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※ 幽々子と妖夢と小傘が汚れるのが嫌な人も退却退却
ある晴れた日のことであった。
「幽々子様、朝餉の準備が」
妖夢は剣士である。
職業は庭師兼、幽々子の剣術指南役だ。
西行寺に仕える者として、家事の類もこなしている。
しかし剣士である。
剣士とは職業ではなく、生き様である。
剣を持って生き、剣を使ってことを成し、最後は剣と共に死んでいく。
妖夢は今だ半人前であるが、その志を持って生きている限りは腕前など関係ない。
だからこそ剣士であるし、そうでなくては剣士ではないと妖夢自身も思っている。
世の移ろいなどは関係ない、それもまた剣士の道理であった。
故に、妖夢は心動かされている今、自分が未熟だと深く反省する。
「うーん、この股間の辺りが特にデリシャ……」
「何を、なさっているのですか?」
あー、と幽々子は目を逸らす。
数秒。
「ぱん」
「ぱんつくってるの、何て言ったら本気で斬りますよ」
無言。
空は快晴であった。
× × ×
「という訳です」
ふーん、と全員が淡白な反応をする。
「あ、霊夢それロン。リーチタンピンドラ2で親マン」
嘘これ通ると思ったのに、と霊夢は千点棒二本を出し、ついでに袖を片方パージした。
博麗神社の霊夢の部屋、ここでは麻雀をする際に特殊なルールが発生する。衣服一枚が
一万点と同じ価値を持つ「博麗式脱衣麻雀」は、里の保護者たちに概ね不評である。
じゃらじゃらと牌を混ぜながら、四人プラス一人は妖夢を見た。
面子は霊夢、魔理沙、美鈴、チルノの四人で、五人目のパチュリーは美鈴の背にもたれ
黙って本を読んでいる。
で、とチルノは霊夢の袖を座布団にしつつ、首を傾げた。
「急に来たと思ったら、何が問題なの?」
え、だって、あれ?
「普通に慣れるよ、そんなの。あたいなんて大ちゃんに毎日されてるけど、洗って返して
貰ったらそれで良いじゃん。あの手合いは常習するし、気にしてもキリないよ?」
うわぁ、と全員がチルノに同情の目を向けた。
それより霊夢が残り千点だけど、うわマジだリーチも出来ねぇ、と呑気な会話を聞き、
妖夢は涙目になった。自分が間違っていたのだろうか、と自問するが、間違ってはいない
筈である。このようなことが許されてはいけない。
待って、と叫ぶと美鈴が人の良い笑みを浮かべた。
「確かに問題ですよね、それは」
「お、美鈴も被害者か」
魔理沙がパチュリーを見るが、パチュリーは吐息。
「そんなことする訳ないでしょ、馬鹿にしてるの?」
マジか、と魔理沙が驚愕するが、パチュリーは無視をした。
「で、話を戻すけど、何でウチに来たワケ? 紫のところにでも行きなさいよ」
異変です、と妖夢は呟いた。
異変に決まっている、そうでなければ幽々子があのような蛮行をしでかす筈がない。
冥界の管理をする者で、性格も良くて、美人で、おまけに巨乳なのだ。そのような者が
やらかしてしまうとしたら、それは何かの異変に違いない。
だから解決を依頼しに来ました、と妖夢は頭を下げる。
「だったら自分で解決しなさいよ」
寂しくなった点箱を見て、霊夢は舌打ちをする。
「私は五面ボスなのに自機になれませんでしたので、多分解決出来ません」
「魔理沙頑張って、歴代主人公の貴女なら出来るわ」
「何言ってんだ、メイン主人公さんよ。私は馬鹿は好きだが変態に関わりたくないぜ」
畜生、と妖夢は腰に手を伸ばした。
この捻くれ共を叩き斬ってやる、と思ったが、
「あれ?」
朝餉の準備の最中は、邪魔なので刀は外してある。
そのまま幽々子を呼びに行って、驚愕の光景を目にし、そのまま逃げだしてきた。
不味い、と妖夢は冷や汗をかいた。
このままでは非常に不味い、もし刀が淫らな使われ方をされてしまったら、
「そのまま使えば私は変態剣士になってしまうし……」
あの刀を手放すことも考えられない、祖父からの大切な贈り物だというのに。
取り返せば良いじゃん、とチルノの声がした。
「美鈴に聞いただけだから詳しくは知らないけど、どっちだったか迷いを斬るんでしょ?
