しんしん、と雪が降っている。
「あー、冬真っ盛りねー・・・」
「そうだなー」
硝子戸の外で音も無く降りしきる純白が、柔らかい静寂を演出している。
すぐそこの庭先も白、遠くの景色も白、空の色も白、区別が付かないほどの白だった。
だから境目の主も、冬は冬眠してしまうのだろうか。
いや、多分そんなことは関係ないだろう。境界はどこにでもある。
今、透明な板で仕切られた暖かい空気の部屋の中では、少女たちが炬燵で丸くなっていた。
時折、頁をめくるパラリ、パラリという音と、茶をすする音が聞こえる以外、
雪の降る音が聞こえてくるんじゃないかと思うほどの無音の時間が流れる。
と、うつ伏せに寝てそこそこ厚みのある本を読んでいた黒衣の少女がおもむろに声を発する。
「いや・・・これは、違うんじゃないか?
『真っ盛り』って言葉はさ、なんかこう、迸る勢いを感じるよな」
「・・・・・・・・・」
沈黙。
蜜柑のスジを取り除く作業に黙々と従事していた紅白色の少女は、
しばらく、何を言われたのか理解していないようだった。
「え?なにが?」
ようやく言葉を返す。
「さっき冬真っ盛りって言ったろ」
「・・・・・・・・・」
今度は蜜柑を口に放り込んでもぐもぐしているようだ。
「・・・そうだっけ?忘れたわ」
「・・・そうか」
「どうでもいいじゃないそんなこと、こんなに雪が降ってるのに」
これが冬真っ盛りでも何もおかしく無いわ、と言葉を続ける紅白の少女。
ついでに手は次の蜜柑を求めて籠に伸びる。
「・・・・・・それもそうだな」
聞こえてるし、忘れて無いじゃないか、と思いつつも、
何が『そう』なのか当人たちにしかわからない事で納得したらしい少女は、
肯定をつぶやいた後、もぞりと姿勢を変えて、窓の外を見やる。
降りしきる冬の風物詩は今や絶好調だ。どこかの氷精が冬妖怪と狂喜していることだろう。
ちなみに氷精「と」冬妖怪「が」ではない。あくまで氷精「が」である。
ともかく、この調子だと少なくとも夜分までには降り止みそうに無い。明日も振り続けるだろうか。
確かにこりゃあ真っ盛りだぜ、とでも思っているのか、いや、冬本番だろうか、いやいや待てよ・・・
そんな雪を魅入られたように眺めていた彼女の耳に、どことなくホクホクした紅白の少女の声が聞こえてきた。
「それにしても、本格的に寒くなってきたし炬燵だして正解だったわねー」
この少女の場合、ひょっとしたら独り言と言うこともあるかもしれないが、
「普通遅すぎだぜ。それと、惜しむらくは、ちょっと小さい」
とりあえず言葉を返す。
言いつつ身じろぎをすると、ぐらぐらと上の盤が揺れた。確かに少し小さい。
「おっきいのは出すのが大変なのよ」
使うの私だけだし、とつぶやく。蜜柑をパクリ。
「そんなことじゃ、先が思いやられるな」
「何がよ?」
「冬でも二の腕が出ているどこぞの巫女には炬燵のよさがわからんと見える。
風呂と炬燵は大きい方がいい」
どうせそのうち大勢押しかけてくるんだ、とは直接言わなかったせいか、
なぜか得意げなその返答は、どう先が思いやられるのかの回答としては伝わらなかったようである。
それとも、察することを拒否したのかもしれないが。
それよりも気になった別のことを質問する。
「あんたんち、炬燵なんてあったっけ?」
