「爆発音がした」 in 創想話
作品集: 1 投稿日時: 2012/04/01 00:08:10 更新日時: 2012/04/01 00:10:17 評価: 21/41 POINT: 177870234 Rate: 847001.23
分類
息抜きに書いた。苦情は受け付ける。
小説
「後ろで大きな爆発音がした。俺は驚いて振り返った。」
ケータイ小説
「ドカーン! 俺は振り返った。」
ライトノベル
「背後から強烈な爆発音がしたので、俺はまためんどうなことになったなぁ、とかそういや昼飯も食っていないなぁとか色々な思いを巡らせつつも振り返ることにしたのである。」
KASA氏
――ぷ、ぱぁ
と可愛らしい音が、二人分の息づかいの間を泳いだ。
すてきな曼荼羅のようなへそを唾液でしめらせると、蓮子の臭いは爆発的に広がった。
メリーは一番奥のところに舌先でノックする。モチモチしたお腹の中に鼻を沈めると、体温はかっと燃え上がった。
「蓮子……」
「だ、だいじょうぶ……まだ、だいじょうぶ、メリー……おねがい、つづけて」
蓮子はためいきをついた。
それが以前とは少し違う毛色であることに、メリーの心臓は五度目の爆発をむかえた。
アン・シャーリー氏
「幽々子様の生放屁を拝見してもよろしいでしょうか?」
「お、おう」
妖夢は、ふだんとまったくかわらない調子で言った。「今日のおやつは水菓子にしましょう」くらいの気分だったにちがいない。
あまりに淡々としてるので、幽々子もおもわず了解してしまった。おまけに混乱した理性が、彼女の口調を面白おかしくこねくり回していた。
こうして幽々子はこの日、盛大な爆発音を起こしたのである。
ちなみに、妖夢の種族もこの日にかわった。
arca氏
爆発した。
私のうしろで。
ボン。
爆発。
でもあわてない。
吸血鬼だからね。
こんなことでおどろいていたら吸血鬼失格だもの。
うん。
とりあえずふりかえってみる。
そこにはそう。
これ。
電子レンジ。
吐きだされた煙がぐんぐんのびて天井にぶつかってる。
黒猫のしっぽみたい。
あれ。
まてよ。
猫って怒るとしっぽがぴーんって立つんじゃなかったっけ。
ということは。
この電子レンジが怒ってる可能性が存在する?
微粒子レベルで。
やっぱり嫌いだったのかな。
おやつのたまご。
おいしくなかったしね。
なまたまご。
「フランドール様。おかわりをお持ちしましたわ」
「お願いだから加工して」
プリンとかさ。
咲夜のプリンはおいしいから電子レンジにもわけてあげたことはない。
「あら、産みたてほやほや鮮度抜群のたまごはお口にあいませんでした?」
「産みたてなんだ、それ、だれが産んだの?」
「私です」
ボン。
……。
…………。
ありゃ。
吸血鬼失格だ。
鹿路氏
「ぷすん」
くるりと振り返った鈴仙は、輝夜の香りが濃いことにくらくらした。決まって苦しくなるのは、肺の中にある酸素を彼女がすべて追い出してしまうからだ。輝夜にそっと寄られるたびに、全身が自分のものではなくなっていく。
「消化不良って顔、してる」
「そうですか?」
「自分ひとりでなんとかしようとするからよ」
目があった。
「怖がりね。弱虫爆弾ちゃん」
導火線にからみついた火のように、姫の顔が近づいてくる。その熱が全身をあぶり、自分を支えている一本の芯をどろどろにとかしてしまう。
大きな瞳は真っ赤に燃え上がっていて、鈴仙は彼女に飲み込まれていることにようやく気付く。
近い。近い。体温のわかる距離だ。
「だから、手伝ってあげる」
輝夜の指が、鈴仙の頬の上をゆっくりと這った。
まのちひろ氏
バーベキュー味のスコーンとハーブティーで出迎えてくれたパチュリーに、魔理沙はげんなりした表情を返した。
「スコーンって、もっと甘くて香ばしくてジャムの似合うもんだろ?」
「あら、あなたにはよく似合ってるわよ」
魔理沙は考える。一口かじって残すのは、負けを認めたようなものだ。だが、一気にかぶりつくにはまだ大きい。そして、私の気力はあと一回分しか残ってない。どうにもできず、食べかけのスコーンを恨めしそうに見ながら、テーブルに突っ伏した。
そのとき、背後からごおんと低い音が聞こえ、すぐに熱風が吹きすさんだ。虚を突かれたように魔理沙は顔をあげると、辺りは屋敷の外のように明るくなっていた。
「な、なんだ!」
「ちょっと、魔理沙」
パチュリーは驚いた表情で、魔理沙に話しかける。
「なんでお尻から魔法を出したの?修業期間が短かったの?」
魔理沙はパチュリーを無視して振り返った。
佐藤厚志氏
やかましくされるのは苦手で、爆発する様は見るのも嫌だった。
