Coolier - 新生・東方創想話

おうちに帰ってチョコレート

2010/02/11 00:26:08
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 お姉ちゃんは、無関心なようで過保護だ。私が放浪外泊から帰ってくると、五回に二回くらいは淡々と叱りつける。どこに行っていたの。ペットの世話を忘れないで。出かけるときは言いなさい。言ってくれないとわからないのだから。
 今日もそうだった。昼帰りをしたら、お姉ちゃんが雪の玄関先で待っていた。呟くように諌められた。四日振りね。遅くなるなら連絡を寄越しなさい。これでも心配してるのよ。私はお姉ちゃんより遥かに強いんだから、不安がらなくていいのに。
 お小言を切り上げるために、私は笑って言ってやった。

「少しくらいいいじゃん。お姉ちゃんに心配されなくても平気だよ。あ、もしかして寂しかった? お燐やおくうを呼んだら? 話し相手はいくらでもいるでしょ」

 乾いた音がした。右のほっぺを引っ叩かれた。目の覚めるような痛みが走った。帽子に積もった雪山が落っこちた。
 お姉ちゃんはアメジスト色の瞳を見開いて、左手を注視していた。自分の行為に吃驚しているみたいだった。私も驚きだ。言葉よりも先に手を出すなんて、珍しい。何かまずいことを口走ったかな。覚りの瞳を閉ざした私に、お姉ちゃんの気持ちはわからない。

「痛いよ、お姉ちゃん」
「ごめんなさい、いきなり」
「どうして叩いたの」

 返事がなかった。腕を組んで、唇を尖らせている。だんまりのお姉ちゃんからは、何も読み取れない。肩を揺すった。

「ねえ、お姉ちゃんってば。言ってくれないとわかんないよ」
「そ、その位自分で考えなさい」

 ずるい。私がもう心を読めないと知っているのに、お姉ちゃんは意地悪を言う。自分だけ何でも視えるからって、偉そうに。
 私の『目』が暗くなってから、ずっとこうだ。どこか噛み合わない。すれ違っている。
 そばにいない方が、いいのかもしれない。

「いいよ。じゃあ上で考えてくる。またね」

 スカートの裾を摘んで、急回転。旧都、洞穴、博麗神社。私は来た道を引き返した。綿雪が紅い頬にへばりついて、冷たかった。




「ふうん、それでここまで来たんだ」

 地霊殿での話を一通り聞いて、黒髪に黒いワンピース姿の女の子が頷いた。背中で赤と青、二色の異形の羽が揺れている。赤は鉤爪、青は波打つ矢印のような形。彼女は封獣ぬえ。元地底の住人、昔からの友人だ。よく脅かし合って遊んでいた。お燐の怨霊騒動の頃に地上に飛び出し、今は人里近くのお寺で暮らしている。

「お姉ちゃんの考えてること、わかんなくて」
「馬鹿の考え何とやら。一旦悩むのやめちゃえば。忘れちゃえ」
「馬鹿じゃないもん。それよりぬえはどうしてここにいるの」

 頬杖をつき、ぬえは枝毛を吹いた。ニーソックスの脚をぶらつかせる。

「家出中。仏像に正体不明の種を仕込もうとしたら、お仕置きって皆に叩かれた。腹立ったから出てきた」
「自業自得じゃない」
「あの寺は娯楽が足りないのよ」
「だからって、此処に居座られても困ります」

 長い緑髪の巫女・東風谷早苗が、私達に苦言を呈した。ぬえは気にせずホットココアのお代わりをねだる。私も続いた。
 現在地は、妖怪の山の守矢神社。以前、私のペットにおくう並みの力をつけてもらうために訪れた神域だ。早苗とはそのときに知り合った。私は彼女を友達だと思っている。相手がどう感じているかは知らないけれど。
 早苗は面倒臭そうに、細長いポットを傾けた。薄茶色の液体がマグカップに注がれる。甘い湯気が立った。寒い中を飛んできた身にはありがたい。手指も身体もぬくもる。

「参拝ならともかく、厨房に上がり込んで」
「神社にはお気軽にどうぞって、神様が言ってたもん」
「美味しそうな匂いもしたしね」
「全くもう」

 地霊殿ほどではないけれど、守矢神社の台所も広い。立ったまま使えるキッチン一式(河童製らしい)、私達が占領中の円形のダイニングテーブル、二つの食器棚を入れてもまだ余裕がある。人妖の七、八体は楽に動き回れる。そんな中で、早苗は十人分くらいの働きを見せていた。調理台でチョコレートを粗微塵にし、コンロで湯煎をして、小麦粉生地入りのボウルに注ぎ込む。焦げ茶色になるまで掻き混ぜる。長方形の紙型に流し入れる。作業の合間にオーブン内の焼き具合を確かめ、使用済みの器具を水に浸す。食器を拭く。また包丁を手に取る。オーブンの鐘が鳴ると、蓋を開けて中身を取り出す。茶漉しを使って粉砂糖を散らす。巫女装束の上に着けた刺し子のエプロンは、所々チョコレートや粉で汚れていた。

