Coolier - 新生・東方創想話

東方心闇郷 第六章

2005/01/17 21:33:05
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「ん…」
魔理沙が先に眼が覚めた。
「ここは…博麗神社の中か…霊夢は!」
魔理沙の隣で霊夢は倒れていた。
「おい、霊夢!霊夢!」
霊夢は気絶していた。
「ちくしょう!これも全て私のせいだ!」
魔理沙は霊夢を背負い、霊夢の寝室へ向かった。
「霊夢…私を連れ戻しても…お前が帰ってこなかったら意味がないじゃないか!?
 私はお前が目を覚ますまでここをはなれないからな!」




そして眼が覚めた…
「魔理沙は…」
目覚めた霊夢が見たものは…
「よう、心配かけたな」
「魔理沙!」
霊夢は魔理沙に抱きついた。
「魔理沙、魔理沙、魔理沙」
霊夢は魔理沙の胸の中で泣きじゃくる。
「すまなかったな…」
二人は久々の再会を果たした。
「どうやら無事に帰ってこれたみたいだな」
「魅魔」
「魅魔様」
「まったく私より先に死なないでほしいな」
「魅魔様…この度はご迷惑をお掛けしました」
「なに、気にするな。お前がいないとつまらんからな
 で、これからどうするつもりだ?」
「「紅魔館へ!」」
「二人の意見もぴったりか…いいだろう餞別にこれをもっていけ」
魅魔は霊夢と魔理沙に一枚ずつスペルカードを渡した。
「これは…」
「ちょっと博麗神社の奥の方に落ちていたものだが使えるだろう」
「霊夢に渡したのが『鏡符』:相手のスペルカードをそのまま写し効果をなくさせるカードだ」
「じゃあ、私のは…」
「魔理沙に渡したのは、『重力符』:一時的にそこに超重力を発生させ敵の動きを止めるカードだ」
「共に一回きりのスペルカードらしい。使う場所は慎重にな」
「「はい」」
「行こう!魔理沙」
「ああ、紅魔館へ!」
二人は再び紅魔館へと向かっていった。
「まったく…若いというのはいいものだな」
魅魔は愚痴を一つはいた。