だったらそれを持った後、どうすれば良いか考えれば?」
紅魔館に練習試合をしに行く度に、こちらを見ている一人の妖精が居る。
矮小な力で最強を目指すが故に「馬鹿」と周りから言われている彼女は、真っすぐだ。
もしチルノが剣士ならば、力は足りなくても一流だと妖夢は思う。
ならば妖夢は一流の言葉を信じるだけだ。
よし行こう、と頷く。
妖夢は一歩を踏み出し、しかし少し待った後、振り返り、
「あ、美鈴さん。それ止めて貰って良いですか? キャラが被って見えます」
ヘビースモーカーの隣には、煙で出来た大型の球体が浮かんでいた。
× × ×
「しかし、どうしたものか」
代わりの刀など、そうは見付からない。
妖夢は人間ではないし、その力に耐えられる程のものは滅多に存在しないのである。
固く、手に馴染む程度に重く、そして何よりも強い。
そのようなモノがあれば良いが、と人里を回っても、あるのはハズレばかりだ。
悪いと言っているのではなく、単に馴染まないのだ。
あるものは強度が足りず、あるものは軽く、あるものは弱い。
はぁ、と溜息を吐いて近くに置いてあった手頃な棒を掴んだ。
瞬間、電撃が走る。
「これはッ……!!」
重さも馴染む。
振った。
強度も申し分ない。
そもそも一定のラインを越えれば、鋭さなどは関係なくなってくる。
曰く、用意不用力。
以前美鈴に教わったものである。中国武術において、モノを斬るには力などは不要だと
いう考えだ。力も武器の鋭さも要らない、機と気と器さえあれば、どのようなものであれ
一刀の下に伏すというものだ。実際に木刀でバターの如く大岩を切断するのを見せられ、
それを体得したいと妖夢は思った。
無論、妖夢には妖夢なりの、魂魄の剣術というものがある。
だが武術の到達点は、どこか通じるものがあるのは事実だ。
柄はパイプ状、刀身も同じ。
先端から放射状の骨が伸びて、布が貼られてある。
所謂、傘である。
それでも、だからこそ伸びるチャンスであるとも言える。
だが少々物足りない、何かが、何かが。
「私は二刀流だ」
妖夢は近くにあった、手頃な生足を掴んだ。
これだ、と妖夢は開眼する。
曰く、用意不用力。
「あの……」
何とも柔らかく滑らかな肌触りで、ムチムチのナイスバディでも関係ない。
ここに、小傘二刀流が完成した。
× × ×
場所は戻って、白玉楼の庭である。
「戻ってきてくれたのね」
否、戻ってきたのではない。
安息を奪い返しに来たのだ。
「参ります」
「あの……」
疾駆。
きゃあと叫び声が来たが無視をした。
左手を振り、開始の一閃を放つが扇子で防がれる。
「お見事」
まだ足りない、境地に達していたならば一撃を叩き込めていた筈である。
そう、と幽々子の声がして、蝶が舞った。
幽々子が一度念じれば、その能力によって自分は死んでしまう。
それなのに弾幕を展開するのは、自分への情から来るものだろう。そのことを嬉しいと
思いつつも、妖夢は連撃を打ち込んでいく。
右手の小傘はボインな形状故に空気の抵抗も多いし、まだ使い慣れていない。
ならば比較的刀に近い形状の傘を主流に使い、トドメに右手を使う。
ボクシングに近いスタイルだ。
踏み込み、腰を捻り、巻いていた腕を伸ばしての連打。
基本は変わらない。
何度も鋭い音が響き、その度にきゃあという声もする。
たまに来る弾幕を切り払っても、それは変わらない。