「忙しいんですよ、今日は」

 調理台に載せ切れなくなった完成品が、ダイニングテーブルに運ばれた。ベイクドチョコレートケーキだ。積み重ねられている。煉瓦に模して家でも造れそうなほど、大量にある。私とぬえはすかさず手を伸ばし、甲を木べらで小突かれた。海ではなく骨が割れそうだ。お姉ちゃんより酷い。私は悶絶するぬえの背中をさすり、

「早苗のけち。こんなに作って全部食べる気? チョコのお化けになるよ」
「配って歩くんです。明日はバレンタインデーですから。明日になったら、食べさせてあげますよ」

 柱の日めくりを示された。天狗の刷ったものだ。『如月十日あまり三日』という筆文字印刷の下に、赤で『神奈子と諏訪子:営業(宴会、留守番よろしく)』『早苗:バレンタイン準備』とある。早苗は紙を一枚めくった。『如月十日あまり四日』、赤文字で『バレンタインデー』。ぬえが正体不明の呻き声混じりに、

「ばれんたいん、何それ。寺では平日よ」
「私も知らない」
「ああ、幻想郷では知名度が低いんですよね。外の世界では割とポピュラーな行事です。女の子が好きな人やお世話になっている人、友達にチョコレート菓子を渡す日なんですよ。好意を込めて」
「横文字ね。異教の行事なんじゃないの。神社の巫女の癖に。不信心で祟られるがいいわ」
「神奈子様も諏訪子様も乗り気です。信者の皆さんにチョコレートを配れば、信仰が集められると」

 私は早苗の説明を聞いて、結構面白そうだと思った。何もしないのに好かれて、甘いものを貰えるのだもの。嬉しい。普及したら、明日は両手がお菓子と恋で一杯になりそうだ。地底にも広めたい。

「いい日だね」
「もっと流行ってくれるといいんですけどね。まだ皆さんちゃんと知らないから、いちいち説明しないといけなくて。原料のカカオやチョコレートも、幻想郷では簡単に手に入りませんし」
「そっかあ」
「美味しいのにね、ああん」

 ぬえはケーキにかじりついて、早苗にお札をぶつけられていた。悪い子だ。私は己を無意識に溶け込ませて、こっそり一口頂いた。表面の粉糖が、舌の上で淡雪のように広がった。歯を立てれば、カカオの濃厚な風味が喉まで満ちる。バターや生クリームの脂肪分と絡み合って、適当な重厚感を出している。砂糖は控えめ、私の好きな大人の味だ。舌触りは軽やかで柔らか。不愉快な小麦粉の塊なんか、出来ていない。お姉ちゃんほどではないけれど、早苗も料理上手だ。これなら信仰を得られるはず。

「あ」

 無意識の力でチョコケーキを味わって、早苗に追いかけられるぬえを見て。私はひとつ、閃いた。
 まだ皆ちゃんと知らない。原料も簡単に手に入らない。早苗はそう悩んでいた。普及の遅れと、原材料の不足。それさえ解決すれば、明日は素敵なバレンタインデーだ。山も人里も賑わう。
 問題を何とかする方法を、私は思いついた。霖之助さんや、冬眠中の紫の力は借りない。私とぬえと、人妖の想像力さえあればいい。

「早苗、ぬえ、ストップ」

 厨房上空を飛び回るぬえの、青い翼を引っ張った。床に立たせ、へらを構える早苗を制止する。早苗は妖怪退治の目をしていた。愉しそうで怖かった。

「摘み食い、許してあげて。私とぬえが、早苗にバレンタインデーをプレゼントするから」
「え、なんで私まで手伝うことになってるの。こいつのために」
「いいから聞いてよ。ぬえにとっても愉快なことだよ、娯楽が欲しいんでしょ」
「悪戯するの?」

 厨房の隅っこで、妖怪二体のひそひそ話。早苗が後ろで、訝しげに耳を傾けている。両手に魔除けの札を用意していた。危険なことをするつもりはないのに。

「先に私が繋がって、ばーってして。ぬえは別行動、とにかく広範囲に」
「うげ、疲れそう。でも連中が馬鹿やるのはいいかな」
「やる?」
「やってあげるわ」

 作戦会議終了、グーの手同士をぶつけ合った。ぬえは獣の歯を見せて、妖しく笑った。事典にない翼がはためいた。地底で遊び回っていた頃を思い出す。私達の悪だくみを聞いていた早苗は、「まあそのくらいなら」と札を収めた。意外と話のわかる巫女さんだ。霊夢なら問答無用で大幣百叩きだろう。

