むかしむかし、竹取の翁というじいさんがいました。
じいさんは普段、山に入って竹を取りつつ、いろんなものを作って生活していました。
ある日、じいさんはいつもの通り山に入って竹を取っていました。
魔理沙「今日も今日とて、じいさん役。いいかげんにしてほしいぜ。」
そのうちじいさんは、山の奥深くまで入り込んでしまいました。
魔理沙「やれやれ、いつもはこんなところまでは来ないんだけどな。」
これ以上踏み込んでは迷ってしまいます。
じいさんはひとまず引き上げることにしました。
魔理沙「猫とか狐が出てきても面倒だしな・・・・。おや?」
見ると、1本の竹の節が、黄金色に輝いているではありませんか。
魔理沙「なんと珍しい竹だ。コレクター魂がさわぐぜ。」
じいさんは光り輝く竹に心を奪われて、竹を切ることにしました。
魔理沙「恋符『ノンディレクショナルレーザー』」
じいさんから放たれた光は、周囲の竹と一緒に光り輝く竹をなぎ払いました。
魔理沙「さてさて、珍品な竹を回収・・・・・、って、おやおや。」
じいさんが竹に近づくと、竹の中には、なんと女の子が入っていたではありませんか。
霊夢「・・・・髪の毛が数本焼けた。」
魔理沙「細かいことは気にするな。もとい、なんでこんなところに女の子が・・・。」
じいさんは竹の中から女の子が出てきたことにびっくりしましたが、
ここに置いて帰るのもかわいそうだと思ったので、家に連れて帰ることにしました。
そして、この子をどうするか、ばあさんと相談しました。
魔理沙「かえったぞー。老いぼれ。」
咲夜「お帰りなさい、老いぼれ。・・・・なによ、そのかわいげのない女の子は?」
魔理沙「見ての通り、かわいげのない女の子だぜ。実はかくかくしかじか・・・・。」
咲夜「なるほど。それは仕方が無いわね。」
魔理沙「そうだろ?」
咲夜「今すぐ捨ててきて。」
魔理沙「おっけー。」
霊夢「まてまて!話が違うでしょ。」
咲夜「うるさいわね。育てればいいんでしょ。」
じいさんとばあさんは、竹から生まれた女の子を、自分の子供として育てることにしました。
女の子は、『かぐや姫』と名付けられました。
咲夜「かぐやって、どういう意味なの?」
魔理沙「『光り輝くほど美しい』っていう意味らしいぜ。」
咲夜「・・・・なんか、癪ね。」
魔理沙「そうだな。」
霊夢「あんたら・・・・。」
かぐや姫はすくすくと育ちし、大変美しい女性へと成長しました。
かぐや姫の美しさは町へ村へと、伝わっていきました。
そのため、かぐや姫に求婚する者が、後をたちませんでした。
ルーミア「私と一緒に、タイタニックごっこで遊んでください。」
霊夢「一人でやってください。」
チルノ「英吉利牛と一緒に氷付けになりませんか?」
霊夢「なりません。」
レティ「私と一緒に、冬を満喫しませんか?」
霊夢「寒いのは、嫌いです。」
橙「私の式神になってください。」
霊夢「弱い人の式神なんて、いやです。」
藍「じゃ、私は?」
霊夢「いやです。」
紫「それじゃあ、私・・・。」
霊夢「狐と同格にされるのは、まっぴらです。」
美鈴「私と一緒に、門番をやりませんか?」
霊夢「そんな地味な役割は御免です。」
妖夢「私と一緒に、毎日庭掃除をしましょう。」
霊夢「疲れるから、いやです。」
ルナサ「私と一緒に、演奏隊をやりませんか?」
霊夢「騒がしすぎるのは、好きじゃありません。」
リリカ「私と一緒に、姉さんを騙しませんか?」
霊夢「私が騙されそうだから、いやです。」
メルラン「私と一緒に、騙された姉さんを見守りませんか?」
霊夢「私はそこまで酔狂じゃありません。」
パチュリー「私と一緒に、図書館にこもりませんか?」
霊夢「それは、うちのおじいさんの方が適任です。」
フランドール「私と一緒に、毎日弾幕ごっこしませんか?」
霊夢「きっと、そのうち死んじゃいます。」
アリス「私の人形になりませんか?」
