夏の暑さもすっかり身をひそめ、日が落ちるのが早くなった秋口のとある日。
鬼のかく乱とはよく言ったもので、紅魔館のメイド百人に聞いたら
間違いなく百人全員が鬼と形容するであろう
完全で瀟洒でナイフ中毒でペドフィリアなメイド長、十六夜咲夜が病に伏した。
「ゴホ!ゴホ!も、申し訳ありませんお嬢様……。
私としたことがこの様な醜態を……ゴフゴフフ!」
「まあ、罹ってしまったものは仕方が無いわよ。
それにこれは……こないだの冷蔵庫プレイにもって言うか
どう考えてもアレが原因だから……私の責任に因るところが大きいわ」
どれだけ普段から鍛えているとは言っても、流石に色々な部分が規格外の存在であるレミリアの
二十七時間耐久冷蔵庫プレイに付き合うには、人間の身体は少々脆弱過ぎたようだ。
そしていくら精神的に冷蔵庫プレイを喜んでいたとしても身体は正直、
「これに懲りたら二度とあんな変態行為に及ぶんじゃねーよ」とでも言うかのように
熱と倦怠感、咳に鼻水頭痛に涙とおよそ考えうる限りの責め苦を以って咲夜を戒めていた。
「どいて下さい先輩方!こんなチャンスは滅多にないんです!
看病するフリして咲夜さんに色々破廉恥な行為に及べるだなんて
そんな素敵に無敵なゴールデンタイムは一世紀に一回あればいい方なんですから!!」
「ほざくな新入り!!貴様ごときに私の敬愛する侍女長殿を渡してなるものか!!
この私のマリアナ海溝より深くチョモランマより高い愛を邪魔すると言うのなら
例え同じ釜の飯を喰った仲だとて容赦はせぬぞ!!分かったらサッサと去ねぃ!!」
「アンタらねぇ、たかだか五十年も生きていない人間の小娘が何言ってんのよ!
あのメイド長には紅魔館に来た当初からずっと私が目をつけてたんだから
おとなしく身を引きなさい!さもないとアンタらの頭蓋骨をスプーンでこじ開けて
その色ボケぶっこいた脳髄ストローでチューチュー吸っちゃうわよ!!」
「なッ!何言ってるんですか先輩方ッ!!愛情ってヤツぁ付き合った時間とは関係ナッシング!!
まったく、二人ともいい年かっぱらって咲夜さんハァハァだのアヘアヘだのちょっとは恥を知ってください!!
年上だからってあんまり調子に乗ってるとこの神すら切裂く白銀の左足の封印を解き放ち
この世界のあらゆる平行宇宙上から先輩達の存在を取っ払っちゃいますよ!!」
「このませ餓鬼めが!言うに事欠いてこの私に恥を知れとは何という無礼な!
恋と愛の区別も付かぬ、さして年端も行かない貴様の様なへちゃむくれに
侍女長殿の夜伽の相手が務まるものか!子供は子供らしく部屋に引き篭もって
落花生の殻でも引っぺがして遊んでいろ!!」
「ああもう埒が明かないわ!もはやこうなったら話し合いでの解決の可能性は絶無!
ここはひとつメイドらしく誰が一番メイド長に御奉仕出来るかで決めようじゃないの!
二人とも!!この案に異論は無いわね!?」
「待ちなさい貴方達!異論まみれよ!私の咲夜さんに手を出そうとする不届き者は
この二連装夕張メロンのサビにしてくれるわ!喰らいなさい必殺奥義!
バーストホルスタインナーバストルネード!!」
「「「チャイナァァァァァァ!!」」」
そして廊下と室内を隔てる扉の向こうからは、咲夜を慕うメイド達と美鈴の
実に同僚と先輩想いな生温かい会話が聞こえてくる。
その供給過多につき値崩れ気味な愛情と友情をひしひしとその身に感じて
思わずこめかみと胃袋のあたりにキリキリムカムカとした重みを感じる咲夜。
本気の愛とは素晴らしいものであると同時に心にも身体にも重いという事を示すいい例だ。
「……大変ね。まあ、あのメイド達も悪い子じゃないんだけど
求愛行動がちょっと露骨過ぎるのよねぇ……一体誰に似たのかしら」
ベッドの横にある椅子に座ったまま扉の方に目をやり、呆れと苦笑の入り混じった表情でそう言うレミリア。
この時咲夜は「この館は主が変態ですから類が友を呼んでるんですよ」と言おうと思ったが、
よくよく考えてみれば自分もどっちかと言うとそのカテゴリに入るという衝撃の事実に気付き
思わずツッコみ損ねてしまい「うまくツッコめばお嬢様にぶん殴ってもらえたかもしれないのに」と
顔で笑って心で泣いていたのだがそれはこの際関係ない。
「そう言えばさっき小悪魔が言ってたんだけど……今パチェが図書館に篭って何やってるか分かる?」
「……パチュリー様が一人でこっそりする事と言えば……効率的で消極的な夜這い方法の考察ですか?」
「違うわよ。パチェったら、さっきから必死になって病気とか医学に関する文献漁ってるみたいなの」
「医学……ですか?でもパチュリー様だってたまには普通の本くらい……」
「もう、鈍いわねぇ。咲夜の容態を心配して、それで何かいい治療法が無いかって探してるのよ」
「え……わ、私を……ですか?パチュリー様が?」