「じゃあ、ちょっくら出かけてくるわ。夜更けには戻るから、泊めてよね」
「そうだ、私達もチョコの用意しなきゃ。早苗、後で作り方教えて」
「嫌って言ってもそうするんでしょう」

 靴を履いて、勝手口から外に出た。見送る早苗の背後で、オーブンの鐘がやかましく鳴った。




 細雪の舞い踊る中、準備作業を終えて帰ってきた。早苗は起きていてくれた。温度調節して小さなハートの型に入れるだけの、初心者チョコの製法を指導してくれた。私もぬえも不器用で、ひび割れハートを作っては食べた。チョコレートに埋め込む胡桃やピスタチオも摘んだ。まともに出来上がったのは、小袋ひとつ分程度だった。ぬえは成功作も胃袋に納めていた。

「私には渡す相手がいないもの。悪戯の成果を見る方がメイン」

 順番にお風呂に入って、日の出過ぎまで眠ることにした。
 風祝の館の一室に、客人用の布団を並べて敷いた。お休みなさいと欠伸をして、早苗は自室に戻っていった。敷布団は河童の電気で温められていた。天井照明を消して、私とぬえは布団に潜り込んだ。

「うまくいくといいね」
「失敗するとしたら貴方でしょ。私は完璧にやってやった」
「私もちゃんとやりました」
「あーここの布団ふかふか。寺より贅沢」
「聞いてよもう」

 地霊殿ではベッドで寝ているからかな、布団には慣れない。床が硬くて身体がむずついた。自分の部屋の、ささやかなベッドを想像した。枕元には、お姉ちゃんの縫ってくれた三毛猫の縫いぐるみ。眠れない朝方、瞳のボタンを弾いた。

(お姉ちゃん、元気にしてるかな)

 どうして叩かれたんだろう。準備の間忘れていたことが、頭に浮かんだ。もう痛くも何ともない、ほっぺたを押さえた。

(心配なら、地上に捜しに来ればいいのに)

「おん・べいしら・まんだや……」

 ぬえは私の方を向いて横になって、奇妙な呪文を唱えていた。胸の前で、両手を合わせて印を作っている。

「ぬえがおかしくなった」
「元からおかしいわよ。これは真言だったかな。朝晩唱えなさいって聖に言われた」
「家出中なんだから、サボっちゃえばいいのに」
「何だろ。ずっとやってる所為? やらないと調子出ない」

 地底から解放されて、ぬえは変わった。流浪の身だったのが、お寺に居着くようになった。他の妖怪と生活することを覚え始めた。正体不明が売りの怪物が、そんなことでいいのだろうか。

「ぬえ。お寺、楽しい?」
「楽しいわけないわ。だから家出してるのよ」
「でも、そのうち帰るんでしょ。正体不明なのに」

 血の色に塗った爪を、ぬえは噛んだ。寝返りを打った。訳のわからない翼が、背中の下敷きになる。印を解いて、手を虚空に伸ばす。空飛ぶ船を掴んでいるかのようだった。

「楽しいとか嬉しいとか、そういうんじゃなくて。何、もやもやする」
「もやもや?」
「あそこで聖やムラサに『ぬえ』って呼ばれてる。それが今の私なの。普通とか、自然とか言うのかな」

 巣を自慢する、鳥を幻視した。誇らしげに、幸せそうに。なんだ、やっぱり好きなんだ。家出はちょっと癇癪を起こしただけで。私は笑みを零していた。
 空を飛ぶ者は、いずれ在るべき場所へ。
 瞼を下ろして、雪風の歌を聴いた。

(私の、家)

 地獄のように燃え盛る、ステンドグラスの薔薇屋敷。動物好きの嫌われ者が、密やかに生きている。たまに帰れば、叱られて。それでも扉は閉じない。迎え入れてくれる。いつだって温かい。

(お姉ちゃん)

 畳の匂いの和室で、薔薇の香りの夢を見た。




 薄い陽光の射し込む頃には、雪は止んでいた。
 布団を畳むのもそこそこに、私は窓を開けた。

「起きてぬえ、来てるよ」

 守矢神社の本殿周辺には、天狗や河童や神様が集まっていた。皆手に、色とりどりのラッピングを施した箱や袋を抱えている。
 チョコレートケーキを満載したバスケットを持って、早苗が本殿から姿を現した。幻想郷最速を誇る天狗の新聞記者が、そのすぐ前に降り立つ。