洋風の佇まい・・・。と言うより、ありていに怪しげな佇まいの彼女の住居を思い出して、
正直似合わないなと思った。
「いや、無い」
それでは良いも悪いもへったくれも無い。返す言葉も、無い。
「・・・・・・・・・」
「でも香霖のところにはあるぞ、おっきいのが」
なるほどそれなら、売り物の炬燵にでも、一日中でも入っていそうな様子が安易に想像できる。
「へー。相変わらず、しょうも無いもんそろえてるわねー、あいつも」
「スカートであいつんちの炬燵に入って寝ちゃったりするのは、なんか怖いから、
最近は使って無いけどな」
「それは賢明ね。っていうか皺とか気にならない?しかも、そんな格好で」
ちなみに炬燵に下半身を突っ込んで、厚めの座布団を抱え込むようにうつ伏せに寝転んでいる。
まるで絵本などを読んでいる子供のような姿だが、読んでいる本はそこそこに難解な書物だ。
「別に、気にならないぜ」
「ふーん」
多分、気にした方がいい。
「ハカマは、気にならないのか?」
「別に、スカートと違ってもともと床に立ったり座ったりするもんだしね」
「ふーん・・・捲くれあがったりはしないのか?」
「私、正座してるもん」
「・・・どうりで」
なんかスースー寒いと思った。
「ちゃんと足入れろよ。そんなんだから小さい炬燵で満足だなんて腑抜けた考えになるんだぞ。
大体、余計出入りし辛いだろ」
体を捩って、紅白に向かって何だかずれた抗議をする。
「それに、こう、出入りするときに、机の板が動くだろ。
お茶がこぼれたりしたら大変だと思わないか?」
自分の方が動きずらそうにしつつ、ますます趣旨がずれていく。
なんだかんだ文句を垂れながらも、
その小さいと言う炬燵にキッチリ収まっている相方に苦笑しながら言葉を返す。
「うつ伏せで入ってるからよ・・・それに、おしりが大きいんじゃないの?」
「し、失礼な」
「箒なんかに乗ってるから」
「それは関係ないだろ」
「まあまあ、蜜柑剥いてあげるから」
「本が汚れるからいらないって言ってるだろ」
「まあまあ、遠慮せずに、こんなんで太とりゃし無いわよ」
「私は別にダイエットなんかして無いって」
他愛も無いことを言い合う。雪は積もっていく。
* * *
「それにしても、こんなんじゃ、私は帰れないぜ」
雪は弱まる気配も無い。傍らには本の山、手元の本の残ったページは少ない。
これらは暇つぶし用に借り出した本だったのだが、炬燵で本の虫をやっているうちに読みつくしてしまった。
自宅には研究中の魔道書などもあるのだが、なにぶん研究中なのでそちらは返すわけにはいかない。
また借りに行かなきゃだぜ、とか、寒い中寒いヤツの居る所を通るのはイヤだぜ、とか、
近頃寒いのにやたらと元気な某門番が、借りを返そうと弾幕ごっこを挑んでくるのを
どうやり過ごそうか、などと考えていると、
「泊まってきなさいよ、何にも無いけど。何にも無いんだし」
湯飲みを掴んだまま幸せそうに目を細めたていた少女が気楽な調子で提案してきた。
傍らには蜜柑の皮の山だ。おまけに台詞は意味不明だ。
「そうだな・・・布団は上等なのにしてくれ」
「もう寝る話?それに布団なんか自分で適当なの出しなさいよ」
勝手知ったる何とやらである。
「私は一応客だぜ」
「茶菓子も持たずに来たくせに、よく言う」