いつもは魔理沙以外にはさしたる興味も無い様子で
本を読みつつ変態的な魔法の考案に没頭している
パチュリーも
何だかんだ言って咲夜を心配しているのだ。
いつだか猫度が何点だとか訳の分からない事を言われた際は
こいつ引き篭もりすぎて頭トんじゃったんじゃねーのか思っていた咲夜だが、
単なる変態だとばかり思っていたパチュリーのちょっといい話に、ほんのりと胸が温かくなる。
「ま、言うなって言われてたんだけど……それにしても……ふふ、咲夜ったら大人気ね」
「お、お戯れを」
くすくすと、半ばからかう様に微笑みながら言うレミリアに
咲夜の頬がぱっと紅を散らしたように赤くなる。
いつもはどんな変態行為を働いた後でも何食わぬ顔で
知らんぷりかましている瀟洒な咲夜の、純情な乙女の様な
その初々しい仕草がまたレミリアの微笑を誘う。
「うふふ……はい、あの薬師から強引にかっぱらってきた薬よ。飲みなさい」
「(何で飲み薬なのに座薬の形してるのかしら……)あ、ありがとうございます……んっ……」
レミリアの差し出した薬を受け取り、妙な気持ちになりながらそれを飲み下す咲夜。
その様子をしかと見届けた後、さてと、と一息ついてレミリアが椅子から立ち上がった。
「じゃあ咲夜、しかと養生するのよ」
「は、はい……ありがゴホ!ございまハバ!申しわコルパショオ!ありまシャバダバァ!」
「おやすみ」
どうやら症状は思ったより深刻なようだ。これは一刻も早く休養が必要だろう。
それに自分がここに居ると咲夜も気を抜けないかもしれないし、と考えて
レミリアが咲夜の部屋から出て行く。
「……行っちゃった……あーあ、汗かくとすぐに治るわよ、ああだめですお嬢様うつっちゃいます
いいのよ咲夜モゾモゾゴソゴソメロ……ムニュ……柔……シャリ……ハヒィ──ッ、的な展開を
期待してたんだけど……流石にちょっと理想論が過ぎたみたいね」
レミリアの足音が完全に聞こえなくなったのを確認して咲夜が呟き、その数分後。
何やら扉の向うから「全身──全霊にて!看病権を勝ち取る!」とか
「病気なくして看病のカタルシスはありえねェ」とか「オエアァアアアァア」等の
美鈴とメイド達の声に混ざって、バキッとかドガッとかバオッとかヂャクッとか
そんな感じの人体を破壊する系の音が聞こえてくるが、
それら一切を徹底的にシカト決め込んで布団に包まる咲夜。
主人の前では少しでも凛とした姿を、と張っていた緊張の糸がぶつりと切れ、
暗い部屋の中で軽くあくびをし、早くもうとうととし始める。
どうやらあの薬には眠気を促進する作用もあるようだ。
……まあ、別にかまわない。
他にやりたい事があるわけでもないし、ならばたっぷりと睡眠をとって
一日も早くベストコンディションを取り戻し、お嬢様のお世話に戻りたい。
どうせこの体調ではお嬢様の人形を駆使ってひとり遊びも出来ないし、もう寝てしまおう。
ちょっと待って、そう言えば明日は週に一度のお嬢様’sクローゼット大冒険の予定があったんだっけ。
こうしちゃいられない、一刻も早く身体を休めておかなくちゃ。
徐々に闇に融けて行く思考の中でぼんやりとそう考え、すう、と咲夜が目を瞑る。
そのまま心地よいまどろみに包まれ、咲夜の意識が眠りの奈落へと落ちていった。
・
・
・
・
・
夢を見た。
ただ空っぽで、たったの一つ。
世界は宵闇。
深遠なる真円の月。
さらさらと吹き崩れる黒い血の沙漠。
紋様、いや、回路といったほうが適切であろうか。
自分の身体に走る、禍々しい紋様を描く光溢れる幾条もの回路。
膨、と、静かな狂気と一抹の優しさを孕んだ橙色の光水が
それらの回路を辿って身体を這い回る。
温かい。
暖かい。
気持ちが、悪い。
暖かい。
温かい。
ふと、宙を見上げる。
ぼんやりと煌く月が、ゆらり、と揺れて、小さくなった。
さらりさらりと崩れていく足元にふと目をやる。
黒血の流沙に映る月が、ふわり、と震え、また小さくなった。
(アナタは患っテルワ)
踏み出してみる。脚が沈む。踏み出してみる。脚が沈む。
見上げてみる。月が沈む。見上げてみる。月が沈む。
踏み出す。月が沈む。見上げる。脚が沈む。
(さあ、さあ、さあ、さ、癒してあげませう、治してあげませう)
肉塊を地面に叩きつける様な、「ドゥン」という音につられて後を振向き、また宙を見遣ると。
はたして月が小さくなったのか。
はたまた自分が流沙に呑み込まれたか。
黒い血の沙漠に白銀の驟雨を降らせる新円がふっと消え。
(……あ)
──そして、その刹那。
(まるで……)
──深遠にして真円であった筈の、白銀の月が。
(……私の様な……)
──ほんの少し……欠けている事に、気付いた。
(十六夜の、月…………)
・
・
・
・
・
「……ふぁ」
意識が眠りの海から浮かび上がる。
黒一色だった世界が徐々にぼやけて行き、
