Coolier - 新生・東方創想話

(何故だ……何故橙は私と口をきいてくれなくなったのだ……紫様なら知っているはずッ……!)

2010/03/26 10:30:14
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 昔々、幻想郷に、八雲紫という妖怪がいました。今も生きています。
 この八雲紫、たいそうグータラなくせに、とんでもなく強くて頭も回る大妖怪でした。
 その式の名前は八雲藍といいました。狐です。
 といっても、そんじょそこらの狐ではありません。大妖怪の式になるだけあって、尻尾が九本もありました。
 さて、紫は暇でした。することがありません。
 何せとんでもなく長い時間を生きてきているので、大概のことはし終えてます。
 三月にもなって未だに出しっぱなしのコタツに潜りながら、紫は考えました。何をして暇を潰そうか?
 そこで藍の尻尾です。美しい毛並みの九尾。
 紫は、昼寝しすぎて重くなってきた頭で、ぼんやりと考えました。

 バナナ混ぜてもばれやしないわよねぇ、と。

 ぶっ飛んだ思考でした。
 しかし、トンデモハップンな発想に至っても仕方がありません。なにせ春でした。暖かくなってきたころでした。しかも昼寝した頭は鈍りまくりです。
 とにもかくにも、そういうことを考えた紫は、さっそく行動に移しました。
 太くて硬くてたくましいバナナを、隙間から取り出します。何故そんなものが隙間のなかにあるのでしょう。謎ですね。
 そして紫は起き上がります。持てる技術のすべてを尽くし、コソコソと藍に忍び寄りました。
 藍は気付きません。
 彼女だって相当な実力、滅多に不覚はとりません。しかし何せ相手は主人です。ケタが違いました。
 さらに言えば、まさか主人がそんな馬鹿なことをするとは全く予期していなかったのです。藍は主人と違って常識人でした。
 さて、紫、藍に気付かれずに真後ろにつけました。
 後は尻尾にバナナを混ぜるだけなのですが、これは簡単なことではありません。
 安定させるためには、お尻(尻尾の生えてる辺り)にバナナをくっつけないといけません。
 しかし、なんと言ってもバナナです。普通なら無理です。
 ですが、そこは境界に潜む妖怪こと八雲紫。バナナと皮膚の境界を操り、見事バナナをくっつけました。
 ただあいにく、離れてから見ると、バナナが尻尾に埋もれてしまって分かりません。小さすぎたのです。他の尻尾が立派すぎました。
 つまらないわ、と紫はため息をつき、またコタツに潜りました。そしてバナナのことを忘れてしまいました。
 つまらないことを、いつまでも覚えておくほど、紫の脳みそは広くないのでした。









 八雲紫は涙に暮れていました。
 というのも、彼女の式である八雲藍が、ここ数ヶ月で急に衰弱したからです。
 藍は、今や自力では歩けないほどに弱ってしまったのです。
 さらに悪いことには、原因がまったく不明でした。紫が手を尽くしても、まったく分からなかったのです。
 悪化に悪化を重ねた藍は、もはや死を目前としていました。
「紫様紫様、そんなに泣かないでください」
 寝たきりになって、それでも藍は紫を慰めました。
 いまわの際だというのに見せるその思いやりに、また紫は涙しました。
 藍自身は弱っていても、九本の尻尾は立派な輝きを放っています。だから藍は仰向けではなく、横になって寝ていました。
 せめて毛づくろいしてやろうと、紫は尻尾の側に回りこみました。
 立派な、ふさふさとした毛並みです。紫は櫛を手にとって、優しく梳かしていきます。その間も、涙はとめどなく溢れていました。
 ふと、妙な感触が手に伝わりました。紫は怪訝に思いました。