何も変わらないのだ。
妖夢は美鈴の言ったことの意味を少しずつ理解し始めていた。
得物が何であろうと構わない、斬れば良いのだ。
動作は普段と変わらないし、目的も変わらない、結局はそこである。
訓練の通りに体を動かすのではなく、刻んできた過去が今の自分を動かし、その結果が
ものを斬るという現象にまで結びついていくのだ。
機、それはタイミングではなく自分の斬るべきときである。
気、それは体内の力ではなく在り方である。
器、相手は要らない、自分と得物がそこに居れば良い。
境地に近付くというのは、このようなことだろう、と妖夢は吐息した。
もしや、と思い、右手を振る。
すんなりと、それは思い通りに動いた。
乳が暴れる。たゆん、ぼいん、ぷるん、である。
「両手を使ったなら」
私も本気を出すわ、と幽々子は両手を広げた。
背後に顕現するのは骨が八尺を超える大扇子だ。
しかも描かれているのは昔に見たものではない、自分の知らぬものだ。
「二次元幼女、ですか」
絵の内容自体は知っている、かつて祖父の部屋で見たことがあるからだ。
『ぬおぉ、これはたまらん!!』
叫ぶ祖父の声に驚き、駆け付けてみれば、ふすまの障子紙が嫌なものに変わっていた。
曰く、女体と魚介の合わせ技。
巨大な蛸が足を自在に操り、何となく自分に似た幼女を半裸に剥いている。
それだけでなく謎の体液で幼女の体はぬめり、顔は恍惚としていて、足の先端が何やら
大事な部分へと潜り込んでいて、妙に艶めかしい。しかもフルカラーだ。
「張り替えられるのよ」
バリエーションはまだまだあるわ、と聞いて、妖夢は歯噛みする。
まだこのような下卑たものがあるのか、と悔しくなった。
「こ、こんなエッチなの」
小傘が赤面した顔を覆うのは武器として構わないが、指の間が開きすぎである。
見るな、と叫んで小傘の頭を突き付けた。
「もはや、許してはおけません」
「大丈夫よ、ノーマルなものもあるから」
幽々子が懐から冊子を取り出すが、一瞬で嘘だと分かる。
絵柄は可愛いが、
「表紙の女の子がカメラ目線です」
ならば下種な男たちが登場する筈だ。
許せない、と踏み込んでいく。
大量の弾幕が飛来するが、恐れるものなど今の妖夢には無い。
速度を落とさぬよう、ステップと身体の回転のみで弾幕を回避し、
「貰ったわッ、性的な意味で!!」
甘い。
傘を開き楯として、ひたすらに突き進む。
速度が限界を突破した瞬間、妖夢は一瞬だけ完全な境地に至った。
両手で小傘の生足をホールドし、叫ぶ。
「六道剣「一念無量劫」!!」
小傘の身体は幽々子の身体を撃ち、そして背後の扇子が飛散する。
小傘のスカートの留め具が飛び、
「はいて、なかったのね」
大空に一枚の布が舞っていく。
普段は辺りを飛んでいる魂も、いつか自然と消えていた。
× × ×
「鈴仙、晩御飯の準備が……」
「てゐ、ハァハァ、ふああぁぁ!!」
愛用の杵が無かったので、てゐは近くにあった手頃な棒を掴み……
× × ×
EXキャラの強さは半端ではない。
今日も幻想郷は平和である。
妖夢も色々頑張れ、ちょー頑張れ しかし小傘ちゃんの存在がほとんど無いのが残念
たたらん('・ω・`)
さぁ脱いでもらおうか!
パッチェさん珍しくエロくないよパッチェさん。
パチュリー様がやらしく無いとか紅魔館の大異変ですね分かります(←超絶失礼)