「どうも早苗さん、友チョコ一番乗りです。文々。新聞、バレンタイン特集号もどうぞ」
「あら、ありがとうございます。渡しに行く手間が省けました」

 和やかに包みを交換すると、早苗は早速小花柄の包装紙を剥がした。これも取材の一環とばかり、文はカメラで山巫女を撮影した。

「来るよ、ぬえ」
「こいしよく見えない、そっち詰めて」

「どれが早苗さん達向きか迷ったんですけど、チョコレート味のクッキーにしましたよ。ミルクに浸してもいけます」

 早苗が紙箱の蓋を取った。
 長方形の箱に、小判型の塩煎餅が詰まっていた。チョコレートなど、ひとかけらも使っていない。

「やったぁ」
「思い込んでるわね」

 私とぬえは手を打ち鳴らした。
 真実を知る早苗は、蓋を下ろして営業用の笑顔になった。

「大事にいただきますね。神奈子様も諏訪子様も喜びます。ハッピーバレンタイン」
「こちらこそ、美味しいものを有難うございます。ハッピーバレンタイン」

 文の後ろには行列が出来ていた。皆早苗に手持ちの「チョコレート菓子」を渡し、丁寧な礼を受けた。早苗はしばしば包装の内容を確かめた。
 とある鴉天狗の「一粒チョコレート」は、甘納豆だった。
 厄神様が手渡した「ペーストチョコ」は、割り箸付きの水飴。
 にとりの「痺れる爆弾チョコ」は、炭酸ガス入りのキャンディーだった。
 誰もが自分の持参した品を、チョコレート菓子と信じて疑わなかった。彼らの感覚は、そう捉えていたのだ。
 私とぬえの起こした、幼い異変とも気付かずに。

「私もわざわざチョコレートにしなくても、良かったかもしれませんね」

 最後の一人にチョコレートケーキを渡した後、早苗は私達のところにやってきて言った。

「ううん、チョコレートじゃなくちゃ。ぬえがばら撒き忘れてるかもしれないし」
「私は失敗しないわ」

 バレンタインデー成立のために足りなかったのは、行事の普及と材料のカカオ。課題の双方を、私とぬえは解決出来た。
 私は能力を使って、幻想郷の住民達の無意識に語りかけた。明日はバレンタインデー、恋人友人知人にチョコレートを渡す日。好きを伝える日。チョコは茶色や白で、甘くてとろけるお菓子。貴方の近くには必ずチョコか、その材料がある。さあ、届けに行かなくちゃ。
 意識下に暗示を受けた人妖は、今日をバレンタインデーだと認識した。昔からそうだったかのように。けれども本物のお菓子の形や味を見れば、違いで夢だと悟ってしまう。和のひしめく幻想郷にチョコレートは少ないのだ。そこで、ぬえの出番となる。
 ぬえは幻想郷のお菓子や製菓材料に、正体不明の種をばら撒いた。種を植え付けられたものは、見る者の想像・理解可能な形に脳内変換される。ぬえが本気を出せば、視覚以外も騙し通せる。
 私の暗示で今日をバレンタインデーと認めた皆は、周囲のお菓子を眺め遣り、そうだ、チョコレートだと理解した。一口食べれば、想像上のカカオの香りが漂う。塩味だって、種の力で甘味に化ける。現実を幻想で歪められたとは知らず、人も妖も「チョコレート菓子」を渡すために旅立った。あるいは、せっせと作り始めた。
 一日限りの、甘い悪戯だ。本当のことは、私とぬえと早苗しか知らない。真相を明かしたとしても、暗示にかかった人々は認めないだろう。

「山を下りましょう。人里の皆さんにも、ケーキを渡さないと」
「そうね。里がどうなってるのか見てみたいわ」
「出発進行だね」

 籠を再び山盛りにした早苗と共に、私とぬえは人里を目指した。




 雪白に染まった真昼の里は、平時より混雑していた。お祭りの雰囲気に近い。随所で「チョコレート」の受け渡しが行われている。

「急ぐな、全員分ある。はしゃいで転ぶなよ」

 寺子屋では、獣人の女教師がお饅頭入りの小箱を配っていた。子供達は貰った先からリボンを解いて、口に運んでいる。唇の周りをチョコレートソースではなく餡子で汚して、けーね先生ありがとうの大合唱。

「全然気付いてないね」
「最初は馬鹿げた企みかもと思ったけど、これはこれで面白いわ。そこの少年、それはカカオじゃなくて小豆よ」

 酒蔵の通りで赤ら顔の萃香と会った。両手を広げて駆け寄ってきて、

「ウイスキーボンボンだよ。あんたらお子様にはまだ早いかな」

 和紙でくるんだ、日本酒のゼリーをくれた。口に含むと角から融けて、林檎の果汁のような濃密な香りが花開いた。チョコレートよりも美味しいかもしれない。早苗はお返しにと、ケーキを渡した。私も倣って、一口チョコを一粒贈った。ぬえはもう一つねだっていた。ハッピーバレンタインと言い交わして別れた。

「霊夢と魔理沙発見」

 私の指差す喫茶店の店先で、紅白と黒白が珈琲を啜っていた。霊夢はカップの飲み物を呷ると円卓に打ちつけ、

「賽銭箱にチョコが投げ込まれてたのよ。お金の入る隙間もないくらいに」
「金が入ることなんてあったのか? 覚えがないぜ」

 怒りを吐いていた。お賽銭箱が埋まるほど愛されているんだ、喜べばいいのに。魔理沙は水色のケープから硝子瓶を取り出して、テーブルに置いた。小粒の飴玉のようなものが天辺近くまで入っている。色は茶色。シナモンかな。無意識の存在感で近付いて、確かめてみる。ぬえが私に密着してついてきた。

