むかーしむかし、とある山里に、正直なじいさんが住んでいました。
このじいさん、普段は畑を耕したり、家の庭の掃除をしたりしてました。
霊夢「今回は私も老いぼれなのね・・・・。」
ある日のこと、いつものように畑を耕していると、向こうのほうから何かが走ってきます。
霊夢「はて、なんじゃあれは?」
走ってくるものは段々とじいさんに近づいてきます。
霊夢「庭師・・・・、じゃなくて、イヌ?」
じいさんに向かって走ってくるのは、一匹のイヌでした。
イヌはそのままじいさん目掛けて走ってきて、その胸に飛び込んできました。
ドカッ!
霊夢「グフッ!」
妖夢「た、助けてください!みょんみょん。」
霊夢「あ、頭から突っ込んでくるな・・・。助けるって、何から?」
そのとき、イヌが走ってきた方向から、一人のじいさんが走ってきました。
近所に住んでる欲張りじいさんです。
魔理沙「こら~!なんで私はまたじいさんなんだ~~!」
霊夢「台詞、ちがうでしょ。」
魔理沙「じゃなくてだ・・・。おう、正直じいさん、そのイヌをこっちによこしてもらおうか。」
欲張りじいさんはすごい剣幕で、イヌを睨みつけます。
妖夢「みょんみょん・・・・・。」
霊夢「いったい、何があったのじゃ、欲張りじいさん?」
魔理沙「そいつが、うちの庭を荒らしたから、お仕置きをしようと思ってだな・・・。」
妖夢「ご、誤解です。あんまり荒れてたから、手入れをしようと思って・・・・、みょんみょん。」
魔理沙「問答無用!さあ、正直じいさん、イヌをこっちによこしな!」
霊夢「まあまあ、ここはわしに免じて、許してやってくれんか・・・。」
妖夢「みょんみょん・・・・。」
魔理沙「そうはいかないな。」
霊夢「今度、うまい茶をご馳走するから・・・・。」
魔理沙「・・・・・ま、いいだろ。今度うちの庭に入ってきたら、ただじゃおかないからな!」
欲張りじいさんは、立ち去っていきました。
少しして戻って来ました。
魔理沙「なあ、一ついいか?」
霊夢「なによ?」
魔理沙「あんた、なんでそんなにジジイ役が上手いんだ?」
霊夢「あんたが『素』なだけよ。」
魔理沙「こんなの真面目にやるようじゃ、正直じいさんどころか、『バカ』正直じいさんだぜ。」
欲張りじいさんは、こんどこそ立ち去っていきました。
(バカ)正直じいさんは、助けたイヌに『シロ』と名づけ、大切に育て、こき使いました。
ある日、(バカ)正直じいさんが畑を耕していると、シロが畑にやってきて、吠えだしました。
霊夢「庭師・・・、じゃなくて、シロ、どうした?庭の手入れは?」
妖夢「ここほれ、みょんみょん。」
霊夢「・・・・『ここほれ、みょんみょん』って・・・・。」
妖夢「ここほれ、みょんみょん。」
霊夢「わかったわかった。それじゃあ、ほってみるかのう。」
(バカ)正直じいさんは、シロが示す場所をほってみました。
すると、ほった場所からは、大判小判がザクザク出てくるではありませんか。
霊夢「おお!大判じゃ小判じゃ!シロ、でかした!」
妖夢「みょん!」
この話は近所にも知れ渡りました。
そんなとき、話を聞きつけた欲張りじいさんがやってきました。
魔理沙「正直じいさん、私にそのイヌをかしてくれないか?」
霊夢「シロは、わしの大切な子供じゃ。それを持っていかせるなど・・・・・。」
妖夢「みょんみょん・・・・・。」
魔理沙「分け前3割。」
霊夢「おっけー。」
妖夢「ええ?そんな~・・・・・。」
欲張りじいさんは、いやがるシロを無理やり自分の家に引っ張っていきました。
魔理沙「さあ、お宝をさがしてもらおうか。」
妖夢「みょん・・・・・。」
シロは、欲張りじいさんのうちの畑や庭を探し回りました。
妖夢「ここほれ、みょんみょん。」
魔理沙「よしきた!」
シロが示す場所を、欲張りじいさんは一心不乱にほりかえします。
すると、中からでてきたのは
魔理沙「なんだこれは!白骨じゃないか!!」
妖夢「やっぱり、埋まってた。」
魔理沙「やっぱりって・・・・・。ああ、ここは、桜の木の下だな。」
妖夢「長年桜を見ていると、だいたいわかるのよね。」
魔理沙「そいつはすごいな。・・・じゃなくて、おい!よくも私をコケにしてくれたな!お前なんかこうだ!」
ぱこーん!