目がまだ薄暗い部屋の情景を少しずつ認識する。
枕元に置いてある時計を見やると、いつも起きるのと同じ時間を差していた。
風邪を引いていたのに普段と寸分違わぬ時刻に目覚めるなんて
メイドとしての性かしらね、と苦笑する咲夜。
「んっ……と」
軽く首を回してをかき上げ、ゆっくりと上体を起こす。
なにやら変な夢を見ていたような気もするが、
たっぷりと睡眠を取ったためもあり、身体も心も今朝はまことに爽快だ。
熱も引いたし喉の痛みも殆ど無く、そして何より体が軽い。
まるで青空を可憐に飛び回る小鳥になった様だ。
流石は月の頭脳と呼ばれていたほどの大天才、八意永琳。
性根には色々と重大な問題があっても薬師としての腕は確かだ。
これなら今日からでも仕事に復帰できるだろう。
うーんと背筋を伸ばし、ふうと大きく息を吐いて咲夜がベッドから降り立ち。
一つ目の異変に気付いた。
「……あれ?」
錯覚か、はたまた夢か……心なしか、周りのあらゆる物が大きく見える。
その異常事態に際し、咲夜の灰色で瀟洒な脳細胞がMAXターボかっぱらって動き始めた。
シナプスが唸りを上げてエンドルフィンが燃え上がり、ノルアドレナリンが迸り神経細胞が爆ぜる。
十六夜咲夜、完全で瀟洒な名探偵モード始動だ。
……五感明瞭。主観と客観の誤差、0.06%……許容範囲内。
……総思考回路を並列に連結、複数思考同時錯綜型環形回路に移行。
……ベッドが大きい。これだけ大きければお嬢様と激しくプレイしても落ちる心配はない。問題なし。
……タンスが大きい。これだけ大きければ中でお嬢様と完全犯罪密室プレイとしゃれ込める。問題なし。
……『一番回路にノイズ発生。現実との誤差、7.89%にまで拡大』
……机も大きい。机の上で致すというのもなかなか斬新で新感覚なプレイになりそうで実に瀟洒だ。問題なし。
……『二番回路にノイズ発生。現実との誤差、47.89%にまで拡大』
……三週間かかって拵えたお嬢様人形も大きい。このサイズなら頬擦りにも嘗め回すのにも丁度いい。問題なし。
……ベッドの下に隠したお嬢様マル秘肖像画も大きい。これならキッスをかますスペースが沢山取れる。問題なし。
……解決の必要性がある問題の数、ゼロ。
……『第一、第二回路からの警告信号。現実との誤差及び恣意的歪曲率、65.99%にまで上昇』
……思考回路連結解除『WARNING』『WARNING』『WARNING』単一思考追従型第三番回路に移行する。
「……ま、いっか」
とりあえず体の調子は戻ったのだからいつもの仕事に戻る事にする。
まずは身だしなみを整えねばならない。
空間を捻じ曲げて壁から直に庭へ出て、
そのまま水場に向かい顔を洗い、歯を磨く。
その後身体が完全に活動モードに入るまで軽く動き、部屋に戻る。
その次は着替えだ。
まずは寝巻きを脱いで一糸纏わぬ姿になる。
何時如何なる状況からでもお嬢様に襲いかかれる様に下着は着けない。
これを思いついた時咲夜は自分のあまりの瀟洒っぷりに感動し咽び泣いたらしい。
そして、服を着る前に机の上に置いてあるナイフとベルトを取り、ふとももに装着し……
「……ッ」
二つ目の異変に気付いた。
まただ。
また大きい。
固定用のベルトとナイフが一まわり、いや、二まわりほど大きい。
いつもは軽々と振り回すどころかブン投げているナイフが、いつもより重く感じる。
しかし大きくなっている以外にはさして変わった所も無く、妙な魔術の気配も感じられない。
ナイフとベルトを持った手からは、まるで最初からこの大きさと重さだったような、実に自然な感触が伝わってくる。
とは言え、ここは常識なんて言葉は夢の彼方に消し飛んでいるハイパーアンビリーバボーワールド幻想郷。
一晩の内にナイフが大きくなるなんてことはさして気にするような事ではない。
何時だかは夜空に浮かぶ月でさえ異常(おか)しくなっていたではないか。
あの時に比べればこの程度、良くない妖怪とか怪しい術の気配も無いし、問題ないだろう。
「……そう、問題ないわよね、うん」
そう言いつつも、ナイフから伝わってくる違和感を完全に誤魔化す事は出来なかったのか、
いつもよりも一本少ないナイフを両のふとももに装着する咲夜。
……さて、次は服を着ねばならない。
いくらお嬢様をすぐに襲えるといっても流石にスッパで館の中を闊歩する気にはなれない。
どこぞの狐でもあるまいし、と、これまた微妙に大きいドレッサーにかけたメイド服へと手を伸ばし……
三つ目の異変に気付いた。
すかっ。
「………………え?」
手の先に来る筈の、布の感触が無い。
精一杯に伸ばされたはずの腕はむなしく空を切り、
ドレッサーのメイド服はそれこそ繊維一本乱れぬ、変わらない姿で
泰然と咲夜の眼前に吊るされたままだ。
………………空、振った?
