霊夢は、今現在、地霊殿の客間にいた。
客間といっても、そんなに豪勢なつくりではないが、ステンドグラスが煌びやかに彩を飾っていた。
そこでさとりに、紅茶をご馳走になっていたのだ。
「どうぞ」
「あ、どうも」
差し出されたティーカップを受け取り、霊夢はそのティーカップに口をつける。
あ、どうも、なんて平静を装っていたが、内心は心臓バクバク、脈拍は平均値を軽くオーバーしているだろう。
何時頃からだろうか、さとりに会いに地霊殿を訪れるようになったのは。
初めは特に意識をしていたわけではないのだが、神社に訪れるお燐が、たまには地霊殿にもきなよ、なんて言ったもんだから、たまに足を運ぶ程度だったのだが、いつの間にか、地霊殿に入り浸りとなっていたのだ。
「さとり」
「なんですか」
「あの、お願いがあるんだけど」
「お願い、ですか」
「ちょっとこっち来て」
霊夢がそうやってさとりを手招くと、さとりはトテトテと霊夢の方へと近づいていく。
その歩き方、可愛いなんてもんじゃない。
霊夢の前まできたさとりは、何の用でしょうといわんばかりの、不思議な表情をしていた。
そんなさとりの手をそっと握る。
「どうしたんですか?」
「あ、あのね」
「言いたいことがあるなら、さくっと言ったほうがいいですよ」
さとりも意地悪だ。
霊夢の考えていることは、さとりには筒抜けのはずなのに。
「い、意地悪」
「ふふ、冗談ですよ」
さとりは、二コリと微笑み霊夢の体を抱き寄せる。
霊夢は抱かれながら考えていた。
何時から、さとりにたいしてこれほどまでに熱をあげるようになったのか。
「こうやって、ギュってして欲しかったんですよね」
「う、うん」
さとりの体は、いい匂いがした。
ただ抱き寄せられているだけなのに、霊夢はうっとりとその状況に浸っていた。
「……」
「……」
「霊夢」
そのとき、さとりが霊夢の体を離し、真剣な面持ちで聞いてくる。
「そんなことがしたかったんですか……」
「え?」
霊夢はさとりの本位が汲み取れなかった。
体を抱き寄せられ、いい匂いに浸っていたとき、何かを考えてしまっていたのだろうか。
「いいですよ、それじゃ私の部屋へ行きましょう」
「へ?」
「さあ、何を言ってるの? とか考えてる暇があるなら、私の部屋へ行きましょう」
「あ、う、うん」
おかしい、もし抱き寄せられていたとき、何かを考えていたのならそれは無意識下のことだ。
無意識下で思ったことは、さとりには読まれないはず。
だが、とにもかくにも、何かして欲しいことを読まれて、さとりがそれをしてくれるというなら、甘えてしまえばいいと思った。
それにさとりは妖怪のなかでは良識のある方だ、信じてもいいだろう。
そう思った霊夢は、疑うこともなくさとりの後をついていった。
「あ、ん……」
さとりの部屋の中に、霊夢の悶えるような小さな声が響き渡る。
「だ、だめ」
「ふふ、ここがいいんですよね」
「あ、ふ」
「ほら、ほら!」
「あん!」
さとりの執拗な攻めに、霊夢の口から大きな声が漏れる。
「も、もっと優しくして」
「あら、霊夢は激しくされるのが好きじゃなかったの?」
「んぁ、す、好き、好きだけ、どぉ!」
「ここ、擦られるとキモチいいのよね」
「あは、う、うんキモチいい!!」
さとりの手が霊夢の穴を、掻き混ぜていた。
いや、手、ではないのだが、持っているもので、掻き混ぜていたのだ。
それは、コリコリと霊夢の壁を擦り上げ、その刺激は霊夢の頭に電流を流すような衝撃を与えていた。
「霊夢は、ここが弱いのね」
「だ、だって……」
「ほら、もう少しだから」
さとりは、そう言いながら止めていた手を再び動かしだす。
「あ、ん」
霊夢は必死に声を押さえるが、我慢できず声を漏らしてしまう。
