1.はじめに このテキストは、初心者がこれを真似すれば強くなれるよ!的なオーダーテキストではない。 求められることは、真似することではなく、考えることである。 クラン・クランはめっちゃかわいい。 2.はじめに2 9/20現在の東方蟒酒宴ver1.16において、強力な文明の一つとされているこの紅魔館勢力。 キャラ人気も含めて使用率もトップクラスであるこの文明であるが、 まだまだその可能性は未知数であり、使いこなしたと言うにはほど遠く、 そして使いこなしている人がいるとはとてもじゃないが言い難い。 では、何故この文明の文明スペックを引き出すのが難しいのか。 その理由の一つとして、明確なフィニッシュブロウ(※)に欠けていることが挙げられる。 ※フィニッシュブロウ……いわゆるひとつの必殺技。相手は死ぬ。 例えば、花映塚ならL花畑による防衛とフルアップ花赤の攻撃が決まればまず負けないし、 守谷神社でいえば、青本+緑本+早苗スペル+神奈子スペルでの王者の行進は、 仮に複数国で全力で止めにいったとしてもそうそう止まるものではない。 フィニッシュブロウの存在は、文明のコンセプトをハッキリとさせ、 スペックを引き出し勝利していく上で大きな道標となる。 では紅魔にそれがあるのかというと、通常兵の戦闘力ボーナスはなく、 妖夢やお燐、永江のように連打できる戦線維持スペカもなければ、 アリス、永琳などのようなユニット強化のスペカも存在しない。 そのため、どうしても主戦場でのぶつかり合いによる決戦ではなく、 そこに至るまでの過程、すなわちハラスや内政、 または局地戦といった副次的な要素で優位に立ちにいく必要がある。 これらの要素は、自分の動きはもちろん、相手の対応などによって刻々と変化していき、 何はともあれこれだけやっておけばいいというものが存在しないため、 その場その場で最適解を判断していく必要がある。 もちろん、そんなものはRTSの基本事項であり、そここそが面白いわけだが、 一般文明がフィニッシュブロウに向けてその道筋を微調整することがメインであることに対して、 紅魔にはフィニッシュブロウが存在しないため、 自分で最終形およびそこまでの道筋を用意してやらなければならない。 このテキストでは、そのフィニッシュブロウの用意および道筋の作成の材料として、 文明特性を一つずつ改めて見ていくことで、文明スペックを引き出していこうというものである。 このテキストを通じて、 一歩でも紅魔館および紅魔館使いのステップアップに繋がれば、 私としては嬉しい。 なお、基本的に想定しているのはチーム戦である。 とはいえ、ほとんどの場所はh2hとほぼ変わらない、と思う。 3.紅魔館の文明特性(ざっと) まず、目次も兼ねて箇条書きで長所および短所をリストアップする。 ■長所 ・建設不可の建物がない ・生産不可の軍事ユニットがない。 ・咲夜UPによる白ユニット(以下農民)が早い堅い強い。 ・レミリアUPによる軍事ユニットの生産速度アップ ・赤本の移動速度が図書館で何か研究するたびに少しずつ上がる。 ・Hフラン、N咲夜を筆頭にハラス能力が高いUU(ユニークユニット)。 ■短所 ・軍事ユニットの性能アップが存在しない(赤本を除く) ・UUのHPが全体的に低い ・UUのスペカが主戦場ではあまり有効ではない。 この辺だろうか。 では、早速だが、手順を追って見ていこう。 ■建設不可の建物がない 塔、結界、壁といった防衛施設が全て建築可能であることを指す。 農民を倒すことが非常に容易な本ゲームにおいて、 それを阻止するための防衛施設の存在は非常に大きい。 資源結界、遠征塔、終盤の壁囲いなど、あらゆるところでこのメリットは働いてくれる。 ■生産不可の軍事ユニットがない。 本が作れない三月や、本をLにできない一部文明が存在する中、 紅はしっかりと3種兵士、3種本のルナティックアップグレードが可能である。 生産不可の兵種が存在することは、アンチによる対応力を大きく削ぎ、 相手につけ込む隙を与えてしまう。仮に青兵、青本を全く出していないとしても、 青兵および青本を出せるということはそれだけでプレッシャーとなっている。 ■咲夜UPによる白ユニット(以下農民)が早い堅い強い。 