「やぁ一輪、私と少しゲームをしてみないか?」
突然やって来た慧音はそう言った。とくに用事もないのでそれに応えることにする。
「いいですよ。一体どんなゲームをするんですか?」
そう尋ねると、慧音は手に持っていた箱を差し出した。
「この箱の中には、6個のシュークリームが入っている。」
箱の中を覗くと、たしかにシュークリームが6個ある。おいしそうだ、甘い物は別腹といった人は天才だと思う。
「このシュークリームは洋泉で買ったものだからとてもおいしいぞ。ただし、このシュークリームの中には
一つだけクリームではなくからしを入れてもらってある。順番にシュークリーム食べて、からし入りの
シュークリームを食べてしまったほうが負けだ。」
「・・・わかりました。それではどちらが最初に食べますか?」
「提案者権限で一輪からだな。」
「いいでしょう。」
箱の中のシュークリームを眺め、少し迷ってから右下のシュークリームを手に取った。
パクパク ・・・・・・甘くておいしい
「さあ、次は慧音の番ですよ。」
「?何を言っているんだ?早く選んでくれるとうれしいのだが。」
はい?何を言っているんだ、はこちらのセリフである。箱の中のシュークリームもちゃんと5個に・・・・・・
6個、ある。シュークリームが・・・おかしいな、たしかに右下にあったシュークリームは胃の中に納まったはず
なのに。
「どうかしたのか?」
「いえ、なんでもありません。」
幻覚でも見ていたのかしら。不思議におもいながらも、再び右下のシュークリームに、・・・いや、左上の
シュークリームに手をのばす。
パクパク ・・・・・・甘くておいしい
「さあ、次は慧音の番ですよ。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
・・・箱を見るとシュークリームは6個ある。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「慧音?」
「なんだ?」
「能力、使ったでしょう。」
「何を言っているのか分からないんだが。」
「私がシュークリームを食べた歴史を消したでしょう。」
「おいおい、私がそんなことのために能力を使うはずがないだろう?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・わかった、ならば私が5つシュークリームを選ぼう。そして、一輪は残ったシュークリームを食べるんだ。
これで文句はないだろう。」
「嫌ですよ、慧音さんはどのシュークリームにからしが入っているか知ってるんでしょう?」
「そこまで言うならば一輪が私の食べるシュークリームを選ぶといい。」
「えぇ!?」
「これでもまだ文句があるのかい?」
「いや、ありませんが、・・・それでは・・・」
一つのシュークリームを指差して言う
「これ以外のシュークリームを食べてください。」
「いいだろう。」
パクパクパクパクパクパクパクパクパクパク・・・・・・ゴクン
「さあ、次は一輪の番だな。」
「えええええぇえええ!!?」
「驚いている暇はないぞ、早く食すのだ。」
うううう、食いたくねぇ、絶対からし入ってるじゃん、これ、え?なに?なんでなん?TRICK?TRICKやねんの?
お願いします教授どんとこい超常現象、けど、からし入りだけは勘弁な。・・・ちくしょう。・・・食いたくねぇ、
パクパク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・甘くておいしい。
「え?」
慧音のほうを見るとニマニマしている。
「からしを入れる洋菓子店なんてあるわけないだろう。」
・・・・・・やられた・・・う~、くやしい、ゲームとみせかけてドッキリだったのか
「・・・ぐぬぬ。悔しいです。」
「ははは、からかって悪かったな、他においしいものでも食べに行こうか。奢るからさ、機嫌を直してくれよ。」
「・・・高級料理でなくては今の私を満たすことはできませんよ。」
「おやすいごようさ。」
「あれってさぁ、からし、入ってたよね。」
「そうね、6個中5個に入っていたわね。」
「歴史を食べればからし入りから元通り、中身は見えないから相手にも気づかれないと・・・ひどい話だ。」
「良い話で終わったみたいですけどね。」
「ところで、一つだけすっぱい成分が含まれている4個入りのガムがここにあるんだけど、どうする?」
突然やって来た慧音はそう言った。とくに用事もないのでそれに応えることにする。
「いいですよ。一体どんなゲームをするんですか?」
そう尋ねると、慧音は手に持っていた箱を差し出した。
「この箱の中には、6個のシュークリームが入っている。」
箱の中を覗くと、たしかにシュークリームが6個ある。おいしそうだ、甘い物は別腹といった人は天才だと思う。
「このシュークリームは洋泉で買ったものだからとてもおいしいぞ。ただし、このシュークリームの中には
一つだけクリームではなくからしを入れてもらってある。順番にシュークリーム食べて、からし入りの
シュークリームを食べてしまったほうが負けだ。」
「・・・わかりました。それではどちらが最初に食べますか?」
「提案者権限で一輪からだな。」
「いいでしょう。」
箱の中のシュークリームを眺め、少し迷ってから右下のシュークリームを手に取った。
