略奪してみたいお年頃

作品集: 最新 投稿日時: 2012/04/01 20:16:59 更新日時: 2012/04/01 23:27:58 評価: 9/17 POINT: 73620066 Rate: 818001.01

 

分類
霊夢
パチュリー
 魔理沙がトイレに行って、私はパチュリーと二人になった。

「…………」
「…………」

 沈黙の帳が落ちる。正直なところ、互いの間に共通している話題はそうないから、二人っきりになると会話に困る。目の前の少女は、別に気にする様子もなく本を読んでいる。

「……ねえ、パチュリー」
「なあに、霊夢」
「パチュリーが来るなんて珍しいわ。何をしに来たの?」

 思えば、珍しい組み合わせだった。図書館からの帰り、魔理沙がパチュリーを連れてきた時、そう思った。三人で炬燵を囲んでいても、パチュリーは本を読んでいて、魔理沙は気にせずに私やパチュリーに話しかけたりしていた。魔理沙は世界が広い。対照的に、と言うか、私は世界が狭い。神社の外にはあんまり出て行かないし、パチュリーみたいにあんまり出てこないような奴とは、あんまり関わることはない。だから、パチュリーと話すにしても、魔理沙を経由した形になることが多かった。

「そうね」

 パチュリーがぱたん、と魔導書を置いて炬燵の上に置いた。ごてごてと装飾のついた魔導書は、炬燵の上に置いてあるにはとても似合わない。

「得に、理由がないと言えばないわ。でも、理由を作るというならば、そうね。あの子、図書館から本を持って行くでしょう」
「ええ……そう言う風に聞いてるけど」
「だからね。私もそうしようかなって」

 パチュリーが素早く、短い呪文を唱えると、私の背後から強い風が吹いて私の背を押した。気付いたら、パチュリーの手が私の背に回っていて、私はパチュリーの胸の中で抱き留められていた。魔理沙よりぺったんこな胸の感触が頬に当たっていた。

「魔理沙の大事なもの、貰っちゃおうかなって」

 驚きが過ぎ去るよりも先に、パチュリーの唇が私の唇に触れている。肩に回される手も、重ねられる唇も、思ったよりも優しくて、私は思わずぼうっとなってしまった。
 見上げると、パチュリーの表情はいつもと変わらない眠たい目のままで、でも薄白い肌が、少しだけ朱くなっているのが分かった。



 そのとき扉を開いて、トイレから戻ってきた魔理沙と、暇潰しに遊びに来たレミリアが、見つめ合う二人を見ていた。
 正直参加してみたかっただけ

 読んで下さってありがとうございました。
 今年、創想話のエイプリルフールのノリに初遭遇した訳ですが、このために用意していたという作家さんのパワー、そして何でもあり感に圧倒されております。

 オチに「やだなー二人とも、今日エイプリルフールじゃない」的なオチを用意してましたが霊夢が可哀想なのでやめました
 この二人、効率主義者っぽくて、割と好き。互いに無言でいても気にならない間柄とか、霊夢が助手的なポジションというか、一本書いてみたい感じで。
 ええと、そうですね。なんかエイプリルフールっぽくないので、もうちょっと悪あがきしてみたいと思います。
RingGing
作品情報
作品集:
最新
投稿日時:
2012/04/01 20:16:59
更新日時:
2012/04/01 23:27:58
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9/17
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73620066
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818001.01
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0. 10731184点 匿名評価 投稿数: 8
1. 7777777 奇声を発する(ry ■2012/04/01 20:22:43
良いですね。この二人
2. 666666 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 20:31:23
一度この組み合わせでのssを読んでみたいという欲求がむらむらと沸いてきました
3. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 20:36:12
あまり見無いけどこの2人の組み合わせが一番好きです
4. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 20:50:23
お願いします続編というか完成版を書いてください!!!!!!
5. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 20:50:39
おいおいおいなんだこれもっと読みたいじゃないか
6. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 21:39:30
三月精の新刊で会話してたの思い出した
7. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 22:16:44
続きお願いします
8. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 22:28:46
霊パチュは深刻な供給不足
16. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/05 21:25:18
suteki
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