*この設定はオリジナルです。隔離スレ用。by緑 名前:シャラ・マーガトロイド 能力:人形と意思疎通する程度の能力  種族:♀ 人形(自律)  歳:0 見た目:16〜18歳ぐらい 職業:マーガトロイド亭の管理  服装:紅いワンピースか空色のワンピースを好む。上海、蓬莱のような服装。 特徴:マーガトロイド亭を管理するために、アリスの手により創られた自律人形   当のアリスは、魔理沙の様子を見るために魔理沙亭におり、家を全てシャラに任せている   とても賢く何でもすぐに理解する。本人は人形であるため、他の人形とも意思疎通が簡単に出来、   人形を操ることに関しては主のアリスより上かもしれない。   優秀すぎて自意識過剰な点があり、まさに井の中の蛙状態。   ちなみに変態。 日常:マーガトロイド亭を管理する。他の無自律人形とも意思疎通をし操ることで、家事にも戦闘にもこき使う。   近所の妖怪をたまにふるぼっこして優越感に浸る。 性格:優秀すぎて挫折を知らないせいか、かなり自意識過剰である。スペルも残酷なものが多い。    すぐに他人を見下す癖がある。ちなみに変態。 遭遇率:低 対人友好度:低 危険度:かなり高 戦闘力:かなり高 苦手:無し 二つ名: 最強暗黒聖騎士(自分でつけた)   スペル 魔操「アーティフルチャンター」「リターンイナニメトネス」 戦操「ドールクルセイダー」「ドールズウォー」 歪符「白黒と七色の円舞曲」 封符「絶対正義」 任符「新たなる生命」 ラストスペル 恐符「公開処刑」 裂符「レイジングオックス」 Ego doll うふふ、ついに完成だわ… そういって不敵な笑みを含むのは魔法の森に──紹介省略。不敵な笑みでもすこぶる可愛い──アリスである 彼女の視線の先には、今まで作ったどの人形とも違う雰囲気を纏う人形が壁に背を預けて座り込んでいる。 「いえ、完成ではないわ。完成した人間なんていない。常に成長していくものだから。だからあなたはこれからも成長するべき……」 彼女は目の前の人形を、"彼女"のために作った専用ベッドに寝かす。 それは人形が0歳を迎えたときであった。 「おきなさい。私の可愛いシャラや・・・」 私は"無"であった漆黒から、急に"無"でない闇の中に引っ張り出された。 「おはよう。もう朝よ。今日はとても大切な日。私の人形が初めて自分で行動する日なのよ。この日のために 貴女が自分で行動できるように道具をそろえたの。」 ……声 この声…… 私の………ご主人様………"ご主人様"ってなんだ? 闇の世界が急に色付きの世界へとすり替わっていく これが眼を開けるという事?これが起きるということ? 「ここからまっすぐ歩くとキッチンです。まず手をちゃんと洗うのよ。さぁ行ってらっしゃい」 歩く?"足を動かして進む事"なのだ。どれが足?どこに足がある?えっと…動かせるもの…どれだろう 「………うーん、しまったわ……。いいかしらシャラ」 ご主人様はそういうと私の身体に触れた。急に色付きの世界が動き出す。 後でわかったことだが、寝ている私の身体を抱き起こした。ということらしい。 "ご主人様"の意味も理解できた。この人が私を創造してくれたのだ。 シャラ。というのは私の名前だ。何を思ってその名をつけたのか聞いたら、恥ずかしい、という感情の 一種が身体の中心あたりに溜まったが、これからの楽しくなる時間に比べればどうでもいいことだった。 私を抱き起こした後、ご主人様は私の身体を説明してくれた。色付きの世界を取り込むのが眼。 意志を音として伝えるのが口。この2つは手、その下に足。いろいろな部位の説明をしてくれた。 足を動かし床を歩く。両足同時に出すような失態はなく、歩く=進む=足を使って進む方法 と、即座に思考を完了させる。