これは一体、何がどうしてどういう訳でどういう事だ。
何故、何故に眼前のメイド服に手が届かない。
落ち着け。落ち着きなさい十六夜咲夜。
こういう時こそ心涼しきは無敵なり、とりあえず深呼吸。
ヒッ、ヒッ、フー。
ヒッ、ヒッ、フー。
ヘイ、ヘイ、ホー。
いや、これは深呼吸と違う。
いや違う、とにかく違う、その、さっきのは……えーと……そう、病み上がり。
病み上がりなものだから、ついうっかり自分の手の長さを忘れてただけの事。
そう、落ち着いてもう一度、もう一度だ。今のはノーカン。次のが本番。
何、この程度の朝飯前たる瑣末事、あまりに容易で欠伸が出過ぎて顎が外れる勢いではないか。
こうやって、ドレッサーに吊るしたハンガーにかけたメイド服にゆっくりと手を伸ばして──
すかっ。
また、空振った。
「…………ッッ」
すかっ。
すかっ。
すかっ。
「ッ…………!?」
……おかしい。どう考えてもおかしい。
どうして届かない、何故届かない。
いくら周りの物が大きくなっているとは言え、これではまるで自分の腕が……と、
そこまで考えた瞬間、咲夜ははっとして己の手のひらをよくよく見つめる。
そしてそこにあったのは先程はナイフに囚われて気が付かなかったが、
伸びやかにすらりとしていて美しいピアニストの様な繊細な指ではなく
どことなく寸の詰まった、ぷっくりとして柔らかそうな……まさに子供のそれ。
更に胸元を見下ろすと、ただでさえ隕石の落下地点に近かった悲惨な胸部が
死人に鞭打ち火をつけ挙句の果てには蹴っ飛ばすくらいに、また更に小さく、幼くなっていた。
「…………あ」
軽くなった体。
大きくなった世界。
メイド服に届かない手。
「あ、あ…………ッ!」
咲夜の脳内で、三つの異変がパズルのピースの様に組みあがる。
妄想のフィルターを通して捻じ曲げられた凄惨かつ衝撃的な現実が、
うねり狂う竜神の灼熱の吐息の如くに咲夜の意識を灼き尽くしていく。
脳が今すぐ思考を放棄しろと叫ぶ。
両の眼が今すぐ現実から目を背けろと霞む。
心が今すぐこの場所から逃げ出せと慟哭する。
あまりにも受け容れがたい現実に浸食されて、咲夜の自我は己を護る事すら忘れ。
今の今まで無意識に眼を背けてきた、ドレッサーに付いた大きな鏡。
ふと、そちらに眼を遣ってしまった。
ああ……やはりそうか、やはりそういう事だったのか
無意識の内に濃ゆい妄想に浸る事で誤魔化し煙に巻いていた、凄惨な現実。
いや何、事象事態はさしたるシリアスプロブレムでも何でも無い。
主語と述語と状態を表す単語を、それぞれ一つずつだけ使えば表せる実に単純明快な事象だ。
そう、つまりは────……
あ……待って、止しなさい、やめて、ヤメロ、知ってはいけない、認識してはいけない。
(ちぎれるッッ)
それを、それを認識してしまったら。
(自我がッ)
(理性がッッ)
もう……自我(わたし)を護れない。
(もたない)
(繋ぎとめておけない)
「自我の安全を
(他の誰かじゃない、自我)
保証できない」
『仕方ないじゃん 「コワレる……ッッ」 現実なんだから』
『周りが』
『大きくなった』
『のでは無く』
『私が
(やめて────……)
小さくなった』
「だおォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!」
まるで世界を破壊する神の雷がもたらす爆音の如き、激しい慟哭。
緊急事態にも程がある凄まじい現実に押し潰され、ついに咲夜の
完全で瀟洒な灰色の脳細胞及び心臓が悲鳴を上げた。
鏡に映っているのは紛れも無い自分。
しかし眼に映っているのはおいちょっと待てテメー侵入者かと言いたくなるような
ついぞ見た事も聞いた事も無い容姿の謎の幼女。
つまりは自分が何時の間にやら幼女にトランスフォームしてしまっているという事だ。
どこぞの外見年齢無限可変式ぐーたら年増妖怪でもあるまいし、
誰がこんな奇想天外この上ない状態で冷静な行動を取る事が出来ようか、いや出来ない。
ちなみにこの時咲夜は鏡に映った自分の姿に対してあろう事か欲情してしまい、
僅かに残っていた頭の冷静な部分をフル稼働させ鏡に映る姿をスケッチして