具体的には、Nの咲夜アップで移動速度が赤兵より少し遅い程度まで上がり、 Hで赤兵より早くなる。そしてLでHP/攻撃力がそれぞれ240/10になる。 農民の移動速度アップは、 ハラスを受けた際の農民被害を少なくする。 生産した農民が資源に辿り着くまでが早い。 建築場所まで辿り着くまでが早い。 といった要素が重なり、間接的に内政ボーナスを得る形となっている。 ■レミリアUPによる軍事ユニットの生産速度アップ 各魔法陣からのメイドの生産時間がN/H/Lでそれぞれ通常の90/80/66(%)となる。 生産速度アップは、結果的に魔法陣の数が少なくすむため魔力ボーナスに繋がるし、 また兵士の補給が早いことで戦線の維持がしやすく、 相手の軍を見てアンチユニットを出しやすい。 ■赤本の移動速度が図書館で何か研究するたびに少しずつ上がる。 赤兵クラスまで移動速度が上がることにより、 補充が早いことはもちろん、建物間の移動時間が短くなっていること、 赤兵による対応から逃げることで兵士を引きつけることなど、 色々な場面で強力なボーナスである。 ■Hフラン、N咲夜を筆頭にハラス能力が高いUU(ユニークユニット)。 瞬間移動によりハラスを事前に察知して被害をなくすことが不可能な咲夜のスペカと、 高い移動速度から放たれる、農民を一撃で倒すH以降のフランのスペカは、 どう頑張っても対処できるものではなく、ほぼ確実に敵農民を減らすことができる。 ■軍事ユニットの性能アップが存在しない(赤本を除く) ここから短所。 花映塚の赤兵射程アップ、天界の防御力と攻撃力が上がった緑兵といったような、 軍事ユニットの戦闘能力アップボーナスが赤本以外に存在しないため、 アンチに負けるのはもちろん、同色とのぶつかり合いでも数をかなり上回らなければ 勝つことは難しい。 ■UUのHPが全体的に低い Nは3つともHPが200以下ということで、非常に脆い。 特に序盤は建物の射撃のダメージが相対的に高いため、塔や中心の周りに近づきづらい。 ■UUのスペカが主戦場ではあまり有効ではない。 一つ上のHPの低さも相まって、局地戦ならともかく、 大軍がぶつかりあう主戦場では、スペカ発動前に潰されたり、 一回使うたびに消耗して再生産の必要がでてくるため、そこまで有効ではない。 各特徴としてはこんなところだろうか。 ここからは、これらの文明特性を組み合わせて紅魔の文明コンセプトを導いていきたいと思う。 4.紅魔の使い方を考える 〜内政編〜 ■資源は積極的に遠征しにいく。 マップのありとあらゆるところには資源が点在している。 しかし、外周や中央のものに関しては、そこに行くまでの手間や、 軍に襲われた時の被害を天秤に掛け、それらを必要としない資源配分をすることが多い。 特に酒資源に関しては、無限に湧いてくる醸造所もあるため自陣周りの酒資源がなくなると、 木を切って醸造所に切り替えることが多い。 醸造所は基本的に通常の酒資源よりも採集速度は遅いものの、 結果的にそちらのほうがよいという判断は一般的な文明なら正しい。 しかし、紅魔は違う。 紅魔は農民の移動速度が速いため、軍による被害をそこまで恐れなくてもよいし、 そもそも資源地に辿り着くまでの時間も短いので できるだけ中央や外周の資源は取りにいったほうがよい。 それにより、魔力を使う醸造所を試合終盤まで建築しなくてよいことによる魔力の節約や、 一般的には有限である信仰資源をできるだけ多く確保できることにより、 終盤戦における軍編成の幅を広くすることができる。 極論すれば、敵陣の近くの資源を取りにいってもいい。 建物の射程範囲内でなければ、敵兵が来てから逃げればよいのだ。 ■本陣に攻められてもギリギリまで内政してればよい これも農民の移動速度アップによるものである。 一般的な文明は農民の早さが赤兵よりも遅いため、 先を読んで本陣を放棄しなければ、農民が全滅し壊滅的な被害を受ける。 しかし、紅は赤兵よりも農民のほうが早いため、ギリギリまで内政した上で、 少しずつ農民を逃がしてやればよい。 ■積極的に資源配分を変えていく これもまた農民の移動速度アップによるものだが、 紅は魔力から酒、酒から信仰への移動が短い時間で行えるため、 採集資源を変更することによるロスが非常に少ない。 