むかしむかし、とある場所に、サルとカニがおりました。
ある日、サルとカニは一緒にお出かけしました。
魔理沙「ついに人類やめさせられたか・・・。」
咲夜「私なんて甲殻類よ・・・。」
サルとカニは休憩をとりました。
カニは、あらかじめ持ってきたお弁当を食べ始めました。
一方サルは、何も持ってきていませんでした。
魔理沙「なあ、少し恵んでくれないか?」
咲夜「変わりに何かくれるの?」
魔理沙「そうだな・・・・。」
サルは懐から、柿の種を取り出しました。
魔理沙「この、都合よく存在した、柿の種をやるぜ。」
咲夜「そんなので、腹は膨れないわ。」
魔理沙「何言ってんだ。あんたの能力使えば一瞬で実がなるじゃないか。」
咲夜「・・・・ま、食後のデザートも必要だし。」
カニは弁当の一部と柿の種を交換しました。
そしてカニは柿の種を植えました。
咲夜「早く芽をだせ柿の種。出さねばナイフでジャック・ザ・リッパー。」
魔理沙「植物相手に脅迫するな。」
カニが脅迫・・・じゃなくておまじないをかけると、柿の種から芽が出ました。
柿の種はみるみるうちに、立派な木になり、実をつけました。
魔理沙「桃栗三年、柿一分か・・・。」
咲夜「まあ、ざっとこんなもんね。」
魔理沙「じゃあ、食後のデザートとしゃれこむか。」
サルは素早く木に登って、柿の実をほおばり始めました。
一方カニはカニなので、木に登ることが出来ません。
咲夜「ちょっと!私にも頂戴よ。」
魔理沙「自分で取ればいいじゃないか。」
咲夜「無理よ。カニだから。」
魔理沙「しかたねえな。この渋くて堅い実でも食らえ!」
いじわるなサルはカニに向かって、まだ熟れていない堅い実を投げつけました。
その実は、カニに当たってしまいました。
ゴン!
咲夜「痛っ!ちょっと、何すんのよ!」
魔理沙「それはこっちの台詞だ。筋道のとおり、おとなしく死んでろ!」
咲夜「あんたにやられるのはしゃくにさわるのよ!これでも食らいなさい!!」
カニは反撃とばかりに、沢山のナイフをサルに向かって投げつけました。
魔理沙「うわ!危ねえな!」
咲夜「ち!はずしたか・・・・。」
魔理沙「この野郎!もう許さねえ!」
サルは、懐からスペルカードを取り出しました。
魔理沙「恋符『マスタースパーク』!!」
どかーん!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・
咲夜「あ~・・・・・。」
サルが放ったそれは、カニをはるか遠くへ吹っ飛ばしてしまいました。
魔理沙「へ!ざまあみやがれ。」
サルは満足して帰っていきました。
一方サルに吹っ飛ばされたカニは、死にかかっていました。
咲夜「うぐぐ・・・・。類人猿の分際で・・・・。」
そのとき、カニの子供達がやってきました。
レミリア「さく・・・、お母さん、どうしたの?」
咲夜「お嬢様・・・・。じゃなくて、私の子供達・・・・・・。」
パチュリー「サルにやられたの?」
咲夜「そのとおりよ・・・・。台本は見ちゃダメ。」
レミリア「悪いサルね。お母さん、安心して。私達が仇を取ってあげる。」
咲夜「ありがとう・・・・。私の子供達・・・・。」
母カニは意識を失いました。
レミリア「お母さん?・・・・・お母さん!」
フランドール「死なないで~~!」
咲夜「「うぐぐ・・・・。妹様・・・くび、く・・・び・・・。(がく)」
パチュリー「あら、ほんとに死んじゃったわ。」
レミリア「きっと大丈夫よ。咲夜は割としぶといだから。」
フランドール「お姉様が言うなら、きっと大丈夫ね。」
パチュリー「それよりレミィ、あなた達、外に出て平気なの?」
レミリア「大丈夫よ。暗幕があるから。」
パチュリー「暗幕って、上で磔にされてる宵闇の妖怪?」
