- 分類
- 神戸君の引退はかなり強引だったと思う
針葉樹林が密集する山脈のなかほど、いちじつを通して陽の射さぬ尾根の斜面にその沼はあった。
踏み入るには余りに険しくまた遠く、空を飛びでもしない限り人の目には触れない。そんな場所だった。
落ち葉と枯れ木が浮かび、黒く濁る泥水。そのなかから不意に気泡が浮かび、間を置かずなにか金色をしたものが、徐々に水面向かってせり上がってくる。
「――ぷはあっ」
どろどろの体で姿を現したのは、下着姿の少女――霧雨 魔理沙。
髪に腐葉土、脚に蛭。股の間にまで泥が滑り込んでくるような有様であったが、しかし魔理沙の顔はなんとも楽しげで、そこにまったく環境相応の薄暗さはなかった。底抜けに明るい。
魔理沙は腕一杯もある、泥の塊を抱えていた。沈みそうになりながら沼淵を目指し、口いっぱい土を食ってどうにか這い上がる。
「こりゃ……鏡か?」
周囲二キロ圏内に水源はない。水筒の水で口をゆすぎ、古代生物でも潜んでいそうな沼を背にして魔理沙は泥のカタマリをごしごしと拭った。金属光沢。僅かな光を反射する、鉄の――鏡。
直径、一メートル半。厚さ、二ミリ。真円に近く、両面をフラットな鏡面に仕上げられた鉄鏡。
「こいつは、掘り出しモンかもしれねーな」
発掘者特有の、大声で知らせて周りたくなるような興奮を味わいながら魔理沙は服を全部脱ぎ去って泥を落とした。ふと、その鏡面に映った自分の姿が目に入る。
なぜかどきりと、それまでとは違った興奮に胸が跳ね上がった。
少しはにかんだような表情を浮かべ、魔理沙は前髪を手すきで直した。首をかしげるようにして、多種多様な角度から、自分の顔をしげしげと眺める。
精一杯背伸びしてしなを作り、そして思いついたその一言を、ついに口に出して言ってみる――
「――鏡よ鏡よ鏡さん。幻想郷で一番美しい人は、誰?」
『あなたです』
「ふえっ!?」
鏡に映った己の顔は、真っ赤に染まり、なんだかとても、間抜けな顔をしているように見えた。
「鏡よ鏡よ鏡さん。幻想郷で一番美しい人は、誰?」
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__ わ た し で す --
二 / ̄\ = 二
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供養2.あれも一興、これも一興。笑って過ごそうみなばかだ。
ルナサ姉さんが好きすぎて生きるのが辛い。
お米食べろ。
保冷材
- 作品情報
- 作品集:
- 最新
- 投稿日時:
- 2012/04/01 20:51:10
- 更新日時:
- 2012/04/01 20:51:10
- 評価:
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