新説・竹取物語
作品集: 最新 投稿日時: 2012/04/01 21:02:14 更新日時: 2012/04/01 21:02:14 評価: 3/10 POINT: 28869442 Rate: 524899.40
分類
竹取物語
輝夜
かぐや姫
昔々っぽいけどそうでもなかったりするお話。
あるところに竹取で生計を立てているおじいさんとおばあさんがいました。
暮らしは決して豊かとはいえませんでしたが、普通に生活できていたので二人とも幸せでした。
「それじゃ、行ってくるよ」
ある日、いつものように竹取に出かけたおじいさん。
山に入り、竹を切り出していると、不思議な竹を見つけました。
「なんぞこれは……」
その竹はほのかに光り輝き、大きさも大人がすっぽり中に入れるようなものでした。
「……やめとこ」
流石に気味が悪かったので、おじいさんは立ち去ることにしました。
「待てぇぇぇい!」
「うおっ!?」
おじいさんが無視しようとしたら、その竹の中から成人していそうな感じの女の子がすごい勢いで飛び出してきました!
これにはおじいさんもびっくり。というか驚かない人はまずいない。
「普通は竹を切ってみるでしょ!? もう、そんなことも分からないのかしら、今の人間は!」
勝手にそんなことを言ってくる女の子。
とりあえずおじいさんは名前を聞くことにしました。
「あの、あんたはなんて名前なんだい?」
「あ、私? 私は蓬莱山輝夜。かぐやとでもぐーやとでも好きに呼んで☆」
キラッとかいう単語が顔の横に表示されそうなポーズを取って可愛さアピールする輝夜。
おじいさんはそれを見て「これは……面倒なことになった……」とか思ってしまいました。
「えーと、とりあえず竹の中に入って何してたのかな?」
「あー、実は私、月から遊びに来てねー。
でも乗ってきた乗り物が壊れて、あんな感じにシェルターになっておかげで助かったというわけ」
おじいさんは割りとガチで引きました。
この子は頭がおかしいんじゃないかって思ってしまったくらいに。
「で、誰かしばらくの間私を家に泊めてくれる人いないかなー、いないかなー」
チラッチラッとあからさまにおじいさんに目を向ける輝夜。
「こいつ、明らかに泊めろと言ってやがるな……」
おじいさんはこう思いましたが、断るとめんどくさいことになりそうなのでしぶしぶ泊めてやることにしました。
「な、ならうちに来るかい?」
「えぇ!? いいんですかぁ!? でも私みたいなのがいてもお邪魔になると思いますしぃ……」
ものすごくわざとらしい言葉を何とか流して、おじいさんは輝夜を家につれて帰りました。
ちなみにおばあさんもおじいさんと同じような感情を輝夜に抱いたとか。
輝夜が居候しだして結構な月日が流れました。
彼女は持ち前のスキルを生かしておじいさんとおばあさんの暮らしを裕福に……
するわけでもなく、ひたすらニートな生活を送っておりました。
「あ、じーさん、焼きそばパンとジャソプ買ってきて。もちろんお前の金でー」
「はいはい……」
日々老夫婦を困らせる姫様。
悪いことに、このおじいさんとおばあさんはどちらかというとお人好しな性格。
輝夜を追い出すという選択肢を選ばず、ただひたすらに耐える日々を送っていました。
そんな日々がさらに続き、何人かの男性が現れました。
彼らはおじいさんとおばあさんに頭を下げ、こう言いました。
「私にお嬢さんをください!」
輝夜は結構な美人だったので、男性から注目を集めていたのです。
……ダメダメニートだけど。
「せめてお嬢さんにあわせてもらうだけでも……」
男達はそう頭を下げます。
もちろんおじいさんとおばあさんは許可しないはずがないです。
「そろそろどげんかせんといかん」とか思っていましたから。
この人たちのもとに嫁いでくれれば、こちらとしても楽になる。
そう淡く期待して、輝夜に男性達を紹介しました。
「へっ? 私と結婚してくれですって?」
「その通り! ぜひ私と……」
「いやいや、この私と!」
「いえいえ、僕としてください!」
口々に結婚してくれと告げる男性陣。
ちなみに五人いるのですが、彼らの説明をば。
一人目・とある会社の御曹司
二人目・熱血漢の公務員
三人目・真面目そうなサラリーマン
四人目・かっこいい大学生
五人目・見た目はイケメン、中身はオタク
さて、輝夜は誰を選ぶのでしょう。
「んー、結婚とか嫌だから嫌」
この言葉に五人は「はぁ!?」というしかありませんでした。
「だってー、結婚したら家事とかしなくちゃいけないわけでしょ? だから嫌。私、色々遊びたいし」