フランドール「軽く捕まえたわ。それで、スマキよりは磔のほうがいいって言った。」
レミリア「言ったの?」
フランドール「気がした。」
パチュリー「暗幕の一つくらいで、何とかなるものなのかしら?」
レミリア「細かいことはいいじゃない。で、パチェ。これからどうすればいいの?」
パチュリー「うーんと、とりあえず泣けばいいみたいよ。」
フランドール「泣いて周囲の同情を誘うのね。」
レミリア「それじゃあ、泣きますか。」
子ガニたちは、悲しみのあまり泣くしかありませんでした。
レミリア「しくしく・・・・。」
パチュリー「しくしく・・・・。」
フランドール「しくしく・・・・。」
そこへ、クリがやってきました。
霊夢「これこれ、甲殻類の子供達、何故泣いている。」
レミリア「しくしく・・・。最近人気が下降気味なので・・・・。」
霊夢「ちがうでしょ。」
パチュリー「じつは、かくかくしかじか・・・。」
霊夢「悪いゴキブリ・・・、じゃなくて、サルね。私も仇討ちを手伝いましょう。」
クリは、子ガニ達の話を聞き、仇討ちを手伝うことにしました。
霊夢「なんで、私がクリなのよ?いままで主役だったのに。」
パチュリー「ああ、それは、これから私達の知らない人たちが来るっていうから、あなたが仲介役を・・・。」
霊夢「わかったわかった。わかったからそれ以上言うな。要は無理矢理ね。」
フランドール「あら、そうこうしているうちに知らない人が。」
霊夢「この人は、半分人じゃないわ。」
次に、ハチがやってきました。
妖夢「カニの子供達、いったいどうしたの?」
パチュリー「最近、鉄分が足りてなくて、しょっちゅう貧血に・・・・。」
霊夢「前からでしょ。」
レミリア「じつは、かくかくしかじか・・・。」
妖夢「なるほど。悪いサルですね。私も手伝いましょう。」
ハチも話を聞いて、仇討ちを手伝うことにしました。
レミリア「で、あとは誰が来るの?」
パチュリー「ええ~と・・・・、ウスと牛のフンね。」
霊夢「どっちもいやな役割ね。誰がやるのよ・・・。」
少しして、誰かがやってきました。
藍「今日も楽しい演劇の時間~。」
橙「じかん~。」
レミリア「寸劇どころか、最早道化と化してるわ。」
藍「で、何で泣いてた?カニの子供達。」
フランドール「あなたたちの一家に、人気を盗られそうなので・・・・。」
霊夢「もう、何も言わないわよ。」
パチュリー「実はかくかくしかじか・・・・。」
藍「ひどい話ね。ここは、私達も強力するか。」
橙「悩み事は人に相談!これに限るね。」
霊夢「人じゃないでしょ。で、どっちが牛のフン?」
藍「私達にそんなもの押し付けないでほしい。」
霊夢「じゃあ、二匹でウス役なの?」
藍「私が橙を肩車すれば、万事解決。」
レミリア「でも、まだ軽いわよねえ。」
フランドール「狐さんは、体重に自身があるのかしら?」
藍「何か気になる言い回しね。」
紫「あら、それじゃ私も出ようかしら。」
藍「あ、紫様。目が覚めたんですか?」
紫「目が覚めてみれば、こんな楽しそうなことやってるし。おちおち寝ていられないわ。」
霊夢「で、あんたは牛のフン?」
紫「いえいえ。私が藍の上に乗って、橙が私の上に乗れば・・・・。」
パチュリー「見事なトーテムポールの完成ね。」
藍「ち、ちょっと、重いかも・・・・。」
紫「何か、言った?」
藍「いえ。何も。」
こうしてウスも仇討ちに加わりました。
霊夢「で、残るは牛のフンのみだけど・・・。」
レミリア「誰が来るのかしら?」
?「いやあああ~!!放して~~!!!」
また、誰かがやってきました。
霊夢「騒がしいと思ったら、騒がしいのがきたわねえ。」
ルナサ「いやああ~!!何で牛のフンなのよ~!!」