「チョコレートの金平糖だ、一応手製だぜ」
「茸とか混ぜてないでしょうね」

 金属の蓋を霊夢が開けた。途端、カカオの深い匂いが溢れ出した。ぬえの舌打ちが聴こえた。

「ちぇ、こいつらバレンタイン知ってるの」
「けど認識改造は成功してるよ。霊夢チョコって言ってたでしょ」
「さっきからうるさいのはあんたらね」

 霊夢に睨まれた。いけない、見つかった。早苗が駆け寄ってきて、チョコレートケーキでなだめた。

「悪戯はほどほどにしときなさいよ。また退治するわよ」

 霊夢や魔理沙は、香霖堂の霖之助さんと親交がある。あのお店には外の品物も並んでいる。霖之助さんから、外の世界のバレンタインデーについて話を聞いていたのかもしれない。
 二人と別れるや、ぬえはつまらなそうに足元の雪を蹴り上げた。蛇のように吠える。

「大笑いしてやる予定が台無し、悔しいわ」
「正しいバレンタインデーを知っている方は、他にもいるようですね。こいしさんの暗示と、ぬえさんの種の効力は生きているようですが」

 桜の木の広場で、アリスが人形芝居を繰り広げていた。頭を花で飾った少女人形が、苦難を乗り越えてチョコレートを届ける物語だった。見えない糸が踊る。クライマックス、恥じらうような仕草を見せて、少女人形は紳士人形に箱を差し出した。シュガーピンクの箱からは、転んで潰れたガトーショコラが出てきた。
 紫の式神の妖怪狐が、式神の黒猫娘と手を繋いで歩いてきた。二本の尻尾の黒猫は、顔面サイズのハート型チョコレートを食んでいた。スキップしながら。チョコレートの面には、『橙へ。藍より』と色砂糖で描かれていた。

「これじゃ笑えない、普通のバレンタインじゃない」
「お菓子屋さんに行ってみようよ。早苗、行くよ」
「少し待ってください。皆さんに配ってから」

 ぬえは不機嫌そうに雪を踏み鳴らしていた。私はそこまで落ち込まなかった。早苗が通る人々に、籠のケーキを贈っていた。誰かが誰かを思いやっている光景を見るのは、いい気分だった。ここには、嫌いの感情は落ちていない。

(お姉ちゃんも来ないかな。今日なら、外は怖くないよ)

 今来てお菓子をくれたら、叩かれたことも忘れる。




「これこれ。これが見たかったのよ」

 里でも一、二を争う規模の和菓子店は、「チョコレート」を買いに来る客で繁盛していた。塩豆大福が「生クリーム入りチョコ大福」として、落雁が繊細な「彫刻チョコレート」として買われていった。すっかり感覚を狂わされた店主と客を、ぬえが嘲った。
 軒先には台と色紙、筆が設置されていた。買い物を済ませた客が寄って、筆を走らせる。「チョコレート」に添えるメッセージカードだ。店内を物色するぬえを置いて、私はカードを書く人や妖怪を観察した。気配を消して、文面を盗み見た。

『ほんの気持ちです。恥ずかしいので深くは詮索しないで下さい』
『ずっと前から大事に思ってた。離したくない』
『あたいよりあいをこめて』
『仕事をサボって書いてます。今日は許してほしいです』

 墨筆を持ったまま、書き出せない人もいた。きっと、書きたい心が多すぎるから。どこから文字に変えればいいのか、わからずにいる。貰う相手は幸せ者だなと思った。台から離れて、毛氈を敷いた長椅子に腰掛けた。
 しばらく経って、

「空になっちゃいました」

 バスケットを掲げ苦笑する早苗と、

「何にしましょうかね」
「大きい方がいい。私の子鼠達が腹を空かせているんだ」
「聖のは特別豪華にするの、船長命令」
「ムラサに一票。凄いの用意して驚かせましょ」

 お寺の一行がやってきた。店の正面で出会って、

「おや、いつぞやの暴走巫女じゃないか」
「常識に囚われてないんです」
「貴方もチョコを買いに?」

 お互いに深々とお辞儀をし、談笑を始めた。私は和菓子店の中に駆け込み、最中を試食するぬえの腕を引いた。

「んぐ、なあに」
「お寺の皆が来た。ここで買い物するつもりだよ」
「げっ。今は会いたくない、こいし匿って」

 首を縦に振って、視えない世界に身を溶け込ませた。路傍の小石と等しくなる。無意識の海の出来事は、誰にも感じ取れない。ぬえの手を握って店を出、隣の金物屋との間に隠れた。冷え湿った壁に耳を当て、中の様子を窺う。
 寺の四人衆(雲山も入れて五人衆?)と早苗の、賑々しい会話が聞こえてきた。