霊夢「それは軽く問題発言だと思います。」
幽々子「私と一緒に、あの世へ来てください。」
霊夢「それは一般的に『殺人の宣告』と言うのです。」
リグル「私と一緒に、沢山の蟲たちと暮らしませんか?」
霊夢「刺されるから、いやです。」
ミスティア「私と一緒に、人間をからかったり鳥目にしたりしませんか?」
霊夢「私は鳥目じゃないと、何度も言ってるでしょう。」
慧音「私と一緒に、歴史を食べませんか?」
霊夢「あんまり美味しくなさそうだから、遠慮しておきます。」
鈴仙「私の眼を見て狂ってみませんか?」
霊夢「狂ってみません。」
永琳「私の弟子になりませんか?」
霊夢「モルモットはまっぴら御免です。」
輝夜「主役を変わってくれませんか?」
霊夢「無理。」
妹紅「私と一緒に、輝夜を殺してみませんか?」
霊夢「物騒なことは他所でやって下さい。」
てゐ「ところで、結婚の費用として○○億円必要なんだけど。」
霊夢「うちにそんなお金はありません。・・・はぁ~・・・・。」
文「さて、この度の結婚騒動について一言。」
霊夢「取材はお断りです。」
メディスン「私と一緒に鈴蘭畑で暮らしつつ、人形解放を目指しませんか?」
霊夢「死んじゃうし、私に関係ないからいやです。」
幽香「私と一緒に、その辺の妖怪苛め倒しツアーに出かけませんか。」
霊夢「面倒だからいやです。」
小町「一緒に仕事をサボりつつ、のんびりしませんか?」
霊夢「サボるのはいけないと思います。」
四季「心にも無いことを言うのは感心しません。よって、私と地獄へ逝きましょう。」」
霊夢「異議有り!それは横暴だと思います!」
霖之助「ツケを返しなさい。」
霊夢「絶対いやです。」
萃香「御託は良いからとりあえず呑みな。」
霊夢「とりあえず酒だけはいただきます。」
神綺「一緒に魔界に来ませんか?」
霊夢「歩いてお帰り。」
沢山の求婚者がかぐや姫のもとを訪れました。
しかしかぐや姫は、その全てを断り続けました。
かぐや姫は、月を見るたびに悲しげな表情をしていました。
魔理沙「かぐや姫、どうして月を見て悲しそうな顔をする?」
霊夢「いえ、なんでもありません。」
魔理沙「・・・霊夢が敬語を使うなんて、気持ち悪いぜ。」
霊夢「何か言った?」
魔理沙「いえ、なんでもありません。」
じいさんには、その理由はわかりませんでした。
そんなある日、この国で1番えらい人である天皇様が、かぐや姫のもとへやってきました。
レミリア「あなたがかぐや姫。・・・・噂に違わず美しい。」
霊夢「恐縮ですわ。天皇様。」
レミリア「(・・・・・さくや~、なんか気持ち悪いよ~・・・。)」
咲夜「(気持ちは解りますが、我慢してください。)」
霊夢「どうかなさいましたか?」
レミリア「いや、なんでもない。それより、私のもとへ来てはくれないか?」
霊夢「お気持ちは有難いのですが、それはできません。」
レミリア「それは何故?」
霊夢「おじいさんとおばあさんも、よく聞いてください。」
魔理沙「(と、鳥肌が立ってきた・・・。)」
咲夜「(我慢よ、我慢・・・・。)」
霊夢「実は私は、月から来た人間なのです。」
レミリア「なんと・・・。」
霊夢「そして次の満月の夜・・・・。」
魔理沙「あああ~!もう我慢できねえ!かゆいかゆい!」
霊夢「ちょっと、今いいところなのよ!」
魔理沙「うるさい!あんたが敬語を使ってしおらしく話すなんて、気持ち悪いったら・・・。」
ピタ
魔理沙「・・・・・・・・・・・・。」
霊夢「動かなくなっちゃった・・・。」
咲夜「じいさんの時は止めたわ。続きをどうぞ。」
霊夢「そ、そう・・・・。次の満月の夜、月からの使者が私を連れ帰りに来るのです。」
咲夜「そんな・・・。私達の大切なかぐやが・・・。」
魔理沙「・・・・・・・・・。」
霊夢「おじいさん、おばあさん。長い間お世話になりました。」
レミリア「・・・かぐや姫、私はあなたをあきらめない。」