リリカ「だってー、姉さん黒いから。」
ルナサ「黒いのって、他にもいるでしょ!何で私なの~~!?」
メルラン「一人はサルだし、もう一人は暗幕代わりに磔にされてるわよ。」
ルナサ「そんな~~・・・。」
リリカ「折角、このときのために衣装まで作ったのに・・・。」
メルラン「帽子のてっぺんの飾りが、とぐろ巻いているやつね。」
ルナサ「こんなのいらないわよ!」
リリカ「じゃ、姉さんがんばってね。」
メルラン「影ながら応援してるわ。」
ルナサ「しくしく・・・・。」
やってきたのは、牛のフンです。
ルナサ「しくしく・・・。」
レミリア「これこれ、牛のフンさん。何で泣いてるの?」
ルナサ「うう・・・・。実は妹に、悪いやつを懲らしめるいい役があると言われて・・・。」
妖夢「まちがってはいないわ。安心しなさい。」
ルナサ「ハチにこの気持ちはわからないわ・・・・。」
パチュリー「とにかく、一緒に来てもらわないと話にならないから。」
ルナサ「しくしく・・・。」
牛のフンを一行に加えたカニの子供達は、サルの家にやってきました。
サルは留守だったので、一行は家に不法侵入しました。
レミリア「で、どうするの?」
パチュリー「ええ~と・・・・、まず、クリが囲炉裏に隠れて奇襲をかける。」
霊夢「囲炉裏なんて、魔理沙の家には無いと思う。」
パチュリー「じゃあ、暖炉にでも隠れてて。」
霊夢「やれやれ・・・・。」
パチュリー「次に、ハチが水瓶のあたりにかくれて、サルを刺す。」
妖夢「辻斬りとかは、趣味じゃないけどね。」
パチュリー「で、玄関まで逃げてきたサルを、牛のフンが滑らす。」
ルナサ「・・・・・・・。」
パチュリー「そして、屋根の上からウスが飛び降りて、サルをつぶす。」
紫「藍、しっかりね。」
藍「らじゃ!」
橙「がんばってね~。」
パチュリー「トドメに、私達がサルに攻撃をしかける。こんなところね。」
フランドール「各々、今こそ黒いのに復習するときよ。ちなみに、コンティニューは無し。」
レミリア「存分に、日ごろの恨みを晴らしてちょうだい。」
全員が、それぞれの持ち場で待機してしばらくたって、サルが帰って来ました。
魔理沙「うー、寒いぜ寒いぜ。寒くて死ぬぜ。」
何故か寒がっていたサルは、暖炉に火をつけて温もりました。
そのときです。
霊夢「熱いーーー!!!」
魔理沙「うわ!」
暖炉から火だるまになったクリが飛び出して来ました。
サルはクリからの攻撃を食らって、一緒に火だるまになってしまいました。
魔理沙「あつい!あつい~~!!」
霊夢「水~!水は何処!?」
二人は、水瓶に向かって一目散に駆け出しました。
そして、水瓶の中の水を浴びました。
ジュウウウ~~~・・・・
魔理沙「ああ、思わず焼肉になるところだったぜ。」
霊夢「やれやれ。おかげで私も黒くなっちゃったわ。」
水を浴びて一息ついていたそのとき、
ザクッ!
魔理沙「痛てえ!」
霊夢「痛い!」
ハチが現れました。
妖夢「ええと、どっちも黒いからわからないけど、とにかく!日頃の悪行三昧許すまじ。」
霊夢「ちょっと待て!私は何もしてないじゃない!」
妖夢「ええい、問答無用!ここで成敗してくれる!」
魔理沙「痛い痛い!刀で刺すな!」
霊夢「わーー!」
ハチの攻撃に、サルとクリは逃げるしかありませんでした。
そうこうしているうちに、二人は玄関まで逃げてきました。
レミリア「それじゃ、牛のフンさん。お願いね。」
ルナサ「放して~!!スマキにすることないじゃないの!」
レミリア「あら、妹さんたちが、そうしろって言ってきたわ。」
ルナサ「リ~リ~カ~・・・・。」
玄関の戸開き、サルが出てきました。
サルは玄関の前にいた牛のフンに気づくことなく牛のフンを踏んで、滑って転びました。
ズル!
