萃香さんの何処が好き？　って訊かれたんですよ。

『�@あなたの好きな人を思い浮かべてください。�Aあなたがその人を好きになった理由,その人の長所や良い所を挙げてください。�B挙げましたか？では、�Aで挙げた部分が無くなったその人を想像してみてください。�Cさて、最後に残った「その人」をあなたは愛せますか？』

　萃香さんを好きになった理由……長所……。まずは外見からいこうかな。ちっちゃくて可愛いとこでしょー、笑顔が可愛いとこでしょー、この笑顔もねえ、あ、でもこれは内面の時に述べようかな、あとは服装かな、あの大胆に切ってある袖でしょ、そこからちらちら見える脇でしょー、あとあの鎖分銅もいいよね、○△□の」ねえ「あれにも意味があるんだよね、周りには伝わらないけどさ。それからそうね、上半身は開放的なのにロングスカートって言うギャップがね、矛盾を孕んでて目を惹きつけるものがあるよね。日本の妖怪の癖に、癖にって言っちゃ駄目か、実は少女趣味な靴のリボンとか、髪は無造作に束ねてる割にきちんとリボンは結んでる割り切れなさとか、あ、挙げる順序間違えたけどドロワとかね。下半身だけは本当にガード固いよね、その割にＭＰとかＭＰＰとかでドロワ全開になるんだけど、そのギャップも良いよね。気を遣ってるのか遣ってないのかどっちだよって言いたくなる不安定さというか、この辺はもしかしたら萃香さん自身の内面に起因するのかな。外見はこれくらいにして内面の話にしようかな。萃香さんは萃夢想初出で、まあ一見カリスマっぽい登場をしてるんだけど、良く良く見てみると萃香さん本当に何もしてないんだよね。勿論異変を起こしたのは彼女なんだけど、異変を起こして結局自分からはそれ以上のアクションを起こしてないのよね。異変起こす→満足する→紫のせいで発見されて退治されるまでの間に、萃香さんがしてたことはただの人間観察で。確か萃夢想の萃香さんルートだったかな、宴会中の妖怪を一人一人呼び出してよくわからない説教して、ぼこぼこにしてまた帰すっていうなんというか貴女担任の先生か何かですかって言いたくなるような変な行動をとっては居るけど、これも良くわからないよなあっていうのが正直な感想ですかね。最後霊夢に勝ってるのに誰を誘拐するでもなく。孤高を気取るのに失敗してちょろちょろ後ろを振り返ってるような変な感想を抱きましたって言うのが萃夢想全体を通して感じたことでー、結局萃香さんは本当に他人と接するのが下手だなあというキャラ感を抱けると思うのですよ、下手って言うか、臆病。一度人間に裏切られて、人間に裏があることを知ってしまったからでしょうか、他人と触れ合うことに慎重になりすぎてると。もう少し萃夢想のストーリーを引いて言うと、まず�@事の善悪の立場をはっきりさせてる �A霧化して宴会を監視することで、個々人の人格、人となりを一方的に知ろうとしてる の二つが言えると。�@は要するに、出来るだけ人間関係に悩まなくていいようにしてるってことです。�Aもわかりやすいですね、単純にそいつが嘘を付く奴かどうかを先に見極めようとしてるんですよ。ずっこいですよねえ、萃夢想各ストーリーのファイナルステージの会話を見ても、相手は萃香さんについて全く知らないのに萃香さんだけは相手についてよく知ってるっていうおかしな状況になってますからね。長々と喋って言いたかったことは、『萃香さんは臆病でずるくて嘘吐きで可愛い』ってことです。緋想天の話の前に萃夢想について喋り忘れたことを補足しておこうかな。勢いで書いてるから書き忘れがあって大変だ。ええと、そう、萃香さんルートの最後、霊夢との会話の時に萃香さん『まあ、たまには嘘も吐くけど』って言ってるんですよ。これってすごく美味しい台詞だと思うんですね。鬼って言ったら嘘を嫌う高潔な種族ですよ。それがあの発言です。『譲歩』してるんですよ、まさにあの時。今まで『人間が我々鬼を裏切った』と散々言っていた鬼の、幻想郷最後の鬼が、『嘘を吐く』『ずるい』人間に歩み寄ったんです。鬼が攫い、人が闘う、その形を保つためなのかは推し量ること叶いませんが、重要なのはここで萃香さんが自分を偽ってるって点ですね。自分の感情に蓋をして動いてるって点です。さっき嘘吐きって言ったのはこのことでした。さて次に緋想天ですが、これについては……そうですねー、やっぱり萃香さんルートに興味深い発言がいくつかありまして。まず１面の文との会話から、萃香さんは地底から出てきてこっち、山に定住しているわけではないことが見て取れます。さらに、文はこうも言っています。『貴方が山に来るとみんな混乱するんですよ ちょっと控えて貰えると嬉しいのですが』どう見ても煙たがられてますね、萃香さん。そして、文は決して特別地位が高い天狗というわけではありません、せいぜい中の上くらいの１新聞記者です。風神録で駆りだされたことを考えると、もっと低いかもしれません。そんな文でも、萃香さんに対してあのような口が利けているということは、『文以外の天狗も』同じように萃香さんに対して接すると考えられます。居心地悪そうだし、萃香さんのことだから言われるたびにへらへら笑いつつ全力で傷つくでしょうね。次は２面ですが、ここは衣玖が萃香さんの素性を見抜けず萃香さんがこっそり傷ついた事以外