後でじっくりと罪深い行為に使おうとしていたのだがそれはこの際どうでもいい。
「咲夜ッ!一体何なの今の叫び声はッ!無事なの!?」
その数秒後、扉の向うからレミリアの声と
複数の足音が猛スピードで近付いてくる。
あの咲夜がここまで切羽詰った叫び声を上げるとは
相当のっぴきならない事態が起きているのだろう、と思ったのだろうか、
珍しくレミリアの声が上ずっている。
よく聞くと小さくパチュリーや美鈴、フランドールの声も聞こえる。
どうやら先程の叫び声は紅魔館の地下にまで響き渡ってしまったようだ。
「お、お嬢様……お、お待ち下さ……い、いえ!何でもありませ……!」
「あんな生き肝直で引っこ抜かれたみたいな声出しといて
何でもないわけ無いでしょうがッ!……入るわよッッ!」
「待………………ッ!!」
次の瞬間、ドグシャアッ、と荒々しく扉が蹴破られ。
「一体どうし……たのッ………………咲………………………や…………………ッ」
ドレッサーの前にへたり込んだ咲夜の姿を見た瞬間、
流れ星が、すう、と消えていくように、レミリアの声が萎んでいき。
そして、咲夜の。
「─────れ」
レミリアの。
「─────み」
パチュリーの。
「どうし─────り」
フランドールの。
「何今の声─────あ」
美鈴の。
「大丈夫で─────う」
その場に居る全員の、いや、世界の時が止まった。
「「「「「「───────────────」」」」」」
耳に痛いほどの静寂。
誰も動かない、いや、動けない、停止した空間。
景色は徐々に色を失っていき、やがて完全なるモノクロと化して
人も、風も、音も、時も、光さえも死に絶えたかのような
ある意味パーフェクトなスクウェアへと変貌していく世界。
時が止まっているのに五分と数えるのもおかしいがとにかく五分ほどの沈黙の後、
時間を操る程度の能力を持つ咲夜が真っ先に世界の呪縛から抜け出し、そして。
「お嬢様……こんなんなっちゃった……」
時の止まった世界のド真ん中で、ぽつりとそう呟く。
それが決壊の引鉄となった。
「「「「「わ~~~~~~~~~~ツッ!!」」」」」
どこぞの竹林に巣食うサスペンダー付き蓬莱の人の形ですら
ポケットに入れている手を思わず抜拳してしまいそうな程衝撃的な事態に、
協調性?何それ?新しい病原菌の名前?とでも言いそうな位に個性の強い面子揃いの
レミリア達の声が完璧に揃い、文字通り異口同音の驚愕の叫びを発する。
「落ち着くのよ!落ち着きなさいレミリアスカーレット!
私は極紅の鮮血による驟雨で漆黒の夜空に燦然と輝く宵の明星すら赫く染める夜の王!
行住坐臥泰然とし厳然とし確然として畏怖されるべき深紅の悪魔!
その私がたかだか咲夜がちょっぴり幼女になってたからってうろたえたりする筈がって
何この背筋を尺取虫の様に伝う不快な事この上ない嫌な汗はッ!?
こ、こういう時は……そう、素数を!素数を数えて落ち着かなきゃ!
い、1!3!5!7!木!金!土!日!ナマズ!エントツ!ドロワーズ!」
「ああ……私もう駄目だわ、本の読みすぎで妄想と現実の区別が付かなくなるだなんて
ちょっと間違った引き篭もり像の典型みたいな大惨事を引き起こしてしまうなんて……。
この間魔理沙に貸した本の一ページ一ページの紙の繊維一本一本それぞれに
強烈な媚薬的効果を辺り構わず垂れ流す術式をこっそり付与したバチが当たったのね……。
魔理沙……せめて貴方にもう一回会ってから壊れたかった……ゴフ!ゴバ!ゲボッハ!バジャバ!」
「え?あ?ら?な?に?さ、咲夜?姉様?パチェ?え?え?
あ、ああ……咲夜が……姉様が……皆が……あ、あ、あ、ああぐあくああくあぐああ、あ、あ、あ?!!?
げ、げ、幻想郷のォォォォ!おおらかさと残酷さはァァァァ!宇ッ宙一ィィィィィィ!
うぎぎ!破壊!破壊!ハカイ!ハカイ!ハイ!ハイ!ハイ!ハイ!ハァァァァァァイッ!!」
「種々なる主従に置いて漸次投射す灰燼なる烈業を餞とし
徹甲的復興の息吹は専行的穿孔の飛沫を変り身とし
欠けた月に晴れた雲の陰には腫れた騒乱を駆けた仏子の影!
魔彩光のスターダストレヴァリエが月まで届いて無限の殺人鬼が第一種不夜城鬼縛陣の煙!