 バナナでした。

 紫はそれのことを完璧に忘れていました。
 先っちょが皮膚と癒着したそれは、立派に成長し、今や十本目の尾と呼んでもいいくらいの輝きを放っています。
 どう考えても成長しすぎで、明らかに藍の養分を吸っていました。見るからに衰弱の原因です。
 紫の涙腺が閉じました。その代わり汗腺が緩みます。冷や汗がドバドバと流れ出ました。
「藍、ごめんなさい」
「いえ、紫様が私のために尽くしてくれたことは身にしみております。私こそ、出来の悪い式でした、申し訳ありません」
 その心遣いは紫にとって非常にありがたいのですが、この状況では、かえって胸に痛いものでした。紫の冷や汗もそれに比例してナイアガラです。
 ええいままよ、と思った紫は、バナナと皮膚の境界をいじって、二つを離しました。
「あぁ……なんだか気分がよくなってきました、お迎えですね……」
 そして藍は目を閉じました。穏やかな寝息が聞こえます。
 気分がよくなるのは確かだろうけど、多分お迎えじゃないわソレ。
 そう思いながら紫は、藍の尻から離れた馬鹿でかいバナナを抱えて、眠った藍を尻目に部屋を抜け出しました。
 向かった先は台所です。
 捨てるには、バナナは大きすぎました。
 なにせ紫の身長と同じくらいあります。生ごみで出すために、切り分ける必要がありました。
 紫の手には、斧が握られています。包丁では刃渡りが足りませんでした。
 紫に斧の心得はありませんが、それでもバナナを叩き切るぐらいなら出来ます。
 紫はその武器を振り上げ、まるで人間のようなサイズのお化けバナナのど真ん中に、渾身の力で振り下ろしました。
 バナナは何の抵抗も無く切れました。ですが、そこから奇妙なことが起こりました。
 なんと、バナナの中から妖怪が飛び出したのです。そしてその妖怪は叫びます。


「分からなかったら人にきく!」


 これも御仏の導きと考えた紫は、バナナから飛び出たその二尾の黒猫を橙と名づけ、回復した藍とともに仲良く暮らしました土佐。
 めでたしめでたし。
紫「そういう話を橙にしたのよ」
 藍も紫と口をきかなくなった。

>42 様
 該当箇所を変更しました
喚く狂人
http://wamekukyouzintouhou.blog45.fc2.com/
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コメント



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1.70名前が無い程度の能力削除
桃太郎は出生の秘密を明かされたとき
どんな気持ちだったんでしょうかね。
4.90名前が無い程度の能力削除
どうして橙(オレンジ)なのにバナナなんだろう、なんてw
6.100名前が無い程度の能力削除
凄いな!どんな脳してんだこの作者w貴方は何時も私の予想の遥かに斜め上を行ってるよ。
7.100名前が無い程度の能力削除
はいはい笑いましたよ。はいはい点数いれましょう。
相変わらず非凡なセンスを……
10.100名前が無い程度の能力削除
暇を持て余しすぎた結果がこれだよ!
13.90名前が無い程度の能力削除
これはひどい
その一言に尽きる。
が、それが良いッ!!
14.80名前が無い程度の能力削除
\ひでえ/\タグ狙い杉/\バナナ/
19.100名前が無い程度の能力削除
作者ったら天才ね!
20.100奇声を発する程度の能力削除
めでたしめでたしw
21.100名前が無い程度の能力削除
そんなバナナってかw
23.100名前が無い程度の能力削除
なん…だと…
24.90名前が無い程度の能力削除
こんな作者がいたんだ土佐
25.80名前が無い程度の能力削除
こうして幻想郷に平和がおとずれた土佐
28.100名前が無い程度の能力削除
発想力とかそういうレベルじゃねぇ!!
30.100名前が無い程度の能力削除
ひどすぎるわw
39.100名前が無い程度の能力削除
発想が凄すぎるwww
41.100名前が無い程度の能力削除
どこからこんな発想が来るんだ
42.無評価名前が無い程度の能力削除
文中ににとりを発見
46.100名前が無い程度の能力削除
ほのぼのやなあ
52.100名前が無い程度の能力削除
すっげえ点数入れたくねえけど入れる他ない
53.100名前が無い程度の能力削除
笑ったから俺の負け
持ってけ……。
54.100VJ KAGUYA削除
最高w
67.100名前が無い程度の能力削除
くだらん。非常に下らん
70.90名前が無い程度の能力削除
アホだけどコメントをせざるをえない……
71.100名前が無い程度の能力削除
貴方の頭はどうなってんだwww
73.100名前が無い程度の能力削除
バカスwwwwww
77.100名前が無い程度の能力削除
なんぞこれwwww
80.100名前が無い程度の能力削除
こういう話が書ける才能が欲しいww
90.100名前が無い程度の能力削除
どういうことなの…
91.100名前が無い程度の能力削除
あまりにもぶっ飛んだセンスに笑いを超えて感動が押し寄せてきた。
てっきりバナナを食べる展開かと思ったらまさかの橙!
ニヤニヤが止まらないぜ。
95.80名前が無い程度の能力削除
ワロタ
96.100名前が無い程度の能力削除
おもしろすぎですね!!
99.100名前が無い程度の能力削除
どうしてこうなった
105.100名前が無い程度の能力削除
何でこんなものを書いたww
106.100名前が無い程度の能力削除
何が恐ろしいって、バナナの話が紫の法螺だとは何処にも書いて居ないことだ!
112.100名前が無い程度の能力削除
あっさりしてるのに奇妙な余韻を引きずる物語ですなぁ。
にしても、それはそれは残酷な話ですわーw
橙と藍が口をきかなくなるのも致し方ないかと。
114.100名前が無い程度の能力削除
119.100名前が無い程度の能力削除
なんだこれはwww
122.80名前が無い程度の能力削除
すげえ発想
126.100名前が無い程度の能力削除
わかった、わかったから!
もう俺の負けでいいから勘弁してくれwww
127.100名前が無い程度の能力削除
一行目で吹いたw
130.90平次削除
口きかなくなっちゃったwとんでもない発想ですね・・・・・
132.100名前が無い程度の能力削除
なんと愚かなことを……100点!
136.90名前が無い程度の能力削除
この発想はなかった
138.100名前が無い程度の能力削除
ゆかりん酷ぇwwww
140.100名前が無い程度の能力削除
そこまでバナナがでかくなっても気付かない藍もおかしいだろww
じつに胡散臭い話だ。冗談だよね紫さん?
141.90名前が無い程度の能力削除
ゆかりんひどす
142.90名前が無い程度の能力削除
ひでぇw
144.80名前が無い程度の能力削除
すみません、私としてもこんな言葉は言いたくないんですが、
それでも言わなければいけない気がしました。では、言います

