「貴様ァ人の妹に何をしたァー!」
いきなりのバッドレディスクランブルを、魔理沙はギリギリのところで避けた。
穏やかでない気配に、魔理沙は八卦炉を構える。
「なんだレミリア、危ないだろ!」
「アブナイのはお前だ! 年端もいかぬ私の妹を!」
危ないの意味が違うとか、四百九十五歳は流石に年端いってるだろとか、五つしか違わないお前が言うかとか、色々あったが魔理沙は黙った。
いらないことを言って、火に油を注ぎたくはなかった。
もうだいぶ注がれているようだったが。原因不明なぶんに関しては仕方ない。
「くそっ、一体何がどうしたんだよ」
八卦炉を構えたのは良いものの、状況はレミリアに有利だ。
ここ大図書館は、広いが、大量の本棚が行動を遮る。
魔理沙は箒で移動するため、速いは速いが小回りがききづらい。それに対してレミリア。自力で飛んでいるために、かなり細かく動き回れる。
地の利はレミリアにあった。
「許さんぞ魔理沙ぁ、よくもフランに、よくもよくも」
「私が何をしたっていうんだ……」
「シラを切るつもりか!? お前じゃなかったら誰がいるんだ!」
まるで話が通じない。何か言っても逆効果らしい。
魔理沙は南無三南無三と小声で呟いた。
「人の妹にっ……可愛い可愛い妹に子供を産ませるなどとッ……しかもお前、鎖プレイとかマニアックな……ッ!!」
「へっ?」
レミリアは血の涙を流し、魔理沙はあっけにとられた。
「ちょっと待てレミリア、いや、え? フラン子供産んだの? っていうか何、鎖って」
「全部お前のせいだろうがァァァァ!」
「ひょぉう!」
八つ当たり気味のスピア・ザ・グングニル。しかし、狙いだけはやたら正確無比だった。素早く避けた魔理沙であったが、髪の毛が二、三本飛んでいくのを感じた。
これ以上は危険だが、聞き出さなくてはならない。何か重大な誤解があるのは明らかだった。
あと、ちょっとだけ鎖プレイのやり方について聞きたかった。思春期である。
「待て、一体何がどうしたんだ、なぁオイ」
「うるさい問答無用!」
「おわわわっ」
容赦なしのサーヴァントフライヤー。さらにスティグマナイザー。
普段の三倍増しくらいのスピードで飛んでくる。赤いのはいつもと同じなのに、今日だけ三倍速だ。
これは、さすがの魔理沙も本気で避けた。下手すると怪我ではすまない。
悪いことに、その状況をさらに悪化させる奴がやってくる。七曜の魔女だ。
「全くもう、何よ、読書に集中できないわ」
「パチェか、下がってろ、私はコイツをたたきのめさなきゃならない」
「協力するわよ、とっとと静かにしたいし」
「げっ」
やばい。魔理沙の心情を一言で表すならそうだった。
レミリア単体でも手を焼くというのに、パチュリーまで加わっては勝ち目が無い。
三十六計よりも強い策だ! というわけで、魔理沙は逃げようとする。
しかしパチュリーの方が速い。既にスペルカードを掲げていた。
「日符『ロイヤルフレア』!」
「待ってパチェ、それ私が被害ッ……うぉぉぉぉぉぉ」
安心しきっていたレミリアが、非想天則換算で四千五百ちょっとのダメージを受けた。
魔理沙はきょとんとする。
「……レミィ、どう見てもあなたが何か勘違いしているわ。ちょっと落ち着いて魔理沙の話でも聞きなさい」
「ぐぅ……」
若干ぼろぼろ具合のレミリア。しかしパチェの強烈なお灸で落ち着いたのか、攻撃を取りやめた。
怒り心頭といった具合だったが、レミリアは一応鎮静化した。第二のロイヤルフレアが恐ろしかっただけかもしれないが。
魔法か何かで、三人分の椅子と、テーブル一つを持ってくるパチュリー。
そしてそれぞれが席に着いた。紅茶は無い。そんな平和な席でもなかった。
「で。まずはレミィ。何があったの」
「フランが子供を産んだ。しかも、おそらくは鎖プレイの末にできた子供だ。わかるか、姉としての、この色々複雑な感情が! でだな、そういうことをしそうな奴は、こいつしか居ない!」
「言い掛かりだ! そもそも私は女だぞ!」
「世の中には男の娘や女装子ってジャンルもあるわね」
パチュリーの指摘。火に、油どころか核を放り込んだ。
少し楽しそうなのは、場を乱して遊んでいるのだろう。さっきのロイヤルフレアといい、善人面してイイ性格をしている。
あとで覚えとけよと魔理沙は心中毒づいた。
「やはり男だったのだなお前は。認めんぞ魔理沙、たとえ誰が何といったとしても、私は出来婚なんぞ認めん!」
「いやちょっと待て、出来婚ったってお前」
「貴様、責任を取らないつもりかァ!」
何を言っても無駄臭かった。
無論だが、天地神明に誓って、彼女はフランに何もしていない。
しかし、レミリアは頭から、魔理沙が犯人だと決めてかかっている。根本的なところですれ違いがある以上、和解は厳しそうだった。
まして、善人面した魔女がいる状況下では。
そこへ、四人目の人物があらわれる。
「お待ちくださいお嬢様!」
「咲夜か。何だ」
十六夜咲夜だった。
あわてて走ってきたのだろう、彼女は肩で息をしていた。
「全て、全て私が悪いのです。魔理沙は何もしていません!」
「何?」
「なあ咲夜、いったい何がどうなってるんだ?」
咲夜は魔理沙を見、説明を始める。
「最近、お嬢様は学問をしてるの。私が教えてるのだけど。今日」
「そうだ。そこでフランが子供を産んだという衝撃の事実を聞かされた! いいだろう、百歩譲って魔理沙が犯人ではないとしよう。だがな! 事実は変えられない!」
「違うのです! 私がお嬢様に教えたのは――
フランチャイズチェーンですわ」
と思ったけど割といつも通りだった。
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/ _, \ / , ノ >>喚く狂人
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ひょぉう!
とりあえず赤ちゃんのフランちゃんを見てみたい
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……まぁ、これはこれでおk!
(百合ではなく)
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