++チルノ鑑賞記氏の観戦記++
1.経過
下馬評では圧倒的にレミリア有利。巷では空気嫁とまでいわれた恋娘が、どこまでレミリアに食いついていけるかが焦点であった。
試合開始直前、会場にてチルノコールが巻き起こり、この勢いで支援、票が集まればなかなかよい勝負にはなるのではなかろうか。そんな期待が心に芽生える。しかし>>361により暗躍疑惑が浮上がした。いきなり暗雲の垂れ込めたチルノへの記念すべき一票目は>>374。しかしこのときの時刻は 23:53:14 。いくらなんでも早すぎはしないか。苦難の航海を暗示するような船出である。
さて、投票開始より20秒。最初の支援はチルノ入場SS。しかし2/3? 1/3はどこだ。さらに続く>>407によるSSと絵の支援はなかなかのきわどい映像。これが起爆剤となるか、それとも諸刃の剣となるのか。さて、投票はレミリアラッシュで幕をあけた。羅列される<<レミリア>>の文字列に愕然とするも、永、萃とリリースされた後であるという状況を考えればやむをえない事であり、ある意味計算どおりでもある。開始一時間を持って票差は約30。非常に苦しいが、この間の支援弾幕はレミリアに勝るとも劣らず、むしろ勝っているといってもよいだろう。巻き返しに期待したい。2:00時において最初の支援まとめが張られる。開始二時間でこれほど集まるとはチルノ陣営の弾幕は厚い。いや熱い。しかしこれならばという期待をよそに、レミリアは着々と票を重ねていった。開始2時間ほどではレミリアにも相応の支援が展開され、固定票はもとより、もとから傾きつつあったレミリア予備軍を確実に取り込んでいったのだろう。
2:00〜3:00時でもやや差を広げられたが、ようやく小康状態になったと思われた。しかし、次の1時間はチルノ陣営にとって悪夢となる。この間、スレ自体には良質なチルノ支援が連続で投下されている。支援スペースだけを見ればかなりチルノに分があると思われたのだが、レミリアの得票はペースをほぼ維持したのに対し、チルノ票の足は止まった。レミリア固定ファン層の厚さを否が応にも思い知らされる。
さて、4:00〜7:00まで投票は小康状態となり、翌朝の一服後の投票動向が気にかかるところである。何とかここで少しでも挽回したいところであるが、鋭い出足を見せたのはまたしてもレミリア陣営であった。7:00〜9:00チルノが寝坊している間にさらに差を広げる。6:00〜9:00はレミリア陣営の支援弾幕が厚く、寝起きの投票者の心を掴むことに成功したといえる。
9:00〜11:00はレミリア陣営に目立った動きは無く、>>29などの強力な支援もあってかほぼ互角の戦いを展開する。しかし、その後の二時間は再びの悪夢となった。チルノ陣営の支援が止まり、逆にレミリアの支援が次々と投下され、レミリアは飛躍的に票を伸ばしたのである。支援の動向が即座に票に反映されたと言えよう。
13:00後半から15:00までにチルノ陣営には大きな動きがあった。良質なSSが複数投下され、レミリア陣営の動きが少なかったこともあってか14:00〜15:00の間、初めて単位時間得票数でレミリアを上回る。その後も支援は続くものの、レミリア陣営も巻き返しの弾幕を投下したためか、15:00〜16:00で得単位時間票数で再度上回られる。あるいは<<レミリア>>の文字列の減少によって、レミリアよりの傍観者が行動を起こしたのかもしれない。
16:00〜20:00の間、互いの陣営はほぼ互角の勝負を演じる。特に19:30頃まででは支援の多くをチルノ側が投下し18:00〜19:00では得票数でレミリアを上回った。支援者の熱意が揺れていた人間を取り込むのに成功した時間帯だった。
人口の増える20:00時以降両者の支援に熱を帯びる。しかし、ここでの支援合戦を制したのはおそらくレミリア陣営であっただろう。22:00以降チルノ陣営は最後の意地を見せ、多数の弾幕を惜しげもなく投下。駆け込み投票も加わり、最後の一時間はレミリアを僅かに押さえることに成功し、有終の美を飾った。
全体としては、チルノは支援が行き届いている状況でようやくレミリアと互角。スタートダッシュを決め、支援を得たタイミングでに確実に差を広げたレミリアの順当勝ちといえるだろう。
2.支援
チルノ陣営では良質のSSが多数投下された。一人で複数投下する支援者もおり、熱心なファンの存在を示した。絵や他の支援では双方譲らずといったところだろうか。以上より、対戦中の支援内容においてはチルノがやや分があったと言いたい(主観込み)が、浮動票の大半を得るところまでは至らなかった。瞬間のインパクトという点でSSは絵に一歩譲るところがあり、前回最萌と比してスレの消費、支援の厚さとも尋常ではないので、投票者もじっくり読むだけの余裕が無かったのではないか。この点もチルノにとってはやや不運だったかもしれない。
3.総評
萃夢想効果。そして属性の多彩さ。この言葉がかなりの重みを持つのではないか。以前のレミリアは『れみりゃ』や霊夢に甘える図などはあるものの、総じて圧倒的な力量とカリスマ。という属性であった。しかし萃夢想により、幼さ、かわいさとカリスマという一種相反する要素を完全に兼ね備えるキャラクターに変貌を遂げた。
対するチルノだが、永夜抄では出番が無く萃夢想でもEDの背景のみに留まり、永以降でかなり増加したと思われる人口に対するアピール不足が大きかった。よい意味での子供っぽさはレミリアのカリスマに対抗しうるポイントであったが、これもまた前述の効果によりかなりの部分が相殺されてしまったと見る。しかし今回の最萌を通して、チルノは「等身大の少女」という立ち位置を得たのではないだろうか。少なくとも、今回の結果により彼女が忘れ去られていくということはないだろう。
4.展望
多数の属性を持ったレミリアに死角無し。もちろん激戦区のDブロック勝ち抜きは容易ではないが、どのタイミング、アプローチでも安定して得票できる彼女を、私は優勝候補の筆頭に上げる。
他陣営の奮起を期待して観戦記の締めとさせてもらう。
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