「軒を借りに来た友人が、手ぶらだったからって責めるのは人が悪いぜ」
自宅のようにくつろぎきっているその姿は、決して軒を借りていると言う風情ではなかったが
本人にとっては、間違いなくそうであるらしく、実に堂々とした口調だった。
「こんな日に出歩くのが悪い、大体あんた夕飯まで食べたじゃない」
「もてなされたからには、ありがたく頂戴しないとな。うん、というわけでやっぱり今の私は客だな」
「どーいう理屈よ」
慣れたもので呆れることも無く苦笑していたが、慣れたもので口調は呆れていた。
両手で包んでいた湯飲みは、どうやら温くなってしまっているようだ。
お茶を飲むのをやめて、腕を投げ出しその上にゴロリと頭を乗せる。
もうそろそろ外は暗くなり始めている。
直ぐにでも真っ暗になるだろう。
雪はやまない。
「あー、でも着替えとかあるの?」
ふと思いついたように言う紅白。
泊まっていくこと自体は珍しくもないが、いちおう年頃の女の子たちである。
突発お泊りともなれば、身だしなみ等にはそれなりに思うところあるのだ。
しかし白黒は、ふ、と笑みを浮かべると読んでいた本を静かに閉じた。
「”お泊りセット召喚”を習得した私にその点の抜かりは無いぜ」
「また微妙に地味な魔法を・・・」
「なんだと、本来魔法というのはこう言う密かに便利な技術をだな・・・っと、隣の部屋借りるぜ」
先ほどから読んでいた本を小脇に抱えたまま炬燵から出て立ち上がった。
「地味な魔法かどうか、試してみるぜ」
「どうでもいいけど燃やしたりするんじゃないわよ」
彼女の魔法で部屋の屋根が抜けたことなどが何度かあるので釘を刺す。
「燃やすぜ」
「・・・ほどほどにしてね」
「ばっちりだぜ」
「・・・・・・見ててもいい?」
「それはもう派手に燃やすから駄目だな」
「・・・・・・・・・着替えは用意してあげるから、その魔法はやめなさい」
「申し出はありがたいんだけど、私はふんどしは嫌なんだが」
「誰がフンドシなのよ誰が。大してサイズ変わんないでしょ、新品出したげるわよ」
「おっ、霊夢はおしりがおっきいんだな?」
「あ、あんたね・・・・」
「何せ私は炬燵が窮屈らしいからな」
う、と詰まる紅白。
「・・・私が悪かったわよ」
「何せ私は箒にも四六時中乗ってるらしいからな」
「悪かったって言ってるでしょ」
「甘いものをいくら食べても太らない巫女様とはとてもとても、ですわ」
「もう!ごめんってば」
他愛も無いことを言い合う。夜は更けていく。
「あー、冬真っ盛りねー・・・」
「そうだなー」
硝子戸の外で音も無く降りしきる純白が、柔らかい静寂を演出している。
すぐそこの庭先も白、遠くの景色も白、空の色も白、区別が付かないほどの白だった。
だから境目の主も、冬は冬眠してしまうのだろうか。
いや、多分そんなことは関係ないだろう。境界はどこにでもある。
今、透明な板で仕切られた暖かい空気の部屋の中では、少女たちが炬燵で丸くなっていた。
時折、頁をめくるパラリ、パラリという音と、茶をすする音が聞こえる以外、
雪の降る音が聞こえてくるんじゃないかと思うほどの無音の時間が流れる。
と、うつ伏せに寝てそこそこ厚みのある本を読んでいた黒衣の少女がおもむろに声を発する。
「いや・・・これは、違うんじゃないか?
