私、魂魄妖夢は大急ぎで永遠亭へと向かっていた。
なぜなら私の主人である幽々子様が風邪を引いたからだ。
「迷いの竹林…とはよく言ったものですね」
早く薬を取りに行こうとして、一人で竹林に入ったのは間違いだったかもしれない。
この場所は良く慣れたものでないとまっすぐ進むことすら難しい場所なのだ。
「もっと冷静になって鈴仙さんにでも声をかければよかったかも…」
私はいまさら後悔した。
彼女ならばこの竹林を永遠亭までまっすぐ進むことが出来る。
「はぁ、幽々子様が苦しんでいると言うのに…」
私は一人で唇を噛んだ。
その時。
「あれ、妖夢じゃない?」
「その声は…妹紅さん!」
後ろを振り向くと美しい銀髪をした少女が立っていた。
この竹林に住んでいる藤原妹紅さんだ。
あ、この人がいるのを忘れていた。
ちなみに私たちは神社で宴会をするときに一緒に酒を飲むくらいには仲がいい。
「どうしたの? こんなところで?」
「いいところに! 永遠亭まで案内してくれませんか?」
「別にいいけど何かあったの?」
「実は幽々子様が…」
私は彼女に幽々子様が風邪を引いて苦しんでいること、
薬を取りに行くために永遠亭へ向かっていることを伝えた。
「なるほどねぇ。だったら私についてきて!」
そういうと彼女は私の手を引いて走り始める。
彼女の手はほんのりと暖かかった。
彼女と一緒に走ると今まで迷っていたことが不思議に思えるくらいあっけなく永遠亭についてしまった。
「ふぅ、着いた。さ、いっておいで。私はここで待ってるから」
「え、何で待っているんですか?」
「あんたは馬鹿か…私がいないと帰りも迷うに決まってるじゃない!」
「あ、そうか。じゃあ急いで薬をもらってきます!」
私は急いで永遠亭の中へと入った。
「すいませーん!」
そう叫ぶと幻想郷で一番の腕を持つ医者である八意永琳さんが現れた。
「あら、妖夢。幽々子は元気かしら?」
「いや、実は幽々子様が風邪を引いちゃって…」
「そうなの。それじゃあちょっと待ってて。今薬を持ってくるから」
そういうと永琳さんはまた奥へと消えていった。
「あら、白玉楼の庭師さんじゃない」
「あ、輝夜さん。どうも」
永琳さんと入れ替わりに月のお姫様だったという輝夜さんが現れた。
「む、この感じは…妹紅が近くにいるわね?」
「え、何でわかったんですか!?」
驚いた。何でそんなことがわかるのだろう。
「彼女の雰囲気…というかオーラ?は大体わかるわ。燃える炎のような激しくも優しい感じ…
この感じは彼女しかいない。長年付き合ってきた私にはわかる」
「そ、そうですか…」
「あなたも一緒にいればわかるようになるわよ。
さて、私はこれで失礼するわ」
よく強い人からは独特の空気が漂うって言うけど…
それだけでわかってしまうとは…
「お待たせ。これを飲ませてやれば明日には元気になるはずよ」
永琳さんは紙袋に入れられた薬を手渡してくれた。
「ありがとうございます。それでは!」
「帰り道には気をつけてね」
「はい!」
私は外へと飛び出した。
「…この感じは、彼女がいるようね。
だったら帰りは安心ね」
「お、お帰り」
彼女は私が中に入ったときと同じようなポーズで私を待っていた。
「ただいまです。薬はもらいましたよ!」
「だったら急いで帰らなくちゃね。…それと」
「それと…なんですか?」
「さっき輝夜の雰囲気を感じたんだけど、何か言ってた?」
驚いた。
この人もオーラを感じ取れるんだ…
「えっと、『炎のように激しくも優しい感じがする』とか言ってました」
「またそれを言ったの…勘弁してほしいわね、全く」
「また、ですか」
「ええ、あいつと顔をあわせるたびに言われるわね。
おっと、そんなことよりも幽々子に薬を渡さないといけないんだったわね」
「そうでした!」
私は叫んでいた。
「よし、着いておいで! すぐに竹林から出られるからね!」
また私の手を引いて駆け出す妹紅さん。
彼女の手はさっきと変わらないで暖かかった。
「よし、抜けれた!」
何とか竹林を抜け出すことに成功した。
「妹紅さん、ありがとうございます! お礼にお茶くらいはご馳走しますよ」
「いいって、私は人助けが好きなだけなんだから」