終わらない夜に終わる世界で蛹を斬り抜く上弦の月は赤く染まりし罪の亡骸!
生存幻想の中で踊るちぐはぐな衝動が一人歩きし砕け散るのは硝子の如き理性の格子!
さ、さく、さっ、さくっ、咲夜さぁぁぁぁぁぁん!イッツアプリティ!モ、モ、モ、モアザンプリティ!
もっ、欲情(も)え──────────────────────────────!」
「お、お嬢様ッ!どうか冷静に!どうか瀟洒に!
お待ち下さいそれは素数どころか数ですらありません!
それとパチュリー様!今貴方が抱きしめていらっしゃるのは
魔理沙ではなくたまたまそこにあったナマコです!
さらに妹様!お腹が裂けそうな程ブリッジしながらスターボウブレイク色の
体液吐き出すのは止めてください!画的どころか倫理的にも非常に拙いです!
挙句の果てに美鈴!逆立ちしながら猛スピードで迫ってくるってキモいの極致だから!
って言うか何!?何その思いっきり垂れ下がってる二つのメロンは!?
もしかして私へのあてつけ!?あてつけなの!?オォ!?えぇ!?
おのれ美鈴ゥゥ!ちょっとばかしぶるんぶるんとかたゆんたゆんって効果音を発することが出来るからって
調子こいてんじゃないわよぉぉぉぉぉぉぉ!!ルドビレジャック出撃ィィィィ!!キェェェェェェ!!」
かろうじて冷静さを残して咲夜までもが正気を失った、まさにこの瞬間。
もはやこの惨劇の幕を下ろせるものなど誰もいない、
まさに無間地獄としか形容しようがない凄まじい地獄絵図が完成した。
例えおぞましき冥界の王であってもこの光景を見たら
あまりの恐怖と禍々しさに、失禁しながら逆立ちして逃げ出すであろう。
そしてこの騒ぎを聞きつけ真っ先に駆けつけたメイド、一腹越仔(仮名)は
後に『生まれてきた事を後悔したのは後にも先にもあの時だけです』と語っていたという……。
・ ・ ・
「要するに……朝起きたら幼女になっていた、と……そういう事よね?」
「は、はい……」
「何ともはや……」
とりあえずは混乱の収まった咲夜の部屋。
もうあの後は阿鼻叫喚の乱痴気騒ぎが煉獄涅槃で夢の世界だった。
とりあえず数と曜日の区別も付かなくなる程に混乱していたレミリアには熱い目覚めのベーゼをぶちかまし、
魔理沙の幻影を抱いて静かに腐り落ちようとしていたパチュリーには熱いコンボを叩き込み、
元々狂っていたのが更に狂ったら逆にマトモになった、とはいかなかったフランドールには熱いグラタンを口に突っ込み、
目を血走らせて欲望を滾らせ、よだれと鼻血を所狭しと迸らせながら襲い掛かってきた美鈴には、
同時に八箇所の関節を加速させる事により放つ音速の拳をぶち込んで、なんとか全員正気に戻す事に成功した。
騒ぎを聞きつけて集まってきたメイド達も、信じられないといった様子で咲夜を見ている。
その視線の八割以上から物凄く邪悪でいやらしいプレッシャーを感じるのはきっと気のせいだ。
「それにしても、まあ……私の目線が咲夜より上にあるだなんて……あ、そうだ」
大きさや重さなどという物は他者と比較してみるとより一層よく分かる。
レミリアの言うとおり、今の咲夜は身長座高ともにレミリアを下回っていた。
もはや自分よりロリータ風情を醸し出すとてつもない姿になった咲夜を
ものすごく微妙な面持ちで見つめながらそう言うレミリア。
と、その時急に何かを思いついたらしく、咲夜と向かい合って座っていたソファから立ち上がり
つかつかと咲夜の前に歩み寄る。
「?お嬢様……何を」
「ヂャッ」
いきなりレミリアが神速の居合蹴りをぶっ放して咲夜をイスごと天井高くまで蹴っ飛ばした。
咲夜は美しい放物線を描いて華麗に宙を舞った後、無事そのまま美鈴の上に着地したが
いたいけで可憐、そして天真爛漫かつどことなく儚げな美幼女に蹴りを叩き込むと言う
明らかにトチ狂ったとしか思えないレミリアの唐突な凶行に、そこにいた物全員が自分の目を疑った後に丸くする。
しかしその荒っぽい行動とは裏腹に、咲夜の反応は実に穏やかかつ安らかなものだった。
「あぁ……お嬢様ったらいきなりこんなに激しく……ああん、皆がみてますよぉ(はぁと)
そ、そんな……居合蹴りプレイだなんて……きゃっ、はッッッッずかし────いッ!!」
蹴られた時どこかに頭でもぶつけたのだろうか、美鈴の頭上でくねくねと身体を捩って恍惚の表情を浮かべる咲夜。
姿は幼女だが、言ってる内容はいつもの如く変態極まりないのでそのミスマッチ感が実に背徳的だ。
そして、今まで半信半疑だったパチュリーや美鈴、そしてその他大勢のメイド達も
小さい身体ながらレミリアの蹴りに耐えた防御力と華麗な身のこなし、