妖夢「きゅう・・・・・。」
欲張りじいさんは怒りのあまり、シロを殴り殺してしまいました。
欲張りじいさんは(バカ)正直じいさんのところに、シロの死体を持っていきました。
霊夢「で、シロを殺してしまった、と。」
魔理沙「ああ、それと、分け前だ。」
霊夢「白骨なんかもらってもねえ。それで、シロの死体は?」
魔理沙「そこの棺桶。」
妖夢「出して~!!ここから出して~!!!」
ドンドン
霊夢「なんか、聞こえてくるけど・・・・。」
妖夢「暗いよ~!狭いよ、怖いよ~!!」
ドンドン
魔理沙「気のせいだ。死人に口なし。」
霊夢「そうね・・・・。」
(バカ)正直じいさんは悲しみにくれながら、シロの墓を作りました。
そのお墓に、(バカ)正直じいさんは一本の苗木を植えました。
霊夢「シロのように、立派に育っておくれ・・・・。」
妖夢「うう・・・・。暗いよ~・・・。怖いよ~・・・。」
霊夢「幽霊のくせに・・・・。」
(バカ)正直じいさんがそう祈った瞬間、なんと苗木がぐんぐんと成長していくではありませんか。
咲夜「今回はこんな役なのね・・・・。」
霊夢「黒子がしゃべるな。」
木は立派に生長しました。
(バカ)正直じいさんは、その木をつかって、一つのうすを作りました。
そして、そのうすを使って餅をつきました。
すると、うすの中の餅が、大判小判に変化したではありませんか。
霊夢「こりゃあ、錬金術師も真っ青な現象じゃ・・・。」
この話はまたしても近所に知れ渡りました。
そして、またしても欲張りじいさんがやってきました。
魔理沙「そのうすを、私に貸してくれないか?」
霊夢「でも、このうすはシロの形見じゃから・・・・・。」
魔理沙「分け前5割。」
霊夢「おっけー。」
欲張りじいさんは、うすを持っていってしまいました。
そして、そのうすで餅をつきました。
しかし、いつまでたっても大判小判が出てくることはありませんでした。
魔理沙「おかしいな・・・。ま、とりあえず餅でも食べて休憩するぜ。」
欲張りじいさんは、つきたてほやほやの餅を食べました。
すると、
魔理沙「む!むぐぐ・・・!むぐぐぐ!」
欲張りじいさんは喉をつまらせてしまいました。
突然のことに驚いた欲張りじいさんは、そのへんを走り回りました。
そして、うっかり石につまづいてしまいました。
ズルッ!
ゴチーン!!
魔理沙「うぐ・・・・・。」
欲張りじいさんは転んだ拍子に、うすに頭をぶつけてしまいました。
その勢いで、餅は喉を通りましたが、なんとうすが割れてしまいました。
霊夢「で、うすが割れてしまったと・・・・。」
魔理沙「ああ。それと、これは分け前だ。」
霊夢「餅をもらってもねえ・・・。白骨よりマシだけど。」
魔理沙「すまねえな。詫びに『マスタースパーク』、これをやるぜ。」
欲張りじいさんはスペルカードを置いて立ち去っていきました。
(バカ)正直じいさんは割れたうすを燃やすのも面倒だったので、そのスペルカードで処分しました。
霊夢「恋符『マスタースパーク』」
うすは原型をとどめることなく、灰になりました。
(バカ)正直じいさんが、その灰を拾い集めると、なんとその灰は全部『春度』になったじゃありませんか。
試しにその『春度』を、家の庭の枯れた桜にまいてみました。
すると、その桜は満開になってしまいました。
霊夢「花見は飽きたっていうのに・・・・。」
この話は近所をこえて町へ、町をこえて、とある屋敷の主人の耳に入りました。
(バカ)正直じいさんは、その屋敷の主人に呼ばれました。
幽々子「この屋敷の桜を満開にして下さいな。」
霊夢「ではでは、枯れ木に花をさかせましょー!」
(バカ)正直じいさんが春度をまくと、屋敷の桜は瞬く間に花を咲かせました。
屋敷の主人は大喜びです。
幽々子「おお、日本一のはなさか巫女さん!」
霊夢「当たってるけど違う。」
幽々子「もとい、幻想郷一のはなさかじじいさん、褒美をとらせる!」
霊夢「ありがたやありがたや・・・。」
幽々子「それにしても、これはすごいわねー。またお花見ができるわ。」
霊夢「またやるの?」
幽々子「妖夢に手入れしてもらわないと。・・・そういえば妖夢は?」