そのため、まずはHキープのために酒ばかり取っておき、 そこからLに入る必要がでてきたので、農民の大半で信仰採集を行う、 といったことも可能だ。 さらに、相手のハラスに対しても、 農民を中心に逃がす→反対側に出して反対側の資源を採集する、 といったことが素早く行えるため、内政被害が通常よりも少なく済む。 〜ハラス編〜 ■スペカは2分に一回しっかり使う。 何はともあれまずは紅魔はここから始まる。 フランのレーバティン(以下レバ剣)でも、咲夜にプライベートスクウェア(以下プラベ) でもそうだが、状況を選ばず使えば一定の農民被害を与えられるスペカなので、 できるだけチャージが完了した瞬間に使いたい。 ■スペカを使う時以外は積極的なハラスにはいかない。 他文明感覚で紅魔を使うとありがちなのが、 建物の射撃を少し喰らいつつも無理にハラスにいったら、 肝心のスペカを使う時に体力があまりなくて無茶ができない、という状況である。 もちろんフランも同じで、レバ剣を使う時はその場に停止するため、 体力が少ない状態ではスペカ発動前に倒されてしまうのはもちろん 辿り着く前に力尽きることもままある。 スペカを使う前に倒されてしまうと、次の再生産完了までスペカを使えないため、 チャージ時間が無駄になってしまう。絶対に倒されていけない。 絶対に倒されないためには、やはり体力MAXでスペカを使うことが一番なので、 スペカを使う時以外は守りだったり偵察だったりと消極的に動かしていこう。 ■スペカを使ったらそのまま死ぬ。 プラベおよびレバ剣の後、UUの体力は半分以下ないし瀕死近くにまでなってしまっていることがほとんどだ。 この状態で帰ってきても、次のスペカの時に有効な戦果を上げづらいので、 ギリギリまで農民を攻撃して、そのまま力尽きて再生産するのがベストである。 ■UUは倒される?DELる? 倒される→倒した文明と自分に50点 DELる→点数は誰も増えない となっているが、どちらがいいのか。 答えは、基本的には倒されたほうがよい、である。 何故かというと、まずひとつはDELるより農民を最後まで攻撃できることと、 序盤〜中盤において、紅魔より得点を必要とする文明がほとんどいないからである。 特に得点をほとんど必要としない三月が相手にいる場合は、 三月に倒されることで一方的に50点を獲得できたようなものなので、 防衛施設が建設不可なことも含めて、ハラスは三月に行うのがベストである。 もちろん、スペカは別のとこで使って、そのまま三月に特攻してきてもよい。 ■UUが死んだらすぐにキューはいれない 兵士が迫ってきてて、ユニークがいないと返せない、などならば話は変わるが、 ハラス目的のための再生産ならば、倒された直後にやるのは得策ではない。 チャージタイムが終わると同時にスペカを使えさえすればいいので、 咲夜ならば農民5人(15*5=75s)の生産予約から咲夜(30s)を生産すれば合計105秒となるため、 プラベ使用→倒される→再生産→プラベ使用までの流れをほぼ隙間なく行うことができる。 そして、フランの場合は敵陣まで走る必要があるため、15秒早く、 すなわち農民4人からのフラン生産により90s後に再生産するのがよいだろう。 ユニーク生産をできるだけ後にすることで、少しでも農民が多い時間を作っていく、 細かいかもしれないが、こういうところで内政優位をしっかり築いていきたい。 ■プラベの使い方 基本的に使う→敵の酒か信仰の近くに移動して密着して射撃、 終わり際に魔力のところに移動という流れが良い。 何故魔力が最後かというと、基本的に木は中心射撃が届かなかったり防衛施設が遠かったりで、 倒されるまでに攻撃できている時間が少し長くなることが多いからである。 また、発動中は攻撃対象ユニットを右クリックするのではなく、 近くに移動して自動で攻撃させる方が操作が楽だし効率も良い。 また、建物に打たれるのは無視でいいものの、敵の兵士が攻撃してきてる場合は、 赤兵や緑兵なら近づかれないように移動しながら農民への攻撃を継続し、 青兵や本ならば別のところに移動するのが無難である。 目指せ盗塁王。 ■レバ剣の使い方 基本的に酒のところに走れば農民はいるので、走って振るだけである。 