魔理沙「うわ!」
ルナサ「むぎゅ・・・・。」
続いて出てきたクリは、サルを踏んで転んでしまいました。
ガッ!
霊夢「わ!」
魔理沙「ぐえ!」
ルナサ「ぎゅう・・・・。」
その様子を見ていたウスは、サルに狙いを定めます。
橙「今がチャンス!日頃の恨みを晴らすとき!」
紫「やっちゃいなさい。藍。」
藍「怨念の合体攻撃!とう!」
ウスは屋根の上から飛び降り、サル(とクリと牛のフン)をつぶしてしまいました。
霊夢「ぐっはあ!」
魔理沙「うええ!」
ルナサ「ぎゅむ~・・・・。」
そこへ、カニの子供達が姿を現しました。
レミリア「今よ。」
パチュリー「本の恨み、今ここで晴らしてやるわ。」
フランドール「出番が少なかった恨みもここで晴らす!」
カニの子供達は、サル(とクリと牛のフンとウス)に近づき、
レミリア「紅符『スカーレットマイスタ』」
フランドール「禁忌『レーヴァテイン』」
パチュリー「火水木金土符『賢者の石』」
スペルカードで攻撃しました。
子供達の一斉攻撃を食らったサルとその他いろいろは、ついに動かなくなってしまいました。
レミリア「終わったわね。」
フランドール「あー。すっきりした。」
パチュリー「でも、犠牲は大きかった・・・・。」
妖夢「そうですね・・・・。」
見ると、サル、クリ、牛のフンが、黒焦げで横たわっています。
レミリア「あれ?トーテムポールは?」
パチュリー「ウスでしょう。あの人たちなら・・・。」
橙「終わったね。」
藍「ああ・・・。紫様がいなかったら、私達もああなってた。」
紫「私がいて、よかったでしょ。」
フランドール「あれ、無事だったの?手ごたえはあったような気がしたけど。」
藍「あなたはサルごと私達ごと消そうとしてたのか。」
フランドール「地位を脅かす芽は、今のうちに摘み取っておかないとね。で、何で無傷?」
紫「私の開いた隙間に、皆で逃げました。」
レミリア「それより、これから打ち上げをやるけど、あなた達も来る?」
藍「どうします?」
紫「折角だから、お邪魔しましょうか。」
橙「ご馳走は出るの?」
レミリア「咲夜が生きてたら、きっと出るわ。ハチさんはどうする?」
妖夢「折角だから、お邪魔させていただきます。」
レミリア「そう。それじゃ、家に帰りましょう。」
こうしてカニの子供達は母カニの仇を討って、無事に打ち上げパーティーを開くことができました。
ちなみにこの後、子ガニの一人が貧血で倒れたり、ハチが庭の手入れを依頼されてこきつかわれたり、
ウスと子ガニの一人が弾幕ごっこで遊んだりしたそうですが、それはまた別の話・・・。
ともあれ、悪いサルを懲らしめることができましたとさ。
めでたしめでたし
リリカ「姉さん、かわいそうに・・・・・。」
メルラン「ほとんどあんたがやったんじゃない。」
キャスト
母ガニ 十六夜咲夜
サル 霧雨魔理沙
子ガニ1 レミリア・スカーレット
子ガニ2 フランドール・スカーレット
子ガニ3 パチュリー・ノーレッジ
クリ 博麗霊夢
ハチ 魂魄妖夢
ウス 八雲ファミリー(八雲藍、八雲紫、橙)
牛のフン ルナサ・プリズムリバー
ある日、サルとカニは一緒にお出かけしました。
魔理沙「ついに人類やめさせられたか・・・。」
咲夜「私なんて甲殻類よ・・・。」
サルとカニは休憩をとりました。
カニは、あらかじめ持ってきたお弁当を食べ始めました。
一方サルは、何も持ってきていませんでした。
魔理沙「なあ、少し恵んでくれないか?」
咲夜「変わりに何かくれるの?」
魔理沙「そうだな・・・・。」
サルは懐から、柿の種を取り出しました。