霊夢「土の中に埋まったまんまだったような・・・・。」
そのとき突然、欲張りじいさんが現れました。
魔理沙「ちょっと待った!私こそが幻想郷一のはなさかじじいだ!」
幽々子「その証拠は?」
魔理沙「この立派な桜に、花をさかせてみせるぜ!ちょっと、春度よこせ。」
欲張りじいさんは(バカ)正直じいさんから、春度を奪ってしまいました。
そして、立派な桜に、春度をまきました。
幽々子「あれ、そういえばその桜・・・・。」
霊夢「どうかしたの?」
幽々子「確か、西行妖(さいぎょうあやかし)・・・・・。」
魔理沙「へ?」
立派な桜は、花を咲かせ始めました。
霊夢「・・・・・逃げるか。」
幽々子「そうね。逃げましょ。」
霊夢「がんばってね!欲張りじいさん!」
魔理沙「おい!こら~!にげるな~~!」
桜から発生した沢山の弾が、欲張りじいさん目掛けて飛んできます。
魔理沙「わ~~~!!!」
一方非難した(バカ)正直じいさんと屋敷の主人は、それを見守っていました。
霊夢「あー、あれは八分咲きってとこかしら?」
幽々子「そうなの?まあ、わたしは普段見れないんだけどね。」
霊夢「あんた、ここにいていいの?」
幽々子「いいんじゃない?そんな細かいこと。」
霊夢「それもそうね。」
幽々子「あ、落ちた。」
欲張りじいさんは、西行妖(さいぎょうあやかし)に撃墜されてしまいました。
(バカ)正直じいさんは、大判小判に加えて褒美とかをもらったので、大変裕福になりましたとさ。
めでたし、めでたし
妖夢「誰か~・・・・。ここから出して~・・・・・。」
キャスト
(バカ)正直じいさん 博麗霊夢
欲張りじいさん 霧雨魔理沙
シロ(イヌ) 魂魄妖夢
屋敷の主人 西行寺幽々子
このじいさん、普段は畑を耕したり、家の庭の掃除をしたりしてました。
霊夢「今回は私も老いぼれなのね・・・・。」
ある日のこと、いつものように畑を耕していると、向こうのほうから何かが走ってきます。
霊夢「はて、なんじゃあれは?」
走ってくるものは段々とじいさんに近づいてきます。
霊夢「庭師・・・・、じゃなくて、イヌ?」
じいさんに向かって走ってくるのは、一匹のイヌでした。
イヌはそのままじいさん目掛けて走ってきて、その胸に飛び込んできました。
ドカッ!
霊夢「グフッ!」
妖夢「た、助けてください!みょんみょん。」
霊夢「あ、頭から突っ込んでくるな・・・。助けるって、何から?」
そのとき、イヌが走ってきた方向から、一人のじいさんが走ってきました。
近所に住んでる欲張りじいさんです。
魔理沙「こら~!なんで私はまたじいさんなんだ~~!」
霊夢「台詞、ちがうでしょ。」
魔理沙「じゃなくてだ・・・。おう、正直じいさん、そのイヌをこっちによこしてもらおうか。」
欲張りじいさんはすごい剣幕で、イヌを睨みつけます。
妖夢「みょんみょん・・・・・。」
霊夢「いったい、何があったのじゃ、欲張りじいさん?」
魔理沙「そいつが、うちの庭を荒らしたから、お仕置きをしようと思ってだな・・・。」
妖夢「ご、誤解です。あんまり荒れてたから、手入れをしようと思って・・・・、みょんみょん。」
魔理沙「問答無用!さあ、正直じいさん、イヌをこっちによこしな!」
霊夢「まあまあ、ここはわしに免じて、許してやってくれんか・・・。」
妖夢「みょんみょん・・・・。」
魔理沙「そうはいかないな。」
霊夢「今度、うまい茶をご馳走するから・・・・。」
魔理沙「・・・・・ま、いいだろ。今度うちの庭に入ってきたら、ただじゃおかないからな!」
欲張りじいさんは、立ち去っていきました。
少しして戻って来ました。
魔理沙「なあ、一ついいか?」
霊夢「なによ?」
魔理沙「あんた、なんでそんなにジジイ役が上手いんだ?」
霊夢「あんたが『素』なだけよ。」
魔理沙「こんなの真面目にやるようじゃ、正直じいさんどころか、『バカ』正直じいさんだぜ。」
欲張りじいさんは、こんどこそ立ち去っていきました。
(バカ)正直じいさんは、助けたイヌに『シロ』と名づけ、大切に育て、こき使いました。
