親と目が合って、あなたはそんな軽い挨拶をします。
あなたは、あれ、私の挨拶はおはようございますではなかったかな、と少しだけ疑問に思いますが、
まあこんな挨拶をしたくなる日もあるじゃないか、と気にせずに席について朝食を食べ始めます。
「××ちゃん、今日も良い天気ね」
「そうね」
あなたの母親があなたに話しかけます。強烈な違和感があなたの耳に直撃しましたが、
それを堪えて、あなたは少し素っ気無いような返事を返します。
私って、こんな軽い話し方をするキャラだったっけな、そんな疑問があなたを襲います。
ですが、朝から浮かんでいる「あなたは、博麗霊夢です」という一文が全てを解決に導いてくれる気がします。
そういえば、母親が呼んだあなたの名前も「霊夢」だった気がしますしね。
あなたは、靴をはいてあなたがいつも通っている学校へと向かいます。
しばらく学校への道を歩いていると、急に一人の女の子が後ろから声を掛けてきました。
「おはよう、××」
あなたの耳をざらっとした音が揺るがします。しかしそんな不快感はすぐに忘れて、
後ろを振り返ると、活発そうな少女があなたに手を振っていました。
あなたは、おはよう、と返そうとしてちょっと悩みます。
この子は誰だっけ。
でも、ちょっと考えるとすぐに思い出しました。
この活発そうな感じは、そう、霧雨魔理沙ですね。
「おはよう、魔理沙」
あなたが、そう言うと魔理沙は少し不思議そうな表情をして、
次の瞬間にはいつも通りの笑顔で微笑み返してくれました。
あなたは、魔理沙といつも通り他愛の無い雑談をしながら学校へと向かいました。
「おはよう!××ちゃん」
「おはよう……」
教室に入ると、少し空回りしている感じの女の子と、少し病弱そうな感じの女の子から挨拶をされました。
あなたは、おはようとさり気なく返しながら、またさっきと同じ疑問を繰り返します。
この子達は一体誰だったっけ?
答えは。まるで用意されていたかのようにすぐに頭の中に浮かびました。
そうでした、東風谷早苗さんとパチュリー・ノーレッジさんです。
あなたは友達である二人と適当な雑談をしながら、授業の開始を待ちます。
「あ、鐘がなったよ」
早苗が言います。あなたは、この人はチャイムを鐘と呼ぶなんて古風だなあと思いながら、
あれ、そういえばチャイムなんてここにあったっけなどと少し変な思考をしながら自分の席に着きます。
席について先生がやってくるころには、そもそもチャイムって何よ、とあなたは考えていました。
全員で礼をして、授業が始まりました。
あなたは、いつも通りぼうっとしながら授業を受けていますが、あなたは全く内容が頭に入りません。
まるで、そうまるでここはどうでもいいからぼやかされてるような、そんな感覚。
視界、いや認識にモザイクがかかっているような、そんな感じ。
授業ってこんな感じだったっけ? そもそも私がいつも受けてた授業ってなんだっけ?
ていうか私の得意科目って何? 私は一体何のために学校に来てるのだっけ?
ぶちっ。そんな鈍い音がして司会が真っ黒に染まります。貴方の意識もフェードアウトしました。
気が付くと、どうやら最後の時限まで終わって、帰りのホームルームが始まったようでした。
なんだかよくわからないけど、今日の授業は寝てる間におわったみたい、とあなたは考えます。
寝る前に何か考えていたけど、あれは中二病が引き起こしたのだな、とも考えました。
そんなこんなで帰りのホームルームが終わって、委員長の号令と共にあなたは鞄を取って学校を出ました。
「よう××!今日の授業どうだった?」
魔理沙が、貴方の後ろから話しかけてきます。
「別に、つまらなかったわ」
あなたの口は、まるで別の人間のように用意されたような台詞を話します。
そのあなたの返事から、適当な世間話が広がり始めます。
あなたは、なんとなくですが、まるでゲームのムービーシーンみたいだなあ、と感じましたが、
それが何を意味しているかはよくわからなかったので首を振ってその思いを消しました。
その雑談は、始めはあなたと魔理沙の二人でしたが、いつの間にか早苗やパチュリーまで加わって、
そしてさらに、アリスや、咲夜や、レミリアや、優曇華や、
「あれ、どうしたんだ霊夢?」、
神奈子や、さとりや、白蓮や、あれ?