霊夢「天皇様・・・・。」
レミリア「次の満月の夜、私が持つ軍隊をつれて、あなたを護衛する。」
咲夜「ああ、天皇様。私達の娘を守ってください。」
魔理沙「・・・・・・・・・・。」
レミリア「きっと、守ってみせる。」
霊夢「天皇様、すっかり演技力が身について・・・。いやいや、ありがとうございます。」
魔理沙「・・・・・・・・・・。」
そして、満月の夜が来ました。
天皇様は沢山の兵隊をつれて、家を取り囲みました。
魔理沙「・・・・・・・・・。」
レミリア「そろそろ、戻してあげたら?」
咲夜「そうですね。」
魔理沙「・・・・・ありゃしない!って、ここはどこだ?」
レミリア「今は、月からの侵略者が来るシーンよ。」
魔理沙「いつの間に、話が変わったんだ?」
霊夢「ちがうちがう。私を迎えに来た月からの使者がくるところよ。」
魔理沙「そうなのか?いつの間に・・・・・。」
咲夜「私が時を止めてる間にね。それより、お嬢・・・じゃなくて、天皇様。」
レミリア「何?」
咲夜「この兵隊さんたちは、いったいどこから?」
レミリア「うちのメイド隊を総動員したんだけど。」
咲夜「留守番は・・・・?」
レミリア「フランドールに一任した。」
咲夜「(くら・・・・。)」
魔理沙「おい!ばあさんが倒れたぞ!」
霊夢「救急隊!衛生兵!早く来て!」
咲夜「だ、大丈夫・・・・・。心配ないわ。(そ、掃除が・・・・。)」
そのとき、月の方角から、光が放たれました。
そして、声が響きます。
?「かぐや姫・・・。時間です。」
霊夢「・・・・・・はい。」
レミリア「みんな、姫を守って。」
?「無駄です。」
声がする方向から、なにやら弾が放たれ、兵隊達を薙ぎ倒してゆきます。
?「さあ、かぐや姫。行きますよ・・・・・。」
霊夢「おじいさん、おばあさん。さようなら・・・・。」
魔理沙「かぐや!」
咲夜「かぐや!」
かぐや姫は、声のする方向へ歩いて行きます。
そして、月の使者が姿を現しました。
霊夢「・・・・・・・・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・・・・・。」
咲夜「?」
レミリア「?」
魅魔「みんな黙って、どうしたっていうのよ。」
咲夜「(誰よ?あれ・・・・。)」
レミリア「(知らない人ね。)」
霊夢「(うちの神社に取り付いている、祟り神とか疫病神とか・・・、そんなの。)」
咲夜「(あんたのとこの神社は、祟り神を奉ってたのね。)」
レミリア「(参拝客がこないわけね。)」
霊夢「(うるさい・・・。)」
魔理沙「(なんで、あの人がここにいるんだ?)」
霊夢「(知らないわよ・・・・。)」
月からの使者の姿に、一同は呆然としています。
魅魔「知らない顔は始めまして。知った顔はお久しぶりね。」
霊夢「な、何してるのよ、あんた・・・。」
魔理沙「一体全体、なんでこんなとこにいるんだ?魅魔様。」
魅魔「なんか、知った顔も印象が変わったわねえ。まあ、いいけど。」
霊夢「質問に答えてよ。」
魅魔「そりゃもちろん、暇だったから。」
魔理沙「いいのかよ、こんなところに来て・・・。」
魅魔「かたいこと言わない。」
霊夢「かたくない。」
魅魔「気を取り直して、さあ、こちらに来なさい。かぐや姫。」
霊夢「いや。」
魅魔「なんでよ?」
霊夢「悪霊に連れて行かれたくはないわ。」
魅魔「(ピシッ!)ほー・・・・・。そんなことを言うのかい。」
かぐや姫は、月へ帰ることを断固拒否しました。
魅魔「しかたないわね・・・。じいさん!」
魔理沙「あいよ!」
霊夢「?!ちょっと、なにするのよ!じいさん!」
魔理沙「ああ・・・・。体が勝手に・・・。」
霊夢「嘘つきなさい!」
魔理沙「仕方ないじゃないか。あの人にはあんまり逆らいたくないし。」
霊夢「それが本音でしょ!」
魔理沙「よし、出来た。魅魔様、パス!」
ポイ!