なんという典型的なダメ人間。
おじいさんもおばあさんもこれには呆れ果ててしまいました。
「さ、分かったら帰ってくれる? 帰らないと警察呼ぶわよ?」
こう言われては帰るしかありません。
五人は失意の中、帰宅することにしました。
さて、そんなこんなでさらに月日が経ち、次第に生活費>>>収入となってくるおじいさんの家の家計。
一応年金も受給しているのですが、このままでは二人の年金も危うくなってきます。
と、ここでやっとおじいさんが重い腰を上げました。
「すまないが、これ以上あんたを養えない。何もしないのなら出て行ってもらえるか?」
こう告げたのです。すると輝夜は
「後数日で月から迎えが来るの。それまで、置いてもらえないかしら?」
と目を潤ませて懇願したのです。
おじいさんも「まぁ、あと数日なら……」と思い、数日なら許可することにしました。
……結論から言うと、迎えは来たのですが、数日後ではなく数週間後でした。
さてさて、こうしてお別れの日がやってきました。
夜、おじいさんの家のインターホンが鳴らされました。
「はい、どちらさまで?」
「月から着ました」
この言葉におじいさんは喜びました。
「やっとあのどうしようもないニートを引き取ってもらえる!」
おじいさんの喜びは計り知れないものでした。
ドアを開けると、外には綺麗な銀髪の女性が。
あと兎の耳を生やした少女も。
「ご迷惑をおかけしました。うちのクズ……あ、いや、姫様をわざわざお世話してくださりありがとうございます」
「いえいえ、とんでもない。まぁ、こちらとしてもクズ……あ、いや、彼女には困っていたところでして」
お互いに苦笑い。
「ああ、申し遅れました。私は月に住んでいる永琳というもの。
そしてこっちは奴隷……じゃなかった。従者の鈴仙です」
「師匠、いま本心がチラッと出た気がするんですが」
「気のせいよ」
月の人間って言うのは皆こうなのか? と若干不安を覚えたおじいさんでした。
「とりあえず上がらせてもらいますね。強制的に連れて行きますんで」
「ああ、どうぞどうぞ」
永琳と鈴仙はおじいさんの家に上がりこみ、輝夜の寝ている部屋に入りました。
どうやら輝夜はぐっすりと眠り込んでいる模様。
「……こら、起きなさいアホ姫!」
そう言いながら激しく輝夜の体を揺さぶる永琳。
「うえぇぇぇ!? え、永琳!?」
「全く、家出するなんて何考えてるのよ!」
「だ、だって永琳がPS○ita買ってくれないから……」
「それくらいで家出するんじゃねぇ、ゴミ虫野郎が!」
永琳さんブチ切れモード。
どうやら地球まで遊びに来たというのは嘘だった模様です。
「とりあえず、帰りましょう。もちろん帰ったらお説教ですけどね★」
「う、うぅ……」
真っ黒な笑みを浮かべる永琳。
こうしておじいさんの家からニート姫様が消えることになったのでした。
「あ、すみません。これは今までクズ姫様の面倒を見てくれたお礼です」
そう言って渡されたのは、大粒のダイヤモンド。
これを売れば、恐らく今までの生活費が全部帰ってくるでしょう。
おじいさんとおばあさんは涙を流して喜びました。
こうしておじいさんとおばあさんと姫様のお話は終わり。
めでたしめでたし!
後日談・姫様は月に帰った後、こっぴどく叱られたそうです。
てゐ「これを真の竹取物語として製本して宣伝するのだ。そして印税生活を……」
鈴仙「いや、これが真だとか信じる人いないでしょ」
輝夜「あら……へぇ、面白い作品じゃない。で、何処に投稿するの、このSS?」
てゐ「え、SSじゃないもん……」
双角
作品情報
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投稿日時:
2012/04/01 21:02:14
更新日時:
2012/04/01 21:02:14
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奇声を発する(ry
■2012/04/01 21:07:32
おじいさんとおばあさんも大変だなw
5.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 21:20:55
このKUZUめw
9.
7777777
点
名前が無い程度の能力
■2012/04/02 22:47:33
よかった…KUZUな姫さまなんていなかったんだね
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