「ここはどこだろう・・・?」
今にも泣きそうな、小さな少女が一人で森の中を歩いていた。
彼女はこの近くの里に住む子で、山にはこっそり遊びに来ていたのだが迷ってしまったのだ。
大人たちはこの森には妖怪が住むと言い、子供は入らないようにと言い聞かせてはいたが、
ダメと言われると余計に気になってしまうものである。
それに加え、里に妖怪が買い物に来ているのを見たことがあったので、危ないとは少しも考えていなかったのだ。
妖怪が本来どのようなものであるか、それを大人たちが教えるにしてもまだ少女は若すぎた。
迷い始めてからどのぐらい時間がたっただろうか。
実際にはそれほど経ってはいないのだが、小さな少女にとってそれはとても長い時間に感じられた。
ザザッ
「ひっ!」
何かは分からないが少し離れた草から音がした。
思わず少女は身をすくめる。妖怪だろうか?
「だれかいるの・・・!?」
ガサッ ザザッ
今度は別の二つの方向から音がした。返事は無い。
妖怪か、ただの動物かは分からない。しかし少女にはもう限界だった。
涙が頬を伝って零れ落ちる。
(誰か助けて・・・!!)
その時少女はふと、里の大人たちの会話を思い出した。
『神様は私たちを常に見守ってくださっておる』
神様とはどのような存在なのか、幼い少女にはよく分からなかったが、今はただ助けてほしいと願った。
「神様!!」
ヒュウウウウゥ
それまで静かだった森に風が吹いた―――
「我を呼ぶのは何処の人ぞ」
「!!」
風がやんだ時、目の前には見たことのない女性が立っていた。
子供ながらにもその女性が普通の人と違うことが分かった。
突然現れたという事だけではなく、その女性があわられた途端に変わった空気と言えばいいのだろうか、
それともその女性の纏うオーラとでもいうのだろうか、説明することは出来なかったが少女にも分かった――彼女は神様なのだと。
あと、良く分からないが背中にしめ縄と柱を背負っていた。
「・・・もしかして・・・かみさま・・・?」
「そうだよー」
「!?」
「ちょっと諏訪子!!人がカッコよく登場したっていうのに!」
突然後ろからも声がした。驚いて振り返ると不思議な帽子をかぶった少女がいた。
しかもこの少女もうまく説明できないが神様だという気がする。
それにしてもこの帽子はなんだろう?・・・!上の目玉みたいなのが動いた!
「えっ・・・かみさまがふたり・・・?」
「ほらっ、混乱してるじゃないか、私だけ姿を現せばもっとスマートにいったのに」
「この子は『神様』って言ったじゃないか、もしかしたら呼ばれたのは私かもしれないじゃない?」
「そうね、私かもしれない」
「!」
今度は左から声がした。驚いてそちらを見ると最初に現れた神様と同じぐらいの年齢の女性が立っていた。
この女性も雰囲気は違うが神様であるという気がする。
背中に生えた6枚の羽と頭の上でたくましく結ばれた髪の毛が特徴的だ。
最初に現れた神様二柱が何か驚いた顔をしている。最初の二柱は知り合いのようだったが、どうやらこの女性は違うらしい。
「あなたも神様・・・?」
少女の台詞が最初の神様に取られた。
「初めまして。通りすがりの魔界の神 神綺です♪」
「おおっ!噂には聞いていたけれどこんなところで会う事になるとは!自己紹介が遅れました、風雨の神、八坂 神奈子です。」
「洩矢 諏訪子です。こんなところで会うなんてね~」
「あら、私の事をご存知で?」
「ええ、以前命蓮寺の住職から聞きまして」
「白蓮ちゃんの事を知っておられるのですか!」
寺小屋の父母懇談会のような会話が聞こえてくる。
少女は呆然とその光景を眺めるしかなかった。
白蓮ちゃんとは最近里に布教にきた僧侶のことだろうか・・・?白蓮『ちゃん』?
「―――それで、わざわざ地上に出てくるなんてどうしたんです?」
「フフッ 今日は久しぶりにアリスちゃんが元気にしてるかを見にきてい―――」
「静葉!遅れちゃうよ!せっかく私たちを呼んでたのかもしれないのに!」
「ま、待ってよこの季節そんなに力が出ないわ!」
今度は右の方から声がした、冬なのになんだかいい香りがする。
少女もそろそろ驚くのに疲れてきた。
この神様は先ほどの神様たちとくらべると威圧感のようなものは無いがまぁ何か凄いことは分かる。
「あら、神奈子さんに諏訪子さん、それにこちらの神様は・・・?」
「魔界の神、神綺です♪」
「ご丁寧にありがとうございます、私は―――」
「どこかで誰かが呼んでいる!私の中の神がうずき出す!!霊烏路 空 参上!!!」
頭上から声がする。なんだか周囲の気温が突然上がった気がする。
上を見ると大きな羽を生やして、右手に棒をつけた女の子が飛んでいた。もう驚かない。
神々しいというより、何か凄い力を感じる。
「ちょっと八咫烏!お空のセーブをするように言ったのになんで自分からきてるんだよ!」
「どう!?今のセリフカッコよかった!?」
「元気があっていいわね~」
「あの、自己紹介の途中なんですけど――」
「これは私の出番ですね!!」
ボコッ!