コリコリ。
「ん……あ」
コリコリ。コリコリ。
「あ、ふ」
コリコリ。コリコリ。コリコリ。
「それにしても、ここまで耳が弱いのって霊夢くらいじゃない?」
「そ、そんなこと言われても、弱いものはしょうがないじゃない……」
「私は、そんな霊夢を見ながら耳掻きするの嫌じゃないけどね」
さとりの何気ない言葉に、霊夢は頬を真っ赤に染める。
「よし、終わり。次は逆の方ね」
「あ、うん、お願い」
霊夢はそう言われ、逆の耳を掃除してもらうために、外側に向けていた顔を、内側の方へと方向転換する。
「あ……」
そのとき霊夢は気づいてしまった。
さっきまで耳掃除をしてもらっていたときは、さとりと同じ方向を向いていたので気づかなかったが、これはものすごい状況なのではないだろうか。
目の前に、さとりのおなか。
思わず触りたくなる。
「霊夢……」
「は、はい」
「おなかなんか触ってどうするの?」
「あ、いや、なんていうか知的好奇心といいますか、なんといいますか」
自分でも何を言っているか分からなくなる。
「んー、でも触りたいなら触っていいわよ」
「え、まじ?!」
「ちょっと、そんなマジな顔にならなくても……そんなに触りたいなら、触っていいわよ」
さとりは、少し恥ずかしそうに、上着をたくし上げていく。
そして、それと同時に霊夢の前には真っ白な美しい雪原が広がっていった。
「綺麗……」
雪原のあまりの美しさに、霊夢は思わず呟く。
「や、やっぱりちょっと恥ずかしいわね」
「今更何をいいますか」
そういって、霊夢は有無も言わさず、その雪原へと足を踏み入れる。
「んっ」
「綺麗なだけじゃなく、さわり心地も素晴らしいわ」
「くっ、くすぐったい」
霊夢は執拗に手を使い、さとりのおなかを堪能する。
すべすべと、その真っ白な雪原は、いつしか霊夢の手の温度により赤みを帯びてきていた。
「ふぅ、堪能したわ」
「お、終わりましたか?」
「ええ、予想以上にさわり心地はよかったわ」
「そうですか、それじゃ耳掻きの続きしましょうか」
「あ……」
そういえば、と霊夢は本来の目的を思い出す。
でも、やっぱり耳掻きして欲しいとか膝枕して欲しいとか、そんなこと考えてなかったはずなんだけど。
「残念、考えていましたよ」
「そうなの?」
「ええ、実は今日じゃないんですけどね」
爆弾発言。
「じゃあ、いつ……」
「先日きたとき、考えてましたよ」
「そうだっけかな」
霊夢はさとりに言われ、思い出そうとしたが全く思い出せなかった。
「さあ、そんなことより早くこちらへ」
さとりがぽんぽんと、手のひらで太ももを叩き霊夢を呼ぶ。
言われるがまま、座っているさとりの太ももの上に、頭を置いてもう一度考えるが、やはりというか、思い出すことはできなかった。
しかし、と霊夢はふと考える。
さっきは耳掻きされることに集中していたから気づかなかったけど、この膝枕。
なんていう心地のよさ。
さとりの太もものぬくもりと柔らかさが、頬にダイレクトに伝わってくるのだ。
心地が悪いわけがない。
霊夢は今度は耳掻きの気持ちよさはある程度我慢して、膝枕という素晴らしい時間を堪能した。
「さとり、今日はありがとね」
「いえ、こちらこそ」
「また来るわ」
「ええ、楽しみにしています」
地霊殿から帰るときの霊夢の表情は、満足感で溢れている表情だったという。
こーゆーネタは嫌いじゃない
けど、類似の作品がいっぱいありすぎるせいか、何かしらねじってある部分がないと新鮮み的に、気持に残る部分があんまないのかなあ、みたいな。感じ。
やや不完全燃焼な感じです。
やましい意味じゃなくてさとりんの膝枕は癒されそうだ……
霊さともっと流行れ
この作品、マジエ□い