「いいですから!」
断ろうとする妹紅さんの手を私は強引に引っ張る。
「ちょっと、そこまで強く引っ張らないで! わかったから!」
叫ぶ妹紅さんを無視してそのまま私は白玉楼まで走った。
ここまでされちゃあ、お礼をしないわけにはいかない。
というわけで大急ぎで白玉楼に戻ってきた。
「はぁはぁ、急ぎすぎよ…」
妹紅さんは息を切らしながら呟いている。
「妹紅さんも上がってください。幽々子様に薬を持っていってからすぐにお茶を入れますので」
「…まぁ、たまにはご馳走になるのもいいか」
私は妹紅さんを先に上げてから家に上がる。
「それでは、ここでくつろいでいてくださいね」
そのまま台所に向かってコップに水を入れてから幽々子様の部屋へと向かった。
「ただいま帰りましたよ、幽々子様」
布団の上に横になっている幽々子様はとても苦しそうな表情をしていた。
「あ、妖夢…ごめんね」
「いえいえ、大丈夫ですよ。薬もらってきましたので飲んでくださいね」
「わかったわ…」
「それでは薬を飲んだら後はゆっくり寝ていてください。
夕食にはお粥を持ってきますので。」
そこまで言って私は幽々子様の部屋を出て、お茶を入れに台所へと向かった。
「あれ、そういえば私はお礼をしたいだけなのかな…?」
茶葉の入った缶を手にしたときに気づいた。
私はお礼をしたいがために彼女を家に招いたのだろうか?
「…お礼のためだけだよね」
彼女を待たせてはいけない。
私はそんな考えをやめてお茶を入れる。
「お待たせしました…ってあれ?」
妹紅さん…寝てる?
いつの間にか妹紅さんはコタツの上に顔を押し付けて寝ていた。
「よほど疲れていたみたい…」
ゆっくりとお茶をコタツの上に置く。
「このまま寝かせておこう」
私もコタツに足を入れる。
…音の無い静かな時間が過ぎていく。
私は輝夜さんの言っていたことを思い出していた。
『燃える炎のような激しくも優しい感じ…』
そんな雰囲気、私には伝わってこない。
まだまだ修行が足りないのだろうか?
…寝ている妹紅さんを見ているとおかしな感情がわいてきた。
「だ、駄目よそんなことをしちゃ…」
その感情とは…彼女に触れてみたいというものだった。
理性はそんなことをしてはいけないといっていたが、欲のほうが強かった。
私はゆっくりと髪を触った。
綺麗なさらさらした髪。
彼女にもっと触れたい…
そう思ったとき、私の顔は妹紅さんの顔に近づいていた。
ゆっくりと顔を近づけていったときのことだった。
「う…ん…輝夜…愛してる…」
そう寝言を漏らした。
…あぁ、今わかった。
輝夜さんがなぜ妹紅さんの雰囲気を感じ取れたのか。
それは彼女たちが「親密な関係」だからだ。
どうりで私には感じ取れないはずだ。
「そうか…妹紅さんと輝夜さんは…」
私は同時に心の中で泣いていた。
私の中にいつの間にか出来ていた好きという感情はもう彼女には届かない。
彼女には輝夜さんという人しか見えないのだ。
私は改めて気づく。
知らないうちにこの人の優しい性格、美しさに惹かれていったのだと。
「最後に…」
私は彼女の頬に唇をつける。
これを最後に私は彼女への恋をやめた。
私は心の中で妹紅さんへこう言った。
「輝夜さんとこれからも仲良くしてくださいね…」
「すまなかったね。せっかくお茶を入れてくれたのに」
彼女が起きたのはつい先ほどのこと。
外はすでに赤く染まっている。
妹紅さんはもう帰らないとと言って外に出てきたのだ。
「別に構いませんよ。疲れは取れましたか?」
「ええ、十分に取れたわ」
「それでは気をつけて帰ってくださいね」
「わかった、それじゃあね」
彼女はゆっくりと竹林のほうへと向かっていく。
私は扉を閉めた。
「…私も夕飯の支度をしなければ」
とぼとぼと台所へ向かってお粥を作る。
私はひどく落ち込んでいた。
お米を研いだと思ったら次の瞬間にお粥に変わっていた、
そのくらいにボーっとしていた。
「幽々子様、お粥が出来ましたよ」
「ああ、ありがとう妖夢」
幽々子様は薬が効いてきたのか、元気そうに見える。
「ここにおいておくので召し上がってくださいね。では失礼します…」
「ちょっと、まって妖夢」
どうしたのだろうか?
