全てを失った男は、流浪の旅の果てに、小さな廃寺に辿り着く。そこにあったのは、八分咲きで時を止めた桜と、その下に佇む少女だった――。死に場所を求めた男と、死に誘うことしかできない少女の、定められた結末へ向かうだけの、失われた物語。