1.はじめに  このテキストでは、現在(IRCやしたらばなどで)一般的とされている a.15人進化Nユニーク荒らし b.17~19人進化万能形 c.23人進化即H  の3つのオーダーを解説します。  もちろん文明によって、塔が建てられなかったり資源配分違ったりもするので、  あくまで参考例の一つおよび、「そのオーダーの意味」というのを解説していきたいと思います。  テキストの対象は、対人で「なんとなくは分かったけど、理由がよくわからない」  と迷っている初心者〜中級者向けです。    ※  なんか長くなったので、前編後編に分けることにしました。  前編では、基本知識および基本的な考え方を書いていきたいと思います。 2.基本知識や前提となる考え方 ・農民の価値および生産速度  白ユニット(以下農民)は中心(以下TC)から酒50と生産時間15秒を使って生産されます。  資源の回収速度は、1秒間に0.5のため、100秒資源を回収すれば元は取れます。  序盤において、生まれてから100秒以内に死ぬことはまずありえないので、  原則として農民は作った方が得です。  これがよく「農民生産は止めるな」と言われる理由です。    そのため、19人で進化→4人生産で23人と、23人で進化→進化終了では、  23人になるタイミングは同じでも、獲得した資源量には差があります。    まとめ  「改めて言う、基本的に"農民生産"は"止めるな"」  ・ノーマルに先に入ることの利点  じゃあ、進化するのは遅ければ遅いほどいいのか!というと、そうではありません。  それは何故かというと、Nに進化することで得られるメリットもまた大きいからです。  主なメリットを上げると  1.Nユニークへのアップグレード  2.塔の建設  3.Nユニットへのアップグレード  農民の採集速度に変化はないため、  遅く進化すれば進化するほど内政面のアドバンテージを得ることができますが、  反面、速く進化すれば進化するほど軍事面のアドバンテージを得ることができます。  このゲームは、EasyとNomalのユニットで戦ってEasy側が勝つのは非常に難しいため、  早期にNに上がることによって軍事面の優位を活かして  農民を倒したり、 中心へ逃げさせ資源の採集をさせないことで、  軍事アドバンテージを内政アドバンテージへと変換していくことができます。  これによって得た内政アドバンテージが、相手の農民多め進化による内政アドバンテージを  上回ることができた場合、そこで初めて戦略的に勝ったことになります。  つまり、早めにNへと進化したプレイヤーは、  進化すると同時にユニークをNにアップグレードし、相手の農民への攻撃を開始していかなければ、  内政面で追いつくことはありません。  基本的に相手のほうが内政では上回っているため軍事ユニットを多く生産することができます。  そのため、相手もNに入りユニットのアップグレードが終わってしまうと、  兵の強さが互角になってしまい攻めることが難しくなります。  すなわち、こちらが一方的に攻めることができる時間は、  自分が進化しユニットをアップグレードしてから、相手が進化しユニットをアップグレードするまでです。  上の三つの例でそれぞれの進化時間の差を挙げると、  15人進化>30秒>19人進化>1分>23人進化  と考えておけばおおよそ大丈夫です。  同じ4人差なのになんで時間が違うの?と疑問に思うかもしれませんが、  実際に進化をやってみると、15人目が生まれた段階では資源が500集まっていないので、  少し農民生産を止めて、進化を押しているからというのが分かっていただけると思います。  まとめると、 「ノーマルに先に入るならば、相手がノーマルはいるまでのわずかな時間に農民を倒せるかが勝負だ!」 ・ノーマルに後に入ったら  今度は相手の方が進化が速い場合の話をします。  例として、相手が15人進化でこちらが19人進化としましょう。  19(18)人進化は、農民生産を続けて酒を取り続けた場合の最も速い進化です。  あちらの目的は「30秒以内に農民をできるだけ倒すこと」であり、  こちらの目的は当然「30秒間できるだけ農民を守れ」となります。  ここで頭に置いておくべきことは、  「19人進化より速い」=「農民を生産していない時間がある」=「止めた分だけなら倒されても構わない」  ということです。  実際の15人進化はそもそも15人目が信仰ユニークであることが多いので、少し計算は変わりますが、  「3人までは死んでもいい」と考えつつ防衛すれば、少し気が楽になると思います。  