アリスが新しい弾幕を作ったとかで、宴会の席で発表することになった。
そういう席向きの弾幕なんだそうだ。見た目が派手って事かな。
本人の触れ込みは「思わず飛び込む弾幕」だが。
「アリス、まだかー?」
しかし、準備にえらく時間がかかっている。
これはいただけない。幻想郷の連中は基本的に気が短いのだ。
どっちにしろ、酒の席で時間のかかる芸なんていうのはナンセンスだ。
「ちょっと待って……できた、準備オッケー」
「えらく時間がかかったな?」
「まぁ、このスペルカードをまだ使い慣れてないし……それに、大掛かりなのよ。使役する人形数が半端じゃないわ」
ふむ。そういうものか。
私たちは今、博麗神社上空に居る。下では見物連中がやいのやいの言っている。
ちなみに私が何をしているかというと、アリスの弾幕の相手役だ。緊張する。被弾したら弾幕が終わっちゃうからな。
「じゃあ魔理沙、いくわよ?」
「ちょっと待った。……お前らー! アリスさんの素敵弾幕がこれから始まるぞー!」
口々に何かしら喋くりあっていた奴らも、話をやめてこっちに注目する。
「じゃあアリス、来いよ」
「ええ。……操符『筋肉文楽』!」
スペルカードを高々と掲げ、暑苦しい名前を宣言した。
名前から判断するに、多分パワー系スペルだろう。勇儀の「大江山嵐」みたいな。
ああいう大雑把なやつなら、見た目は派手でも簡単だ。あせらず騒がず、大きめにザクザクと避ければいい。
多少余裕を持って、私は弾幕に備える。「思わず飛び込む弾幕」とやらの力を見せてもらおう。
ところが、実際の弾幕は予想と全く違っていた。
アリスが小さな弾を射出した。それは奴の周りをくるくる回転する。
弾の数はひとつやふたつではない。かなり多かった。
「な、なんだぁ?」
だが、一向にこっちに向かってくる気配はなかった。
私は怪訝に思って、目を凝らす。
「!」
そしてその弾の正体に気づいた。
「アシュラマン、ウォーズマン、ロビンマスク、ミート君、悪魔将軍、カナディアンマン、ネプチューンマン……!!」
放たれているのは、弾ではない。
「キン消し……!!」
私はアレが大好きだったのだ。
今も胸躍るキン消しの数々が、アリスの周りをくるくる回る。
でもカナディアンマン、テメーは要らん。
「ふふふ……どう? 欲しくないかしら?」
だが、アリスの言葉で逆に我を取り戻す。
行っては駄目だ。アレは弾幕なのだから。
だが欲しい……!
「く、くそう!」
思わずこぼれる血の涙。
「どうしたの? 持ってっていいのよ?」
ああ、持っていきたいさ!
アリスの周囲を超人たちが踊る。バッファローマン、ミスターVTR、ラーメンマン、スペシャルマン……そして。
『俺もいるぜ!』
「テリーマン!!!」
くそう! くそう!
欲しくてたまらない!
「どうしたの魔理沙、いらないの? しまっちゃうわよ? しまっちゃうおばさんよ?」
アリスめ、よくもよくもこんな生き地獄をッ――。
だが私は負けないぞ、血の涙を流しながらも、絶対に制限時間耐え切ってみせる!
「1983年から1987年にかけて製作されたレギュラー版から、現在の復刻版に至るまで、400種以上が全部そろってるのよっ!!?」
「ほしーい!」
こうして、アリスの弾幕は「思わず飛び込む弾幕」として認められた。
タイトルが並んでる状態だけで腹抱えて笑う日がくるとは思わなかったwwww
弾幕の絵面を想像しただけで腹筋がヤバイww
生殺しすぎるだろw
それならば、応援せざるを得ない。
なんだろう、最新作品集の一番目を見てピンときたんだ。そしたら案の定だよ!!
この作品を投稿した作家さんを後継者に任命します。
幻想と空想の混ぜ人
私はキン骨マン希望で。
>>31
自演乙ww
アリスよ、お前はまだまだおばさんって歳じゃあないだろうが
改名っすか??
というかいい加減タイトルで笑わせないでくださいよw
読者「お前だけにいいかっこはさせないぜ」
混「お前ら……!」
キン消しは世代が違うからよく知らんけど欲しくなった
テリーマンは創想話のアイドルやでぇ……!