1.
とてものどかな迷い家の屋根の上で、一人(一匹?)のネコ耳少女が寝転んでいた。
「ふぁぁぁ、暇だよ~~」
大欠伸をかきながら幸せそうな顔で愚痴っているこの少女、
これでも妖怪なのである。その名を橙(チェン)と言う。
迷い家は彼女たち妖怪の郷、だが極稀に迷い込んでくる人間を追い払うくらいしかする事は無い。
そんなわけで橙は無駄に暇を持て余していた。
「暇だ~~~・・・」
同じ台詞を何度言ったことだろう。ふと空を見上げると、視界全てが青で覆われた。
青い空に自分が吸い込まれていくような錯覚を覚える。
「・・・・・どっか行ってみようかな」
妖怪である橙には、歩きより遥かに速くて楽な移動手段がある。それは空を飛ぶこと。
彼女にとっては造作も無いことで、幻想郷の人間も3人ほど空を飛ぶことができる。
だが、だからといって安直に空へ飛び立つのは面白くない。橙は別の方法でお出かけしようと考えていた。
「とうっ!」
瞬間。橙は屋根から飛び降りた。クルクルと前方宙返りをし、着地直前に全身が光に包まれる。そして着地。
その光の中から出てきたのは一匹の黒猫だった。
「さあ出発ニャ」
黒猫は郷を出て歩き出した。
2.
魔理沙は自分の屋敷でいつものように本を読んでいた。
本を読むといってもどこかの魔女のようにずっと引きこもっているのではなく、
読みたいときに読みたい本を読み散らす程度。彼女にとっては趣味か暇つぶし程度のものでしかない。
「ニャ~」
猫の鳴き声が聞こえてきたのは、何気なく手にした『世界の怪拳・奇拳』を眺めている時だった。
「猫か・・・こんな辺鄙な所に来るなんてまったく5963だな」
「白黒魔法使い!いるなら出てくるニャ」
「・・・・猫を飼ったりはしないけど、しゃべる猫なら研究用として歓迎するぜ」
つぶやきながら魔理沙が外に出てくると、声の主と思われる黒猫が玄関先に座っていた。
「魔理沙!お散歩に行くニャ!」
「・・・ハァ?」
これには頭の切れる魔理沙も理解不能だった。
事の全てを聞いた魔理沙は納得・・・・・・・・・するはずもない。
「散歩したいなら一人(一匹か?)で行けばいいじゃないか。なんで私を誘う?」
「案内役ニャ。私は自分の郷の外をよく知らないから案内役が必要ニャ」
「ふ~ん・・・・じゃあ、明日行こうと思ってた所があるんだがそこに行ってみるか?」
「行くニャ!絶対行くニャ!今すぐ行くニャ!」
黒猫は尻尾をピンと立てて大喜びした。
とてものどかな迷い家の屋根の上で、一人(一匹?)のネコ耳少女が寝転んでいた。
「ふぁぁぁ、暇だよ~~」
大欠伸をかきながら幸せそうな顔で愚痴っているこの少女、
これでも妖怪なのである。その名を橙(チェン)と言う。
迷い家は彼女たち妖怪の郷、だが極稀に迷い込んでくる人間を追い払うくらいしかする事は無い。
そんなわけで橙は無駄に暇を持て余していた。
「暇だ~~~・・・」
同じ台詞を何度言ったことだろう。ふと空を見上げると、視界全てが青で覆われた。
青い空に自分が吸い込まれていくような錯覚を覚える。
「・・・・・どっか行ってみようかな」
妖怪である橙には、歩きより遥かに速くて楽な移動手段がある。それは空を飛ぶこと。
彼女にとっては造作も無いことで、幻想郷の人間も3人ほど空を飛ぶことができる。
だが、だからといって安直に空へ飛び立つのは面白くない。橙は別の方法でお出かけしようと考えていた。
「とうっ!」
瞬間。橙は屋根から飛び降りた。クルクルと前方宙返りをし、着地直前に全身が光に包まれる。そして着地。
その光の中から出てきたのは一匹の黒猫だった。
「さあ出発ニャ」
黒猫は郷を出て歩き出した。
2.
魔理沙は自分の屋敷でいつものように本を読んでいた。
本を読むといってもどこかの魔女のようにずっと引きこもっているのではなく、
読みたいときに読みたい本を読み散らす程度。彼女にとっては趣味か暇つぶし程度のものでしかない。
「ニャ~」
猫の鳴き声が聞こえてきたのは、何気なく手にした『世界の怪拳・奇拳』を眺めている時だった。
「猫か・・・こんな辺鄙な所に来るなんてまったく5963だな」
「白黒魔法使い!いるなら出てくるニャ」
「・・・・猫を飼ったりはしないけど、しゃべる猫なら研究用として歓迎するぜ」
つぶやきながら魔理沙が外に出てくると、声の主と思われる黒猫が玄関先に座っていた。
「魔理沙!お散歩に行くニャ!」
「・・・ハァ?」
これには頭の切れる魔理沙も理解不能だった。
事の全てを聞いた魔理沙は納得・・・・・・・・・するはずもない。
「散歩したいなら一人(一匹か?)で行けばいいじゃないか。なんで私を誘う?」
「案内役ニャ。私は自分の郷の外をよく知らないから案内役が必要ニャ」
「ふ~ん・・・・じゃあ、明日行こうと思ってた所があるんだがそこに行ってみるか?」
「行くニャ!絶対行くニャ!今すぐ行くニャ!」
黒猫は尻尾をピンと立てて大喜びした。