もちろん、倒されなければ倒されないだけで優位に立てるので、倒されないにこしたことはないです。  では塔も使えず兵士も弱いままで、どうやって守るのか。  守り方は大きく3つあります。 1.農民を中心の近くの資源に寄せる。 2.囲むように結界を張る 3.来たらすぐ中心に逃がす  中心に逃がすタイミングは、敵のユニークがちらっとでも見えたら、  来た方向で資源を取ってる農民は全員中心に逃がすぐらいでもいいです。  慣れてきたら、最初は外側の農民だけ逃がしたり、ギリギリまで資源を取って来たら逃げる、  といったこともできますが、欲を出して農民が殺されたら大損害なので、さっさと逃がしましょう。  もちろん、農民が移動したり中心にいる間は資源が取れませんが、  農民が殺されるよりは遙かにマシ(後述)なので、進化が終わるまでは慎重に耐えましょう。  この時、下手に生産したE兵士やEユニークで抵抗してはいけあません。  これらの兵は進化するまで大事に中心に入れておくなりしておきましょう。  そして、N進化が終わったら、寺小屋で最初のユニークをアップグレードし、農民のキューを入れ、  あるならば魔法陣で兵士もNにアップしましょう。  そして、Nにアップしたら農民とNユニークを出して、  4人かそれ以上の農民で資源の隣に塔を建築し、それを兵士とユニークで全力で守りましょう。  ユニークはEだと戦力になりませんが、兵士はEでもそれなりに戦えるので、  ユニークがNになり次第出しても構いません。  塔建築農民を倒すことは、ユニークや中心射撃があるため難しく、少しの犠牲で塔が立つと思います。  同様に他の資源のとこにも塔を建て、これで時代差がなくなったと言うことができます。  基本的に塔があれば荒らしは受けづらいので、ユニークと生産兵と合わせて防御していきましょう。  荒らしに関しては余裕があればでいいです。  守っていれば内政アドバンテージが付くため、無茶をする必要がありません。  次に相手が無茶をして荒らしてくるのは、おそらく進化してから2分と少し立った後、  すなわちスペルカードが貯まったタイミングです。  代表例としては、地霊殿、おりんのスペルカードでしょう。  おりんのスペルカードは、どのユニークでも止めることが難しく、  また移動しつづけるため中心周りでも荒らし続けることが可能です。     対抗策はぶっちゃけ存在しないので、その時間になったら、  中心周りにより多くの注意を払って、できるだけ被害を少なくしていきましょう。  ここまで耐えきって、農民被害があまりないようであれば、  ようやくターン交代です。相手より強力な内政から繰り出された、圧倒的物量ないし  高次進化による強力な軍事ユニットにより攻め返してやりましょう。  まとめると、  「相手より後に進化した場合は、しばらくは攻めずに守ろう。  できるだけ農民は殺さず早め早めに中心に逃がしていこう。まぁ少しは死んでもしゃーない。  そして、それから2分後のスペカタイムまで耐えればターン交代だ。なぁに、いつか勝てるさ」 tips.'農民が働けないのと、倒されるの、どちらがやばいか。'  兵士が攻めて来た時、農民が出来るのは、中心や塔などに逃げ込むことだけです。  この時、農民は働くことができなくなります。  仮に、相手の農民はのびのびと働いているとすると、農民の採集効率は0.5/sなので、  一人の農民が1秒間働かないことで、本来得られるはずだった0.5の資源を失っていることになります。  また、農民が死ぬということは、それからずっと先働けないということです。  これも同様に1人あたり0.5/sの資源を失っていくことになります。  では、農民を逃がすのと農民が死ぬの、どちらがダメージが大きいでしょうか。   実際の例で表してみましょう。  Aさんは、相手のNユニーク荒らしに対して農民10人が30秒間中心に逃げ込んだとしましょう。    それに対して、  Bさんは、相手のN荒らしがきても資源を取り続け、  1人農民が倒されたが、中心射撃にびびったユニークは帰ったとします。    この時、AさんとBさん、どちらが損害が少ないと言えるでしょうか。  ただし、30秒というのは資源を取っていた農民が、再び資源を取るようになるまでを指します。  答えは、「5分まではAさん、それ以降はBさん」です。  理由を説明しましょう。  まず、Aさんが中心に農民を逃がして失った資源の量は、  「10人*0.5/s*30秒=150。」合計で150の資源を失ったことになります。  これは、魔法陣1つ分、赤兵にして2体弱の損害です。