『真っ盛り』って言葉はさ、なんかこう、迸る勢いを感じるよな」
「・・・・・・・・・」
沈黙。
蜜柑のスジを取り除く作業に黙々と従事していた紅白色の少女は、
しばらく、何を言われたのか理解していないようだった。
「え?なにが?」
ようやく言葉を返す。
「さっき冬真っ盛りって言ったろ」
「・・・・・・・・・」
今度は蜜柑を口に放り込んでもぐもぐしているようだ。
「・・・そうだっけ?忘れたわ」
「・・・そうか」
「どうでもいいじゃないそんなこと、こんなに雪が降ってるのに」
これが冬真っ盛りでも何もおかしく無いわ、と言葉を続ける紅白の少女。
ついでに手は次の蜜柑を求めて籠に伸びる。
「・・・・・・それもそうだな」
聞こえてるし、忘れて無いじゃないか、と思いつつも、
何が『そう』なのか当人たちにしかわからない事で納得したらしい少女は、
肯定をつぶやいた後、もぞりと姿勢を変えて、窓の外を見やる。
降りしきる冬の風物詩は今や絶好調だ。どこかの氷精が冬妖怪と狂喜していることだろう。
ちなみに氷精「と」冬妖怪「が」ではない。あくまで氷精「が」である。
ともかく、この調子だと少なくとも夜分までには降り止みそうに無い。明日も振り続けるだろうか。
確かにこりゃあ真っ盛りだぜ、とでも思っているのか、いや、冬本番だろうか、いやいや待てよ・・・
そんな雪を魅入られたように眺めていた彼女の耳に、どことなくホクホクした紅白の少女の声が聞こえてきた。
「それにしても、本格的に寒くなってきたし炬燵だして正解だったわねー」
この少女の場合、ひょっとしたら独り言と言うこともあるかもしれないが、
「普通遅すぎだぜ。それと、惜しむらくは、ちょっと小さい」
とりあえず言葉を返す。
言いつつ身じろぎをすると、ぐらぐらと上の盤が揺れた。確かに少し小さい。
「おっきいのは出すのが大変なのよ」
使うの私だけだし、とつぶやく。蜜柑をパクリ。
「そんなことじゃ、先が思いやられるな」
「何がよ?」
「冬でも二の腕が出ているどこぞの巫女には炬燵のよさがわからんと見える。
風呂と炬燵は大きい方がいい」
どうせそのうち大勢押しかけてくるんだ、とは直接言わなかったせいか、
なぜか得意げなその返答は、どう先が思いやられるのかの回答としては伝わらなかったようである。
それとも、察することを拒否したのかもしれないが。
それよりも気になった別のことを質問する。
「あんたんち、炬燵なんてあったっけ?」
洋風の佇まい・・・。と言うより、ありていに怪しげな佇まいの彼女の住居を思い出して、
正直似合わないなと思った。
「いや、無い」
それでは良いも悪いもへったくれも無い。返す言葉も、無い。
「・・・・・・・・・」
「でも香霖のところにはあるぞ、おっきいのが」
なるほどそれなら、売り物の炬燵にでも、一日中でも入っていそうな様子が安易に想像できる。
「へー。相変わらず、しょうも無いもんそろえてるわねー、あいつも」
「スカートであいつんちの炬燵に入って寝ちゃったりするのは、なんか怖いから、
最近は使って無いけどな」
「それは賢明ね。っていうか皺とか気にならない?しかも、そんな格好で」
ちなみに炬燵に下半身を突っ込んで、厚めの座布団を抱え込むようにうつ伏せに寝転んでいる。
まるで絵本などを読んでいる子供のような姿だが、読んでいる本はそこそこに難解な書物だ。
「別に、気にならないぜ」
「ふーん」
多分、気にした方がいい。
「ハカマは、気にならないのか?」
「別に、スカートと違ってもともと床に立ったり座ったりするもんだしね」
「ふーん・・・捲くれあがったりはしないのか?」
「私、正座してるもん」
「・・・どうりで」
なんかスースー寒いと思った。
「ちゃんと足入れろよ。そんなんだから小さい炬燵で満足だなんて腑抜けた考えになるんだぞ。
大体、余計出入りし辛いだろ」
体を捩って、紅白に向かって何だかずれた抗議をする。
「それに、こう、出入りするときに、机の板が動くだろ。
お茶がこぼれたりしたら大変だと思わないか?」
自分の方が動きずらそうにしつつ、ますます趣旨がずれていく。
なんだかんだ文句を垂れながらも、