訳がわからずに私は幽々子様の元へ戻っていく。
「あなた、ひどく落ち込んでない?」
「いえ、落ち込んでなんていませんよ」
「嘘ね」
きっぱりとそう断言された。
「あなたとずっと過ごしてきた私にあなたのことでわからないことなんて無いわ。
さあ、何があったのか話して御覧なさい?」
私は大声で泣き叫んで幽々子様に抱きついた。
幽々子様は私の頭をなでてくれる。
私は落ち着くまでずっと幽々子様の腕の中で泣いていた。
「どう、落ち着いた?」
「…はい」
私は涙を拭きながら呟いた。
「しばらくはつらいかもしれないけどすぐに忘れられるわよ」
「わかりました…今日はありがとうございました。それでは…」
そう言って外に出たときに声をかけられた。
「私がいるんだから、何かあったらいつでも相談しなさいね?」
その一言に私は元気をもらった気がする。
「…はい!」
私はそう力強く答える。
外には綺麗な満月があった。
「私、恋人としてのあなたのことは綺麗さっぱり忘れます。
だから…これからも親友として仲良くしてくださいね…!」
月に向かって私はそう呟いた。
なぜなら私の主人である幽々子様が風邪を引いたからだ。
「迷いの竹林…とはよく言ったものですね」
早く薬を取りに行こうとして、一人で竹林に入ったのは間違いだったかもしれない。
この場所は良く慣れたものでないとまっすぐ進むことすら難しい場所なのだ。
「もっと冷静になって鈴仙さんにでも声をかければよかったかも…」
私はいまさら後悔した。
彼女ならばこの竹林を永遠亭までまっすぐ進むことが出来る。
「はぁ、幽々子様が苦しんでいると言うのに…」
私は一人で唇を噛んだ。
その時。
「あれ、妖夢じゃない?」
「その声は…妹紅さん!」
後ろを振り向くと美しい銀髪をした少女が立っていた。
この竹林に住んでいる藤原妹紅さんだ。
あ、この人がいるのを忘れていた。
ちなみに私たちは神社で宴会をするときに一緒に酒を飲むくらいには仲がいい。
「どうしたの? こんなところで?」
「いいところに! 永遠亭まで案内してくれませんか?」
「別にいいけど何かあったの?」
「実は幽々子様が…」
私は彼女に幽々子様が風邪を引いて苦しんでいること、
薬を取りに行くために永遠亭へ向かっていることを伝えた。
「なるほどねぇ。だったら私についてきて!」
そういうと彼女は私の手を引いて走り始める。
彼女の手はほんのりと暖かかった。
彼女と一緒に走ると今まで迷っていたことが不思議に思えるくらいあっけなく永遠亭についてしまった。
「ふぅ、着いた。さ、いっておいで。私はここで待ってるから」
「え、何で待っているんですか?」
「あんたは馬鹿か…私がいないと帰りも迷うに決まってるじゃない!」
「あ、そうか。じゃあ急いで薬をもらってきます!」
私は急いで永遠亭の中へと入った。
「すいませーん!」
そう叫ぶと幻想郷で一番の腕を持つ医者である八意永琳さんが現れた。
「あら、妖夢。幽々子は元気かしら?」
「いや、実は幽々子様が風邪を引いちゃって…」
「そうなの。それじゃあちょっと待ってて。今薬を持ってくるから」
そういうと永琳さんはまた奥へと消えていった。
「あら、白玉楼の庭師さんじゃない」
「あ、輝夜さん。どうも」
永琳さんと入れ替わりに月のお姫様だったという輝夜さんが現れた。