魔理沙「この、都合よく存在した、柿の種をやるぜ。」
咲夜「そんなので、腹は膨れないわ。」
魔理沙「何言ってんだ。あんたの能力使えば一瞬で実がなるじゃないか。」
咲夜「・・・・ま、食後のデザートも必要だし。」
カニは弁当の一部と柿の種を交換しました。
そしてカニは柿の種を植えました。
咲夜「早く芽をだせ柿の種。出さねばナイフでジャック・ザ・リッパー。」
魔理沙「植物相手に脅迫するな。」
カニが脅迫・・・じゃなくておまじないをかけると、柿の種から芽が出ました。
柿の種はみるみるうちに、立派な木になり、実をつけました。
魔理沙「桃栗三年、柿一分か・・・。」
咲夜「まあ、ざっとこんなもんね。」
魔理沙「じゃあ、食後のデザートとしゃれこむか。」
サルは素早く木に登って、柿の実をほおばり始めました。
一方カニはカニなので、木に登ることが出来ません。
咲夜「ちょっと!私にも頂戴よ。」
魔理沙「自分で取ればいいじゃないか。」
咲夜「無理よ。カニだから。」
魔理沙「しかたねえな。この渋くて堅い実でも食らえ!」
いじわるなサルはカニに向かって、まだ熟れていない堅い実を投げつけました。
その実は、カニに当たってしまいました。
ゴン!
咲夜「痛っ!ちょっと、何すんのよ!」
魔理沙「それはこっちの台詞だ。筋道のとおり、おとなしく死んでろ!」
咲夜「あんたにやられるのはしゃくにさわるのよ!これでも食らいなさい!!」
カニは反撃とばかりに、沢山のナイフをサルに向かって投げつけました。
魔理沙「うわ!危ねえな!」
咲夜「ち!はずしたか・・・・。」
魔理沙「この野郎!もう許さねえ!」
サルは、懐からスペルカードを取り出しました。
魔理沙「恋符『マスタースパーク』!!」
どかーん!
ゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・
咲夜「あ~・・・・・。」
サルが放ったそれは、カニをはるか遠くへ吹っ飛ばしてしまいました。
魔理沙「へ!ざまあみやがれ。」
サルは満足して帰っていきました。
一方サルに吹っ飛ばされたカニは、死にかかっていました。
咲夜「うぐぐ・・・・。類人猿の分際で・・・・。」
そのとき、カニの子供達がやってきました。
レミリア「さく・・・、お母さん、どうしたの?」
咲夜「お嬢様・・・・。じゃなくて、私の子供達・・・・・・。」
パチュリー「サルにやられたの?」
咲夜「そのとおりよ・・・・。台本は見ちゃダメ。」
レミリア「悪いサルね。お母さん、安心して。私達が仇を取ってあげる。」
咲夜「ありがとう・・・・。私の子供達・・・・。」
母カニは意識を失いました。
レミリア「お母さん?・・・・・お母さん!」
フランドール「死なないで~~!」
咲夜「「うぐぐ・・・・。妹様・・・くび、く・・・び・・・。(がく)」
パチュリー「あら、ほんとに死んじゃったわ。」
レミリア「きっと大丈夫よ。咲夜は割としぶといだから。」
フランドール「お姉様が言うなら、きっと大丈夫ね。」
パチュリー「それよりレミィ、あなた達、外に出て平気なの?」
レミリア「大丈夫よ。暗幕があるから。」
パチュリー「暗幕って、上で磔にされてる宵闇の妖怪?」
フランドール「軽く捕まえたわ。それで、スマキよりは磔のほうがいいって言った。」
レミリア「言ったの?」
フランドール「気がした。」
パチュリー「暗幕の一つくらいで、何とかなるものなのかしら?」
レミリア「細かいことはいいじゃない。で、パチェ。これからどうすればいいの?」