あなたは、自分がボロボロと涙を流しているのに気付きました。
周りのあなたの友達が、不安そうな顔をしてあなたの顔を覗き込んできます。
「なんで私は泣いてるんだっけ?」
「きっと、疲れてるんだよ」
萃香が、あなたに向かって言いました。
「そうね、疲れてるのかも」
あなたは、何気無しに呟いて、皆に手を振って別れを告げて家路に向かいました。
家に帰ると、あなたは強烈な眠気を感じて、家族への挨拶もそこそこにベッドの上に転がりました。
そして、しばらくぼうっとしてる間に、あなたは眠りへと落ちていきました。
あなたは、夢の中で一人の女性が私のほうを見ているのに気付きました。
その女性は、悲しそうな表情をしながらあなたに何事か言っています。
耳を澄ませて聞いてみると、
「ごめんなさい、本当にごめんなさい××ちゃん」
紫色の女性は、まるで私に取り返しの付かない仕打ちをしてしまったかのように謝り続けています。
私が、そんなことはないよ紫、といおうとしたその瞬間。
あなたは、世界がひっくり返るような感覚がしました。
目が覚めると、隣に紫がいました。あなたは、目覚めの挨拶をします。
「おはよう、紫」
「おはよう、霊夢」
いつもの挨拶でしたが、あなたは何となく切ない気持ちになりました。
あなたは、自分が寝ていた布団をたたむと、いつも通り顔を洗って歯を磨いて神社の外に出ました。
朝日があなたの顔を照らし、清々しい風があなたの頬をさらっと撫ぜます。
「幻想郷へようこそ、博麗霊夢」
不意に、あなたの脳裏にこんな言葉が浮かびましたが、
あなたは、何でこんな変なことを考えてるのかしら私は、と思いながら境内の掃除を始めました。
目が覚めると、あなたの頭の中にこんな一文が用意されていました。
あなたは、ああ私は博麗霊夢なのだなあ、と思ってベッドを出ます。
そして、いつも通り顔を洗い歯を磨いてリビングへと向かいます。
「おはよう」
あなたの母親と目が合って、あなたはそんな軽い挨拶をします。
あなたは、あれ、私の挨拶はおはようございますではなかったかな、と少しだけ疑問に思いますが、
まあこんな挨拶をしたくなる日もあるじゃないか、と気にせずに席について朝食を食べ始めます。
「××ちゃん、今日も良い天気ね」
「そうね」
あなたの母親があなたに話しかけます。強烈な違和感があなたの耳に直撃しましたが、
それを堪えて、あなたは少し素っ気無いような返事を返します。
私って、こんな軽い話し方をするキャラだったっけな、そんな疑問があなたを襲います。
ですが、朝から浮かんでいる「あなたは、博麗霊夢です」という一文が全てを解決に導いてくれる気がします。
そういえば、母親が呼んだあなたの名前も「霊夢」だった気がしますしね。
あなたは、靴をはいてあなたがいつも通っている学校へと向かいます。
しばらく学校への道を歩いていると、急に一人の女の子が後ろから声を掛けてきました。
「おはよう、××」
あなたの耳をざらっとした音が揺るがします。しかしそんな不快感はすぐに忘れて、
後ろを振り返ると、活発そうな少女があなたに手を振っていました。
あなたは、おはよう、と返そうとしてちょっと悩みます。
この子は誰だっけ。
でも、ちょっと考えるとすぐに思い出しました。
この活発そうな感じは、そう、霧雨魔理沙ですね。
「おはよう、魔理沙」
あなたが、そう言うと魔理沙は少し不思議そうな表情をして、
次の瞬間にはいつも通りの笑顔で微笑み返してくれました。
あなたは、魔理沙といつも通り他愛の無い雑談をしながら学校へと向かいました。
「おはよう!××ちゃん」
「おはよう……」
教室に入ると、少し空回りしている感じの女の子と、少し病弱そうな感じの女の子から挨拶をされました。
あなたは、おはようとさり気なく返しながら、またさっきと同じ疑問を繰り返します。
この子達は一体誰だったっけ?
答えは。まるで用意されていたかのようにすぐに頭の中に浮かびました。
そうでした、東風谷早苗さんとパチュリー・ノーレッジさんです。
あなたは友達である二人と適当な雑談をしながら、授業の開始を待ちます。
「あ、鐘がなったよ」
早苗が言います。あなたは、この人はチャイムを鐘と呼ぶなんて古風だなあと思いながら、
あれ、そういえばチャイムなんてここにあったっけなどと少し変な思考をしながら自分の席に着きます。
席について先生がやってくるころには、そもそもチャイムって何よ、とあなたは考えていました。
全員で礼をして、授業が始まりました。
あなたは、いつも通りぼうっとしながら授業を受けていますが、あなたは全く内容が頭に入りません。
まるで、そうまるでここはどうでもいいからぼやかされてるような、そんな感覚。
視界、いや認識にモザイクがかかっているような、そんな感じ。
授業ってこんな感じだったっけ? そもそも私がいつも受けてた授業ってなんだっけ?
ていうか私の得意科目って何? 私は一体何のために学校に来てるのだっけ?