パクパク ・・・・・・甘くておいしい
「さあ、次は慧音の番ですよ。」
「?何を言っているんだ?早く選んでくれるとうれしいのだが。」
はい?何を言っているんだ、はこちらのセリフである。箱の中のシュークリームもちゃんと5個に・・・・・・
6個、ある。シュークリームが・・・おかしいな、たしかに右下にあったシュークリームは胃の中に納まったはず
なのに。
「どうかしたのか?」
「いえ、なんでもありません。」
幻覚でも見ていたのかしら。不思議におもいながらも、再び右下のシュークリームに、・・・いや、左上の
シュークリームに手をのばす。
パクパク ・・・・・・甘くておいしい
「さあ、次は慧音の番ですよ。」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
・・・箱を見るとシュークリームは6個ある。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「慧音?」
「なんだ?」
「能力、使ったでしょう。」
「何を言っているのか分からないんだが。」
「私がシュークリームを食べた歴史を消したでしょう。」
「おいおい、私がそんなことのために能力を使うはずがないだろう?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・わかった、ならば私が5つシュークリームを選ぼう。そして、一輪は残ったシュークリームを食べるんだ。
これで文句はないだろう。」
「嫌ですよ、慧音さんはどのシュークリームにからしが入っているか知ってるんでしょう?」
「そこまで言うならば一輪が私の食べるシュークリームを選ぶといい。」
「えぇ!?」
「これでもまだ文句があるのかい?」
「いや、ありませんが、・・・それでは・・・」
一つのシュークリームを指差して言う
「これ以外のシュークリームを食べてください。」
「いいだろう。」
パクパクパクパクパクパクパクパクパクパク・・・・・・ゴクン
「さあ、次は一輪の番だな。」
「えええええぇえええ!!?」
「驚いている暇はないぞ、早く食すのだ。」
うううう、食いたくねぇ、絶対からし入ってるじゃん、これ、え?なに?なんでなん?TRICK?TRICKやねんの?
お願いします教授どんとこい超常現象、けど、からし入りだけは勘弁な。・・・ちくしょう。・・・食いたくねぇ、
パクパク・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・甘くておいしい。
「え?」
慧音のほうを見るとニマニマしている。
「からしを入れる洋菓子店なんてあるわけないだろう。」
・・・・・・やられた・・・う~、くやしい、ゲームとみせかけてドッキリだったのか
「・・・ぐぬぬ。悔しいです。」
「ははは、からかって悪かったな、他においしいものでも食べに行こうか。奢るからさ、機嫌を直してくれよ。」
「・・・高級料理でなくては今の私を満たすことはできませんよ。」
「おやすいごようさ。」
「あれってさぁ、からし、入ってたよね。」
「そうね、6個中5個に入っていたわね。」
「歴史を食べればからし入りから元通り、中身は見えないから相手にも気づかれないと・・・ひどい話だ。」
「良い話で終わったみたいですけどね。」
「ところで、一つだけすっぱい成分が含まれている4個入りのガムがここにあるんだけど、どうする?」
今作も、その発想はネタとしては面白いですが、東方でやる意味があったのだろうか? と感じる。
雰囲気の良い作品をプチで書いてるのを見て、地力はあるんだから、もう少しなんとか出来るんじゃない? ってのが素直な感想です。
ああ、とうとう言われてしまった。えーとですね。シュレディンガーの猫って、仮説云々は置いといて、絶対箱の中の猫は死んでるじゃないですか。けれど、箱を開けるまで真実は分からない。慧音の場合、箱の、今回はシュークリームにですが、中に何を入れたとしても歴史を変えれば前の状態に戻すことが出来ます。それが絶対確率、慧音には箱の中の確実に死んでいる猫さえ生きているという選択をとることが出来るのです。多分。
・・・だめだ、特に考えてなかったからよく分からないこと言ってる。フィーリングで、一輪は慧音の言葉を信じ、からし入りは1個だと思っていましたが、実際には5個からし入りがあったこと、慧音が5個のシュークリームを即座に完食したことで、一輪は残りの一つには絶対にからしが入っていると思い込んだことなどをおもしろく思っていただけたら幸いです。
うんw 先程も書きましけど、その発想はとても面白いです。
前作とは違い、解説なしでもナルホドと納得できる内容でした。
ですが私としては、ネタの部分にだけ力を入れるのではなく、あまり接点の無さそうな慧音と一輪が何故このように仲良くなったのかとか、どういった経緯でこの場面へと至ったのか等、物語そのものの背景や人物の心情描写を丁寧にして欲しいと思うのです。
確かにこれだけでも楽しめる事は楽しめるのですが、書きたい事しか書かないのでは少し不親切な感じを受けます。
生意気な事を言って申し訳ないのですけど、プチでの作品では、とても良い雰囲気を醸していらしたので、あの細やかさがこの作品にあれば最高だったのに、と思ってしまいます。