あたい、お空にとって、なんなのよっ!! ねえ? お空にとって、あたいはなんなの……単なる、お友達なの? ねぇ、教えてよ!! お空にとって、あたいはなんなの!? お空、お空の方から、あたいにキスしてくれたことないじゃないっ!!お空の方から、あたいを抱き締めてくれたことないじゃないっ!! あたい、お空にいっぱい、アプローチしたのに……。それでもお空は気付いてくれなくて……。あの地獄でのことは、あたいの精一杯の勇気だったんだよ…… なのに、お空は答えを出してくれなかった……。あたい、怖くなった。 もしかして、お空は、あたいのことなんて、どうでもいいと思ってるんじゃないかって。あたいは、だから怖くなった。『好き』って一言を、お空に言えなくなった。だって、拒絶されたら怖いもんっ!! あたいの気持ちは、地霊殿本編の頃から変わってない。だけど、お空の気持ちは、あたいにはわからなかった。 あたいは、お空の昔の思い出しかもってない。だから、お空との新しい思い出を作ろうって、あたい、必死だった。あたいも昔のあたいじゃなくて、新しい自分に変わろうって必死だった。お空の好きな女の子になりたいって思った でも、どんなに頑張っても、お空があたいをどう思っているのかわからなかった……。あたい、こんなにお空のことが好きなのに…… もしかしたら、あたいのこの想いは、お空にとって迷惑なものなのかもしれない。そんな風に、あたいは考えるようになってきた。だから、やっぱりあたいはお空とお友達でい続けようと思った お空にとって、あたいってなんなのか……。それを考えるだけで、怖かったから。お友達なら、こんな想いをしなくてもすむと思ったから…… あたい、このままでいいと思った……。あたい、このままでもいいと思ったのに…… でも、お父さんが死んで、あたいは本当に一人ぼっちになって……。そしたら、このままじゃ嫌だっていう気持ちが湧いてきて……っ そして、やっぱりあたいは、お空のことが忘れられないんだって思ったの。思いが抑えられなくなってきちゃって……っ だってお空は、あたいの初恋の人なんだもの……。ずっと、ずっと好きだったんだもの…… あたいは……あたいは……っ。お空のこと、あたい、子供の頃から大好きだった。だから子供の頃、お空と別れるって聞いたとき、すっごく泣いたんだよ。すっごく泣いたんだから……っ でも、お空とは笑顔でお別れしたいと思って。好きだったから、お空にあたいの笑顔を覚えていて欲しかった。そして、いつかまた、お空に会えるって思って…… だからあたいは、お空と別れるあの時、精一杯の勇気を振り絞ったんだよ。結婚しようって約束したよね。あたいにとっては、あれは精一杯の勇気だった もしかしたら、お空ともう会うことはないかもしれない。でも、あたいはそうしてもお空が好きだった……。お空との繋がりを消したくなかった……っ。だから、約束をしたんだよ。 あれは、お空にとって、ささいな約束だったのかもしれないけど……。あたいにとっては、とても大切な約束だったの……っ たとえ離れてもお空との関係を、唯一、繋げてくれる約束だったから……っ。お空があの約束を受け入れてくれた時、あたいは本当に嬉しかった。だから笑顔で別れられたんだよ……っ でも……。本当に長かった……。お空との再会までの時間は、あたいにとっては本当に長かった……。あたいは、一生懸命にニンゲンたちを裂き続けた。いつか、この断末魔がお空の耳に届くんじゃないか、って…… でも、年を経るにつれて、こんなことをしても、意味がないんじゃないかって思えてきた……。だって、こんな小さなニンゲンたちの断末魔なんて、こんな大勢の妖怪がいる世界で、お空の耳にだけ届くなんてありえないもの……っ それでも、あたいはこのニンゲンたちにすがるしかなかった……。あの約束にすがるしかなかった。あたいにとっての、お空との接点。それは、このニンゲンたちと、あの約束しかなかったから……っ そして、この地霊殿にやってきた時……、山の神様たちが降りて来た時……。あたいの願いが、ようやく届いた…… 火焔地獄跡で……。お空が立っていた……。お空は最初、あたいのことがわからなかったみたいだけど…… あたいには、すぐにわかった。心臓が張り裂けそうだった。心が……飛び出しそうだった。 そして、これが最後のチャンスなんだって思った。さとり様がくれた、最後のチャンスなんだって。あたいの気持ちをお空に伝える、さとり様からの最後のチャンスなんだ、って……っ だけど、お空は、昔と一緒で、あたいの想いには全く気付いてくれなかった。だからあたいは、お空に行動で知らせようと思った。あたいの想いを…… でもお空にとって、あたいはいつまでも、昔の同じペットのままだった。あたいにとっては、精一杯の勇気だったのに……。お空はあたいのそんな心に、気付いてくれなかった……っ だから、あたいは怖くなったの……。もしかしたら、あたいのことを、お空はなんとも思ってないんじゃないか……。だから、最後の賭けだった……っ 浜辺でのキス……。でもお空はやっぱり、何もあたいに、示してくれなかった…… あたい、本当に怖くなって……。お空の気持ちが、わからなくなって。だからこのまま、同じペットの関係でいいと思った…… でも、お父さんが死んじゃって…… ……あたいにだって、わかってた。お空が、地霊殿本編の頃とは違うってこと。 でも、あたいには地霊殿本編の頃のお空の思い出しかなかったんだもんっ。霊夢と魔理沙みたいに、地霊殿本編の頃から今まで、ずっと一緒にいられたわけじゃなかったんだもんっ お空との空白との時間……。それを取り戻そうと、あたいは必死だったんだよっ そして、あたいも変わろうと必死だった。過去のあたいじゃなく、あたらしいあたいになろうと必死だった そうすれば、お空はあたいに振り向いてくれるんじゃないか……。同じペットのあたいじゃなくて、新しいあたいなら。お空は振り向いてくれるんじゃないか、って思ったの……っ だから、髪型だって変えたんだよっ。あたいも、変わろうって……っ。昔のあたいじゃなくて、新しい自分に変わろうって だけど、それでもお空はあたいを見てくれなかった……っ。お空は最後まで、あたいを見てくれなかった……っ 嫌いなら嫌いって、はっきり言ってよ……っ!! あたいに気のあるそぶりを見せないでよっ!! 今、ここで、あたいのことが好きなのか、答えてよぉ……っ そうしないとあたい、お空のこと、いつまでも想い続けちゃうじゃない……っ!! 苦しいんだから……っ!! 想い続けているのは、とっても苦しいんだから……!!