加えてこの発言で一分の隙もなく「間違いなくこの幼女は咲夜だ」と確信した。
こんな瑣末な事でひとりの人間のアイデンティティを他者が認識出来てしまう辺り
紅魔館メイド部隊のこんにゃくより固くダイヤモンドより柔軟な絆が見て取れる。
「何らかの衝撃を与えれば事態が進展するかと思ったんだけど……アテが外れたわね」
レミリアが妙に残念そうな表情でそう言う。どうやら本気の行動だったらしい。
この時その場にいた咲夜以外の全員が「外れてんのはアンタの頭のネジだろ」と思ったが
余計な事言って咲夜もしくはレミリアにぶっ殺されるのが怖いので結局誰も何も言わなかった。
そんな周囲の気持ちを知ってか知らずか、未だ美鈴の頭の上でイソギンチャクの様に
くねくねと蠢いている咲夜を見上げてからぐるりと周りを見回し、レミリアが再び口を開く。
「で、この子が咲夜だと確定したところで……何がどうしてこんな事態に……。
最後に咲夜と会ったのは私だし、その時はこんな事にはなってなかったんだけど……
咲夜は何か心当たりは……って、分かってたらあんなに大きな声上げたりしないわよね。
フランは……昨日は一日中魔理沙と遊んでたから分かるわけ無いか」
「うん……ごめんなさい姉様、咲夜……」
「気にしなくていいのよ……さて、と言う事は……」
レミリアの言葉と同時に、その場にいた全員がパチュリーと美鈴の方を向く。
パチュリーが昨夜、咲夜の為に色々な文献を調べていたのも
美鈴が咲夜の部屋の前でメイド達と看病権を賭けて争っていたのも
すでに紅魔館中に知れ渡っているので、何かやったのならこの二人だろうと全員が考えていた。
「その……実は、ね」
そして大方の予想と合致して、パチュリーと美鈴が
少々ばつの悪そうな顔で言葉を紡ぎ始めた。
「昨日咲夜の治療法を探してたら、今まで見たことの無い治療魔法の術式理論がとある本に載ってたから
実験台を兼ね……じゃなくて、丁度いいわねって事で咲夜が寝てる間に……こう、ピンポロポーンって」
「わ、私も……心配になって……その、咲夜さんが寝てる間にちょっと気功で治癒を施しましたけど……
ちなみに心臓に直で気を送り込むフリして柔らかさとまろやかさを堪能してたのはここだけの秘密でヒデブ!」
淡々とした口調の中にさりげなく爆弾発言を織り込んで言うパチュリーと
咲夜がまだ頭上に乗っているのを一瞬忘れてうっかり失言してしまい、
紅魔館メイド必殺奥義その4000「マジギレロマンス転蓮華」をモロに喰らって
頚椎の辺りがとっても面白くない事態になりかかっている美鈴。
ちなみにその技を喰らう直前「咲夜さん……貴方のふとももが暖かい」と言っていたらしいが
それがどういう意味を含んでいるかは全く以って五里霧中の謎である。
そして暫しの間、二人の言葉を脳内で反芻していたレミリアがゆっくりと口を開いた。
「分かったわ……あの薬師の薬の作用及び副作用。
パチュリーが使った怪しげな魔法で刺激された咲夜の内包する魔力。
そして美鈴の送り込んだ気の力と、またそれによって活性化させられた咲夜の気。
それらが体内で化学反応を起こしスパークしたのよ。
それを踏まえて考えてみれば……ほら見なさい、裏返ってるわ、色々と。
変態なところはちっとも裏返ってないみたいだけど。リバーシブルなのね」
「……変な夢を見たと思ったら……成る程、確かに『十六夜』が小さく……うう」
とりあえず原因は判明したが、それでどうにかなるかと言う訳でも無い。
あり得なすぎる現実に心も身体も磨耗した咲夜が、もはや美鈴とパチュリーを責める気にもなれず
自分の技でぶっ倒れた美鈴の上に座ったままがっくりとうな垂れる。
……確かに幼女は好きだが、それは別に自分がそちら側に行きたいという意味ではないのだ。
何にだって適材適所という物がある。それに、こんな状態じゃお嬢様に襲い掛かっても
あっさりと撃退されてしまうだろうし、美鈴達にだってなめられてしまいかねない。
と、咲夜が周囲に鬱オーラを撒き散らしつつ落ち込んでいると、その不安を察したのか
レミリアが咲夜の両肩に手を掛け、優しく言葉を紡いだ。
「まあ、永久に効く薬なんて無いわよ。どこぞの蓬莱の薬じゃあるまいし。
とりあえず普通に暮らしてればそのうち元に戻るでしょ、心配ないわ。
むしろこれ以上下手に手を出して事態が更に悪化する事の方が問題よ」
「はぁ……それはまあ、確かにそうですが……」
「申し訳ないことをしたわね、咲夜……。
でも今回の事態で私は素晴らしい事を学んだわ。
薬は魔術や気功の影響で体内において予測不可能な化学変化を起こす。
