Coolier - 新生・東方創想話

雛祭の日

2010/03/03 17:49:22
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※一発小ネタです。ですが前作『鬼の倒れた日』『鬼の暴れた日』を見てくださるとなお楽しめます。今回は2本立てです。色々壊れてます。




 3月2日 香霖堂にて

 リリーが「春ですよー」と騒ぐ時期。
 相変わらず香霖堂には客はこない。
「そういえば明日は雛祭りだったね」
 冷やかしとたかりにやってきた霊夢に声をかける。
 ここ2月ほど色々あったようでご機嫌斜めである。
 どうしたものか。商売事を勧めるわけにもいかないし。
「雛祭りなんて知らないわよ……」
「一応女の子なんだから気にした方がいいと思うが」
 棚の奥の高級羊羹に手を伸ばしたのでその手を払う。
「きっと今年は厄年なんだわ。きっとそうよ」
「厄年か……。ならそれこそ雛祭りをやるべきだね」
 というと霊夢はどうして?と聞いてきた。
「雛祭りというのは元々雛あそびというものが由来でね。それが変化して祭り事になったんだ」
「へぇ。でもそれがどうかしたの?」
 ……僕は霊夢に雛祭りについて話と僕の見解を話した。雛飾りが厄を背負ってくれること。穢れを払ってくれることについてだ。
 霊夢は興味が沸いたのかしっかりと聞いてくれていた。すると。
「まぁ霖之助さんには関係ないわね。ありがとう、霖之助さん策が沸いたわ!」
「そりゃぁよかった。お役に立てて嬉しい限りだよ」















 妖怪の樹海に悲鳴と鬼の叫びが響く。
「待ちなさい雛ぁぁぁぁ! あんたを吊るせばうちの厄は払えるのよ!!!」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
















 その日の文々。新聞号外

『本日未明、妖怪の樹海にて博麗霊夢(年齢不明)氏による鍵山雛(同)氏を襲撃、博麗神社への拉致が行われ、妖怪の山管轄警備隊『諏訪ット』によって逮捕された。
 医師の八意永琳氏による精神鑑定の結果は正常でアルコールの過剰摂取などは確認されなかった。
 付近の妖怪の情報によると「あれは鬼だ。種族とかそういうものではなく鬼だった。一体何が彼女をあそこまで追い込んだのだろうか」とコメントした。
 正月、節分と悪いこと続きだった博麗神社。家計は火の車だったのだという。
 当事者である博麗霊夢は「雛祭りだからやった。後悔はしていない」とのこと。
 香霖堂店主の森近霖之助氏は「吊るすのは雛じゃないのだけど」とコメント。
 文々。新聞は明日の雛祭りにも博麗霊夢が何かしてしまわないか目を光らせている』











 3月3日 守矢神社にて

 相変わらずリリーの「春ですよー」が響く中。
 相変わらず参拝客はさっぱりである。
「どうしましょうかね……」
 ズーンと音が聞こえてきそうな諏訪子様と神奈子様に声をかけた。
 ここ2月のことのせいで大変なことになっている。
 諏訪子様はカエル相手に人生相談をし始めて。
 神奈子様は酒瓶相手に人生相談をし始めた。
 本当に何とかしないとまずい。
「何とかしないと信仰が……ね? 神奈子様? 諏訪子様?」
 私が聞くとお二人は真剣な顔で考え始めた。
「とりあえず命蓮寺のことは放っておくとしても……まずいよねぇ」
「なんとか信仰を増やさないと……いやそれよりも異変解決のことを……」
 神奈子様、デジャブです。やめてください。
「怖がられてるってことはないよね? 異変解決のせいで」
「それはありそうですよね。実は節分の時から思ってました」
 神奈子様が絶望的な顔をした。
「ならどうすればいいんだ!信仰を増やすには!」
「地道に頑張るしかないんでしょうけどね……」
「どうだろ? それより厄払いした方が良くない?」
 諏訪子様の崇りだったりしませんよね。今更ですけど。
「……そういえば今日は雛祭りです! ということは策はありますよ!」
「…………それでこそ守矢の巫女だ。雛祭りってことは……あれだね?」


















 妖怪の樹海に悲鳴と神の怒り(?)が響く。
「「「雛流しだぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」
「嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
















 その日の文々。新聞号外

『本日未明、妖怪の樹海から鍵山雛(年齢不明)氏が姿を消し、妖怪の山の下流20km地点で巨大な笹舟に乗せられ流されていたのをチルノ(最強)が発見、凍結した。
 犯人は妖怪の山山頂に住む守矢神社の神、八坂神奈子(年齢不明)氏、洩矢諏訪子(同)氏とその巫女東風谷早苗(永遠の十代)氏であることが発覚。すぐさま逮捕された。
 医師の八意永琳氏による精神鑑定の結果は正常で彼女もため息を隠せていなかった。
 現場を見ていた妖怪は「あれは神じゃない。悪魔じゃ、悪魔の所業じゃ」とコメント。
 幻想郷の管理者である八雲紫氏は「異変では……ないわね」と口を濁した。
 鍵山雛氏の捜索は今だ続いている。
 前日の博麗神社の一件といい、我々文々。新聞は更なる調査を進めていく所存である。』
季節のネタで雛祭りでございます。そしてまたノリが同じです。
さらりと書きましたが『吊るし飾り』ですのでご注意ください。
雛流しもこんなもんじゃありません。

普通に厄を渡せばいいのでは、というのはなしです。

追記:誤字修正しました。……なんつうミスを
白麦
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コメント



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3.100双角削除
新聞の記事の部分に笑ってしまいました^^
早苗の年齢が「永遠の十代」ってw
4.100煉獄削除
霊夢や早苗と二柱の行動と叫びにニヤニヤしましたし、新聞の内容も面白かったです。
5.80名前が無い程度の能力削除
博霊→博麗
複数箇所あります
6.80名前が無い程度の能力削除
雛さんおつかれさまでした。
7.80名前が無い程度の能力削除
一年に一回とは言え、体を張らされる厄神様に感謝の気持ちを。
そして諏訪ット噴いたw
10.80名前が無い程度の能力削除
他のキャラは兎も角、霊夢が年齢不明ってのが笑いを誘うwww
雛の叫び声にときめいた俺って・・・
11.80名前が無い程度の能力削除
ん?凍結したのに捜索中…
ひでえ、チルノは凍らせただけなのかっ
14.70ずわいがに削除
雛祭りは雛が厄い目に遭う日だったのかww