「正義のために!正義って何!?それは私! I'm justice!! 現人神 東風谷 早苗 参上!」
「!?」
足元の地面から人が出てきた。さすがにこれには少女もびっくりである。
現人神ということは人間だろうか、しかしいつから人間は地面にもぐれるようになったのだろうか?
「うにゅ!?なにそのセリフ!?カッコいい!!」
「ちょっと早苗、聞いてるこっちが恥ずかしいよ・・・」
「いつのまに早苗も地面にもぐれるようになったの?成長が早くて私も嬉しいよ!」
「神奈子さんと諏訪子さんのお子さんですか?」
「あの、ちょっと私にも自己紹介・・・秋 穣子!秋 穣子です!」
「穣子・・・私も頑張るわ!秋 静葉!秋 静葉です!」
~神々(+2)雑談中~
地面から人が出てきたのには驚いたが、だんだんと少女も落ち着いてきた。
落ち着くにしたがって、だんだんと別の感情がわいてくる。
さっきまであんなに怖かった森の中にいるのに、神様たちを見ているとなんだか暖かで楽しくて・・・
そうだ!神様は私の呼びかけに応えてくださったのだ!お礼を言わなくては!
少女は意を決して神様に話しかけようと―――
「落ち着いたかい?」
「えっ あのっ」
「迷子だったんだろ?すぐ里に送ってもよかったんだがとても怯えた顔をしていたからね。」
「周りに危ない妖怪や動物もいなかったしちょっと和ませようとしたってことさ」
「今はもう元気な顔をしているわね」
「紅葉みる?・・・あっ!(周り針葉樹ばっかりじゃない!)」
「お芋たべる?」
「うにゅ!食べる!」
「えっ?」
神様にはすべてお見通しだったのだ。
二名ほど分かっていなかった地獄烏と現人神がいたようだが、幸い少女は気づかなかったようだ。
少女は神の暖かさにふれ、先ほどとは違う意味で涙した。
「さぁ、じゃあ里に帰ろうか?」
「はいっ!!」
里に神様が『団体』で行くと驚かれるので、すぐ手前のところで最初に姿を見せた神奈子意外は帰ることになった。
魔界の神様は魔界へ(また魔法使いの家にいくのかもしれないが)、秋の神様は山へ
地獄烏は地底へ(博麗神社に行ったのかもしれない)、諏訪子と早苗は山の神社へと帰っていった。
「あとはでもう大丈夫ね」
里から少女の母親らしき人間が少女を探しに走ってきたのを見て、厄神様、鍵山雛はやさしく呟いた。
彼女も呼ばれてきたのだが、少女に気づかれないようにそっと厄をとってあげていたのだ。
「それじゃあ私たちも帰りましょうか」
そう雛が呟くと、いつのまにか集まっていた様々な神様が『出そびれたなー』などと言いながら帰っていく。
彼らも姿こそ現さなかったがこっそり見守っていたのだった。
里のすぐそばで神奈子と少女が別れの挨拶をしていた。
少女は秋の神様にもらったのかお芋を抱えている。
最初は後ろで結んでいた髪も、頭の上でたくましく結ばれていた。
「さて、お前のお母さんもきたようだし、私もここらへんで帰るとするね」
「えっ!お母さん!?」
「ちゃんと言い付けを守らなかったことを謝るんだぞ?お前のためを思って言ってくれていたのだから」
「うん!」
「じゃあ私はそろそろ・・・ああそうだ、神様に祈る時はちゃんと名前を覚えておいてね?みんな出てきちゃうから」
「はい!」
「いい返事だ、では元気でな。神様はいつもみんなのことを見守っているよ」
「ありがとう神様!!」
今にも泣きそうな、小さな少女が一人で森の中を歩いていた。
彼女はこの近くの里に住む子で、山にはこっそり遊びに来ていたのだが迷ってしまったのだ。
大人たちはこの森には妖怪が住むと言い、子供は入らないようにと言い聞かせてはいたが、
ダメと言われると余計に気になってしまうものである。
それに加え、里に妖怪が買い物に来ているのを見たことがあったので、危ないとは少しも考えていなかったのだ。
妖怪が本来どのようなものであるか、それを大人たちが教えるにしてもまだ少女は若すぎた。
迷い始めてからどのぐらい時間がたっただろうか。
実際にはそれほど経ってはいないのだが、小さな少女にとってそれはとても長い時間に感じられた。
ザザッ
「ひっ!」
何かは分からないが少し離れた草から音がした。
思わず少女は身をすくめる。妖怪だろうか?