月の使者に操られたというじいさんは、かぐや姫をスマキにしてしまいました。
そして、使者にむかって、かぐや姫を放り投げました。
パシ!
魅魔「ナイスパス!魔理沙。」
魔理沙「いえーい。」
霊夢「いえーい、じゃないわよ!」
魅魔「うるさいねえ。さ、いくわよ。」
霊夢「ばあさん!助けて!」
咲夜「あんたばっか、いい目みてるしね。何か気が乗らない。」
霊夢「天皇様!今夜は満月よ!」
レミリア「あ~、でも月は赤くないから。」
霊夢「薄情者~!鬼~!悪魔~!」
レミリア「そう言われても、悪魔だしね。」
魅魔「それじゃ、縁があったらまた会いましょ。」
魔理沙「それじゃあな~。」
レミリア「ばいば~い。」
魅魔「あ、そうそう。これを忘れるとこだった。」
月からの使者は、かぐや姫を連れて、天高くへと上っていきました。
そして残された三人の下に、月の使者は何かを置いてゆきました。
魔理沙「なんだ?これ。」
咲夜「さあ?」
レミリア「ええと、『不死身になる薬 byかぐや』、だって。」
魔理沙「そんなものが、何でここに?」
レミリア「物語の都合上、仕方ないことよ。」
魔理沙「で、どうしたらいいんだ?この胡散臭いの。」
レミリア「山に登って、燃やす見たいよ。」
魔理沙「なんでそんなことを。それに面倒だな。」
レミリア「そうね。兵隊さんたち、これを適当な山の頂上で燃やしてきて。」
天皇様は部下に命じて、かぐや姫から贈られたという薬を、山の頂上で燃やさせてしまいました。
この山は後に『ふじ山』と呼ばれ、観光の名所になったとかならなかったとか。
おしまい
魅魔「最近はこんなとこにでも来ないと、出番がないからねえ。」
霊夢「存在の維持に来たの?」
魅魔「人気の維持に来たのよ。」
霊夢「心配しなくても、あんたの存在を忘れてる人とか知らない人は、いっぱいいるわ。」
魅魔「だから、存在をアピールしなきゃいけないのよ。」
霊夢「そう・・・・。どうでもいいけど、スマキをほどいてくれない?」
魅魔「だったら、どうでもいいじゃない。そんなこと。」
霊夢「そうね。なんかもう、どうでもいいわ。」
魅魔「元気がないわね。」
霊夢「あんたが出て来るなんて、誰が予想できたことやら・・・・。」
魅魔「文句あるの?」
霊夢「沢山。」
魅魔「それは後で聞いてやるとして、帰ったら神社の掃除、ちゃんとやりなさいよ。」
霊夢「・・・・・荒らしたら、封印するわよ。」
魅魔「保護者を封印するって言うの?」
霊夢「誰が、誰の保護者なのよ。」
月からの使者、もとい死者は、機嫌よくかぐや姫を連れて飛んでいました。
一方のかぐや姫は予想外の出来事に、半分投げやりになっていましたとさ。
今度こそ、おしまい
キャスト
かぐや姫 博麗霊夢
じいさん 霧雨魔理沙
ばあさん 十六夜咲夜
天皇様 レミリア・スカーレット
月からの使者 魅魔
求婚者 ルーミア、チルノ、紅美鈴、パチュリー・ノーレッジ
フランドール・スカーレット、レティ・ホワイトロック、
八雲ファミリー、アリス・マーガトロイド、プリズムリバー三姉妹
魂魄妖夢、西行寺幽々子
じいさんは普段、山に入って竹を取りつつ、いろんなものを作って生活していました。
ある日、じいさんはいつもの通り山に入って竹を取っていました。
魔理沙「今日も今日とて、じいさん役。いいかげんにしてほしいぜ。」
そのうちじいさんは、山の奥深くまで入り込んでしまいました。
魔理沙「やれやれ、いつもはこんなところまでは来ないんだけどな。」
これ以上踏み込んでは迷ってしまいます。
じいさんはひとまず引き上げることにしました。
魔理沙「猫とか狐が出てきても面倒だしな・・・・。おや?」