ある日、(バカ)正直じいさんが畑を耕していると、シロが畑にやってきて、吠えだしました。
霊夢「庭師・・・、じゃなくて、シロ、どうした?庭の手入れは?」
妖夢「ここほれ、みょんみょん。」
霊夢「・・・・『ここほれ、みょんみょん』って・・・・。」
妖夢「ここほれ、みょんみょん。」
霊夢「わかったわかった。それじゃあ、ほってみるかのう。」
(バカ)正直じいさんは、シロが示す場所をほってみました。
すると、ほった場所からは、大判小判がザクザク出てくるではありませんか。
霊夢「おお!大判じゃ小判じゃ!シロ、でかした!」
妖夢「みょん!」
この話は近所にも知れ渡りました。
そんなとき、話を聞きつけた欲張りじいさんがやってきました。
魔理沙「正直じいさん、私にそのイヌをかしてくれないか?」
霊夢「シロは、わしの大切な子供じゃ。それを持っていかせるなど・・・・・。」
妖夢「みょんみょん・・・・・。」
魔理沙「分け前3割。」
霊夢「おっけー。」
妖夢「ええ?そんな~・・・・・。」
欲張りじいさんは、いやがるシロを無理やり自分の家に引っ張っていきました。
魔理沙「さあ、お宝をさがしてもらおうか。」
妖夢「みょん・・・・・。」
シロは、欲張りじいさんのうちの畑や庭を探し回りました。
妖夢「ここほれ、みょんみょん。」
魔理沙「よしきた!」
シロが示す場所を、欲張りじいさんは一心不乱にほりかえします。
すると、中からでてきたのは
魔理沙「なんだこれは!白骨じゃないか!!」
妖夢「やっぱり、埋まってた。」
魔理沙「やっぱりって・・・・・。ああ、ここは、桜の木の下だな。」
妖夢「長年桜を見ていると、だいたいわかるのよね。」
魔理沙「そいつはすごいな。・・・じゃなくて、おい!よくも私をコケにしてくれたな!お前なんかこうだ!」
ぱこーん!
妖夢「きゅう・・・・・。」
欲張りじいさんは怒りのあまり、シロを殴り殺してしまいました。
欲張りじいさんは(バカ)正直じいさんのところに、シロの死体を持っていきました。
霊夢「で、シロを殺してしまった、と。」
魔理沙「ああ、それと、分け前だ。」
霊夢「白骨なんかもらってもねえ。それで、シロの死体は?」
魔理沙「そこの棺桶。」
妖夢「出して~!!ここから出して~!!!」
ドンドン
霊夢「なんか、聞こえてくるけど・・・・。」
妖夢「暗いよ~!狭いよ、怖いよ~!!」
ドンドン
魔理沙「気のせいだ。死人に口なし。」
霊夢「そうね・・・・。」
(バカ)正直じいさんは悲しみにくれながら、シロの墓を作りました。
そのお墓に、(バカ)正直じいさんは一本の苗木を植えました。
霊夢「シロのように、立派に育っておくれ・・・・。」
妖夢「うう・・・・。暗いよ~・・・。怖いよ~・・・。」
霊夢「幽霊のくせに・・・・。」
(バカ)正直じいさんがそう祈った瞬間、なんと苗木がぐんぐんと成長していくではありませんか。
咲夜「今回はこんな役なのね・・・・。」
霊夢「黒子がしゃべるな。」
木は立派に生長しました。
(バカ)正直じいさんは、その木をつかって、一つのうすを作りました。
そして、そのうすを使って餅をつきました。
すると、うすの中の餅が、大判小判に変化したではありませんか。
霊夢「こりゃあ、錬金術師も真っ青な現象じゃ・・・。」
この話はまたしても近所に知れ渡りました。
そして、またしても欲張りじいさんがやってきました。
魔理沙「そのうすを、私に貸してくれないか?」
霊夢「でも、このうすはシロの形見じゃから・・・・・。」
魔理沙「分け前5割。」
霊夢「おっけー。」
欲張りじいさんは、うすを持っていってしまいました。
そして、そのうすで餅をつきました。
しかし、いつまでたっても大判小判が出てくることはありませんでした。
魔理沙「おかしいな・・・。ま、とりあえず餅でも食べて休憩するぜ。」
欲張りじいさんは、つきたてほやほやの餅を食べました。
すると、
魔理沙「む!むぐぐ・・・!むぐぐぐ!」
欲張りじいさんは喉をつまらせてしまいました。
突然のことに驚いた欲張りじいさんは、そのへんを走り回りました。
そして、うっかり石につまづいてしまいました。
ズルッ!