特に見るべき点はないです。さて最終面、ど頭の発言がこれです。
『 天界広いねぇ 我々は地上に住む場所を失ったというのに 山ですら、我々の居場所がないというのに 』
そう。めちゃめちゃ落ち込んでます。気にしてます。引きずってます。やべえ超可愛い。まじめに考察するなら、おそらく地上に住んでるわけでもなさそうです。勿論博麗神社に居候してるって発想も出来ますが、萃夢想萃香さんルートのエンディングからはそのような様子は見て取れません。ので多分どっか人目につかないところにちっちゃい家建てて一人暮らししてるんじゃないかなーというのが僕の想像ですね。しまった脱線した。本線はどこ、というかどれが本線だっけ。ずっと複線ドリフトしてたから次に何を話したらいいか……。緋想天萃香さんエンド、あれで天界の土地を一部強制的に借り上げてます。これから賑やかになるからあそこに陣取った、というのは裏を返せば寂しくて人がいっぱい居る所に来ちゃいました。になります。しかもここにくるのは、天子の起こした異変を解決しに、黒幕の元へたどり着く実力を持った者ばかり。賑やかになりそうですね。翻って萃香さんの居住地ですが、幻想郷で人目につかないところといえば�@魔法の森 �A霧の湖の近く の二つ、どちらにしても周囲にいるのは妖精ばかりです。萃香さんの妖精観については、これは非想天則のvsチルノの勝ち台詞なんですが、『有象無象じゃ相手にならないね』有象無象、その程度の認識です。おそらく平時は非常に退屈してると、そう思って良さそうです。緋想天・非想天則から推察できる萃香さんの生態についてはこんなところでしょうか、纏めれば『自分から他者を拒み、孤高を気取る寂しがりや』といった感じになるんじゃないですかね。わざと誤解を生んで嫌われ者に甘んじようとしている印象です。どんどん行くぞー次は求聞だ。
求聞史紀についても特には無いですね、精々挿絵の萃香さんが超可愛いことくらいで。いやあの本当に超可愛いんですよあの萃香さんだってあんな屈託の無い笑顔で木の枝に跨って見上げられたら誰でも惚れるってレベルですまあ惚れた奴から消し飛ばす気満々なんですけどねあははは。まあ求聞史紀の記述から引くとすれば、『今の幻想郷には鬼を退治する術は残っていない』というあたりですかね。退治される事が出来なくなってしまった、というのは、萃香さんの理想、すなわち人と鬼との古き共存関係が永遠に失われてしまったことを意味します。萃香さんの心境にどんな影響を与えたのかは想像に難くないですね。もう一つ出演してる作品が地霊殿です。道中を見てもわかるように、ここでも萃夢想と同じく『相手を一方的に知ってる』萃香さんの独壇場が見られます。そして、それだけ知識を持つことから萃香さんは地底と縁が浅くないこともわかります。勇儀との会話から察するに、萃香さん昔は地底に居たんでしょう。で、確か協定で地底の妖怪の管理をさとりに任せ、その代わりに地底を譲渡した、って感じだったと思うんですけど違ったかな。つまり萃香さん一人でその約束を破って地上に出てきちゃったんだけど、多分さとりあたりにペナルティがあったと、そう考えるのが自然です。ここで、一度地上これで終わったわけですが、結局纏めれば途中で述べた臆病で嘘吐きでーってあの辺の結論になるんでしょうねえ」に出てこれた萃香さんならもう一度地底に戻ることも可能だと仮定して、どうして萃香さんが霊夢を地底に派遣したのか。その理由を考えてみると……たぶん、気まずかったんだろうなあ、と。そんな理由で人間を地底に行かせる萃香さんはこれで腹黒いというかなかなかにチキンです。出演全作品についての考察という名の誤読が終わり、外見内面についての好きなところがこれで挙げ終わりました。これが全部無かった場合、僕は萃香さんに大好きだったんでしょうかっていうのが質問ですが、もしかしたらこれって長所じゃねえんじゃねえかな、とはいえ長所を見なかったところで萃香さんがやったことは何にも変わりませんからね、僕は何度でもこの結論にたどり着けるんじゃないかとそう思いますね、はい。