天子「こころ育成計画〜!」 輝空『育成計画〜!』 ここ「育成計画〜! ……なにするの?(きょとん)」 天子「こころ、こないだの騒動を神楽で表現したっていうじゃない?」 ここ「うん」 輝夜「今度は、他の皆のところを回って、それを題材に舞を作ってみたらどう、って話よ」 ここ「ほほう、なるほど(興味津々)」 輝夜「そして、霊夢や白蓮さん、神子にみせて、こころの成長っぷりを見せてやろうっていう計画よ」 お空「そこで私たちが色々案内しよう、と思ったわけ」 ここ「面白いかもしれない。まずどこ行くの?」 お空「まずは紅魔館ね」 〜紅魔館〜 レミリア「――なるほど、それでウチに来たのね」 輝夜「ここは一つ、西洋の大物としての格を見せてあげてよ」 レミリア「といっても、常に話題に塗れてるわけじゃあ……」 ここ「またまた、そんなぁ」 レミリア「……私、面霊気になんだと思われてるの?」 ここ「どたばたおやぶん」 レミリア「……追い出すわよ。つうか誰よ、吹き込んだの」 天子「まあまあ、いいじゃないの。名が売れてるんだし」 レミリア「ったく……まあ、堅実に異変の話でもいいけど……面霊気の感情を育成しようと思ってきたのよね?」 お空「そうなるかな」 レミリア「なら、館内で色々聞いてみるといいよ。フラン、咲夜、パチェ、美鈴と話題には事欠かない連中だからね。     妖精メイドも色々やってるし、最近雇った連中もいるし、そのほうがいいんじゃないか、私一人から聞くよりも」 ここ「おー、えらい人だ(吃驚)」 レミリア「……ほんとになんだと思ってたのよ」 お空「面白い話が色々聞けたわね」 ここ「うん♪(喜)なんて名付けようか……吸血神楽、深紅神楽……あ、スカーレットポゼッションとか(楽)」 輝夜「気に入ってるみたいね。……それにしても、悪魔の館なのに、なんだか楽しそうな館ね」 天子「さて次は……幽々子さんのとこね」 〜冥界〜 幽々「――それで今度はウチに?」 ここ「うん、色々聞かせてほしいの」 幽々「ふむ、そうねぇ……せっかくだし、私と舞ってみる? 有り様は違うかもしれないけど、何かが見えてくるかもしれないわよ」 天子「お、それ面白そうじゃない」 輝夜「いい機会じゃない。まずやってみたらどう? 話を聞くのはそれからでも遅くないわよ」 ここ「わかった、やってみる」 幽々「では、よろしくお願いします」(にこり ここ「うー、疲れた」 幽々「お疲れ様」 お空「すごーい、詳しくない私でも見入っちゃったわ」 ここ「おそまつさまでした(ペコリ」 輝夜「ふむ、違うものを一緒に表現する……文化の取り入れに近いものがあるわね。これは何か開けるかも」 幽々「それならよかったわ」 ここ「そうか、文化と文化の融合だ!」 お空「ガタッ」 輝夜「座ってなさい」 お空「(´・ω・`)」 天子(早苗も反応しそうね) 幽々「じゃあ、堅苦しいのは終わりにして、お茶でもどう? 人里で買ってきたお茶と芋羊羹あるわよ(笑)」 4人『わーい♪』 幽々「ふふ、いい返事ね(笑)あ、そうだ、輝夜さん」 輝夜「ん?」 幽々「企み、巧くいくといいわね(笑)」 輝夜「あら、なんのことかしら?」 幽々「うふふ、私は何も知らないわ(笑)」 輝夜「……」 〜永遠亭〜 輝夜「――と言うわけで連れてきたの」 永琳「それはいいけど、私で役に立てるか……あ」 お空「どうしたの、永琳先生」 永琳「丁度今、メディスンがきてるのよ。ひょっとしたら、いろいろと話せるんじゃないかしら」 輝夜「あら、それはありそうね。人形とお面、話の引き出しはありそうだわ」 永琳「ええ、色々話す共通点はあると思うわ」 天子「よーし、私らも同席して話聞いてみよう」 ここ「秦こころです。今後ともよろしゅう」 メディ「メディスン・メランコリーよ。よろしくね」 お空「色々と話し込めてるみたいね」 天子「なるほど、何かを演じると言う意味合いでは、人形もお面も同じってことか」 輝夜「でしょ」 永琳「でも他に何かあるような……ああ、なるほど」 お空「どうしたの?」 永琳「いや、バルーンスカートが同じだと思って」 天子「ああ、そういわれてみれば確かに」 輝夜「いや、確かにそーなんだけどさぁ……なんでそこに目をつけたの?」 