※プチの「人間だったわたし、人間ではない私。」の設定を引き継いでいます。
※簡単に言うと命蓮ラブな白蓮さんです。
すぅっと息を吸い込む。
綺麗な空気、血の匂いもせず、腐臭もせず。
なにより、仄暗い土の匂いがしない。
「星、綺麗な空気ですね」
「そうですね、聖。幻想郷は平和でいいです」
命蓮、私は人間ではなくなったけれど。
あなたとともに思っていた、教えというものは大切に、大切に受け継がれていると思うわ。
「そういえば聖、聖は私達と出会う前、魔界の神とやらに会ったと聞きましたが」
星が隣に座って言う。
ああ…神綺のこと…?
「まだ人間で老いるのが恐怖で、恐怖に震えて仕方なかったころの話です」
ふふ、と息をついたけれど。
あのころの恐怖は、まだ魂の根に絡まっている。
―私が、人間のころ。
神綺という魔界の神に出会い、話したこと。
老い、死、弟のこと。
「人間というのは自分が違う種族になることに対していやに嫌がるね。それも人間らしいしほかの種族だってそうだとは思うがね」
うすい色の長い髪をもてあそびながら、神綺は言った。
「私の子たちっていうのは私がつくりだしたけど、」
そこからの言葉は、靄にかかってわからない。
「―ん?そういう話じゃない。ああわかってるよ」
くす、と目を細めて笑っていたのがなぜか彼女らしくないと思ったのを思い出す。
「命蓮だったかな。彼は姉がなんになろうが知ったこっちゃないんじゃない。妖怪になろうが、神になろうが、なんでもね」
だって、姉であることにかわりは、ない。
「不老不死になるのも、人間の範疇を越えた力を持つのも、彼にとっちゃああなたは姉の白蓮で、ほかの誰でもない」
神綺はそういうと、うん、うん、と頷いた。
「私はさ、まだ知り合いとかそういうのは“早すぎて”用意されてないみたいなんだ」
そのときの彼女の言葉は、あまりよくわからなかった。
生きている(彼女の場合は存在している)時分に、自然と出会うものではないのかと。
早すぎる遅すぎるも、ないのではと。
「ああ、でもあなたに会った。これでいくらかは持つよ。あとはただここを彷徨って迷い込んだ奴らにちょっかいを出すさ」
「彼女にとっての早すぎてというのと、私に対しての遅いというのは、いったいなんだったんでしょうね」
星に問いかけても、彼女もわからない。
「如何にしろ、私は魔法使いとなり、彼女は魔界の神としてさらに高い地位へといきました。それで、いいのでしょう」
※簡単に言うと命蓮ラブな白蓮さんです。
すぅっと息を吸い込む。
綺麗な空気、血の匂いもせず、腐臭もせず。
なにより、仄暗い土の匂いがしない。
「星、綺麗な空気ですね」
「そうですね、聖。幻想郷は平和でいいです」
命蓮、私は人間ではなくなったけれど。
あなたとともに思っていた、教えというものは大切に、大切に受け継がれていると思うわ。
「そういえば聖、聖は私達と出会う前、魔界の神とやらに会ったと聞きましたが」
星が隣に座って言う。
ああ…神綺のこと…?
「まだ人間で老いるのが恐怖で、恐怖に震えて仕方なかったころの話です」
ふふ、と息をついたけれど。
あのころの恐怖は、まだ魂の根に絡まっている。
―私が、人間のころ。
神綺という魔界の神に出会い、話したこと。
老い、死、弟のこと。
「人間というのは自分が違う種族になることに対していやに嫌がるね。それも人間らしいしほかの種族だってそうだとは思うがね」
うすい色の長い髪をもてあそびながら、神綺は言った。
「私の子たちっていうのは私がつくりだしたけど、」
そこからの言葉は、靄にかかってわからない。
「―ん?そういう話じゃない。ああわかってるよ」
くす、と目を細めて笑っていたのがなぜか彼女らしくないと思ったのを思い出す。
「命蓮だったかな。彼は姉がなんになろうが知ったこっちゃないんじゃない。妖怪になろうが、神になろうが、なんでもね」
だって、姉であることにかわりは、ない。
「不老不死になるのも、人間の範疇を越えた力を持つのも、彼にとっちゃああなたは姉の白蓮で、ほかの誰でもない」
神綺はそういうと、うん、うん、と頷いた。
「私はさ、まだ知り合いとかそういうのは“早すぎて”用意されてないみたいなんだ」
そのときの彼女の言葉は、あまりよくわからなかった。
生きている(彼女の場合は存在している)時分に、自然と出会うものではないのかと。
早すぎる遅すぎるも、ないのではと。
「ああ、でもあなたに会った。これでいくらかは持つよ。あとはただここを彷徨って迷い込んだ奴らにちょっかいを出すさ」
「彼女にとっての早すぎてというのと、私に対しての遅いというのは、いったいなんだったんでしょうね」
星に問いかけても、彼女もわからない。
「如何にしろ、私は魔法使いとなり、彼女は魔界の神としてさらに高い地位へといきました。それで、いいのでしょう」
東方世界ならではの種族の違いについて考えさせられます。