今度魔理沙に大量の媚薬を投与した後サイレントセレナでも叩き込んでみよっと」
「パチェ、貴方ちっとも全然まったくこれっぽっちも反省して無いでしょ」
「イヤネエ レミィッタラ ハンセイシテルニ キマッテルジャナイノ ウフフ」
「いや、カタカナで喋るのってこういう場合逆効果だから」
至極楽観的なレミリアと全然悪びれた様子の無いパチュリーに
またも気が重くなり、小さく溜息をつく咲夜。
そのうち元に戻るとは言うものの、その「そのうち」と言うのが問題なのだ。
何と言ったって月の頭脳と呼ばれた程の永琳特製の薬に
大魔女パチュリー・ノーレッジの魔力、更には美鈴の気までもプラスされている。
とてもじゃないが常識的な範囲に収まってくれるとは思えない。
極端な話、あと三十年くらいこのままという可能性も捨てきれない。
「そう言えば皆さん、庭の花壇にすっごくキレイな百合が大量に咲きましたよ。
でもその中に一輪だけ周りと比べて妙にちっちゃい花があるんですけど
これってもしかして何かを暗示してるんじゃないかなぁって思うんですウフフウッフッフ」
「「「「「「「「「「ウフフウッフッフ」」」」」」」」」」
「(うッわ……見られてる……目で舐め回されてる………う、うぅ……)」
そして、今まで遠巻きに咲夜達を見ていた一人のメイドの発言を切欠にして
その他大勢のメイド達の目が一層妖しい光を放ち、咲夜を舐め回すように見つめ始めた。
自分を見るメイド達のアブない目と、何処からともなく香ってきた濃密な百合の香りに
動物的な本能でただならぬ不安と危険を感じる咲夜。
それは草食動物がライオンに対峙した時に感じるような、圧倒的な絶望感にも似て。
明くる日から。
運命の悪戯か前世の業か、はたまた常日頃の変態行為の報いか。
咲夜の予感は当たり、地獄の日々が始まった。
顎外れたわ
感動的なまでに笑えました。
setuhatabidatimasu
sonokyoukainomukougawahe
そう言えばギャグシリアス問わず、冥土長がひどい目に遭うって珍しいかもですね。
あなたの作品で腹筋が鍛えられてます。後編でのハジケっぷりを期待しております。
ブレーキもついてないしハンドルもついてないしギアはオーバートップに入ってるのにスピンターンして発進しやがるししかもアクセル一回踏んだら戻ってこないしてヤバイヤバイだろうこの状況死ぬ死ぬ死ぬって嫌マジで!!!!
えーそんな感じのするさくひんでs・・・うわヤバイヤバイ死ぬ死ぬ死ぬからマジやばいって!!!
「ワカりますか奥歯がないンですよ スリ減ってしまって」
とまではまいりませんが、咬合力がぐいぐい伸びて、半年でこんなに軽々とボーリング球が!
・・・別質の電波を受信してしまいました。
氏の作品に足りない物を何か一つ挙げるとすれば、
それは恐らく文頭に据えられるべき、「決して深夜に読まないこと」という警句でしょう。
これからは気を付けたいと思います、自分。
笑い声が無闇と大きいので、ご近所の高齢者の方々に迷惑がかかってしまう・・・。
じゃあ読むなって言われると、楽しみの一つが奪われてしまいますので、とても悲しい。隠れ笑い上戸。
さて、面白く読むために再読しまする。
一回目は、不意討ちの笑気ガスに近かったもので。
思っていたら・・・
溜 め 時 間 で し た か
オラオラオラオラ加速するぜキャッホウ!ってな感じで
最後まで笑いっぱなしでしたわ(笑)
後編も楽しみにまっております~
いつもながら本当にすごいです…。
後編、期待しながら待たせて頂きます。
いやしかし冷蔵庫プレイというものの正体が未だぼかされているのでその中身が気になって気になってやっぱり咲夜を冷蔵庫に突っ込んだ後にあんな破廉恥な行為をしたりこんなムッハァーな惨状に至ったりするのだろうかとかそれともひたすらに放置しまくるプレイなのだろうかとか要らぬ妄想に時を費やしてしまった自分もやはり変態なのだろうかとか(以下略)
……どうあれ、続きを楽しみにさせていただきます。
いろんな妖怪がいますねー
あと、咲夜さん・・・人気あるなぁ・・・(イヤな意味で)
SAN値?むしろ惨値でおけ?
いかにすれば、こうも、古の神々に匹敵する邪悪と憎悪を週二回の萌えないゴミの日に出してから、変態に満ちた文章が書けるのか?
ここまで、破綻しておきながら、その実ストーリーは脱線したあげくに、東京行きがハワイ到着で、うわ~、得しちゃった、て気分にさせるのがすごい。
久々に小説で声出して笑ってしまいました。
まさに…狂気ッッ…!!