右手と右足を同時に前に出すこともなかった。 手を遣い物を掴んだり、ただ掴むのではなくどう掴めばいいのか、それをも瞬時に判断していく。 「う〜んやっぱり私の人形ね。優秀だわ。きっかけを与えるだけで理解していくのね」 きっかけを与えられた私は、次々とご主人様の教えを吸収していった。それどころか簡単なものは自分で 考えて行動を取ることができるようになっていった。 何かを理解する。その都度ご主人様は褒めてくれる。 今の私ならわかる。ご主人様が笑顔になる事。それは私自身もとても嬉しくなる。という事が。 ご主人様が喜ぶ、それは私をとても愉快にさせてくれる… 「あ、私の事はアリスでいいわ。あなたは自律人形なんだから」 はい、わかりました。アリス 私は"笑顔"で返す。アリスも笑顔になる。それはとても心地いいことだ。 食事も一応摂取は可能だ。嗅覚、味覚などの人間と少しも違わない五感も私は備えている。 初めて味わうアリスの手料理。初めて味覚が刺激され、その初めてのレベルが相当高かった為に 私は食事、という行為や時間がとても待ち遠しくなった。 ちなみに、アイドルは排泄しない、という格言も私は適用されるようだ アリスの匂い、いや、香り。人工肺にいつまでも溜めておきたいぐらいの芳醇な香り。 どんな綺麗な花よりも、私はこの香りが大好きだ。 睡眠というものがやっかいだった。睡眠=夢をみるもの。なのだけど夢が見れない。 「いずれ貴女もみれる様になるわ。それまでは手を貸してあげる。おやすみ、私の可愛いシャラや…」 私は眼を閉じ、闇を見つめる。やっぱり闇だ。夢なんてどこにも……── 「おはよう、シャラ。さ、軽く顔を洗ってきなさい」 朝というものが来ていた。夜から朝というものは一瞬で変わるものなのだろうか。 今日が始まる。今日もアリスはいろいろ教えてくれた。それから数日間私はどんどん覚えていった 次々に吸収していく。尽きることのないアリスの笑顔。とても幸せだ。 「今日はクッキーを作るわ。まずはその生地を…って言わなくてもわかるわね。頼んだわ、シャラ」 はい、がんばります。アリス 笑顔を交わす。この瞬間が気持ちいいという感情が生まれる。 私が料理をしている間、アリスは日課を行うのだ。 大量の人形に挨拶を丁寧に交わしていく。彼女らは自律していないらしい。2体だけ半自律したものがいるけど。 その中で、半自律もしていない人形を一体だけ特別愛でていることがわかる。 他の人形達とはどこか嗜好が違う人形。何か特別な想いがあるのだろうか。 「うん、中々上出来ね。後は少し塩の加減が…」 この前アリスが作ったクッキーのほうが、美味しいということはわかった。 美味しく作る。それが料理することなのだ。 「それと、見かけもね」 見た目も、重要らしい。 自分で作るという行為は、何か複雑な気持ちが沸いてくる。でも嫌な気分ではない。 生み出したものを食べてもらえる。自分の存在価値が認められる気がして嬉しいのだ。 大量の本も読んだ。世界の事、魔法の事、ありとあらゆる事を吸収できた。 この家には沢山の本がある。そしていろんなジャンルの本もある。 マンガと呼ばれる挿絵に台詞を振ったもの、文字だけのもの、文字に説明が付け加えられていて わからない単語はこれに書いてあるという事、そして魔法の事も。 ご主人様アリス。私はこの人の隣にいることがとても嬉しい。アリスが喜ぶことは私もとても嬉しい。 ある日、アリスは私に戦うことを教えてくれた。戦うことについては知っている。 以前、珠を嵌め込んだ大剣という武器を振り回すツンツン金髪の話を本で読んだからだ でも、誰とどうやって戦うの? スペルカードルール、弾幕ごっこ、スペル、弾幕、2WAY3WAY5WAY、H、喰らいボム。 様々な要素を私は吸収していった。