積み重ねると手痛い損害ですね。  それに対して、Bさんが失う資源の量は、農民が一人殺されたので、  「1人*0.5/s*そこから先の経過秒数」の資源を失うことになります。  すなわち、1分で30、2分で60、3分で90といった感じですね。  そのため、5分立つと150の資源を失ったことになり、これ以降も1分ごとに30の資源を失い続けるので、  Bさんの方が損です。  それに加えて、Bさんは農民のコスト酒50を失っているとも取れるため、  5分以降は圧倒的に損をしていることが分かります。  5分以内に試合が終わるのであれば、取り続けるのもありかもしれませんが、  序盤のN荒らしから5分で試合が決着することはほとんどないため、  上で言った、無理をして農民を殺されるぐらいなら、さっさと逃がす、というのが正しいことが分かります。   他にも、相手の赤兵1人によって自分の農民1人が倒されたけど、中心射撃で倒せた。  相手は酒80で、こっちは酒50だから資源的には俺の勝ちだ、というのもあまり正しくありません。  生産コストの差である酒30はその農民が将来手に入れるはずだった資源量と比べると非常に小さいです。  生産施設をたくさん建てられる兵士と違い、農民は中心からしか生まれません。大切にしていきましょう。    逆に言えば、例えコストで負けていても、兵士で農民を倒すことは大いに意味があります。  荒らす時は積極的に踏み込んでいきましょう。  ただし、ユニークは別です。そのことを次で説明します。 ・ユニークは作るだけで農民2体を犠牲にしている?  東方蟒酒宴において戦場の華であり戦術の要でもある  四季映姫を筆頭とした可愛いユニット揃いのユニークユニット達。  ユニークユニットは中心で生産することができ、その生産コストは資源150と生産時間が30秒です。    ユニークユニットの荒らしは非常に強力で、一度突っ込めば農民1,2体は間違いなく倒せるでしょう。  上の項で語った通り、1,2体でも農民を倒すことは大いに意味があります。  しかし、ここで気づかなければいけないことは、はじめからいるユニークユニットはともかく、  「ユニークユニットを生産するには、農民二人分の生産時間が必要である」ということです。  生産が続いているので、農民生産を継続している気分になりがちですが、  ユニークを生産している間、農民の生産は「止まっています」。  すなわち、お互いに何もしてなければ、ユニークを生産した段階では、  相手の方が農民が二人多いということです。  つまり、この状態で生産したNユニークが相手の農民を二人倒したとしても、  農民の数が同じに戻るだけであり、  その間倒された農民が取った資源および生産コスト差50の分負けています。  いってしまえば損です。  すなわちここから言えることは、ユニークを出したら最低でも3人は農民を倒せ、ということです。  相手のNユニーク荒らしのことを考えると、できれば5人は殺したいですね。  逆に言えば、相手のNユニークを倒し、そのユニークを相手が新たに生産しなおしたとすると、  それだけで農民2人ゲット!と同じということです。  上の二つと合わせて、荒らす時に抑えておきたいことは、 「一般兵での農民倒しは基本的に倒せたら得になるのでコストはあまり気にしなくて良い。  だがユニーク、てめーは別だ」  といったところでしょうか。 ・本日のダイジェスト 「改めて言う、基本的に"農民生産"は"止めるな"」  「ノーマルに先に入るならば、相手がノーマルはいるまでのわずかな時間に農民を倒せるかが勝負だ!」 「相手より後に進化した場合は、しばらくは攻めずに守ろう。  できるだけ農民は殺さず早め早めに中心に逃がしていこう。まぁ少しは死んでもしゃーない。  そして、それから2分後のスペカタイムまで耐えればターン交代だ。なぁに、いつか勝てるさ」 「一般兵での農民倒しは基本的に倒せたら得になるのでコストはあまり気にしなくて良い。  だがユニーク、てめーは別だ」  といったところでしょうか。  以上が東方蟒酒宴、ひいてはRTSにおいて戦術戦略兵法を考える際に意識しておくべき大事な点です。  君も、これを頭にいれてレッツ蟒酒宴ライフ。 ・終わりに  なんか長くなったので、前編後編に分けます。  次回がオーダー編です。  ここまで読んでいただいてありがとうございました。  最後にいつもの宣伝。  http://com.nicovideo.jp/community/co141278  ↑蟒酒宴のニコ生を定期的にやっております。よかったら見に来てください。