魔女が紅い妖霧の中を行く。
適当に名もない妖怪たちを魔法でどかしながら、湖の中央の島を目指していく。
妖怪たちの攻撃がやみ、魔女は安堵のため息をついた。
そして吸い込んだ空気と妖霧にせきこんでしまう。
魔理沙「これだけ強い妖気だと、普通の人なら三十分もつかどうかだな」
美鈴「普通の人じゃなくても三十分はもつでしょうね」
目の前に現れた緑色の服の妖怪が、空中で一度足踏みをした。
少なくとも魔理沙にはそう見えた。
震脚の衝撃が弾幕に変じて周囲に広がっていく。
妖怪はさらに畳み掛けるように気の塊を魔女に撃ちこんでいく。
魔理沙は反射的にマスタースパークを放ち、全ての弾をかき消した。
魔「邪魔だよ。ここの番人なんだろ?」
美「番人だから、邪魔をするのよ」
ボムで傷ついた美鈴がセラギネラ9を撃ち出した。
実用性と形状美を兼ね備えたスペルカードに魔理沙は一瞬目を奪われた。
直撃。
魔女は門番に排除された。
美「困ったなぁ、自分の足で帰ってもらうはずだったのに」
門番は魔女を背負って紅魔館の門の前にいた。
そこには門の守護メイド隊が並んでいる。
美「そんなわけでこの黒いのを湖の外の安全な所まで運んで、
適当に介抱して置いてくる役を引き受けてくれる子はいない?」
一列目左「美鈴さん、食べないんですか?」
美「この子はそこそこ強いから、また戦いたいのよ」
二列目中央の右「では私が。森の中に結界を張って中に入れておきます」
美「許可。気をつけて行ってきて」
当の魔女はまだ目を回したまま門番の背中で動かなかった。
巫女が紅魔館の門の前にいた。
門番が間に割り込んで立ちはだかる。
霊夢「あなた、何者?」
美「えー、普通の人よ。あんたは?」
霊「私は巫女をしている普通の人よ」
美「それはよかった、たしか巫女は食べてもいいって言い伝えが」
霊「どこの言い伝えよ」
美「例えば巫女みこナー、ごふっ」
霊「言い伝えるな!」
一列目右「あのー、拳ではなく弾幕で語ってください」
霊「そこ、冷静につっこまない!」
ルーミア「そこの黒いの、起きなさいよ」
魔理沙は何度目かの呼びかけに目を覚ました。
魔「おはよう、ってあんたも同じ黒じゃないか?」
ル「人の通り道に布団敷いて寝るなんて信じらんないわ」
魔理沙は夜の森で地面に敷かれた布団に、律儀にもパジャマを着て寝ていた。
いつもの服は風呂敷でまとめられて木の枝にかけられていた。
魔「私も信じられないぜ。一体どうなってるんだ?」
魔理沙は自分の姿をまじまじと見つめた。
手には包帯やネコのキャラクターの絆創膏がついている。
パジャマの中も同じような状況だろう。
ル「あ、霧が晴れたみたい」
木の間から見える空は、紅から紺に色を変えていた。
ル「霧がないなら飛んでいくから、もうどかなくていいわよ。じゃあね」
妖怪は両腕を広げて飛び立った。
魔女はそれを見送ると、掛け布団を三つ折に畳みながらひとりごちた。
魔「それじゃ、私は神社にでも行ってくるかな。
そこの人、お礼にお茶くらい淹れてやるぜ?」
木の陰からメイドが一人、顔を出した。
二列目中央の左「美鈴さん、事件です!
二列目中央の右がいつまでたっても帰りません!」
美「ただちに捜索隊を編成して。一刻を争う事態かもしれないわ」
霧がなくとも紅魔館の門付近は賑やかだった。
適当に名もない妖怪たちを魔法でどかしながら、湖の中央の島を目指していく。
妖怪たちの攻撃がやみ、魔女は安堵のため息をついた。
そして吸い込んだ空気と妖霧にせきこんでしまう。
魔理沙「これだけ強い妖気だと、普通の人なら三十分もつかどうかだな」
美鈴「普通の人じゃなくても三十分はもつでしょうね」
目の前に現れた緑色の服の妖怪が、空中で一度足踏みをした。
少なくとも魔理沙にはそう見えた。
震脚の衝撃が弾幕に変じて周囲に広がっていく。
妖怪はさらに畳み掛けるように気の塊を魔女に撃ちこんでいく。
魔理沙は反射的にマスタースパークを放ち、全ての弾をかき消した。
魔「邪魔だよ。ここの番人なんだろ?」
美「番人だから、邪魔をするのよ」
ボムで傷ついた美鈴がセラギネラ9を撃ち出した。
実用性と形状美を兼ね備えたスペルカードに魔理沙は一瞬目を奪われた。
直撃。
魔女は門番に排除された。
美「困ったなぁ、自分の足で帰ってもらうはずだったのに」
門番は魔女を背負って紅魔館の門の前にいた。
そこには門の守護メイド隊が並んでいる。
美「そんなわけでこの黒いのを湖の外の安全な所まで運んで、
適当に介抱して置いてくる役を引き受けてくれる子はいない?」
一列目左「美鈴さん、食べないんですか?」
美「この子はそこそこ強いから、また戦いたいのよ」
二列目中央の右「では私が。森の中に結界を張って中に入れておきます」
美「許可。気をつけて行ってきて」
当の魔女はまだ目を回したまま門番の背中で動かなかった。
巫女が紅魔館の門の前にいた。
門番が間に割り込んで立ちはだかる。
霊夢「あなた、何者?」
美「えー、普通の人よ。あんたは?」
霊「私は巫女をしている普通の人よ」
美「それはよかった、たしか巫女は食べてもいいって言い伝えが」
霊「どこの言い伝えよ」
美「例えば巫女みこナー、ごふっ」
霊「言い伝えるな!」
一列目右「あのー、拳ではなく弾幕で語ってください」
霊「そこ、冷静につっこまない!」
ルーミア「そこの黒いの、起きなさいよ」
魔理沙は何度目かの呼びかけに目を覚ました。
魔「おはよう、ってあんたも同じ黒じゃないか?」
ル「人の通り道に布団敷いて寝るなんて信じらんないわ」
魔理沙は夜の森で地面に敷かれた布団に、律儀にもパジャマを着て寝ていた。
いつもの服は風呂敷でまとめられて木の枝にかけられていた。
魔「私も信じられないぜ。一体どうなってるんだ?」
魔理沙は自分の姿をまじまじと見つめた。
手には包帯やネコのキャラクターの絆創膏がついている。
パジャマの中も同じような状況だろう。
ル「あ、霧が晴れたみたい」
木の間から見える空は、紅から紺に色を変えていた。
ル「霧がないなら飛んでいくから、もうどかなくていいわよ。じゃあね」
妖怪は両腕を広げて飛び立った。
魔女はそれを見送ると、掛け布団を三つ折に畳みながらひとりごちた。
魔「それじゃ、私は神社にでも行ってくるかな。
そこの人、お礼にお茶くらい淹れてやるぜ?」
木の陰からメイドが一人、顔を出した。
二列目中央の左「美鈴さん、事件です!
二列目中央の右がいつまでたっても帰りません!」
美「ただちに捜索隊を編成して。一刻を争う事態かもしれないわ」
霧がなくとも紅魔館の門付近は賑やかだった。