アリスの人形と模擬戦闘なるものもやった。 負ける、それは悔しいことであり、勝つ、それは嬉しいことがわかる。 選べるなら勝つを選びたい。勝つならどうするか、どう動くか、相手のパターン、 癖というものを読んで回避、攻撃をする。 「うん、上出来だわ。さすが自律ね。中々強くなってきたじゃないの」 これまでは一体ずつだったのを、人形の数を増やして戦闘していく。 弾の数が圧倒的に増える。幾何学模様を成して私の動きを翻弄する。 これが弾幕だ。うまく弾道を誘導しないと追い詰められる──しまった…。 だが!ボムさえ残っていれば!! 「喰らいボムのタイミングも中々のものね、よし、今日はもういいわ、お茶にしましょ」 料理、戦闘、読書、いろいろなものを試し、吸収していく。私は家のことなら ほとんど自分で出来るようになった。アリスの行動もなんとなくわかってきた。 とある特別な人形を抱きしめるアリスの事も。……なるほど…… 風呂では服を脱ぐ、今日は一緒に入ってくれるという事だった。 リボン、ストール、カチューシャ等の装飾を外していくアリス 空色の服に手をかけ、慣れた手つきで脱いでいく。 服の下から白い下着が現れる。空色から白へ、そして肌色へと 移り変わる艶かしい姿態から、なぜか視線を動かせなかった。 「ちょっと、何ジロジロみてるのよ、恥ずかしいじゃない」 あ、ごめんなさい。アリス そう言われたらなんだか、アリスの服を脱いだ姿に視線を合わせづらくなった。 この感情は何なのだろう。確か…恋とかいうものだと読んだ。私はアリスに恋をしているのか? 人形の癖に……人形は恋をするものではない。 恋は無理でも別の事ならできる。アリスを笑わせる。アリスの手伝いをする。アリスを守る。 今の私ならアリスを守れる。十分な実力だ。幸せを創造し分かち合う、それが私に出来ること。 今日アリスが私の為に新しい服を縫ってくれた。サイズもピッタリだし、センスもとても良い。 小さなフリルが特に気に入った。流石私のご主人様。 何に対してもセンスが溢れるご主人様。料理も家具も、小物も。仕草や下着だって抜群だ。 実際、アリスの下着を装備してみた時にはテンションあがってきた。 アリスの手から紡がれるものは全てセンスに溢れている。 とてつもなく器用で繊細な指、そこから私は生まれたのだ。だから私はとてつもなく幸せであった。 でもひとつだけ不満があった。服の事ではない。名前だ。 『シャラ』 とても個人的かもしれないが、センスが無いと思う。 アリスの事が好きでもこれだけは変えて欲しい だって上海+蓬莱 "シャ"ンハイ ホー"ラ"イ でシャラなのだ。 なぜこんな名前なのか、もっと遠まわしで名前に意味を持たせるだとか思わなかったのか。 私はアリスにこの事を質問したら、パンケーキを頬張りながら 「本気を出さないで決めた。今はむしゃむしゃしている」 あぁ……そうだね…… 「じゃぁ砂漠ry熱風で『サンタナ』なんてどう?」 あぁ…それ弱点と言われてた赤い石が、役に立たないどころか無敵の超(鳥)人にしてしまった人のだろ? いいよ…それはいらない。 「何か希望がある?私も気に入る名ならそれでもいいわ」 私の希望か…えっと 「†聖猫天使姫† とか 最強暗黒聖騎士 とか KURAUDO とかがいいんですけど。特に最後のがいい… …あれ?どうしたんですかアリス。大丈夫ですか?………えっと、倒れたときには…人工呼吸? それと心臓マッサージry」 結局私の名前はシャラのままだった。 今日、本で手紙という存在を今更ながらに知った。 この手段を用いれば普段言えない事も伝えることができる。 大好きなアリスに想いを伝えることが出来る。 早速私は一筆したため、アリスの作業机の中に入れておいた 「あら、何かしら………手紙?? 