見ると、1本の竹の節が、黄金色に輝いているではありませんか。
魔理沙「なんと珍しい竹だ。コレクター魂がさわぐぜ。」
じいさんは光り輝く竹に心を奪われて、竹を切ることにしました。
魔理沙「恋符『ノンディレクショナルレーザー』」
じいさんから放たれた光は、周囲の竹と一緒に光り輝く竹をなぎ払いました。
魔理沙「さてさて、珍品な竹を回収・・・・・、って、おやおや。」
じいさんが竹に近づくと、竹の中には、なんと女の子が入っていたではありませんか。
霊夢「・・・・髪の毛が数本焼けた。」
魔理沙「細かいことは気にするな。もとい、なんでこんなところに女の子が・・・。」
じいさんは竹の中から女の子が出てきたことにびっくりしましたが、
ここに置いて帰るのもかわいそうだと思ったので、家に連れて帰ることにしました。
そして、この子をどうするか、ばあさんと相談しました。
魔理沙「かえったぞー。老いぼれ。」
咲夜「お帰りなさい、老いぼれ。・・・・なによ、そのかわいげのない女の子は?」
魔理沙「見ての通り、かわいげのない女の子だぜ。実はかくかくしかじか・・・・。」
咲夜「なるほど。それは仕方が無いわね。」
魔理沙「そうだろ?」
咲夜「今すぐ捨ててきて。」
魔理沙「おっけー。」
霊夢「まてまて!話が違うでしょ。」
咲夜「うるさいわね。育てればいいんでしょ。」
じいさんとばあさんは、竹から生まれた女の子を、自分の子供として育てることにしました。
女の子は、『かぐや姫』と名付けられました。
咲夜「かぐやって、どういう意味なの?」
魔理沙「『光り輝くほど美しい』っていう意味らしいぜ。」
咲夜「・・・・なんか、癪ね。」
魔理沙「そうだな。」
霊夢「あんたら・・・・。」
かぐや姫はすくすくと育ちし、大変美しい女性へと成長しました。
かぐや姫の美しさは町へ村へと、伝わっていきました。
そのため、かぐや姫に求婚する者が、後をたちませんでした。
ルーミア「私と一緒に、タイタニックごっこで遊んでください。」
霊夢「一人でやってください。」
チルノ「英吉利牛と一緒に氷付けになりませんか?」
霊夢「なりません。」
レティ「私と一緒に、冬を満喫しませんか?」
霊夢「寒いのは、嫌いです。」
橙「私の式神になってください。」
霊夢「弱い人の式神なんて、いやです。」
藍「じゃ、私は?」
霊夢「いやです。」
紫「それじゃあ、私・・・。」
霊夢「狐と同格にされるのは、まっぴらです。」
美鈴「私と一緒に、門番をやりませんか?」
霊夢「そんな地味な役割は御免です。」
妖夢「私と一緒に、毎日庭掃除をしましょう。」
霊夢「疲れるから、いやです。」
ルナサ「私と一緒に、演奏隊をやりませんか?」
霊夢「騒がしすぎるのは、好きじゃありません。」
リリカ「私と一緒に、姉さんを騙しませんか?」
霊夢「私が騙されそうだから、いやです。」
メルラン「私と一緒に、騙された姉さんを見守りませんか?」
霊夢「私はそこまで酔狂じゃありません。」
パチュリー「私と一緒に、図書館にこもりませんか?」
霊夢「それは、うちのおじいさんの方が適任です。」
フランドール「私と一緒に、毎日弾幕ごっこしませんか?」
霊夢「きっと、そのうち死んじゃいます。」
アリス「私の人形になりませんか?」
霊夢「それは軽く問題発言だと思います。」
幽々子「私と一緒に、あの世へ来てください。」
霊夢「それは一般的に『殺人の宣告』と言うのです。」
リグル「私と一緒に、沢山の蟲たちと暮らしませんか?」
霊夢「刺されるから、いやです。」
ミスティア「私と一緒に、人間をからかったり鳥目にしたりしませんか?」