ゴチーン!!
魔理沙「うぐ・・・・・。」
欲張りじいさんは転んだ拍子に、うすに頭をぶつけてしまいました。
その勢いで、餅は喉を通りましたが、なんとうすが割れてしまいました。
霊夢「で、うすが割れてしまったと・・・・。」
魔理沙「ああ。それと、これは分け前だ。」
霊夢「餅をもらってもねえ・・・。白骨よりマシだけど。」
魔理沙「すまねえな。詫びに『マスタースパーク』、これをやるぜ。」
欲張りじいさんはスペルカードを置いて立ち去っていきました。
(バカ)正直じいさんは割れたうすを燃やすのも面倒だったので、そのスペルカードで処分しました。
霊夢「恋符『マスタースパーク』」
うすは原型をとどめることなく、灰になりました。
(バカ)正直じいさんが、その灰を拾い集めると、なんとその灰は全部『春度』になったじゃありませんか。
試しにその『春度』を、家の庭の枯れた桜にまいてみました。
すると、その桜は満開になってしまいました。
霊夢「花見は飽きたっていうのに・・・・。」
この話は近所をこえて町へ、町をこえて、とある屋敷の主人の耳に入りました。
(バカ)正直じいさんは、その屋敷の主人に呼ばれました。
幽々子「この屋敷の桜を満開にして下さいな。」
霊夢「ではでは、枯れ木に花をさかせましょー!」
(バカ)正直じいさんが春度をまくと、屋敷の桜は瞬く間に花を咲かせました。
屋敷の主人は大喜びです。
幽々子「おお、日本一のはなさか巫女さん!」
霊夢「当たってるけど違う。」
幽々子「もとい、幻想郷一のはなさかじじいさん、褒美をとらせる!」
霊夢「ありがたやありがたや・・・。」
幽々子「それにしても、これはすごいわねー。またお花見ができるわ。」
霊夢「またやるの?」
幽々子「妖夢に手入れしてもらわないと。・・・そういえば妖夢は?」
霊夢「土の中に埋まったまんまだったような・・・・。」
そのとき突然、欲張りじいさんが現れました。
魔理沙「ちょっと待った!私こそが幻想郷一のはなさかじじいだ!」
幽々子「その証拠は?」
魔理沙「この立派な桜に、花をさかせてみせるぜ!ちょっと、春度よこせ。」
欲張りじいさんは(バカ)正直じいさんから、春度を奪ってしまいました。
そして、立派な桜に、春度をまきました。
幽々子「あれ、そういえばその桜・・・・。」
霊夢「どうかしたの?」
幽々子「確か、西行妖(さいぎょうあやかし)・・・・・。」
魔理沙「へ?」
立派な桜は、花を咲かせ始めました。
霊夢「・・・・・逃げるか。」
幽々子「そうね。逃げましょ。」
霊夢「がんばってね!欲張りじいさん!」
魔理沙「おい!こら~!にげるな~~!」
桜から発生した沢山の弾が、欲張りじいさん目掛けて飛んできます。
魔理沙「わ~~~!!!」
一方非難した(バカ)正直じいさんと屋敷の主人は、それを見守っていました。
霊夢「あー、あれは八分咲きってとこかしら?」
幽々子「そうなの?まあ、わたしは普段見れないんだけどね。」
霊夢「あんた、ここにいていいの?」
幽々子「いいんじゃない?そんな細かいこと。」
霊夢「それもそうね。」
幽々子「あ、落ちた。」
欲張りじいさんは、西行妖(さいぎょうあやかし)に撃墜されてしまいました。
(バカ)正直じいさんは、大判小判に加えて褒美とかをもらったので、大変裕福になりましたとさ。
めでたし、めでたし
妖夢「誰か~・・・・。ここから出して~・・・・・。」
キャスト
(バカ)正直じいさん 博麗霊夢
欲張りじいさん 霧雨魔理沙
シロ(イヌ) 魂魄妖夢
屋敷の主人 西行寺幽々子
『みょんみょんと鳴く「妖夢福」』……萌えるぜ…