「全部手作りにしたかったんですけどね。買い足すしかありませんか」
「まめねえ貴方。私の雲山といい勝負よ」
「嬉しくありません」
「ナズーリン、このお餅チョコレートに私は心惹かれるのですが」
「此方の唐辛子チョコを私は激しく薦めるよ。挑戦的な色遣いをしている」
「聖は実は辛いの苦手なのよ。なるべく甘そうなの選んで」

 店内会議の末に、聖用合同出資の「特大ハートチョコキャンディ」(飴細工)と、各々の選んだものを買うことに決めたようだ。購入後、早苗も加わってお菓子の交換会が始まった。

「楽しそうだね。いいなぁ」
「ふん。正体不明に踊らされて。いい気味だわ」

 悪戯を咎められた記憶が蘇って、ぬえを苛立たせているらしい。彼らが偽物の「チョコ」にはしゃぐほどに、ぬえは上機嫌になった。頬に残酷な影が差している。

「ところで、ぬえの分はどうしましょうか」
「え、ぬえさん?」
「うちの我儘な末っ子よ。昨日から家出中。少し折檻しただけなのに」

 一輪の声に、ぬえは耳をぴくつかせた。壁に一層髪をくっつけて、話を聞き逃すまいとしている。

「姐さんの弟君の彫った仏像に、正体不明の種を仕込もうとしたの。怒られて当然よ」
「いささかやり過ぎたかもしれないがね」
「まあ、ね。かっとなっちゃって。修行不足ね」
「ぬえにも買っていかない? あれでも寂しがりやなのよ、あの子。それと甘党」
「私もムラサに賛成です。同じ聖を慕う者、仲間外れは正義に反します」

 ナズーリンと一輪が、そうね、そうしようか、と応じた。あれがいいこれがいいと、楽しい言い争いを始める。聖の「チョコレート」を決めるときと同じように。

「よかったね、ぬえ。ぬえ?」

 見れば、ぬえは放心したような、曖昧な表情をしていた。腕に巻きつけた蛇を突いていた。なんで、私悪いことしたんでしょ? 複雑な呟きが漏れる。

「仲がいいんですね、皆さん」
「なんだかんだでね。悪戯っ子だけど、あいつもいないとしっくり来ないのよ」

 ぬえを一番怒鳴っただろう一輪が、早苗に自慢した。お寺の絆は固い。聞いていて、ぬえが羨ましくなった。
 「チョコ」の詰め合わせを選んで、一行は引き上げていった。何なのかは謎だけれど、多分いいものだと思う。
 皆の足音が遠ざかるまで、ぬえは冬の青空を仰いでいた。唇を噛んで。悔しそうに、

「チョコレート、全部食べるんじゃなかった。私、あいつらに何も返せない。頭にくる」

 貰ってばっかりじゃ、バレンタインデーにならない。ぬえの後悔は、閉じた『目』を使わなくても伝わってきた。
 私は自分のハートチョコの袋を出して、蝶結びの紐を抜き取った。迷わなかった。中身を摘み出して、ぬえの目の前にかざす。

「いくつ要るの? 五つ? 六つ?」
「それはこいしのでしょ。いいよ」
「いいの。私、あんまりあげたい人いないもの」

 貸し借りで考えなくていいよ。友達だもん。要らないなら食べちゃうよ。
 ぬえの両手で受け皿を作って、勝手にチョコレートを載せた。無意識の干渉を消して、滅茶苦茶な形の翼を押す。ぬえが一歩、表通りに進み出た。振り返って、僅かにほっぺを赤くして、俯きがちに述べた。

「あ、ありがとうね」
「どういたしまして。融ける前に帰るんだよ」

 私はちんまりと、異変の相棒に手を振った。いいことをした後は、魂が晴れやかになる。肌を刺す冷気も気にならない。
 ぬえは翼を震わせ、空に発とうとして、

「今日の、寝る前の話だけど」
「うん?」
「寺で皆に『ぬえ』って呼ばれて、正体不明の姿を曝して」

 抜群の笑顔を輝かせ、

「変なのに、いいなって思ってる。私は、あいつらにとっては『ぬえ』なんだなって。他の誰にもならない」
「他の、誰にも?」
「悪戯楽しかったわ。また悪ふざけしましょう」

 ひとひらの羽根も落とさずに、巣に戻っていった。かけがえのない人達の場所へと。一握りのハートを、大切そうに抱いて。
 他の、誰にもならずに。
 胸が高鳴った。
 ぬえの言葉は、私の恋の瞳に降った。乾いていた水脈に、一筋の雫が通った。意識下に閉じ込められた私の心を、いっとき押し広げる。