『いつもあなたを遠くから見守っています by貴女を守る騎士』 …………………何これ……」 返事は来なかった。遠まわしすぎたのだろうか。 観察は大事だとアリスは言っていた。相手が気付いていない事も気付ける。 相手の行動がある程度読めるようになる。 だから今日も私はアリスの観察をする。早速、観察しているといつもと違う点がある事に気付く 黒い下着だ。今まで白か縞とかだったのだけれど……毎日覗いて見ているが、黒を見たのは初めてだった。 いつもとは真逆の色を身に纏う。その理由については後にわかることになるだろう。多分。 その日はいつもより早く朝食を取り、片づけをした後すぐに、戦闘関係の事ばかり復習させられた。 私にとってそれは朝飯前である。えっと、朝飯前なのだ。ん、朝飯…後? 「もう完璧ね、シャラ。今日はいよいよ実践よ。相手はこの幻想郷でもいろんな意味で名が知れた魔法使い。 もの凄く可愛いからって油断しちゃだめよ?とても強いんだから」 はい、当然です、アリス。私は貴女を守りたい。 今までの戦闘技術、惜し気もなく出してみせます。アリスのためならこの身体、壊れても構わない。 苦しい事も、悲しいことも、痛いことも全てを耐えてきた。アリスがいるからこそ耐えてきた。 アリスの為に、私は勝つ!! 〜魔法の森上空〜 とても強い敵。最強と名高い魔女。外見は可愛いカッコイイ凛々しいらしい。一体どんな相手── ──ってこの人……魔理沙さんじゃないですか。知ってますよ。 近所に可愛い魔女がいるって聞いたから何度も視察しにいってるし。 一人篭って魔法の研究を重ねて努力している事も知っている。 変な薬を精製しては悶えてたり、爆発したり。普段着はあの白黒衣装だけとか 下着も大抵白をつけているが、昨日は別の色を用意していたり。 和風料理が得意な事も知っている。口調の割には乙女な仕草が多い事も知っている。 生活習慣もアリスとどこかしら共通点があり、同棲しても問題ないくらいだ。 それにあのアリスがよく抱きしめている人形と同じ人だという事も。 「おぉ、それがアリスの自信作であり最高傑作という人形か。確かに、普通の人形とは違う雰囲気を纏っているな。 目つきが違う、明確なる意志を持っている、そんな輝く眼だ。 だがな、アリス。戦力をもてあます。 この私をそんなチャチなものでは触れることすらできないぜ」 「あら、どうかしら。私はこのシャラをみっちりと鍛えてきたの。物覚えがいいからすぐにその辺の妖怪を 追い抜いたわ。触れることが出来ないのはあなたかもしれないわね」 「ほほぉ、大した自信だ。じゃぁその自信が崩れていく様を、たっぷりと見学させてもらうぜ!!」 私はアリスに視線を向ける。対するアリスもこちらに視線を。眼だけで以心伝心の会話をかわす アリス(全力でいきなさい。手加減は無用よ) シャラ(とても可愛いですね魔理沙さん、声聞いてて悶えそうです) ア(今の貴女なら大丈夫。自信を持つのよ) シ(ちなみに魔理沙さんはいつもと違う赤い下着でしたよ) ア(私が最初に指示をだすわ、あなたはその指示に基づいて自分で考えて弾幕を展開すればいいの) シ(胸はアリスさんのほうが勝ちですね、無いのも素敵ですけど) ──コクン 二人同時に頷き、魔理沙を睨むかのように視線を集める。 ア(いくわよ) シ(私はアリスの為なら何でも!!!さぁご命令を!!!) アリスが符を高々と掲げ宣言する──      魔符『アーティフルサクリファイs        シ「ちょっとまて」 なんつった今、なんつった?それ自爆スペルだよね? 私ジリツだよ?自律だよ?投げられて爆発とか思考能力なんて関係ないよね?ね? ア「え……じゃ、じゃぁ  意味府『ノンアーティフルサクリファイッ シ「それただの体当たり………無駄に疲れますよ」 鬼ごっこさせる気ですか?