魔法の森−霧雨亭玄関 普通の魔法使い・霧雨魔理沙は何かを決心したような顔で箒に跨る。 左手には香霖堂から半永久的に借りてきたストップウォッチを手にしている。 「よし、いくぜっ!」 と、気合一閃。ストップウォッチのスタートボタンを押し、そして叫ぶ。 「ラストワード・・ブレイジングスターッッ!!」 次の瞬間、魔理沙は文字通りお星様になった。 その姿を捉えた者がいれば、きっとその光景を飛行機雲、もしくは流れ星と例えただろう。 魔理沙の目的地は紅魔館。 パチュリーの住む大図書館である。 先日、魔理沙は門番と紅魔館の外壁をマスタースパークで派手に吹き飛ばしていた。 門番はともかく、紅魔館の壊れ具合が洒落にならなかったので、 流石の魔理沙も慌てて逃げ帰ってしまった。 しかし、一度犯した過ちは二度と犯さない。 実は努力家な魔理沙は考える。 そこで思いついたのが今回の作戦。 霧雨亭から紅魔館までにかかる時間の短縮。ついでに邪魔をしてくる門番の排除。 正に一石二鳥。 一応時間を測る為、香霖堂から半永久的にストップウォッチを借りてきたが、 それも必要無さそうだ。 霧雨亭を出発してからわずか数十秒、紅魔館が見えてきた。 「おいおい、ちょっと速すぎだぜ?」 あと数秒もすれば紅魔館に着弾する。 魔理沙は前回の失敗を踏まえて、外壁に当たらないように軌道を修正する。 ちなみに門番の事は一切考えていない。 一方、その紅魔館の門番はと言うと、 「あ、流星痕」 何気に博識な門番である。 だが次の瞬間、顔が蒼白になる。 その流星痕とやらがこちらをめがけて突っ込んで来たからだ。 「な・・ちょ・・なに!?」 目を凝らして良く見てみると、光の中心に黒い物体が。 あれは・・ 「魔理沙!?」 門番が叫ぶ。 しかし考えている時間の余裕は無い。 門番は瞬時に体中の気を極限まで練り上げ、体を半径2m程度の結界で覆う。 その結果・・ 「な・・!?」 魔理沙は予想していなかった結界の出現に目を見開く。 霊夢の結界に比べると若干劣ってはいるが、それでも充分な脅威だ。 「・・ックソ!」 このままでは自分も危険と判断したのか、急遽魔理沙は軌道修正を試みる。 が、1秒にも満たない時間でそこまで出来るほど魔理沙は器用では無い。 こうなったら突っ込むしかない。 いよいよ、魔理沙のラストスペルと門番の命懸けの結界が衝突する。 まず、凄まじい衝撃波が門の外壁を破壊した。 そして、暫くの間拮抗状態が続いた。 流石に魔理沙のラストスペルも門番の命を懸けた結界には届かないのか、 威力が若干弱まり、少しずつ軌道が変わっていく。 行き先は・・紅魔館。 「お、おい、中国っ!ちょっと・・それは、そこはヤバいッ!」 耳が痛くなるほどの力と力のぶつかり合い、そして破壊音の中、魔理沙が叫ぶ。 「・・中国って」 門番のコメカミの辺りがピクピクと動く・・そして 「中国って・・言うなあぁぁあぁぁ〜〜ッッ!!!!」 大絶叫。 門番は気を爆発的に膨らませ、魔理沙のラストカードを弾き返した。 そして、その先には・・やはり紅魔館。 威力が落ちたとはいえ、魔理沙のラストスペルである。 広大な敷地を有している紅魔館と言えど無事で済む筈は無い。 結局、紅魔館のちょうど真ん中辺りまでどでかい大穴を空ける結果となった。 瓦礫の中、ようやく魔理沙が咽りながら顔を出した。 「・・ゴホッ、ここは・・何処だ?」 「大図書館よ」 今にも消え入りそうな声が聞こえた。 そちらの方に視線を向けると、やはりそこにはパチュリーの姿が。 ちなみに小悪魔は彼女の近くで腰を抜かしている。 「さて、どういうことか説明して欲しいんだけど?」 分かりにくいが、パチュリーはご立腹のようだ。 「あ、あはは・・」 魔理沙はしどろもどろになる。 そして、突然踵を返すと自分の空けた穴に向かって一目散に走り出した。 (大丈夫、この距離なら逃げ切れるっ!) と思う魔理沙の鼻元を・・ナイフが翳める。 「あら、逃げられないわよ、残念ね?」 いつの間にか、すぐ傍には瀟洒なメイド服を着た女性が立っている。 紅魔館のメイド長・十六夜咲夜である。 「・・まいったぜ」 魔理沙は直ちにその場で拘束され、語り尽くせないほどの説教及び紅魔館・外壁の修理、 更にはパチュリーから今まで借りていた本の返済を言い渡された。 結局、魔理沙が霧雨亭に帰れたのは一ヵ月も先のことだった。 (完) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 今晩は。 今日も良い妖気ですね。 いきなりですが2作目です。 前作の加筆修正もあるのですが・・。 この話は風呂入ってた時に思いついたネタです。 製作時間は2時間程度です。 やっつけなところが多分にございますが何卒ご容赦を。 ちなみに今回は中国が良い感じになってます。 さて、いつものアレ行きますね。↓ 感想等ございましたら、下記ブログのメールフォームよりお願いします。 日記のコメントでも・・。 http://rutikakkonise.blog122.fc2.com/ いつかはプチ東方創想話ミニの方にもうp出来るように頑張りたいです。