……開いて、しまったのですか。今ならまだ間に合います、すぐに、閉じて下さい。
聞こえませんか? メリーさんの声が……
……まだ、閉じてないのですね。幸いなのは、貴方がまだ祟られていないことです。
恐らく、間も無く電話がかかってくるでしょう。
「もしもし! 私メリーさん! 今近所のコンビニにいるの!」
等と、メリーからの電話が……
こう言うと、
――俺はメリーと結婚する! 結婚するぞ!
等と思われる方もいるかもしれません。確かに、私はメリーとは言いました。ですが、今回それがマエリベリー・ハーンという指定まではしていません。ちなみにマエリベリーさんは作者の隣で寝てます。
では、二度とお目にかからないことを、つまり貴方が幸福であると言うことを祈っております。
……ひょっとすると、既に電話がかかってきたのでしょうか? あるいはテレパシーとかなんたらかんたらで、メリーさんから既に連絡を受けたのでしょうか?
私と同じならば、「私メリーさん! 一万年と二千年前から愛してるの! だからもっと読んで!」とかなんとか。
その声が実にキュートで、これは金髪で貧乳の、心理学なんか学んでる美少女留学生の声に違いないと思ったのならば、間違いなく私と同じです。
しかし、その油断が命取り、まだ間に合います。病院で流動食を食べる羽目になるかもしれませんが、命だけは守られます。
まだお疑いでしたら、どうぞ先をお読みになって下さい。……私が見た地獄を、貴方も見たいのでしたらね。
……もう、手遅れでしょうね。では、さようなら。あとはメリーさんにお任せします。でも……もしかしたらブラウザバックすればあるいは……
もしもし? 私メリーさん。
えへへ、ありがとう。信じて、くれたんだ。
貴方が居ないと、駄目だったのよ。うん、ちょっとね、結界に近づき過ぎちゃってね。
夢と現の境界もあやふや……でも、助けてくれるのね? 貴方が、信じてる。だから、先に進んで……
……ほら!
……怯えないで!
……すぐそこが楽園よ!
そうして、貴方は楽園に辿り着いたのですね。
ええ、見えますよ。まさに右も左もソフトオンデマンド状態。最強伝説が始まるのです。
ほら、あそこには五百歳の幼女がいますよ。
ほら、あそこには香霖堂verのゆかりんが! あそこには黄昏絵のゆかりんが!
さあ! 歩いて! 近づいて! 奥にいけばメリーさんも待ってますよ! 全裸で!
……騙されるな
……右も左も全裸
……それが桃源郷
……そう思っていた時代が私にもありました
――でも……
やっと、顔を合わせられたのね。私がメリーさん。
私、可愛い?
……いくら可愛くても全裸でも認めちゃいけない。だってそれは……
そう、可愛いんだ。ありがとう。
じゃあ、お礼に、キスしてもいい?
駄目? でもいいよ。私でも、蓮子でも、他の人でも……ここは楽園。みんないるの。
じゃあ、私は目を閉じる。みんなも目を閉じる。
早く、決めてね。それじゃあね!
そうして貴方はキスをしました。
その瞬間、貴方は気付いたことでしょう。ここがマン・メイド・パラダイス。漢達の楽園であることに。
ええ、貴方がキスをしたのは雲山です。彼女も、彼女も、彼女も、みんな雲山です。
形や大きさを自在に変える事が出来る程度の能力で作られた、雲山の分身です。
見えるでしょう? 貴方の周囲を囲む頑固親父と、頑固親父に心酔する漢の姿が。
逃げたい? いえいえ、もう無理ですよ。あれだけ警告したんですから。
でも、ここも存外悪くない。漢と漢が織りなす楽園。女子供はお呼びじゃない。
では、一緒に楽しみましょう。
「やらないか?」
大丈夫、すぐに癖になりますよ。いやいや、私もあなたに警告していたんですがね、今にしてみれば、どうしてそんなことしていたのかと思いましたよ
実に素晴らしい。この漢と漢の営みで、世界をハッテンしていくことは……
- 作品情報
- 作品集:
- 1
- 投稿日時:
- 2012/04/01 02:39:54
- 更新日時:
- 2012/04/01 02:39:54
- 評価:
- 4/14
- POINT:
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