人間というのは弱いものだ。ついこの間咲夜が死んだ。
老衰だったららしい。でも自分自身の時を止めでもしてたのか皺もなく若々しかった。
そんな年を取ってるすら分からなかった奴の死期なんて予想もつく訳なく慌てて葬式の準備をした。
そもそも、紅魔館で死ぬ奴の方が珍しかったので葬式のやり方なんて碌に分からなかった。
土葬にするか、生前親しかったの誰だのとそんなこんなでバタバタと忙しかった。
だが最近ようやく楽になった。
今日は曇天だし、疲れを取るためにテラスでお茶をすることにした。
私は早速メイドに指示した。
暖かな湯気ともに香ばしい香りが漂ってきた。
「ご苦労」
労いもそこそこに私はお茶を口に運んだ。
妙に苦い茶だ。お茶を入れたメイドを睨みつけた。
悪意のない笑顔で返された。
悪びれもしない。
気分を直すために庭を眺めた。
すると、門で美鈴が戦っていた。咲夜が死んで以来美鈴は門番の責務を良く頑張っている。
相手は中々強そうだがまあ、なんとかなるだろう。
私は空を仰いだ。
生前咲夜と共に過ごした年月は私の歴史の十分の一にも満たないが、とても楽しかった。
咲夜と過ごした日々はまるで昨日の様に思い出せる。
紅い霧で幻想郷を覆った時、咲夜は笑っていた。
偽りの月を直すために永遠亭に殴り込みをかけたこともあった。
短いながらも彼女と一緒にいた思い出は一生私の胸に刻まれるだろう。
ふと、門の方の音が途絶えた気づいた。
どうやら美鈴が招かれざる客を返したようだ。
昔から仕事熱心だったら、咲夜に対しても威厳を保てただろうに。
苦い茶を口に運ぼうとしたら、冷めていることに気がついた。
丁度いいので茶を変えてもらう。
余計苦くなっていた。
「ねえ、咲夜。このお茶苦いんだけど」
「胃に優しい濃縮センブリ茶ですわ。ところでお嬢様、私死んだのでそろそろ退職したいんですけど?」
「ダメよ、まだ死神が来てないじゃない。せいぜい半死人よ」
ここは幻想郷。全てを受け入れる優しい箱庭である。
と思ったら、オチで吹いたw
死んだ後くらい休ませてあげようよ、お嬢…
パチュリーと小悪魔、フランの描写も欲しかったなあと思ってしまったので100点は付けられませんが、良作だったと思います
今後も期待
その発想はなかった
いい雰囲気だと思います
今後も期待してます
掌編のお手本ですね
うまいっ!
優しい落ちにあっさりとした文体。良い話でした。
個人的にはもう少しヒントが欲しかったw
10番さんがいなかったら気がつかなかったw
次回作を楽しみにしてます!
いや、これはなかなか良いどんでん返し。
ちょっと句読点の位置が気になりはしたものの、全体的に読みやすい文章でした。
しかし小町がこんなに仕事熱心なのはどうしたことだ。ひょっとしてえーき様が部下にしたくて意地でも連れて来いとか言ってるのだろうか。
もうちょっと伏線とか細かい描写とかがあれば短くても大作になったと思う。次作にも期待したいので満点はつけない。
細かいこと気にしないおぜうさま格好いいです。
これは良いオチですな。
ちゃんと仕事してる小町がちょっとかわいそうだがw
欲を言えばもう少し長くして欲しかったですw
いい味わいでした。
「曇天」を見たときは「あぁ…咲夜さんの天候か」と気づいたが、
まだ紅魔館にいたとはw
10番さん見ないと小町と気づかなかったw
こまちーめーりんがんばーれ!!
実際は美鈴と日向ぼっこしてる方が合ってる様な気がしないでも。
とは言え完全にやられました、お見事です!
咲夜さんが幽々子みたいな幽霊なのか、虹川さんみたいなのか、ムラサ船長みたいなのか、気になります。
がんばれ美鈴ww
死人を扱き使うなんて外道の筈なのに、なにこの読了感の良さ
幻想郷の懐の深さや非常識さには本当に頭が下がる思いです
あと、美鈴がんばれ、超がんばれ。紅魔館の命運は君にかかっている
次回作も期待してます
ていうか死んで幽霊となった咲夜さを働かせるおぜうさまのカリスマに吹いたwww
これは美鈴負けられませんな
ただ、人として生きて死んでいくことを望んでた咲夜さんをこういう形で生かし続けるのはどうなんだろうともにょったので、匿名満点のこの点数で。
天人方式なのね
キャラ造りが上手いと思うので、キャラが上手い故に
何となく最後まで読める長編ssじゃなくて、
ストーリーで読める長編が読んでみたいですね。
無駄に難しい表現が無く読み手の集中力を切らさないのも良かったです
同じような理由で最近よくみるくどいミスリードじゃ無い点も好感がもてました。
素晴らしいの一言
ショートショートらしい、切れ味のあるオチでした。その発想はなかったわ。
おぜう様に健康とかあんの?www
切なくてほのぼの、良い読後感でした。
幻想郷っていいところだなあ。
ってか最後…途中までの俺の感傷を返せ
予想できてなくて驚いたww
だけどなんだか美鈴すごい本気出して戦ってるのとか、凄い感動した