「ねーねー紫、ちょっと相談があるのだけど」
八雲紫がごろごろしていると、霊夢が訪ねてきた。
珍しいな、と紫は思った。霊夢が自分を頼ることなど滅多に無いのである。
明日は雨だろうか、関節が痛む。そんなことを考えながら、紫は聞き返した。
「何? ……あ、藍は今出てるからお茶は出せないわ」
「別にいいけど。神社の再建についてなんだけどね」
「あー……アレね」
神社を再建する羽目になっていた。というのも、局地的で人為的な地震が起こったせいで、博麗神社が倒壊してしまったのだ。
怒髪が天をついた霊夢は、犯人の不良天人をとっちめ、再建を約束させた。だが、だからといってすぐ神社が直るかといえば、そんなわけは無く。
結局、時間がかかるということだった。
「せっかく新しく作り直すっていうのに、前とおんなじっていうのも……ねぇ」
「ふむ」
確かに、芸のない話かもしれない。
いや、神社に芸が必要かとなると微妙なのだが、なにせ博麗神社は客が来ない。妖怪の山の方のアレコレのおかげで、輪をかけて来なくなった。
ここらで一つ、目を引くような何かを作って集客するのも、幻想郷の運営上悪くないのかもしれない。
紫はそう判断し、ゴーサインを出す。
「いい?」
「ええ。好きになさい」
「わかった。じゃあ早速天子と打ち合わせしてくるわ」
あの天人とするのか――。
ちょっとした不安を感じながらも、まぁ何とでもなるわと紫は昼寝することにした。
新たな神社が完成したという話を聞いて、紫は博麗神社を訪れていた。
霊夢は新しく何かすることを主張していたが、外見で変更されたところは見受けられない。
いぶかしむ紫。そこに、霊夢がやってきた。
「あ、紫、来てたの」
「霊夢、こないだ何だかんだ言ってたアレはどうなったの?」
「あぁ、できてるわよ、裏に来て、裏に」
霊夢に連れられて、紫は神社の裏手に回った。
彼女は目を疑った。
そこには、コンクリートづくりの巨大な建物ができていた。
かなり大きな建築だった。
紫は呆然としながら尋ねる。
「これは?」
「ちょっと聞きかじったんだけど、外の世界には上社と下社に分かれた神社があるんだって?」
「え? ああ、ええ。あるわよ」
それは諏訪大社のことだ。山の上にいる二柱とも縁深かったりする神社だった。
だが、それと目の前のコンクリート建築とが結びつかない。
「ウチもそれにならおうと思って。二つあれば単純に考えて集客二倍でしょ。すばらしいわ」
「そうね」
「でも、まるまま真似するのはどうかなぁと思ったのよ」
「そうね、著作権の問題はシビアだわ」
どうしても上社下社とコンクリート建築が結びつかず、紫は素っ頓狂な返事をした。
しかし気にせず霊夢は続ける。
「うんうん。だからまぁ、シロはだめでもクロにならないように、グレーゾーンでいこうってことで。ウチはね、元々あった方を上社にして――」
紫はひやりとしながら聞く。まさかこのコンクリート建築を下社とするわけではあるまいな。
神の宿る場所が現代建築だなどと、何ともありがたみのない話になってしまう。
紫の懸念が伝わっているのかいないのか、霊夢は笑顔で言った。
「――こっちの建物を、ファーイーストリサーチ社として新たに置こうかなぁと。佐野史郎さんも呼んだのよ?」
よりにもよって古いほうだった。
仕方が無い、竹中直人は忙しいのだ。ブテナロックとかシュトレーゼマンとかで。
いつのまにそれほど時代が進んだんだ。
そうか、俺も老けるわけだ……
しかして敢えて実行される喚(わめ)さんが相も変わらず素敵です。
特命リサーチか……なにもかも懐かしい。
特命リサーチ好きだったなぁ
しかしなんか笑ってしまって楽しいような悔しいようなw
誰だよ提案した奴www
あとがきは「梅雨明けてないじゃないですか!やだー!」ですか?
本当に200X年は幻想入りしてしまったか
でもどんな番組だったか思い出せない・・・ネタが分からないのがくやしいっ!
そそわでやる必要があるのでしょうか?
子どもにとっては怖いネタ多かったなあ、アレ。