弾幕に突っ込ませる気ですか?結局自爆ですよ ア「う、う〜ん…疲れるなら  湿符『肩こり腰痛がアーティフル(ry  妄符『これで今夜も暖かい、ベッドにリターンイナニ(ry そうそう、そうやって身体の疲れを癒す優しいスペr─ シ「もう本気で自律していいですか?」 いや、私は自律なんだからそもそも従わなくてもいいんだよ…… 自分で動いちゃえばいいんだよ……命令あてに出来んし シ「こうなったら、私がスペカ宣言をする!!!」  いつのまに仕込んであったのか、懐から数枚の符を取り出し アリス同様に声高々と宣言をする。宣言ってなんか格好良くて気持ちいい  歪符『白黒と七色の円舞曲』   シ「さらに符からの派生スペル発動!!」  封符『絶対正義』  任符『新たなる生命』 やっぱり白黒魔女は強かった。太くておっきくてまっすぐしたのに見事突き上げられた。 顔真っ赤のアリスにも蹴られた気がする。それも愛情表現の一種だと受け取って置いた。 結果は負けた。でも落ち込んではいられない。学習すればいい。相手の事を。次は勝てるように… ……確かいつもならこの後魔理沙さんはお風呂だったわね、早速視察だわ 私が視察から帰ると、「おかえりなさい」と出迎えてくれたアリスの表情がいつもと違う。私的に解釈をすると 何か期待を込めた顔、遠くを見る眼差し、それでいて大切な物を手放さなくてはいけないという雰囲気 慈愛に満ちたアリスの表情………こんなものかな 部屋の中心寄りにある綺麗な木目調の机と椅子、アリスはその椅子を軽く引いて 「さ、シャラ、大切なお話があるの。そこに座って頂戴、硬くなる必要はないわ」 はい、わかりました、アリス。 アリスは私の向かい側へ静かに座り、両手を組んだ状態で机の上に軽く乗せる。その仕草も優雅でふつくしい…… 軽い微笑を含み、アリスは口を開く。 「今日の貴女は完璧だったわ。自分で考えて行動出来たじゃない。私に抗うこと、それを今日試したかったの。 私の指示通りに動く、そんなのは上海蓬莱だって出来る。いえ、上海蓬莱のほうが意志が直接伝わってるわけだから 命令に本当に忠実なの。──でも、貴女は彼女達と違って私の命令を無視した」 あ……ごめんなさいアリス… 「いえ、怒っているわけじゃないわ、むしろ褒めているの。それぐらいの判断力が無ければこれからも 貴女に全てを任せられないわ」 すべて…任せる? 半自律人形までならここで頭に"?"マークが浮かぶところだが、流石自律人形、表情だけでDO YOU IMI ? どういういみかと、人間と同様表現出来、考えることができるのだ。 「まぁ突然言っても理解できないわよね、全て任せるというのは── あ、この家を任せる、そうですね、わかります アリスが多少驚いた表情を一瞬見せる、がすぐにさっきの微笑、より(笑)含有率が上がった状態の表情へ変わる 「すばらしいわ、その通りよ。この館には人形がたくさんいるから貴女は一人ではないわ。 それに人形同士だから心が通じ合うかもね。家の事も何でも理解してくれているし 貴女の実力ならみんなを守れると思うの。…だからこの館はしばらく貴女に任せる事にするわ」 あ、は、はい!!わかりましたアリス、貴女の期待に添える様頑張ります!! ……ん?しばらく……という事はアリスさんはその間何をするのですか?まさか……家を出るとか言いませんよね 「そうよ、私は家を出る。出るといってもそんな遠くではないわ、すぐそこよ。 ─そう、わかったと思うけどあの魔理沙の所」 これは急展開、アリスもさぞお喜びで……あれ? 思惑とは逆にアリスの表情が少し曇っている。切なそうなそんな感じだ 「あの魔理沙ってのは人間の女の子なの。