そんなバナナ
150.無評価名前が無い程度の能力削除
なんなんだこれは・・・
宇宙から毒電波でも受信してんのか
151.100名前が無い程度の能力削除
↑点数忘れにて失礼
153.90名前が無い程度の能力削除
どうしたらそういう発想が出てくるんだよwww
154.80ずわいがに削除
この展開は予想出来ないwww
155.90名前が無い程度の能力削除
この発想はなかった。そしてあとがきで吹いた。
159.90名前が無い程度の能力削除
普段何を食ってたらこういう発想が出てくるのだろう……
あ、バナナかw
162.100名前が無い程度の能力削除
この発想は無かったwww
163.90名前が無い程度の能力削除
そんなばかな
164.100名前が無い程度の能力削除
何これw
165.100名前が無い程度の能力削除
aa
167.100名前が無い程度の能力削除
わーおww
173.100名前が無い程度の能力削除
「分からなかったら人にきく!」
175.100名前が無い程度の能力削除
なんか体が勝手に100点入れてた
181.100名前が無い程度の能力削除
ばんなそかな。バナナを紛れ込ませるなんてことふつうの人(と妖怪)はやらないぞw
しかしどうやったらそんな、こたつから起き上がったばかりの思考みたいなのが書けるんだ?
……あっ、そうか。そのとき思いついたのか。
184.100名前が無い程度の能力削除
今も生きています。から始まって、後書きの口をきかなくなった、まで。
存分に笑わせてもらい、楽しませてもらいました!
188.100名前が無い程度の能力削除
なに考えてんだwwwwwwww馬鹿野郎wwwwwwwwwwww
違和感が仕事しないので責任取ってくださいwwww
190.100葉月ヴァンホーテン削除
なんだこれw
195.10名前が無い程度の能力削除
なんだこれ
196.70S_Kawamura削除
誰かなんとかしてくれw
198.100名前がない程度の能力削除
仲良く暮らしました土佐
199.100名前が無い程度の能力削除
その発想に100点
203.90名前が無い程度の能力削除
うん。これはひどい。
204.100名前が無い程度の能力削除
くっそwww
207.100名前が無い程度の能力削除
ワロリンティヌス
212.100名前が無い程度の能力削除
わたしはバナナのかわりに作者さまの頭を割って中を見てみたいです
どんな作りしてたらこんな発想出てくるんだ……