紅魔館へと向かっていた霊夢と魔理沙は一度立ち止まった。
「ちょっと待ってくれ、霊夢」
「何するの?」
「さっき魅魔様から頂いたスペルカードにちょっと細工すれば何回でも使えるから細工しとくぜ」
「いいの?そんなことして」
「大丈夫だろう…たぶん」
そんなことからで魔理沙はスペルカードに細工を施した。
「使えるかも…だぜ」
それからしばらくして二人は再び紅魔館へと乗り込んだ。
二人は紅魔館のメイド達を蹴散らしながら進んでいく。
「ちょっと!紅魔館の中で暴れない!後片付けが大変なんだから」
そこへ紅魔館のメイド:十六夜咲夜がかけつけた。
「きたな、メイド長!」
「あら、あなた生きていたの?止めをさしたつもりだったんだけど…」
「それくらいのことじゃ死なないぜ!」
「魔理沙!油断しないでね」
「何回来ても同じ事よ!」
咲夜はそう言うとナイフを取り出し投げてきた。
「そうやすやすと同じ手をくらうかよ!」
魔理沙は飛んでくるナイフを次々と避ける。
「鼠みたいにちょこまかと!」
「私がいる事も忘れないでよ!」
霊夢が針を咲夜目掛けて投げる。
「くっ…邪魔よっ!」
咲夜は飛んでくる針を叩き落し、ナイフを投げ返した。
「しまった!」
霊夢は針の縫い目から飛んでくるナイフに反応が遅れた。
「きゃあああぁぁぁぁ」
霊夢にナイフが刺さる目前…
「うらああぁぁぁぁぁぁ」
バキィィンン
魔理沙の箒がナイフを叩き落した。
「霊夢、油断するなっていったのお前だろ!?」
「ご、ゴメン」
いつになく素直な霊夢に魔理沙は調子が狂う。
「なんだよ。らしくないな」
「な、なによ」
「まっ、いいか。とにかくあいつをなんとかしないと…」
咲夜は両手にナイフを構え、不動。
「どうする?魔理沙、このままじゃ埒があかないわよ」
「魅魔様から貰った符を使ってみるか」
「何を二人でひそひそ話をしているの」
「お前を倒す秘策を練ってたんだよ」
「魔理沙、時間は私が稼ぐから符を発動させて」
「霊夢一人で大丈夫か?」
「なんとかする」
「いくわよ、メイド長!」
霊夢はお払い棒で攻めにいった。
「そんな棒でこのナイフに勝てると思うの!?」
「ただの棒と思わないことね!」
ガキィィィン
ナイフとお払い棒で争っている。
「なんなのよ!あんたのそのお払い棒は!?」
「博麗神社に代々伝わりし由緒あるお払い棒よ!」
魔理沙はその間スペルを唱えている。
「!」
咲夜が魔理沙のスペルに気付いた。
「しまった…時間稼ぎか!こないのはおかしいとおもっていたけど…」
咲夜は霊夢を蹴り離し魔理沙のもとへ向かう。
「気付いた時にはもう遅いってな!」
「くらえ!重力符『アースバインド』」
魔理沙が発動した瞬間、地面が窪んだ。
「うっわっ…何、このスペル!?」
咲夜がバランスを崩して地面に這い蹲る。
「くうっ…動けない」
「魔理沙、今よ!」
「ああ、分かってる。私達はあんたの相手をしている程暇じゃないんでね」
「ここで終わりにしてやる!」
「マスタァァァァスパァァァァァァァァァァァァク!!!!!」
地面に這い蹲り動けない咲夜目掛けてぶっ放す!
「きゃあぁぁあああぁぁぁ」
ドカァァァァァァン
物凄い爆音と煙が舞い上がる。
「これであのメイド長も懲りたかしら?」
「さあな?生きてりゃその内現れるだろ?」
「あ、重力符が…」
「燃え尽きちゃったわね」
「どうやら威力をあげていたらしいな」
霊夢と魔理沙が次の部屋に向かう扉に行くと一人の影…
そこには十六夜咲夜が立っていた。
しかしメイド服はボロボロで三つ網も解けていた。
「はぁ…はぁ…ここから先には…行かせない!」
「マスタースパークをくらって無事とはな…」
「あなた本当に人間?」
「私の能力を忘れてもらっては困るわね」
「時間よ止まりなさい!幻世『ザ・ワールド』」
「まずい、霊夢!」
「ええ!鏡符『リフレクトミラー』」
「な!私のスペルが!」
咲夜のザ・ワールドと霊夢のリフレクトミラーが相殺しあい空間が砕けた。
そこにあった世界は何もない世界。
「どこだ…ここは?」
「なにもないわね」
「ふふ…ふふふ…ははは…あっはっはっはっは!」
咲夜が不気味に笑う。
「あなた達にもう勝ち目はないわ!ここは私の世界」
「お前の世界?」
「そうよ、ここは私であって私は存在しない世界」
「わけわからないわね」
「とりあえず私たちはお前を倒さないと先に行けないんだ、倒させてもらうぜ」
「やれるものならやってみなさい!」