ぶちっ。そんな鈍い音がして司会が真っ黒に染まります。貴方の意識もフェードアウトしました。
気が付くと、どうやら最後の時限まで終わって、帰りのホームルームが始まったようでした。
なんだかよくわからないけど、今日の授業は寝てる間におわったみたい、とあなたは考えます。
寝る前に何か考えていたけど、あれは中二病が引き起こしたのだな、とも考えました。
そんなこんなで帰りのホームルームが終わって、委員長の号令と共にあなたは鞄を取って学校を出ました。
「よう××!今日の授業どうだった?」
魔理沙が、貴方の後ろから話しかけてきます。
「別に、つまらなかったわ」
あなたの口は、まるで別の人間のように用意されたような台詞を話します。
そのあなたの返事から、適当な世間話が広がり始めます。
あなたは、なんとなくですが、まるでゲームのムービーシーンみたいだなあ、と感じましたが、
それが何を意味しているかはよくわからなかったので首を振ってその思いを消しました。
その雑談は、始めはあなたと魔理沙の二人でしたが、いつの間にか早苗やパチュリーまで加わって、
そしてさらに、アリスや、咲夜や、レミリアや、優曇華や、
「あれ、どうしたんだ霊夢?」、
神奈子や、さとりや、白蓮や、あれ?
あなたは、自分がボロボロと涙を流しているのに気付きました。
周りのあなたの友達が、不安そうな顔をしてあなたの顔を覗き込んできます。
「なんで私は泣いてるんだっけ?」
「きっと、疲れてるんだよ」
萃香が、あなたに向かって言いました。
「そうね、疲れてるのかも」
あなたは、何気無しに呟いて、皆に手を振って別れを告げて家路に向かいました。
家に帰ると、あなたは強烈な眠気を感じて、家族への挨拶もそこそこにベッドの上に転がりました。
そして、しばらくぼうっとしてる間に、あなたは眠りへと落ちていきました。
あなたは、夢の中で一人の女性が私のほうを見ているのに気付きました。
その女性は、悲しそうな表情をしながらあなたに何事か言っています。
耳を澄ませて聞いてみると、
「ごめんなさい、本当にごめんなさい××ちゃん」
紫色の女性は、まるで私に取り返しの付かない仕打ちをしてしまったかのように謝り続けています。
私が、そんなことはないよ紫、といおうとしたその瞬間。
あなたは、世界がひっくり返るような感覚がしました。
目が覚めると、隣に紫がいました。あなたは、目覚めの挨拶をします。
「おはよう、紫」
「おはよう、霊夢」
いつもの挨拶でしたが、あなたは何となく切ない気持ちになりました。
あなたは、自分が寝ていた布団をたたむと、いつも通り顔を洗って歯を磨いて神社の外に出ました。
朝日があなたの顔を照らし、清々しい風があなたの頬をさらっと撫ぜます。
「幻想郷へようこそ、博麗霊夢」
不意に、あなたの脳裏にこんな言葉が浮かびましたが、
あなたは、何でこんな変なことを考えてるのかしら私は、と思いながら境内の掃除を始めました。
でもやっぱり設定をいかしたもっと長いのが読みたいかもですね。
……なにかを思い出すとずっと思っていたんですが、ようやくわかった。
ゲームブックだ。あの面白さですね
より不思議なイメージをねらったのかもしれませんが。
オチで広い切れてない感じがしますね。
途中までは幻想郷なのか現代なのか。その世界すらあやふやですし。
そんな中で巫女を選ぶシステムをつくるにしても。
短編ではミスリードを誘うようなあやふや感が余計に邪魔してる気がする。
三人称の文章の中に織り交ぜてみたらもう少ししっかり世界観がつくれるんじゃないかなと思う。
何を伝えたいのかさっぱり分からない。
テーマがしっかりしてないと作品としての評価は出来ません。
実験作だからと言われればそれまでだけど。
ここはアナタの作品に対する反応を確かめる為だけの実験場所ですか? と問いたくなります。
正直雑な作品という印象しか持てませんでした。
幻想郷から博麗霊夢がいなくなる度に、現実世界から人をさらって、博麗霊夢に仕立て上げると。
それを二人称で伝え、まるで自分が主人公のような気持ちになり、物語に感情移入が出来るという仕組みだと思います。
二人称というあまり見られない書き方と、二人称の特性をよくつかみ、活かしきれている良い作品だと私は思いました。解釈は様々ですので、あくまでも私の解釈なのであしからず。
もしくは、幻想郷そのものを、現実世界から紫が調達しているのかもしれません。霊夢の知り合いの名前が東方プロジェクトの登場人物の名前だからという推測です。
淡々とした地の文から「あなた」の困惑、寂しさが、伺える気もします。この雰囲気、好きです。
#この話ではちゃんと「紫」がいたけど、一人でこんな状態になっちゃう人がいたら恐いよね、
とか一瞬思ってしまいましたがw
「霊夢」も悲しいんだろうけど、紫も悲しいというか、
辛いんだろうな…としみじみ思ったり。
この設定で今の東方を見てみると、またすごい意味深なことになりそうな。
悲しさも含め、面白かったです!
読者も一緒に誘導されているような、得体の知れない気持ち悪さが…