それもまだとても幼い年齢よ。魔理沙自身の性格や雰囲気からは わからないと思うのでしょうけど、人間にとってのあの年齢はまだ甘える人が欲しい時期だと思うのよ それに結構前から一人暮らしって聞くわ、つまり──」 つまりあの子のお母さんのかわりとなるわけですね、わかります 「あーー、もうっ……確かにそんな感じなのだけれど貴女、賢すぎよ……」 お褒めいただいて恐縮です。わかりました、しばらくは私にこの館の事、お任せください 胸をはって答える。その仕草も人間くさく、人形と言われなければわからないほどだ。 「それでもたまには様子を見に来るわ。過保護かも知れないけれどね」 ええ、ありがとうございます。何か困ったことがあれば、そちらを尋ねるか、人里にでも参ります。 人里には既に親しい人間が沢山出来た。行きつけの店の主人、町で声を掛けられそこから仲良くなった 若いお兄さんやお姉さん。それに私に興味をもって近寄ってくる子供達。彼らはみんな親切だった。 「じゃぁ明日の朝、朝食を済ませたら、後は任せることになるわ、いいかしら…って聞くまでもないわね 信頼してるわ」 「おぉ?アリスか。なんだこんな朝早くから?」 霧雨亭の玄関にはフリルが沢山ついたドレスを上着だけ羽織った魔女が、眼をこすりつつ来客に答える。 「朝早くって…そこまで早い時間ではないと思うのですけど。それと貴女、またそんな格好で寝てたの? 風引くわよ?」 「アリスのえっち」 「あのね………まぁいいわ、暫く待っててあげるから着替えてきなさい。話があるの」 「アリスーもういいぞー入れ〜」 暫くしていつもの白黒の上下に着替えた魔女─魔理沙が扉から顔を出し手招きをする しっかりと寝癖まで整えられており、こういう所は乙女なんだと感心する。 「そこらへん適当に座ってくれい」 着替えてる間にもしっかり茶の準備は出来ていたようで、既に湯気が立った湯のみをガラクタの山を 掻き分けるように置いてくれた。 「座るって…場所がほとんどないわ……やっぱり散らかってるのは相変わらずなのね」 「散らかってるのは仕方が無いのだ。それともアリスが片付けてくれるとでも言うのか?」 「えぇ、いいわよ」 「だろうな、やっぱり……って、えぇえ!?」 「だから今日はこれ全部片付けに来たの。これだけ散らかっていちゃ乙女が台無しよ?」 「おおお、おとめって……あー、いや、やっぱりいいぜ片付けなくて、い、いいから」 魔理沙は頬を薄紅く染め、必死に抵抗する 「アリスの好意は嬉しいんだが、片付けなくていいから、大丈夫だ。いつか自分で片付けるから、な」 私は軽く微笑を含むと 「私は貴女が"わざと"散らかしている理由ぐらい知ってるわよ?」 ──っ????魔理沙が硬直する。私はさらに言葉を紡ぐ。 「寂しいからでしょ?貴女の体躯にとってこの館は大きすぎるもの。広ければ広いほど、殺風景であればあるほど、 人は寂しさを感じてしまうものなのよ」 図星である。完璧に的を射ている。それもそのはず、以前アリスも似た様な環境だったからだ。今は人形達がいる から寂しくはないが。 固まっていた魔理沙が動き出し、口を開く 「え、あ……わ、わかってるなら、なおさら片付けないで欲しいんだが……」 「そうよねぇ、寂しいものねぇ?」 「う、からかってるのか?それともなんだ、私を孤独死させようと企んでるのか?」 「ふふ、なんの為に私が来たと思ってるの?」 へ???? キョトンとする魔理沙 「ちなみに家は全てシャラに任せてきたの」 私が言い切ると同時に、魔理沙の顔が見る見るうちに紅潮していく 「え、えええ、そそそそそ、それはつつつまり── 「そう、代わりに私が一緒にいてあげるって事」 ボフンッ。 魔理沙は頭から大量の湯気を噴出し、暫くの間ご乱心なさってたそうだ。 第1部 完