「話し相手はいくらでも、か」

 苦々しく、自分を笑う。
 私はわかっていなかった。お姉ちゃんが、どうして傷ついたのか。
 帰って謝ったら、許してくれるかな。

「こいしさん。捜しましたよ。ぬえさんは?」
「お寺に戻ったよ。私もチョコ持って帰らなきゃ」

 チョコレートを渡したい相手が、地底の奥深くにいるから。早苗はお菓子の籠をぶら下げて、博麗神社まで送りますと言ってくれた。地下世界への入口は、神社の傍にある。

「お二方のおかげで、昨年よりも活気づいたバレンタインデーになりました。私も楽しめました。感謝しています」




 幻想郷の日が傾いていく。雪化粧した枯れぶなの道を、低く飛んだ。靴の爪先が雪原と擦れた。
 緩く北風を切りながら、傍らの早苗に訊ねた。彼女にも、家族がいる。山の上の神々、神奈子と諏訪子。大事な二柱を傷つけたり、失望させたりしてしまったら、どうすればいいか。
 そんなことありえませんと前置きした上で、早苗は答えを紡いだ。

「心の風に身を委ねます。正しい振舞いは、気持ちがつくってくれます」
「こころが壊れていたら?」

 私のように。意識し考える毎に、黒雲がかかってぼやけたら。
 早苗は目を丸くして、細めた。ありとあらゆるものを導く現人神の顔で、

「貴方が思う以上に、貴方の心は生きていますよ。明るく、優しく」

 お告げのように囁いてくれた。力強く、支えられている気がした。
 奇跡を起こす手が、博麗神社の鳥居を指し示す。

「見えてきましたよ」
「うん。ここまででいいよ、ありがとう。神様によろしくね」

 ハートのチョコレートと抹茶羊羹を交換して、早苗と別れた。これで、袋に残ったチョコはひとつきり。贈る相手は決まっている。
 飛行速度を速めたら、風に帽子が煽られた。季節はずれの蝶々のように、洞穴の方角へ飛んでいく。手を限界まで伸ばして追いかけた。なくしたら困る。貴方はすぐいなくなるから、これを目印にするわ。そう言って、お姉ちゃんが黄色いリボンをかけてくれた帽子。
 待って。私はいなくならないから、ここにいるから。
 洞窟の入口の雪道に、黒い帽子は着地した。よかった、下が雪なら汚れない。暴れる髪を押さえて微笑み、

「え、あれ? なんで?」

 疑問で固まった。
 見知った影が、帽子を拾い上げていた。つばの雪粒が、慈しむように払われる。出歩くのは嫌いなはずなのに、何故外にいるのだろう。驚く私の姿を捉え、

「やっと会えたわね。帰ってくるまで此処で待つつもりだったわ。下手に捜しても、貴方は見つからないもの」

 お姉ちゃんが、たっぷり白い息を吐いた。病弱そうな真っ白い手で、帽子とハート型の大き目の箱を持っていた。私が近寄ると、黒い帽子を被せてくれた。ひよこ色の箱が突き出された。

「ハッピーバレンタイン、こいし」
「う、うん。私もお姉ちゃんに、はいこれ」

 袋をまさぐって、最後の一粒を手渡した。お姉ちゃんは口に放って、甘いわと感想を述べた。
 私の無意識操作とぬえの正体不明の種は、地底にも届いている。お姉ちゃんも暗示にかかって、幻の「チョコレート」を作ったのだろう。

「箱、開けていい?」
「どうぞ。メッセージカードは、後で読んで」

 お姉ちゃんは、何をチョコと勘違いしたのか。ピンで留められていたカードを上着のポケットに収めて、布張りの上蓋を取った。

「あれ?」

 箱にはクッキーもマフィンも、チーズケーキも入っていなかった。精巧なチョコレート細工の薔薇が、整然と座っていた。セピアと白と、二色。初めは、マジパンか飴かと疑った。一花丸ごと頬張ったら、きちんとチョコの味がした。
 地底暮らしの長いお姉ちゃんは、バレンタインデーを知らないはずなのに。

「どうして、タルトやサブレじゃないの」
「何を言っているの。バレンタインデーは、チョコレートを渡す日でしょう」

 たまたま、地霊殿に本物のチョコレートがあって。私の意識下催眠に弄られたお姉ちゃんが、それを「チョコレート」と思って使ったということ? 凄まじい偶然だ。そんなこともあるのか。
 笑いがこみ上げてきた。

「もしかしたら、早苗のちっちゃい奇跡かも」
「何のこと」
「なんでもないよ、とっても美味しい」

 今まで味わった沢山の「チョコ」よりも、ずっと。
 叩かれてからの気まずさや閉塞感も、チョコレートの花びらと一緒にとろけていった。心の中に、清い風が吹く。胸が躍る。気持ちが生きているって、こういうことかな。
 今なら言える。心のままに、言葉を声にする。お姉ちゃんの三つの眼を、二つの瞳で見て。