「む、この感じは…妹紅が近くにいるわね?」
「え、何でわかったんですか!?」
驚いた。何でそんなことがわかるのだろう。
「彼女の雰囲気…というかオーラ?は大体わかるわ。燃える炎のような激しくも優しい感じ…
この感じは彼女しかいない。長年付き合ってきた私にはわかる」
「そ、そうですか…」
「あなたも一緒にいればわかるようになるわよ。
さて、私はこれで失礼するわ」
よく強い人からは独特の空気が漂うって言うけど…
それだけでわかってしまうとは…
「お待たせ。これを飲ませてやれば明日には元気になるはずよ」
永琳さんは紙袋に入れられた薬を手渡してくれた。
「ありがとうございます。それでは!」
「帰り道には気をつけてね」
「はい!」
私は外へと飛び出した。
「…この感じは、彼女がいるようね。
だったら帰りは安心ね」
「お、お帰り」
彼女は私が中に入ったときと同じようなポーズで私を待っていた。
「ただいまです。薬はもらいましたよ!」
「だったら急いで帰らなくちゃね。…それと」
「それと…なんですか?」
「さっき輝夜の雰囲気を感じたんだけど、何か言ってた?」
驚いた。
この人もオーラを感じ取れるんだ…
「えっと、『炎のように激しくも優しい感じがする』とか言ってました」
「またそれを言ったの…勘弁してほしいわね、全く」
「また、ですか」
「ええ、あいつと顔をあわせるたびに言われるわね。
おっと、そんなことよりも幽々子に薬を渡さないといけないんだったわね」
「そうでした!」
私は叫んでいた。
「よし、着いておいで! すぐに竹林から出られるからね!」
また私の手を引いて駆け出す妹紅さん。
彼女の手はさっきと変わらないで暖かかった。
「よし、抜けれた!」
何とか竹林を抜け出すことに成功した。
「妹紅さん、ありがとうございます! お礼にお茶くらいはご馳走しますよ」
「いいって、私は人助けが好きなだけなんだから」
「いいですから!」
断ろうとする妹紅さんの手を私は強引に引っ張る。
「ちょっと、そこまで強く引っ張らないで! わかったから!」
叫ぶ妹紅さんを無視してそのまま私は白玉楼まで走った。
ここまでされちゃあ、お礼をしないわけにはいかない。
というわけで大急ぎで白玉楼に戻ってきた。
「はぁはぁ、急ぎすぎよ…」
妹紅さんは息を切らしながら呟いている。
「妹紅さんも上がってください。幽々子様に薬を持っていってからすぐにお茶を入れますので」
「…まぁ、たまにはご馳走になるのもいいか」
私は妹紅さんを先に上げてから家に上がる。
「それでは、ここでくつろいでいてくださいね」
そのまま台所に向かってコップに水を入れてから幽々子様の部屋へと向かった。
「ただいま帰りましたよ、幽々子様」
布団の上に横になっている幽々子様はとても苦しそうな表情をしていた。
「あ、妖夢…ごめんね」
「いえいえ、大丈夫ですよ。薬もらってきましたので飲んでくださいね」
「わかったわ…」
「それでは薬を飲んだら後はゆっくり寝ていてください。
夕食にはお粥を持ってきますので。」
そこまで言って私は幽々子様の部屋を出て、お茶を入れに台所へと向かった。
「あれ、そういえば私はお礼をしたいだけなのかな…?」
茶葉の入った缶を手にしたときに気づいた。
私はお礼をしたいがために彼女を家に招いたのだろうか?
