作品集: 1 投稿日時: 2012/04/01 01:38:03 更新日時: 2012/04/01 01:38:03 評価: 4/13 POINT: 40625552 Rate: 580365.39

 

分類
フランドール
咲夜
 うそ。
 うそです。
 うそだったのです。
 本当はわたし。
 わたしは吸血鬼では。
 なかったのです。
 では。
 ではでは。
 わたしは一体。
 全体。
 なんなんでしょう。
 なんなんでしょうね。
 謎です。
 謎でした。
 謎だったんです。
 わかりかねます。
 不思議なことです。
 わたしはわたしが。
 わからないのです。
 一体。
 全体。
 どうしたことでしょうか。
 しかし、吸血鬼では。
 ない。
 わたしは吸血鬼ではない。
 それは事実。
 それは真実。
 なぜならば。
 わたしは産まれてこのかた。
 血を吸ったことがないからだ。
 吸ったことないんだよ。
 血。
 吸うための牙はあるよ。
 あるんだけどね。
 牙を使ったことない。
 ほら。
 わたしはさ。
 引きこもりだからさ。
 ね。
 人と向き合うのが苦手なんだよ。
 目も合わせられない。
 目が合うと死ぬ。
 合ったことないから知らないけども。
 多分、死ぬ。
 一度。
 昔。
 目を逸らしながら。
 吸血行為に走ろうとした時期もあった。
 結果は悲惨なものだった。
『ちょっ、フランドールお嬢さま。そこは鎖骨です』
『えっ、あっ。ごめんさい……見えなくて』
『はあ、いやまあ、いいんですけどもね』
『……鎖骨から、吸ってもいい?』
『駄目です。首から吸って下さい』
『首も鎖骨も、似たようなものじゃあない?』
『鎖骨に血は流れていません』
『なるほど』
『さあ、もう一度』
『えいっ』
『フランドールお嬢さま、そこは鎖骨です』
『あ、あれえ』
『もう一度』
『とうっ』
『フランドールお嬢さま、そこは鎖骨です』
『むむむ』
『鎖骨お嬢さま』
『えっ』
『間違えました、フランドールお嬢さま』
『……わたしは鎖骨じゃないよ』
『しかし、フランドールお嬢さまは鎖骨にばかり関心を持たれる』
『……何でだろうね』
『何か鎖骨に恨みでもあるのでは』
『鎖骨に、うらみ。あったかな』
『あるのでしょう。ある筈です』
『……あった』
『えっ、あるんですか?』
『ないっ!!』
『うふふ、騙されちゃいましたわ』
『わーい』 
arca
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作品情報
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2012/04/01 01:38:03
更新日時:
2012/04/01 01:38:03
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4/13
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40625552
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0. 9514444点 匿名評価 投稿数: 9
1. 7777777 奇声を発する(ry ■2012/04/01 01:44:19
フランちゃん可愛いな
4. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 03:50:18
鎖骨お嬢様可愛いです。
5. 7777777 桜田ぴよこ ■2012/04/01 04:07:37
鎖骨と粗忽者をかけたやつがないかなって探してました。
10. 7777777 名前が無い程度の能力 ■2012/04/01 14:55:27
可愛すぎだろw
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