パチュリー「うーんと、とりあえず泣けばいいみたいよ。」
フランドール「泣いて周囲の同情を誘うのね。」
レミリア「それじゃあ、泣きますか。」
子ガニたちは、悲しみのあまり泣くしかありませんでした。
レミリア「しくしく・・・・。」
パチュリー「しくしく・・・・。」
フランドール「しくしく・・・・。」
そこへ、クリがやってきました。
霊夢「これこれ、甲殻類の子供達、何故泣いている。」
レミリア「しくしく・・・。最近人気が下降気味なので・・・・。」
霊夢「ちがうでしょ。」
パチュリー「じつは、かくかくしかじか・・・。」
霊夢「悪いゴキブリ・・・、じゃなくて、サルね。私も仇討ちを手伝いましょう。」
クリは、子ガニ達の話を聞き、仇討ちを手伝うことにしました。
霊夢「なんで、私がクリなのよ?いままで主役だったのに。」
パチュリー「ああ、それは、これから私達の知らない人たちが来るっていうから、あなたが仲介役を・・・。」
霊夢「わかったわかった。わかったからそれ以上言うな。要は無理矢理ね。」
フランドール「あら、そうこうしているうちに知らない人が。」
霊夢「この人は、半分人じゃないわ。」
次に、ハチがやってきました。
妖夢「カニの子供達、いったいどうしたの?」
パチュリー「最近、鉄分が足りてなくて、しょっちゅう貧血に・・・・。」
霊夢「前からでしょ。」
レミリア「じつは、かくかくしかじか・・・。」
妖夢「なるほど。悪いサルですね。私も手伝いましょう。」
ハチも話を聞いて、仇討ちを手伝うことにしました。
レミリア「で、あとは誰が来るの?」
パチュリー「ええ~と・・・・、ウスと牛のフンね。」
霊夢「どっちもいやな役割ね。誰がやるのよ・・・。」
少しして、誰かがやってきました。
藍「今日も楽しい演劇の時間~。」
橙「じかん~。」
レミリア「寸劇どころか、最早道化と化してるわ。」
藍「で、何で泣いてた?カニの子供達。」
フランドール「あなたたちの一家に、人気を盗られそうなので・・・・。」
霊夢「もう、何も言わないわよ。」
パチュリー「実はかくかくしかじか・・・・。」
藍「ひどい話ね。ここは、私達も強力するか。」
橙「悩み事は人に相談!これに限るね。」
霊夢「人じゃないでしょ。で、どっちが牛のフン?」
藍「私達にそんなもの押し付けないでほしい。」
霊夢「じゃあ、二匹でウス役なの?」
藍「私が橙を肩車すれば、万事解決。」
レミリア「でも、まだ軽いわよねえ。」
フランドール「狐さんは、体重に自身があるのかしら?」
藍「何か気になる言い回しね。」
紫「あら、それじゃ私も出ようかしら。」
藍「あ、紫様。目が覚めたんですか?」
紫「目が覚めてみれば、こんな楽しそうなことやってるし。おちおち寝ていられないわ。」
霊夢「で、あんたは牛のフン?」
紫「いえいえ。私が藍の上に乗って、橙が私の上に乗れば・・・・。」
パチュリー「見事なトーテムポールの完成ね。」
藍「ち、ちょっと、重いかも・・・・。」
紫「何か、言った?」
藍「いえ。何も。」
こうしてウスも仇討ちに加わりました。
霊夢「で、残るは牛のフンのみだけど・・・。」
レミリア「誰が来るのかしら?」
?「いやあああ~!!放して~~!!!」
また、誰かがやってきました。
霊夢「騒がしいと思ったら、騒がしいのがきたわねえ。」
ルナサ「いやああ~!!何で牛のフンなのよ~!!」
リリカ「だってー、姉さん黒いから。」
ルナサ「黒いのって、他にもいるでしょ!何で私なの~~!?」
メルラン「一人はサルだし、もう一人は暗幕代わりに磔にされてるわよ。」