「くらえ!スターダストミサイル」
バシュウウウウ
直線状に飛んでいった魔力の塊が咲夜の脇腹を抉った。
「よしっ!」
「その程度なの!」
「なっ!効いていないのか!」
咲夜は脇腹を抉られた場所が瞬時に再生した。
「傷が…治っていく!?」
「だから行ったでしょう!ここは私であって私は存在しない世界だって!」
「くっそー!どうしたらいいんだ!?」
魔理沙が悩んでいると咲夜がナイフを構え…
「行くわよ…」
咲夜がその場でナイフを振った。
ズバッ
魔理沙の服が一筋に切れた。
「なっ、なにっ!」
「どうして魔理沙の服が切れるの」
「あいつの刃は確実に届いてないはずだ!なのになぜ!」
「ここは私の世界…!すべてが私の思い通りになる。ふふふ…はははは!」
「あいつ…狂ってるぜ」
「さながら殺すのが目的で作られた人形ね!」
「ははははは、死になさい!ここから先には進ませない!お嬢様達にも会わせない!」
「そうだ!私の夢想封印ならアイツの居場所を割り出せるかもしれない」
「そうだったな!頼むぜ、霊夢」
「夢想封印 集!」
霊夢は霊符を発動した!
「これでどおだ!」
「無駄だといっているのが分からないの!」
咲夜の言うとおり夢想封印は場所を定めず炸裂する。
「そんな…」
「こうなったら仕方が無い…最後の手段だ」
「どうするつもり…魔理沙?」
「これは魅魔様から教わった呪術なんだが…危険極まりない…」
「魅魔の禁術…?」
「霊力を半端ないほど使う技だ」
「霊夢、お前も知っている通り魅魔様の実体は既にこの世にはない…」
「たしかに…今の魅魔は悪霊よね…」
「魅魔様は実体がないからこの技を使えたんだが…今の私に使えるかどうか」
「無理は無しよ!魔理沙」
「いくぜ!『ソウルブリンク』」
魔理沙がスペルを唱えた瞬間魔理沙の魂が咲夜目掛けて飛んでいった。
「大丈夫!魔理沙」
「きついがなんとか…な」
今、魔理沙の魂は二つに分かれている。
片方は自分の中に、
もう片方は咲夜目掛けて飛んでいる。
「何!?この幽体は?」
咲夜は切ろうと試みるも幽体の為に攻撃が当たらない。
「なかなかやるな…だがいつまで持つかな?」
咲夜は魔理沙の魂に追いつかれまいと逃げながら戦っている。
「そこだ!」
霊夢は咲夜の道筋を読み、針を投げた。
「くっ!」
一瞬咲夜の動きが止まった。
「今だ!操符『心無き人形』」
それと同時に魔理沙の魂が咲夜の中に入りこんだ。
「なっ、なんなの!?このスペルは!?」
いままでにない感じに咲夜は戸惑う。
「このスペルは私の師…魅魔様が得意とする恐ろしいスペル…
 自分の半身を相手に乗り移らせ思いのままに操る」
「くぅっ!」
「おおかたさっきのマスタースパークも時を止めてなんとかやり過ごしたみたいだが…」
そう言いながら魔理沙は咲夜に近づいていく。
「これならどうかな?」
魔理沙は咲夜の腹部に両手をあてた。
「そっ、そんなっ…やめっ…」
「いまさら止められるかよ!」
「時の流れに身を任せな!体内発動!マスタースパァァァァァァァク!」
魔理沙がスペルを放った瞬間…咲夜の世界が音も無く崩れ去った。
「ここは?」
「ようやく戻ってこれたみたいだな…うっ!」
魔理沙は地面に降りた。
「大丈夫!?魔理沙?」
「あいつと共に私の半分も吹き飛ばしちまったからな…これからが本番だってのに…」
「メイド長もあれで死んだのかな?」
「あれで死ぬような奴じゃないさ、今は殆んど動けないはずだからこれ以上邪魔されることは無いはずだぜ」
「でも、魔理沙の行動は後先を考えないんだから」
「ははは…ははは」
「ふふふ…ふふふ」
笑いがこみ上げてきた。
「さて、ここにいてもしょうがない、奥の扉に行こうぜ」
魔理沙はかろうじて立ち上がるとそう言った
「ええ、行きましょう」
霊夢と魔理沙はパチュリーとスカーレット姉妹のいる場所…紅魔館の夢幻回廊へと向かった。



「咲夜が負けたのね…意外とやるわね、あの二人…」
「お姉様なら負けないよ!」
「ありがとう…フラン、私は霊夢と戦うわ」
「それじゃあ、私はあの黒いのね!」
「魔理沙…よ、名前くらい覚えてあげなさい」
「はーい、お姉様」
「咲夜…今はゆっくり休みなさい…」
これから戦うという感じがまったくない二人…。
つまりは余裕というわけだ。
霊夢&魔理沙VS咲夜です。
殆んど魔理沙メインですが…
カシス
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