「…お礼のためだけだよね」
彼女を待たせてはいけない。
私はそんな考えをやめてお茶を入れる。
「お待たせしました…ってあれ?」
妹紅さん…寝てる?
いつの間にか妹紅さんはコタツの上に顔を押し付けて寝ていた。
「よほど疲れていたみたい…」
ゆっくりとお茶をコタツの上に置く。
「このまま寝かせておこう」
私もコタツに足を入れる。
…音の無い静かな時間が過ぎていく。
私は輝夜さんの言っていたことを思い出していた。
『燃える炎のような激しくも優しい感じ…』
そんな雰囲気、私には伝わってこない。
まだまだ修行が足りないのだろうか?
…寝ている妹紅さんを見ているとおかしな感情がわいてきた。
「だ、駄目よそんなことをしちゃ…」
その感情とは…彼女に触れてみたいというものだった。
理性はそんなことをしてはいけないといっていたが、欲のほうが強かった。
私はゆっくりと髪を触った。
綺麗なさらさらした髪。
彼女にもっと触れたい…
そう思ったとき、私の顔は妹紅さんの顔に近づいていた。
ゆっくりと顔を近づけていったときのことだった。
「う…ん…輝夜…愛してる…」
そう寝言を漏らした。
…あぁ、今わかった。
輝夜さんがなぜ妹紅さんの雰囲気を感じ取れたのか。
それは彼女たちが「親密な関係」だからだ。
どうりで私には感じ取れないはずだ。
「そうか…妹紅さんと輝夜さんは…」
私は同時に心の中で泣いていた。
私の中にいつの間にか出来ていた好きという感情はもう彼女には届かない。
彼女には輝夜さんという人しか見えないのだ。
私は改めて気づく。
知らないうちにこの人の優しい性格、美しさに惹かれていったのだと。
「最後に…」
私は彼女の頬に唇をつける。
これを最後に私は彼女への恋をやめた。
私は心の中で妹紅さんへこう言った。
「輝夜さんとこれからも仲良くしてくださいね…」
「すまなかったね。せっかくお茶を入れてくれたのに」
彼女が起きたのはつい先ほどのこと。
外はすでに赤く染まっている。
妹紅さんはもう帰らないとと言って外に出てきたのだ。
「別に構いませんよ。疲れは取れましたか?」
「ええ、十分に取れたわ」
「それでは気をつけて帰ってくださいね」
「わかった、それじゃあね」
彼女はゆっくりと竹林のほうへと向かっていく。
私は扉を閉めた。
「…私も夕飯の支度をしなければ」
とぼとぼと台所へ向かってお粥を作る。
私はひどく落ち込んでいた。
お米を研いだと思ったら次の瞬間にお粥に変わっていた、
そのくらいにボーっとしていた。
「幽々子様、お粥が出来ましたよ」
「ああ、ありがとう妖夢」
幽々子様は薬が効いてきたのか、元気そうに見える。
「ここにおいておくので召し上がってくださいね。では失礼します…」
「ちょっと、まって妖夢」
どうしたのだろうか?