その小さいと言う炬燵にキッチリ収まっている相方に苦笑しながら言葉を返す。
「うつ伏せで入ってるからよ・・・それに、おしりが大きいんじゃないの?」
「し、失礼な」
「箒なんかに乗ってるから」
「それは関係ないだろ」
「まあまあ、蜜柑剥いてあげるから」
「本が汚れるからいらないって言ってるだろ」
「まあまあ、遠慮せずに、こんなんで太とりゃし無いわよ」
「私は別にダイエットなんかして無いって」
他愛も無いことを言い合う。雪は積もっていく。
* * *
「それにしても、こんなんじゃ、私は帰れないぜ」
雪は弱まる気配も無い。傍らには本の山、手元の本の残ったページは少ない。
これらは暇つぶし用に借り出した本だったのだが、炬燵で本の虫をやっているうちに読みつくしてしまった。
自宅には研究中の魔道書などもあるのだが、なにぶん研究中なのでそちらは返すわけにはいかない。
また借りに行かなきゃだぜ、とか、寒い中寒いヤツの居る所を通るのはイヤだぜ、とか、
近頃寒いのにやたらと元気な某門番が、借りを返そうと弾幕ごっこを挑んでくるのを
どうやり過ごそうか、などと考えていると、
「泊まってきなさいよ、何にも無いけど。何にも無いんだし」
湯飲みを掴んだまま幸せそうに目を細めたていた少女が気楽な調子で提案してきた。
傍らには蜜柑の皮の山だ。おまけに台詞は意味不明だ。
「そうだな・・・布団は上等なのにしてくれ」
「もう寝る話?それに布団なんか自分で適当なの出しなさいよ」
勝手知ったる何とやらである。
「私は一応客だぜ」
「茶菓子も持たずに来たくせに、よく言う」
「軒を借りに来た友人が、手ぶらだったからって責めるのは人が悪いぜ」
自宅のようにくつろぎきっているその姿は、決して軒を借りていると言う風情ではなかったが
本人にとっては、間違いなくそうであるらしく、実に堂々とした口調だった。
「こんな日に出歩くのが悪い、大体あんた夕飯まで食べたじゃない」
「もてなされたからには、ありがたく頂戴しないとな。うん、というわけでやっぱり今の私は客だな」
「どーいう理屈よ」
慣れたもので呆れることも無く苦笑していたが、慣れたもので口調は呆れていた。
両手で包んでいた湯飲みは、どうやら温くなってしまっているようだ。
お茶を飲むのをやめて、腕を投げ出しその上にゴロリと頭を乗せる。
もうそろそろ外は暗くなり始めている。
直ぐにでも真っ暗になるだろう。
雪はやまない。
「あー、でも着替えとかあるの?」
ふと思いついたように言う紅白。
泊まっていくこと自体は珍しくもないが、いちおう年頃の女の子たちである。
突発お泊りともなれば、身だしなみ等にはそれなりに思うところあるのだ。
しかし白黒は、ふ、と笑みを浮かべると読んでいた本を静かに閉じた。
「”お泊りセット召喚”を習得した私にその点の抜かりは無いぜ」
「また微妙に地味な魔法を・・・」
「なんだと、本来魔法というのはこう言う密かに便利な技術をだな・・・っと、隣の部屋借りるぜ」
先ほどから読んでいた本を小脇に抱えたまま炬燵から出て立ち上がった。
「地味な魔法かどうか、試してみるぜ」
「どうでもいいけど燃やしたりするんじゃないわよ」
彼女の魔法で部屋の屋根が抜けたことなどが何度かあるので釘を刺す。
「燃やすぜ」
「・・・ほどほどにしてね」
「ばっちりだぜ」
「・・・・・・見ててもいい?」
「それはもう派手に燃やすから駄目だな」
「・・・・・・・・・着替えは用意してあげるから、その魔法はやめなさい」
「申し出はありがたいんだけど、私はふんどしは嫌なんだが」
「誰がフンドシなのよ誰が。大してサイズ変わんないでしょ、新品出したげるわよ」
「おっ、霊夢はおしりがおっきいんだな?」
「あ、あんたね・・・・」
「何せ私は炬燵が窮屈らしいからな」
う、と詰まる紅白。
「・・・私が悪かったわよ」
「何せ私は箒にも四六時中乗ってるらしいからな」
「悪かったって言ってるでしょ」
「甘いものをいくら食べても太らない巫女様とはとてもとても、ですわ」
「もう!ごめんってば」
他愛も無いことを言い合う。夜は更けていく。
特に何もなく過ぎ行く時間も大切ですし