ルナサ「そんな~~・・・。」
リリカ「折角、このときのために衣装まで作ったのに・・・。」
メルラン「帽子のてっぺんの飾りが、とぐろ巻いているやつね。」
ルナサ「こんなのいらないわよ!」
リリカ「じゃ、姉さんがんばってね。」
メルラン「影ながら応援してるわ。」
ルナサ「しくしく・・・・。」
やってきたのは、牛のフンです。
ルナサ「しくしく・・・。」
レミリア「これこれ、牛のフンさん。何で泣いてるの?」
ルナサ「うう・・・・。実は妹に、悪いやつを懲らしめるいい役があると言われて・・・。」
妖夢「まちがってはいないわ。安心しなさい。」
ルナサ「ハチにこの気持ちはわからないわ・・・・。」
パチュリー「とにかく、一緒に来てもらわないと話にならないから。」
ルナサ「しくしく・・・。」
牛のフンを一行に加えたカニの子供達は、サルの家にやってきました。
サルは留守だったので、一行は家に不法侵入しました。
レミリア「で、どうするの?」
パチュリー「ええ~と・・・・、まず、クリが囲炉裏に隠れて奇襲をかける。」
霊夢「囲炉裏なんて、魔理沙の家には無いと思う。」
パチュリー「じゃあ、暖炉にでも隠れてて。」
霊夢「やれやれ・・・・。」
パチュリー「次に、ハチが水瓶のあたりにかくれて、サルを刺す。」
妖夢「辻斬りとかは、趣味じゃないけどね。」
パチュリー「で、玄関まで逃げてきたサルを、牛のフンが滑らす。」
ルナサ「・・・・・・・。」
パチュリー「そして、屋根の上からウスが飛び降りて、サルをつぶす。」
紫「藍、しっかりね。」
藍「らじゃ!」
橙「がんばってね~。」
パチュリー「トドメに、私達がサルに攻撃をしかける。こんなところね。」
フランドール「各々、今こそ黒いのに復習するときよ。ちなみに、コンティニューは無し。」
レミリア「存分に、日ごろの恨みを晴らしてちょうだい。」
全員が、それぞれの持ち場で待機してしばらくたって、サルが帰って来ました。
魔理沙「うー、寒いぜ寒いぜ。寒くて死ぬぜ。」
何故か寒がっていたサルは、暖炉に火をつけて温もりました。
そのときです。
霊夢「熱いーーー!!!」
魔理沙「うわ!」
暖炉から火だるまになったクリが飛び出して来ました。
サルはクリからの攻撃を食らって、一緒に火だるまになってしまいました。
魔理沙「あつい!あつい~~!!」
霊夢「水~!水は何処!?」
二人は、水瓶に向かって一目散に駆け出しました。
そして、水瓶の中の水を浴びました。
ジュウウウ~~~・・・・
魔理沙「ああ、思わず焼肉になるところだったぜ。」
霊夢「やれやれ。おかげで私も黒くなっちゃったわ。」
水を浴びて一息ついていたそのとき、
ザクッ!
魔理沙「痛てえ!」
霊夢「痛い!」
ハチが現れました。
妖夢「ええと、どっちも黒いからわからないけど、とにかく!日頃の悪行三昧許すまじ。」
霊夢「ちょっと待て!私は何もしてないじゃない!」
妖夢「ええい、問答無用!ここで成敗してくれる!」
魔理沙「痛い痛い!刀で刺すな!」
霊夢「わーー!」
ハチの攻撃に、サルとクリは逃げるしかありませんでした。
そうこうしているうちに、二人は玄関まで逃げてきました。
レミリア「それじゃ、牛のフンさん。お願いね。」
ルナサ「放して~!!スマキにすることないじゃないの!」
レミリア「あら、妹さんたちが、そうしろって言ってきたわ。」
ルナサ「リ~リ~カ~・・・・。」
玄関の戸開き、サルが出てきました。
サルは玄関の前にいた牛のフンに気づくことなく牛のフンを踏んで、滑って転びました。
ズル!