「ごめんね、お姉ちゃん。話し相手はいくらでもいるって、酷いこと言っちゃった。私はお姉ちゃんの妹なのに。たったひとりの」

 何があっても裏切らないでいてくれる。どんなに寒くても、帰りを待っていてくれる。私のたったひとりの、お姉ちゃん。私より弱くても、皮肉っぽくても構わない。
 始まりはふたりきりだった。守られていた。

「えいっ」
「きゃ」

 抱きついて、ぎゅってした。低い背丈が、指を通る菫髪が恋しかった。第三の瞳を擦り合った。
 これからも、すれ違うかもしれないけれど。やり直せばいい。私の家は、ここにある。

「くすぐったいわ。わかってくれれば、もういいの」

 身体を離すと、お姉ちゃんは醒めた口調で言った。上目遣いにこちらを睨んでくる。顔全体が、ほんのり紅に染まっていた。

「お姉ちゃん、結構照れ屋さん?」
「……ばか。何年一緒にいると思っているの」

 痩せた背を向けて、地の下に歩き出す。私は三歩後ろを追った。
 ポケットに突っ込んだ右手に、小鳩型のメッセージカードが触れた。音を立てずに文面を読んだ。



 私のお姉ちゃんは、無関心なようで過保護で甘い。さながら、チョコレートの如く。
『貴方の代わりは何処にもいない』
深山咲
[email protected]
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コメント



0.3760簡易評価
4.100名前が無い程度の能力削除
甘い、良いですね
5.100名前が無い程度の能力削除
いい話だな
7.100名前が無い程度の能力削除
なんというバレンタイン。これは間違いなく壮絶に甘い。
世界でたった一人の姉妹の絆、ほんわかできました。
やはり姉妹愛は素晴らしいですね、うん。
11.100名前が無い程度の能力削除
特別な人は、たったひとり。それをバレンタインデーとチョコレートに見立てたこと、お見事です。
こいしとさとりの話も、ぬえのエピソードも、大変良かったです。
18.90名前が無い程度の能力削除
バレンタインデー滅べと唱える自分が、愚かで矮小に思えてきた。
だが私は謝らない。

信頼と実績の深山咲クオリティ。何気ない文からも独特の雰囲気を味わえます。
24.100名前が無い程度の能力削除
イイハナシダナー

バレンタイン爆発しろとか思ってた自分が情けない。
28.90名前が無い程度の能力削除
以外な組み合わせに驚かされ、終盤でじんと来ました。
素敵なお話感謝。
32.100名前が無い程度の能力削除
ええ話やなー
35.100名前が無い程度の能力削除
やっべ、泣いた。
最後のメッセージカードで涙腺が崩壊した。
作者さんありがとう。本当にありがとう。
43.100名前が無い程度の能力削除
こころが暖まった。
メッセージカードで目が熱くなった。
45.100名前が無い程度の能力削除
目から塩水出た…
あぁ、バレンタインか…と思ったら増量した
46.無評価深山咲削除
お読みくださり、ありがとうございます。
ご感想、とても嬉しいです。読んでいるとぽかぽかしてきます。
こいしとぬえ、無意識と正体不明。力を合わせたらどんなことになるのかなぁと、考えて書きました。
何かしら感じていただければ、幸いです。
51.100高機動型ユボン3号削除
そうですね、自分の代わりなどいくらでもいると考えていた時期が、私にもありました。
こんなゴミの代わりなど、世に必要ないと思った事さえ……

私が勝手に感動しただけですが、そして少々出遅れてしまいましたが、
あえて言わせてください。
ありがとう。
54.100名前が無い程度の能力削除
いいお話でした
貴方のファンなので、次回作も楽しみにしています
55.100名前が無い程度の能力削除
イイハナシダナー
59.100名前が無い程度の能力削除
いい話でしたー。
姉妹の距離感がたまらないです。
61.100名前が無い程度の能力削除
普段のお話よりポップな雰囲気だったので新鮮な気持ちで楽しめた
温かく終わるってのはいいなあ
64.100ずわいがに削除
はっはっは、俺の代わりはいくらでもいるぞ!

冗談はさておき、早苗さんが非常に良いお姉さんでしたねぇ。
ぬえはお寺の皆の気持ちを知り、こいしも姉との絆を深められて。
こんな異変なら許されますよね。
66.100名前が無い程度の能力削除
バレンタインパルパルっていうのも楽しいですけど,
このバレンタインも素晴らしいです.
71.100名前が無い程度の能力削除
ええ話や。
81.100名前が無い程度の能力削除
いい話だ…
メッセージカードの威力が凄まじかった。
84.100名前が無い程度の能力削除
今日はバレンタインなんですが、
離れて暮らしてる姉にチョコレートあげたくなりました。
98.100名前が無い程度の能力削除
とても良い姉妹愛