訳がわからずに私は幽々子様の元へ戻っていく。
「あなた、ひどく落ち込んでない?」
「いえ、落ち込んでなんていませんよ」
「嘘ね」
きっぱりとそう断言された。
「あなたとずっと過ごしてきた私にあなたのことでわからないことなんて無いわ。
さあ、何があったのか話して御覧なさい?」
私は大声で泣き叫んで幽々子様に抱きついた。
幽々子様は私の頭をなでてくれる。
私は落ち着くまでずっと幽々子様の腕の中で泣いていた。
「どう、落ち着いた?」
「…はい」
私は涙を拭きながら呟いた。
「しばらくはつらいかもしれないけどすぐに忘れられるわよ」
「わかりました…今日はありがとうございました。それでは…」
そう言って外に出たときに声をかけられた。
「私がいるんだから、何かあったらいつでも相談しなさいね?」
その一言に私は元気をもらった気がする。
「…はい!」
私はそう力強く答える。
外には綺麗な満月があった。
「私、恋人としてのあなたのことは綺麗さっぱり忘れます。
だから…これからも親友として仲良くしてくださいね…!」
月に向かって私はそう呟いた。
相変わらずセリフや雰囲気はとても良いです。
ただ、あくまでも私が感じた印象に過ぎませんけれど、妖夢が妹紅に惚れるのが急な気がします。
あまり見かけないカップリングだから、そう感じただけかも知れませんが……
もう少し理由付けがあった方が良いかも(それ以前の二人のエピソードを最初の方で入れとくとか)
でも面白く読ませて頂きました!
100点を付けたいところなのですが、実は、こっそり私はけねもこ信者なので(爆)
少し減らしちゃうw
うーむ、今回はうまく書けていなかったみたいですね・・・
次回こそは皆さんが楽しんでいただけるような作品を作ります!
ちなみにかぐもこけーねな自分に死角はありませんでしたw
ほのめかす程度でも良いので、たとえば温度を通じて魂魄妖夢の恋を表現するとかですね。本文中では藤原妹紅の「暖かさ」でそれを表現しようとして居るみたいですけど、ちょっと失敗してる気がします。もうちょっと対比を使うとかで温度に関する記述を増やしてみるとよい気がしますね。これはあくまで私の主観ですが、par.6で藤原妹紅が居なくなった後に1行夕方の風に震える魂魄妖夢の姿を描写してみるとかするとよかったかも知れません。
とまれ、面白かったですので得点はこちらで。また会いましょう。では。
自分の書きたいスポット以外は目もくれない、といった印象を受けます。
これでは物語というより、物語になる前の骨組みと言うほうが近いです。
他の方が述べているように、妖夢が妹紅に惚れてしまったという事実が、あまりにも描写不足で唐突です。
そのほか全編にわたって展開のせわしなさ、情景描写の不足が見受けられます。
『永遠亭』や『白玉楼』がいったいどんな場所なのか、この作品を読むだけでは全く分かりません。
読者が、それらの場所のイメージを既知のものとして持っていることに甘えています。
情景を丁寧に描写し、展開にワンクッションを置くことで、話のリズムも落ち着き、物語に彩りと奥行きを与えると思うのですが…
以前の作品から全くそのような志向が見えないのが本当に残念です。
投稿ペースがお早いのは結構ですが、一度腰を据えてじっくりと文章を推敲されてはいかがでしょうか。
差し出がましい物言いで不快に思われたら申し訳ありません。
相手が幽々子であったなら、主従であり、家族のような関係と言う確かなベースがあるので比較的に色々と楽に進められると思うけど。
妖夢と妹紅って、元々あんまり接点の無いキャラだと思うんで、仲良くなった経緯は丁寧に説明しておく必要があるし、2人とも不器用な性格なのでより一層細やかな心情描写が不可欠です。
個人的な事だけど、もし自分が妖夢と誰かを絡ませる話を書くとした場合、なるべく接点の多そうなキャラを選びます(明らかに逃げの姿勢ですが)
まぁ幽々子とはいわないけど、多分、宴会なんかで世話になってるイメージの強いプリズムリバーの内の誰かにすると思う。
更に、書きやすさを追求すると3人のなかでも、真面目で苦労人と言う共通点のある(イメージです)ルナサが第一候補、明るく活発で大ざっぱな、妖夢とは真逆な性格の(これもイメージですが)メルランを第二候補に選ぶと思う。
しっかりした物語の背景や、状況設定が難しいと感じた時は、練習を兼ねて御し易いキャラを選んで書いてみるのも良いんじゃないかなぁ。
それから本命の相手に取り掛かっても遅くは無いと思いますよ。
三人の意見に共通していることは「情景を丁寧に描写したほうがよい」ということですね。
自分でも情景を細やかに書こうとは意識しているのですが全く丁寧な描写になる気配がありません…
もしよろしければこの部分に対するアドバイスをもらえないでしょうか?