魔理沙「うわ!」
ルナサ「むぎゅ・・・・。」
続いて出てきたクリは、サルを踏んで転んでしまいました。
ガッ!
霊夢「わ!」
魔理沙「ぐえ!」
ルナサ「ぎゅう・・・・。」
その様子を見ていたウスは、サルに狙いを定めます。
橙「今がチャンス!日頃の恨みを晴らすとき!」
紫「やっちゃいなさい。藍。」
藍「怨念の合体攻撃!とう!」
ウスは屋根の上から飛び降り、サル(とクリと牛のフン)をつぶしてしまいました。
霊夢「ぐっはあ!」
魔理沙「うええ!」
ルナサ「ぎゅむ~・・・・。」
そこへ、カニの子供達が姿を現しました。
レミリア「今よ。」
パチュリー「本の恨み、今ここで晴らしてやるわ。」
フランドール「出番が少なかった恨みもここで晴らす!」
カニの子供達は、サル(とクリと牛のフンとウス)に近づき、
レミリア「紅符『スカーレットマイスタ』」
フランドール「禁忌『レーヴァテイン』」
パチュリー「火水木金土符『賢者の石』」
スペルカードで攻撃しました。
子供達の一斉攻撃を食らったサルとその他いろいろは、ついに動かなくなってしまいました。
レミリア「終わったわね。」
フランドール「あー。すっきりした。」
パチュリー「でも、犠牲は大きかった・・・・。」
妖夢「そうですね・・・・。」
見ると、サル、クリ、牛のフンが、黒焦げで横たわっています。
レミリア「あれ?トーテムポールは?」
パチュリー「ウスでしょう。あの人たちなら・・・。」
橙「終わったね。」
藍「ああ・・・。紫様がいなかったら、私達もああなってた。」
紫「私がいて、よかったでしょ。」
フランドール「あれ、無事だったの?手ごたえはあったような気がしたけど。」
藍「あなたはサルごと私達ごと消そうとしてたのか。」
フランドール「地位を脅かす芽は、今のうちに摘み取っておかないとね。で、何で無傷?」
紫「私の開いた隙間に、皆で逃げました。」
レミリア「それより、これから打ち上げをやるけど、あなた達も来る?」
藍「どうします?」
紫「折角だから、お邪魔しましょうか。」
橙「ご馳走は出るの?」
レミリア「咲夜が生きてたら、きっと出るわ。ハチさんはどうする?」
妖夢「折角だから、お邪魔させていただきます。」
レミリア「そう。それじゃ、家に帰りましょう。」
こうしてカニの子供達は母カニの仇を討って、無事に打ち上げパーティーを開くことができました。
ちなみにこの後、子ガニの一人が貧血で倒れたり、ハチが庭の手入れを依頼されてこきつかわれたり、
ウスと子ガニの一人が弾幕ごっこで遊んだりしたそうですが、それはまた別の話・・・。
ともあれ、悪いサルを懲らしめることができましたとさ。
めでたしめでたし
リリカ「姉さん、かわいそうに・・・・・。」
メルラン「ほとんどあんたがやったんじゃない。」
キャスト
母ガニ 十六夜咲夜
サル 霧雨魔理沙
子ガニ1 レミリア・スカーレット
子ガニ2 フランドール・スカーレット
子ガニ3 パチュリー・ノーレッジ
クリ 博麗霊夢
ハチ 魂魄妖夢
ウス 八雲ファミリー(八雲藍、八雲紫、橙)
牛のフン ルナサ・プリズムリバー
次回作も期待してます!
いやきっと、それもカニの子供たちとトーテムポールの人が綿密に仕組んだ陰謀だったんですよ!!後で霊夢が「謀ったわね!!」って言ってそうです。