恐慌焦燥話

酉京都大学教養科目「酒と文化2」⑤近代の安酒

2017/04/01 00:13:31
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スライド投影のために抑えられていた照明が明るくなる。学生同士の雑談や講師へ質問する学生の声が交わり教室内が一気に騒がしくなった。それからしばらくしてチャイムが放送され、講義の終了時間となったことが示される。

「んんーっ」

大きく伸びをしながら蓮子は立ち上がる。週最後の講義は延長することなく無事に終了した。

「あー、終わった。今回は面白かったわね」
「メリーもそう思った?」
「これまでの中では一番じゃないかしら?」
「そうね。レポート描くのもこの講義のにしようかしら」
「それがいいと思うわ。2つ選択なんだからそろそろ決めなきゃと思うし」

話は中々に聞き取りやすく分かりやすく、神亀の遷都前の文化について考える良い材料でもあり、なにより旧型の大衆酒という非常に興味深い話題でもあった。どの講義もこれくらい面白ければいいのに、と思うが、かなしきかなこのような選択の教養科目と必修の講義とでは大きな差があるのはいつの時代も変わらない。

「ならまずお酒選びから始めないと」
「そうね。と、いうことは?」
「うーん、先にスーパーに行って銘柄を調べるか、それともいきなりオールドアダムに突っ込む?」
「堅実なのは前者だけど……、それだと面白くないわね」
「それなら決定ね。あそこの食事は高いからどこか別のところでご飯を食べてから行きましょ」

そう話しながら二人は教室を後にした。どうやら今週末の秘封倶楽部の、最初の活動が決まったようだ。
その後、オールドアダムにてマスターや同席者から甲類焼酎や旧二級ウイスキーを勧められ、その舌に来る刺激の強さに目を回したり、アルコールの回りの速さに目を回したり、会計の時の値段に目を回したりするのだが、それはまた別のお話である。



完全な奇襲攻撃でした。
安酒合同主催、春日傘さん、申し訳ございません。

こんな作品は載っていませんが、安酒合同は本当に明日4/2の名華祭で頒布されます。
https://blogs.yahoo.co.jp/onmoraki2000/20578256.html
ご興味あればぜひ。
あおこめ
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1.891一本の蝋燭削除
伊吹先生結婚してください
2.891月宮 あゆ削除
東方とお酒は切っても切れない関係です
意外と知らなかった甲種と乙種の違い