永琳「あら、可愛いじゃない」 お空(永琳先生って時々ずれてるところあるわね) 天子(あんたが言うか) 永琳「まあ、それは置いとくにしても――」 輝夜「?」 永琳「二人にとっていい刺激になると思うわ。メディスンにも色々とふれてみてほしいもの」 天子「薬師、なんか母親みたいね」 永琳「そうかしら? まあ、ちょっと前より丸くなったかもね」 輝夜「永琳も成長してるってことね」 永琳「それは喜ばしいことだわ」 〜無縁塚〜 映姫「――それで、私に話を聞きたいと?」 ここ「聞けば、貴方は元お地蔵様とのこと。元希望の面についても色々と確認できるかな、って」 映姫「ええ、確かに。ですが、貴方の持っていた希望の面とは関係ないと思いますが」 ここ「いえ、なんとなくお地蔵様を彷彿とさせるお面らしいので」 映姫「(ガクッ)……ま、まあ、いいでしょう。何から聞きたいのですか?」 ここ「うーん、と――」 輝夜「……長くなりそうねぇ」 お空「いい話なのはわかるんだけど、閻魔様は話長いから」 天子「私、数分で逃げるわ。もっとスパッと終わらないものかしらね」 映姫「――なので、喜怒哀楽のはっきりした様が、そもそも生を演じているというのかもしれません。そういう意味では、貴方はこれからです」 ここ「なるほど(真剣)」 映姫「演じることが生業の貴方からすれば、感情についての知識を吸収することもきっと出来るはず。多くを知ること、それが貴方に出来る善行よ」 ここ「わかりました! よーし、もっと知るぞー!」(ガッツポーズ 映姫「いい返事ね、お説教のしがいがあるわ。……そこの三人も見習ってくれるといいんだけど?」 三人『ぎくっ』 輝夜「固いこと言わないでよ〜」 映姫「貴方もそもそも長生きなのだから、その意味をもっと深く考えて――」 お空「ま、まあまあ、閻魔様。その辺は今度の会合で……(笑)」 映姫「会合はいつも宴会とか食事会になっちゃってそんなヒマないじゃありませんか。私だって宴会や食事会ぐらい説教しないで済ませたいですよ」 天子「案外話わかるんだから、普段もそのぐらいならいいのに」 映姫「それはそれ、これはこれ、です。そもそも――」 〜地底・旧都〜 萃香「――あっはっは、それで説教食らってたのか(笑)」 お空「大変だったよ。閻魔様もアレさえなければなぁ」 萃香「ふむ、まあ確かにためにはなったみたいだぁね。と、なると、私もちゃんと教えないと名が廃るか」 輝夜「お酒関連はダメよ」 萃香「あっはっは、流石にそんなことはしないよ(笑)まあ、そうだねぇ……うん、その昔、鬼と神が同じだった頃の話でもしようか」 ここ「鬼と神が同じ?(疑問)」 萃香「そうそう。面としてのお前さんの生みの親である、聖徳道士とも関係のある話だから聞いておいて損はないよ」 萃香 ここ「――つまり、鬼に『童子』って付いてるのは……」 萃香「そう、童が鬼に近いってことから。聖徳道士が童子の髪型にして物部を打ち破った、ってあるようにね」 ここ「おお、これは神楽の題材にも使えそうだ」 萃香「そういう話は色々あるから、探してみるといいよ。人里の寺子屋教師辺り、詳しいんじゃないかい」 輝夜「ふ〜ん、なかなか面白いところから持ってきたわね」 萃香「あの道士に面霊気として成長した姿を見せ付けてやりたいんだろ? だったらあの道士に関連あることを教え込むのが一番さ(笑)」 天子「ふむ、それは確かに……って、目的まで見抜かれてたか」 お空「案外人が悪いわね、萃香ちゃん」 萃香「何を今更(笑)私は鬼だよ、正真正銘のね(笑)」 〜守矢神社〜 神奈「――ふ〜ん、それでここにも来たと」 ここ「色々学べて面白かったよ(喜)」 神奈「ふむ、それなら私も教え込んで、と言いたいところだが――」 輝夜「が?」 神奈「皆が色々教え込んでるようだから、私は敢えて、第三者からみた状況を気付かせてあげようかな」 天子「どういうこと?」 神奈「うん。――こころ、この3人がなんで真剣に貴方の成長を考えてるか、わかるかしら?」 ここ「むー?」(←ちらり、と三人を見る 三人『……』 ここ「……よくわからない(哀)」 神奈「哀しむ事はないよ、そこに気付くこともその『育成計画』とやらのうちさ。……さて、私なりの答えを言うとしようか。