「だれかいるの・・・!?」
ガサッ ザザッ
今度は別の二つの方向から音がした。返事は無い。
妖怪か、ただの動物かは分からない。しかし少女にはもう限界だった。
涙が頬を伝って零れ落ちる。
(誰か助けて・・・!!)
その時少女はふと、里の大人たちの会話を思い出した。
『神様は私たちを常に見守ってくださっておる』
神様とはどのような存在なのか、幼い少女にはよく分からなかったが、今はただ助けてほしいと願った。
「神様!!」
ヒュウウウウゥ
それまで静かだった森に風が吹いた―――
「我を呼ぶのは何処の人ぞ」
「!!」
風がやんだ時、目の前には見たことのない女性が立っていた。
子供ながらにもその女性が普通の人と違うことが分かった。
突然現れたという事だけではなく、その女性があわられた途端に変わった空気と言えばいいのだろうか、
それともその女性の纏うオーラとでもいうのだろうか、説明することは出来なかったが少女にも分かった――彼女は神様なのだと。
あと、良く分からないが背中にしめ縄と柱を背負っていた。
「・・・もしかして・・・かみさま・・・?」
「そうだよー」
「!?」
「ちょっと諏訪子!!人がカッコよく登場したっていうのに!」
突然後ろからも声がした。驚いて振り返ると不思議な帽子をかぶった少女がいた。
しかもこの少女もうまく説明できないが神様だという気がする。
それにしてもこの帽子はなんだろう?・・・!上の目玉みたいなのが動いた!
「えっ・・・かみさまがふたり・・・?」
「ほらっ、混乱してるじゃないか、私だけ姿を現せばもっとスマートにいったのに」
「この子は『神様』って言ったじゃないか、もしかしたら呼ばれたのは私かもしれないじゃない?」
「そうね、私かもしれない」
「!」
今度は左から声がした。驚いてそちらを見ると最初に現れた神様と同じぐらいの年齢の女性が立っていた。
この女性も雰囲気は違うが神様であるという気がする。
背中に生えた6枚の羽と頭の上でたくましく結ばれた髪の毛が特徴的だ。
最初に現れた神様二柱が何か驚いた顔をしている。最初の二柱は知り合いのようだったが、どうやらこの女性は違うらしい。
「あなたも神様・・・?」
少女の台詞が最初の神様に取られた。
「初めまして。通りすがりの魔界の神 神綺です♪」
「おおっ!噂には聞いていたけれどこんなところで会う事になるとは!自己紹介が遅れました、風雨の神、八坂 神奈子です。」
「洩矢 諏訪子です。こんなところで会うなんてね~」
「あら、私の事をご存知で?」
「ええ、以前命蓮寺の住職から聞きまして」
「白蓮ちゃんの事を知っておられるのですか!」
寺小屋の父母懇談会のような会話が聞こえてくる。
少女は呆然とその光景を眺めるしかなかった。
白蓮ちゃんとは最近里に布教にきた僧侶のことだろうか・・・?白蓮『ちゃん』?
「―――それで、わざわざ地上に出てくるなんてどうしたんです?」
「フフッ 今日は久しぶりにアリスちゃんが元気にしてるかを見にきてい―――」
「静葉!遅れちゃうよ!せっかく私たちを呼んでたのかもしれないのに!」
「ま、待ってよこの季節そんなに力が出ないわ!」
今度は右の方から声がした、冬なのになんだかいい香りがする。
少女もそろそろ驚くのに疲れてきた。
この神様は先ほどの神様たちとくらべると威圧感のようなものは無いがまぁ何か凄いことは分かる。
「あら、神奈子さんに諏訪子さん、それにこちらの神様は・・・?」
「魔界の神、神綺です♪」
「ご丁寧にありがとうございます、私は―――」
「どこかで誰かが呼んでいる!私の中の神がうずき出す!!霊烏路 空 参上!!!」
頭上から声がする。なんだか周囲の気温が突然上がった気がする。
上を見ると大きな羽を生やして、右手に棒をつけた女の子が飛んでいた。もう驚かない。
神々しいというより、何か凄い力を感じる。
「ちょっと八咫烏!お空のセーブをするように言ったのになんで自分からきてるんだよ!」
「どう!?今のセリフカッコよかった!?」
「元気があっていいわね~」
「あの、自己紹介の途中なんですけど――」
「これは私の出番ですね!!」
ボコッ!