できれば、その前のプラベでどの辺に農民がいるかを把握しておこう。 移動の仕方としては、できるだけバレないように外側を回って近づきつつ、 行く時は直線で一気に近づいてレバ剣を振ればよい。 思ったより判定は広いので、その辺は実際にCPU戦で素振りして感覚を掴んでいこう。 目指せ本塁打王。 レバ剣を振った後は、適当に農民殴って倒しつつ倒されよう。 これは咲夜にも言えるが、ほぼ無傷でスペカを使えたならば、もちろん帰ってもよい。 ■終盤のLunatic十六夜 終盤戦ともなると得点はあまりスペカが使い放題となる。 それに加えて、咲夜はプラベの効果が終了すると同時に再使用が可能となるため、 スペカ状態の半永久的維持が可能となる。。 この時重要なのは、農民を倒すことはもちろん、敵陣地の偵察、 裏小屋による奇襲の警戒などがあるが、何より重要なのは醸造所の破壊である。 密着して打てばすぐ壊れるため、防衛の甘い部分に立っている醸造所および農民は 簡単に壊し倒すことができる。 相手としては対処しないわけにはいかないので兵士を向けて追い払うこととなるが、 そうすると相手は前線の軍量を減らすことになり、しかも十六夜は逃げるので倒せない。 相手からすると悪夢この上ないので、狙っていきたい。 ■レミリアは? レミリアを使う場合は、スペカ主体ではなく本体スペックを活かしたハラスがメインとなる。 特にレミリアだからこう、というのもないのでここでは割愛する。 一応Lレミリアのスペカは農民一撃なので、後半の操作量に余裕があるなら使っていきたい。 あいつだって首位打者。 〜戦闘編〜 ■何はともあれ基本は赤兵 これは別に紅だからどうというわけはなく、蟒酒宴の基本なので詳細は割愛する。 赤兵を闘わせる際に気をつけることは、同数では当てないこと。 花赤、地赤、妖赤、天赤といった赤が強くなる文明に同数で当てても勝てないので、 その場では引く、ないしLならば農民も合わせて戦闘していこう。 基本的に生産速度および内政被害の差により、後になれば軍量差が生まれてくる文明である。 絶対に勝ってる時以外は当ててはいけない。 ■農民による弾避け。 L農民は攻撃力こそたいしたものはないものの、移動速度が速くHPも240と高い。 戦闘ではその性能を活かして、赤兵より先行し、青兵の射撃を釣りだし回避することで、 軍の被害を抑えるといった使い方が可能だ。 終盤戦は細かな農民被害よりも、陣地を取り合うことがメインとなる。 使える農民は戦闘に使い、4中心から次々と補充していこう。 ■紅魔は前線構築能力が高い。 これは、農民の戦闘能力および、兵士の生産時間短縮に起因しているものである。 具体的な要素を挙げると、 ・農民の避難が容易であるため、前線を破壊されても被害が少なく復旧も早い。 ・農民が戦闘に参加できることと、兵士の生産時間が早いため、前線の兵士が通常より多い。 といったところだろうか。 そのため、Hで前線に一つ中心を立てつつ、L入りでその近くに二つ中心を立てることで、 その周囲を内政地も兼ねた要塞とすることができる。 そして、それはできれば中央に陣取りたい。理由は後述する。 ■戦闘におけるスペカの使い方。 フランが青兵を一撃で倒せることをまず覚えておこう。 しかし、中盤ならともかく、L入りしてしまうと、 青兵の大群に近づきレバ剣を振るのは容易ではない。 あくまで単騎で使うのではなく、兵士と一緒に、ないし農民を壁にするなどして 近づくまでのターゲットを逸らしていこう。 咲夜は赤兵に引き撃ちしつづければ一方的に攻撃できることと、 そして、青の周りで高速移動を連続して行えば弾が当たらないことが重要だ。 特に青本相手などは密着気味に高速移動することで、大きく混乱させることが可能だ。 レミリアは、とにかく遠くから投げ続ければよい。 咲夜やフランと違って倒されることが少ないため、一回での被害こそ少ないが、 連続使用していくことで、いつのまにか大きな被害となる。 5.紅魔の勝ち方 と思ったけど、だいぶ長くなったので後半へー、続く! 6.いつもの宣伝 http://com.nicovideo.jp/community/co141278 ここで蟒酒宴のニコ生をやっております。よろしくネ♪