未熟者のわがままにつき合わせてしまっているかもしれませんが、よろしくお願いします。
先ほど自分ならプリズムリバーとか、絡ませ易いキャラで書く!とか逃げ腰発言した腰抜けのアドバイスなので参考になるか分かりませんが、それで宜しければ。
最初にお話全体の印象を言わせて頂きますと、物語の重要な部分以外を大幅にカットしてしまっているので、本来は色々な前置きや伏線を敷いて、それらをしっかりと消化させた上でたどり着く場面の筈のところに、あっさり行ってしまった感じで、結果的に展開が早い作品になっていると思いました。
今回のお話の舞台は、大きく分けて永遠亭と白玉楼ですから、まず前半の永遠亭から言いますと、まず迷いの竹林の風景と、そこがどれだけ厄介な場所であるかを説明しておく。
それを踏まえた上で妹紅に案内してもらう場面の状況説明と、ここでは主に妖夢の心情描写を入れる、折角の美しい竹林で二人きりと言うシチュエーションを飛ばして目的地に到着してしまうのは凄く勿体無いです。
書き方によっては、妹紅との会話から過去のエピソードの回想シーンなども組み込めるかも知れません。
あと永遠亭の描写ですが、姫の住まう美しい屋敷なので白玉楼との比較なんかもできると思います、それから中にお邪魔する時も、急いで永遠亭の中に入ったとしか表現していないのは寂しいので、庭園の様子や屋敷の中に足を踏み入れた時の印象を軽く入れた後、例えば、庭師としては庭園を見て回りたいけど、それでも幽々子のために急がなければいけないから、ゆっくり観賞してる暇は無い、みたいな心情描写をしても良いかも。
同じ景色でも、それを見ている人物の立場や、現在の状況によって思うところは異なってきますので、話しの本筋とは関係無い場面でも少し大切に扱ってあげれば、展開が早いイメージを無くせるのではないかと思います。
ごめん、とりあえず長くなっちやったのでここまでにしときますw
で、私からのアドバイスはシンプルに、「もっと文字量を増やす」。
たとえば冒頭の「私、魂魄妖夢は大急ぎで永遠亭へと向かっていた。」という文。
この動作でも単純に文字量を増やすだけでだいぶ印象が変わります。
「私、妖夢は息を切らして、あまり日の射し込まない竹林を走る。私が竹林の地面を踏みしめる音、私の呼吸の音、私が風を切る音、それ以外には何も耳に入らない。耳に入る余裕なんて、私のどこにもなかった。ただひたすらに永遠亭を目指して、自分の力のかぎり、できるだけ早く向かうことしか頭になかった。」
私の拙い文章ではこんな程度ですが、少しは妖夢の焦りを表現できた……かな?
とにかく動作ひとつあたり、もっと文字量を増やしましょう。
「歩く」「走る」「言う」の動作、「楽しい」「哀しい」「怒り」の感情。
ここらを一言で終わらせるのではなく、くどく書けるようになればもっと雰囲気は出ると思います。
迷って何人も命を落としている場所であるとか、妖怪がウヨウヨしている危険地帯であるとか、妹紅と輝夜の殺し合いで出来た焼け跡があったり、それを見た妖夢が、妹紅の気持ちについて想像してみたり、木漏れ日(?)に照らされて輝く妹紅の髪にドキッみたいな展開にしてみたりとか。
まず、一つの場面で起こりそうな事を頭の中で、出来るだけ多く思い浮かべて、そこから必要なものを選んで書き始めると良いと思います。
ここまで詳しく書かれれば自分の⑨な頭も理解してくれると思います^^;
このアドバイスを生かして次回作は仕上げていきたいです!
すぐには良くならないかもしれないけど少しずつでもいい文章を書けるようにしたいと思っていますので、次回もよろしくお願いします!
コメントを見ている限りではまだまだ勉強が必要のようですね・・・