「正義のために!正義って何!?それは私! I'm justice!! 現人神 東風谷 早苗 参上!」
「!?」
足元の地面から人が出てきた。さすがにこれには少女もびっくりである。
現人神ということは人間だろうか、しかしいつから人間は地面にもぐれるようになったのだろうか?
「うにゅ!?なにそのセリフ!?カッコいい!!」
「ちょっと早苗、聞いてるこっちが恥ずかしいよ・・・」
「いつのまに早苗も地面にもぐれるようになったの?成長が早くて私も嬉しいよ!」
「神奈子さんと諏訪子さんのお子さんですか?」
「あの、ちょっと私にも自己紹介・・・秋 穣子!秋 穣子です!」
「穣子・・・私も頑張るわ!秋 静葉!秋 静葉です!」
~神々(+2)雑談中~
地面から人が出てきたのには驚いたが、だんだんと少女も落ち着いてきた。
落ち着くにしたがって、だんだんと別の感情がわいてくる。
さっきまであんなに怖かった森の中にいるのに、神様たちを見ているとなんだか暖かで楽しくて・・・
そうだ!神様は私の呼びかけに応えてくださったのだ!お礼を言わなくては!
少女は意を決して神様に話しかけようと―――
「落ち着いたかい?」
「えっ あのっ」
「迷子だったんだろ?すぐ里に送ってもよかったんだがとても怯えた顔をしていたからね。」
「周りに危ない妖怪や動物もいなかったしちょっと和ませようとしたってことさ」
「今はもう元気な顔をしているわね」
「紅葉みる?・・・あっ!(周り針葉樹ばっかりじゃない!)」
「お芋たべる?」
「うにゅ!食べる!」
「えっ?」
神様にはすべてお見通しだったのだ。
二名ほど分かっていなかった地獄烏と現人神がいたようだが、幸い少女は気づかなかったようだ。
少女は神の暖かさにふれ、先ほどとは違う意味で涙した。
「さぁ、じゃあ里に帰ろうか?」
「はいっ!!」
里に神様が『団体』で行くと驚かれるので、すぐ手前のところで最初に姿を見せた神奈子意外は帰ることになった。
魔界の神様は魔界へ(また魔法使いの家にいくのかもしれないが)、秋の神様は山へ
地獄烏は地底へ(博麗神社に行ったのかもしれない)、諏訪子と早苗は山の神社へと帰っていった。
「あとはでもう大丈夫ね」
里から少女の母親らしき人間が少女を探しに走ってきたのを見て、厄神様、鍵山雛はやさしく呟いた。
彼女も呼ばれてきたのだが、少女に気づかれないようにそっと厄をとってあげていたのだ。
「それじゃあ私たちも帰りましょうか」
そう雛が呟くと、いつのまにか集まっていた様々な神様が『出そびれたなー』などと言いながら帰っていく。
彼らも姿こそ現さなかったがこっそり見守っていたのだった。
里のすぐそばで神奈子と少女が別れの挨拶をしていた。
少女は秋の神様にもらったのかお芋を抱えている。
最初は後ろで結んでいた髪も、頭の上でたくましく結ばれていた。
「さて、お前のお母さんもきたようだし、私もここらへんで帰るとするね」
「えっ!お母さん!?」
「ちゃんと言い付けを守らなかったことを謝るんだぞ?お前のためを思って言ってくれていたのだから」
「うん!」
「じゃあ私はそろそろ・・・ああそうだ、神様に祈る時はちゃんと名前を覚えておいてね?みんな出てきちゃうから」
「はい!」
「いい返事だ、では元気でな。神様はいつもみんなのことを見守っているよ」
「ありがとう神様!!」
「神様!」と呼んでも誰も来ない
「神奈子様!」と呼んでも神奈子様は来ない
……何故だorz
早苗さんはっちゃけすぎだろ。少しは自重しろwww
厄神様のカリスマが溢れ過ぎで信仰したいんですが。
威厳じゃなくてカリスマの具現な皆様に目から信仰心がっ!
今さっき「厄いわ…」という声が聞こえたような…
空耳かw
なんという神様のバーゲンセールw いやしかし素敵な神様が
こんなにたくさんいらっしゃるのなら、きっと幻想郷も安泰でしょうね。
Strong faith changes into strength of Nature !!
Believe ! the deities !! Pray ! to the goddesses !!
And ! they'll smile to take your hands……!!