霊夢「私は鳥目じゃないと、何度も言ってるでしょう。」
慧音「私と一緒に、歴史を食べませんか?」
霊夢「あんまり美味しくなさそうだから、遠慮しておきます。」
鈴仙「私の眼を見て狂ってみませんか?」
霊夢「狂ってみません。」
永琳「私の弟子になりませんか?」
霊夢「モルモットはまっぴら御免です。」
輝夜「主役を変わってくれませんか?」
霊夢「無理。」
妹紅「私と一緒に、輝夜を殺してみませんか?」
霊夢「物騒なことは他所でやって下さい。」
てゐ「ところで、結婚の費用として○○億円必要なんだけど。」
霊夢「うちにそんなお金はありません。・・・はぁ~・・・・。」
文「さて、この度の結婚騒動について一言。」
霊夢「取材はお断りです。」
メディスン「私と一緒に鈴蘭畑で暮らしつつ、人形解放を目指しませんか?」
霊夢「死んじゃうし、私に関係ないからいやです。」
幽香「私と一緒に、その辺の妖怪苛め倒しツアーに出かけませんか。」
霊夢「面倒だからいやです。」
小町「一緒に仕事をサボりつつ、のんびりしませんか?」
霊夢「サボるのはいけないと思います。」
四季「心にも無いことを言うのは感心しません。よって、私と地獄へ逝きましょう。」」
霊夢「異議有り!それは横暴だと思います!」
霖之助「ツケを返しなさい。」
霊夢「絶対いやです。」
萃香「御託は良いからとりあえず呑みな。」
霊夢「とりあえず酒だけはいただきます。」
神綺「一緒に魔界に来ませんか?」
霊夢「歩いてお帰り。」
沢山の求婚者がかぐや姫のもとを訪れました。
しかしかぐや姫は、その全てを断り続けました。
かぐや姫は、月を見るたびに悲しげな表情をしていました。
魔理沙「かぐや姫、どうして月を見て悲しそうな顔をする?」
霊夢「いえ、なんでもありません。」
魔理沙「・・・霊夢が敬語を使うなんて、気持ち悪いぜ。」
霊夢「何か言った?」
魔理沙「いえ、なんでもありません。」
じいさんには、その理由はわかりませんでした。
そんなある日、この国で1番えらい人である天皇様が、かぐや姫のもとへやってきました。
レミリア「あなたがかぐや姫。・・・・噂に違わず美しい。」
霊夢「恐縮ですわ。天皇様。」
レミリア「(・・・・・さくや~、なんか気持ち悪いよ~・・・。)」
咲夜「(気持ちは解りますが、我慢してください。)」
霊夢「どうかなさいましたか?」
レミリア「いや、なんでもない。それより、私のもとへ来てはくれないか?」
霊夢「お気持ちは有難いのですが、それはできません。」
レミリア「それは何故?」
霊夢「おじいさんとおばあさんも、よく聞いてください。」
魔理沙「(と、鳥肌が立ってきた・・・。)」
咲夜「(我慢よ、我慢・・・・。)」
霊夢「実は私は、月から来た人間なのです。」
レミリア「なんと・・・。」
霊夢「そして次の満月の夜・・・・。」
魔理沙「あああ~!もう我慢できねえ!かゆいかゆい!」
霊夢「ちょっと、今いいところなのよ!」
魔理沙「うるさい!あんたが敬語を使ってしおらしく話すなんて、気持ち悪いったら・・・。」
ピタ
魔理沙「・・・・・・・・・・・・。」
霊夢「動かなくなっちゃった・・・。」
咲夜「じいさんの時は止めたわ。続きをどうぞ。」
霊夢「そ、そう・・・・。次の満月の夜、月からの使者が私を連れ帰りに来るのです。」
咲夜「そんな・・・。私達の大切なかぐやが・・・。」
魔理沙「・・・・・・・・・。」
霊夢「おじいさん、おばあさん。長い間お世話になりました。」
レミリア「・・・かぐや姫、私はあなたをあきらめない。」
霊夢「天皇様・・・・。」
レミリア「次の満月の夜、私が持つ軍隊をつれて、あなたを護衛する。」