それは楽しみだからだ」 ここ「楽しみ?」 神奈「うん。貴方が色々と吸収して妖怪としても成長し、そして私たちの集まりにすんなりと馴染む――その結果を楽しみにしているから、この3人は動いた」 三人『……』 ここ「……そうなの?」 天子「……さて、どうかしら? 案外単に暇つぶしで面白いから、かも知れないわよ?」 神奈「素直じゃないわね(笑)――こころ、貴方が今まで話を聞いてきた連中も、その結果を望んでる。もちろん、私もね。だから――」 ここ「だから?」 神奈「――彼女たちの最終試験、しっかりと受け止めてきなさい」(←三人を示す ここ「最終試験?」 輝夜「……あら、バレてた?」 神奈「なに、私も同じことをしただろうからね。それに、幻想郷(ここ)の流儀でしょ?(笑)」 輝夜「……まったく、幽々子といい、風神様といい、見透かしてくるわねぇ」 〜帰り道〜 天子「――とりあえず、一通り回ったけど、どうだった?」 ここ「うん、色々と学べたわ♪(喜)……でも」 お空「なにかしら?」 ここ「最終試験って何?」 輝夜「ふむ……そうね、ここなら開けてるし、丁度いいか。――こころ」 ここ「な、なに?(驚)」 輝夜「――私たちは、貴方を連れ出して色んなところに案内した」 天子「――それが貴方にとってどういう糧になったのか」 お空「――私たちが見極める!」 (三人、構える) ここ「む! なるほど、幻想郷を見て回った私自身の考えをお前たちに示す! それが最終試験ということか!(狐面)」 輝夜「その通り!」 天子「その時にこそ、貴方の舞は!」 お空「天の空に輝く!」 三人『さあ、我らと戦って、更なる貴方自身の舞を手に入れろ!』 ここ「望むところだ! さあ、三人纏めて相手になってやるぞ!(狐面)」 輝夜「その意気やよし! ――輝く月と」 お空「燃える太陽と」 天子「そびえる大地が」 三人『相手になろう!』 ここ「相手にとって不足なし! いざ! 尋常に――」 四人『――勝負!』 〜博麗神社〜 霊夢「あら、来たのね」 神子「こころに呼ばれてね。なにやら大作が出来たと聞いて」 白蓮「それにしても、真っ先に私たちを呼んで披露するとは……」 マミ「なに、あやつなりに儂ら――特にお前さんら三人に対して見せてやりたいのじゃろ。ちゃんと見てやるんじゃぞ」 霊夢「まあ、いいけどね。あいつの神楽は見応えあるし、神社で舞う分には見ておいたほうがいいだろうし」 神子「私は結構楽しみですよ。私が作ったお面から生まれた妖怪がどんな育ち方をしたのか、もね(笑)」 白蓮「ええ、私も楽しみです。そういえば、輝夜さんと天子さんとお空ちゃんが色々協力したみたい、とは聞いていますが……」 霊夢「……また、えらく教え役に向かなさそうなメンツね」 マミ「ふぉっふぉっふぉ、そう見える奴が案外、面白い方向に導いたりするもんじゃ」 神子「かもしれないな(笑)」 白蓮「意表を突いたものが見られるかもしれませんね」 マミ「――うむ、始まるようじゃ」 ここ「――お集まりいただき、ありがとうございます、皆さん。それでは、私、秦こころが幻想郷を回って作り上げた能楽『幻想郷』をご覧ください――」 〜ちょっと離れた高台〜 天子「お、やってるわね」 お空「巧く出来るといいな」 輝夜「こころなら問題ないでしょ。プロよ、プロ。……あ〜あ、あんだけキメ台詞考えたのに、意外にあっさり負けちゃったなぁ」 天子「あいつ接近戦強いのねぇ。ちゃんと対策を考えておくべきだったわ。でも、勝負としては面白かったわね」 お空「そうそう、私らは悪役でよかったのよ。そういう役回りも面白かったし。あと、次に勝てばいいのよ!」 輝夜「そうね」 レミリア「……まったく、回りくどい真似してるわね」 輝夜「あ、レミリア」 永琳「私は姫たちもなかなか味のある真似を、と思ったけどね」 お空「永琳先生」 天子「なんだ、みんなわかってたんだ」 レミリア「なんだかんだで、全員理解してるよ。――ま、あんたらのがんばりって点も含めてね」 お空「えへへ」 永琳「お疲れ様、3人とも。3人の先生とこころには、頑張ったご褒美にはなまるをあげましょう」 三人『いえーい(笑)』 レミリア「……やれやれ、どっちが生徒なんだか」