咲夜「ああ、天皇様。私達の娘を守ってください。」
魔理沙「・・・・・・・・・・。」
レミリア「きっと、守ってみせる。」
霊夢「天皇様、すっかり演技力が身について・・・。いやいや、ありがとうございます。」
魔理沙「・・・・・・・・・・。」
そして、満月の夜が来ました。
天皇様は沢山の兵隊をつれて、家を取り囲みました。
魔理沙「・・・・・・・・・。」
レミリア「そろそろ、戻してあげたら?」
咲夜「そうですね。」
魔理沙「・・・・・ありゃしない!って、ここはどこだ?」
レミリア「今は、月からの侵略者が来るシーンよ。」
魔理沙「いつの間に、話が変わったんだ?」
霊夢「ちがうちがう。私を迎えに来た月からの使者がくるところよ。」
魔理沙「そうなのか?いつの間に・・・・・。」
咲夜「私が時を止めてる間にね。それより、お嬢・・・じゃなくて、天皇様。」
レミリア「何?」
咲夜「この兵隊さんたちは、いったいどこから?」
レミリア「うちのメイド隊を総動員したんだけど。」
咲夜「留守番は・・・・?」
レミリア「フランドールに一任した。」
咲夜「(くら・・・・。)」
魔理沙「おい!ばあさんが倒れたぞ!」
霊夢「救急隊!衛生兵!早く来て!」
咲夜「だ、大丈夫・・・・・。心配ないわ。(そ、掃除が・・・・。)」
そのとき、月の方角から、光が放たれました。
そして、声が響きます。
?「かぐや姫・・・。時間です。」
霊夢「・・・・・・はい。」
レミリア「みんな、姫を守って。」
?「無駄です。」
声がする方向から、なにやら弾が放たれ、兵隊達を薙ぎ倒してゆきます。
?「さあ、かぐや姫。行きますよ・・・・・。」
霊夢「おじいさん、おばあさん。さようなら・・・・。」
魔理沙「かぐや!」
咲夜「かぐや!」
かぐや姫は、声のする方向へ歩いて行きます。
そして、月の使者が姿を現しました。
霊夢「・・・・・・・・・・・。」
魔理沙「・・・・・・・・・・・。」
咲夜「?」
レミリア「?」
魅魔「みんな黙って、どうしたっていうのよ。」
咲夜「(誰よ?あれ・・・・。)」
レミリア「(知らない人ね。)」
霊夢「(うちの神社に取り付いている、祟り神とか疫病神とか・・・、そんなの。)」
咲夜「(あんたのとこの神社は、祟り神を奉ってたのね。)」
レミリア「(参拝客がこないわけね。)」
霊夢「(うるさい・・・。)」
魔理沙「(なんで、あの人がここにいるんだ?)」
霊夢「(知らないわよ・・・・。)」
月からの使者の姿に、一同は呆然としています。
魅魔「知らない顔は始めまして。知った顔はお久しぶりね。」
霊夢「な、何してるのよ、あんた・・・。」
魔理沙「一体全体、なんでこんなとこにいるんだ?魅魔様。」
魅魔「なんか、知った顔も印象が変わったわねえ。まあ、いいけど。」
霊夢「質問に答えてよ。」
魅魔「そりゃもちろん、暇だったから。」
魔理沙「いいのかよ、こんなところに来て・・・。」
魅魔「かたいこと言わない。」
霊夢「かたくない。」
魅魔「気を取り直して、さあ、こちらに来なさい。かぐや姫。」
霊夢「いや。」
魅魔「なんでよ?」
霊夢「悪霊に連れて行かれたくはないわ。」
魅魔「(ピシッ!)ほー・・・・・。そんなことを言うのかい。」
かぐや姫は、月へ帰ることを断固拒否しました。
魅魔「しかたないわね・・・。じいさん!」
魔理沙「あいよ!」
霊夢「?!ちょっと、なにするのよ!じいさん!」
魔理沙「ああ・・・・。体が勝手に・・・。」
霊夢「嘘つきなさい!」
魔理沙「仕方ないじゃないか。あの人にはあんまり逆らいたくないし。」
霊夢「それが本音でしょ!」
魔理沙「よし、出来た。魅魔様、パス!」
ポイ!
月の使者に操られたというじいさんは、かぐや姫をスマキにしてしまいました。
そして、使者にむかって、かぐや姫を放り投げました。
パシ!
魅魔「ナイスパス!魔理沙。」
魔理沙「いえーい。」
霊夢「いえーい、じゃないわよ!」
魅魔「うるさいねえ。さ、いくわよ。」
霊夢「ばあさん!助けて!」
咲夜「あんたばっか、いい目みてるしね。何か気が乗らない。」
霊夢「天皇様!今夜は満月よ!」
レミリア「あ~、でも月は赤くないから。」
霊夢「薄情者~!鬼~!悪魔~!」
レミリア「そう言われても、悪魔だしね。」
魅魔「それじゃ、縁があったらまた会いましょ。」
魔理沙「それじゃあな~。」
レミリア「ばいば~い。」
魅魔「あ、そうそう。これを忘れるとこだった。」
月からの使者は、かぐや姫を連れて、天高くへと上っていきました。
そして残された三人の下に、月の使者は何かを置いてゆきました。
魔理沙「なんだ?これ。」
咲夜「さあ?」
レミリア「ええと、『不死身になる薬 byかぐや』、だって。」
魔理沙「そんなものが、何でここに?」
レミリア「物語の都合上、仕方ないことよ。」
魔理沙「で、どうしたらいいんだ?この胡散臭いの。」
レミリア「山に登って、燃やす見たいよ。」
魔理沙「なんでそんなことを。それに面倒だな。」
レミリア「そうね。兵隊さんたち、これを適当な山の頂上で燃やしてきて。」
天皇様は部下に命じて、かぐや姫から贈られたという薬を、山の頂上で燃やさせてしまいました。
この山は後に『ふじ山』と呼ばれ、観光の名所になったとかならなかったとか。
おしまい
魅魔「最近はこんなとこにでも来ないと、出番がないからねえ。」
霊夢「存在の維持に来たの?」
魅魔「人気の維持に来たのよ。」
霊夢「心配しなくても、あんたの存在を忘れてる人とか知らない人は、いっぱいいるわ。」
魅魔「だから、存在をアピールしなきゃいけないのよ。」
霊夢「そう・・・・。どうでもいいけど、スマキをほどいてくれない?」
魅魔「だったら、どうでもいいじゃない。そんなこと。」
霊夢「そうね。なんかもう、どうでもいいわ。」
魅魔「元気がないわね。」
霊夢「あんたが出て来るなんて、誰が予想できたことやら・・・・。」
魅魔「文句あるの?」
霊夢「沢山。」
魅魔「それは後で聞いてやるとして、帰ったら神社の掃除、ちゃんとやりなさいよ。」
霊夢「・・・・・荒らしたら、封印するわよ。」
魅魔「保護者を封印するって言うの?」
霊夢「誰が、誰の保護者なのよ。」
月からの使者、もとい死者は、機嫌よくかぐや姫を連れて飛んでいました。
一方のかぐや姫は予想外の出来事に、半分投げやりになっていましたとさ。
今度こそ、おしまい
キャスト
かぐや姫 博麗霊夢
じいさん 霧雨魔理沙
ばあさん 十六夜咲夜
天皇様 レミリア・スカーレット
月からの使者 魅魔
求婚者 ルーミア、チルノ、紅美鈴、パチュリー・ノーレッジ
フランドール・スカーレット、レティ・ホワイトロック、
八雲ファミリー、アリス・マーガトロイド、プリズムリバー三姉妹
魂魄妖夢、西行寺幽々子
まったりでいい味のSSでした。
求婚シーンは今でも笑いが止まりませんwwww
笑えるます、笑わせてもらいました。
まあ、自分も良く知らないんですけどねw
新参なんでその辺曖昧ですが面白かったです。
風神と緋想のキャラも読んでみたいと思いましたw
輝夜がかぐや姫役じゃなかったりするのは永夜抄が出たのが2004年、この話が2003年投下なので永遠亭メンバーがまだ世に出ていないときのSSだからですね。