『我々は今こそ立ち上がるべきだ。我々は立ち上がるべきなのだ。《カイネ社》は新人類の母と謳われているが、純正な肉体を虫食いのランブータンに変えているに過ぎない。強欲な不死販売株式会社のマッチポンプが八ヶ岳自治領の秩序を弄んでいることは、誰の目から見ても明らかだ。我々の自決権を、あのいかがわしい《蓬莱の目》に奪われることなど絶対にあってはならない。そのために今こそ我々が立ち上がるべきである。我々が。立ち上がれ。今こそ。今こそ。今こ』
だからそこで、停止ボタンをクリックして映像を中断させる。この瞬間、彼らは私に生かされている。私が彼らを救っている。直後におそう爆発に怯える必要もなく、もうもうと立ち上る黒煙にも咳きこまずに済んでいる。
彼らの言ういかがわしい《幸福薬》を舌の上で念入りに溶かした。
無音。くつくつと泡立つOD錠。静かな場所だ。すこし気持ちがやわらぐ。
twin氏
殺意と憎悪の金切り声は、いとも容易く彼女のか細い足を掬い取った。開け放たれた口から見える焔の長い舌が、彼女の肌を無遠慮に舐め回すと、鈍らの刃物で皮膚を無理矢理削ぎ落されるが如き痛みに襲われた。叫ぼうとする喉も、瞬きの間に口蓋に殺到した炎に焼かれ、赤黒い血液がぶくぶくと泡立つ。――地獄にも終わりがあることを、彼女は祈らずにはいられなかった。
平安座氏
今日も元気に調理場は爆発した。
「屠自古! なぜレシピ通りに作らないのだ!?」
「愛ね。太子様への愛情がそうさせているのよ」
「真っ黒だから! お主の愛情真っ黒だから! その肉、完全に炭化してるではないか!」
「でもそれって私の愛なの〜♪」
「愛なら仕方ない……とでも言うと思ったか。いい加減、愛情手料理が愛憎手料理になってることに気付くがいい! すなわち食卓の彩り気取りにして死に化粧であり、炭化肉に牛乳をかけてごまかそうとするのは最早トドメの一撃でしかないので即座にやめるべきである」
「そうしろと囁くのよ……私のゴーストが」
「ゴーストはお主自身であろう!?」
背後から聞こえる怒号。
振り返ることもせず、私はすぐにその場から立ち去った。
さあ、今日も外食だ。
スーパー食いしん坊氏
『人間の魔法使いが朝起きたら、時限爆弾のある部屋に閉じ込められていました』
「……また唐突に始まるわね」
呆れたように言ってやるが、メリーはまるで知らん顔。
『魔法使いは犯人が誰かわかりました……さて、どうやって彼女は犯人を当てたでしょう?』
メリーお得意の『ゲーム』。
それもまたハウダニット……だが何度やろうとこの頭痛には慣れそうにない。
「爆弾なんてずいぶん物騒じゃない? 相当な恨みよ」
「あら、そこから攻めるのね」
メリーが意外そうに言う。
「魔法使いの対人関係は? 恋人とか」
「恋人ね、いるわよ……『一人は巫女さんで、もう一人は魔女さん』」
答えながら、メリーは手元のノートにペンを走らせた。
ノートに書かれた『設定』は、この問題の上では絶対だ。
魔法使いの浮気性も、最早くつがえることはない。
maruta氏
背後からの爆発音に、早苗のスカートは命を賭した戦いの火蓋が切られたことを、瞬時に悟った。
何故ならば、早苗さんは信者の皆さんにとって、巫女さんであり女子学生であり神様であり、清純な少女でありながらお姉さん気質も兼ね備えた、天然素直で妖怪退治大好きっ娘という、ちょっとジャンル盛りすぎだよねと疑問の声があがりそうなアイドルであるからだ。
そしてアイドルは、トイレになんて行かないし、パンツもはかない。
自分の鉄壁が破られれば、その瞬間にすべてが終わると早苗のスカートは知っていたのだ。
もしも。
もしもこの戦いに勝ったら、ホットパンツになりたいという想いを抱きながら。
早苗のスカートは、迫りくる爆風と対峙した。
まりまりさ氏
爆発音が響き渡り、館全体が揺れ出した。
突然の出来事に、私はナイフを取り出して身構える。
「ふっ……なにを慌てている……咲夜」
「お、お嬢様……」
お嬢様はそんな私を見て、呆れたように言った。
「敵が侵入したとでも思ったの? 違うわ。この音はね、コミュニケーションなのよ」
「コミュニケーション……ですか?」
「ええ、フランはちょっぴり内気だから……まったく仕方のない子よね……」
お嬢様の口調はやれやれというように緩慢で、しかし慈愛に満ちた表情をされていた。
「ほら咲夜、はやくフランにご飯を持っていってあげなさい」
「……はい?」
「だからご飯よ。さっきの床ドン、聞こえてたでしょ?」
えっ何その吸血鬼ルール。マジ意味わかんないんだけど。
つか、地下なのに床ドンって……。
うるめ氏
そして、青娥は振り返った。
芳香は毎晩、青娥の指示で見世物にされていた。病死、焼死、中毒、その他あらゆる死体の演出を芳香にさせた。
好事家の多くはこういったことに目がなく、青娥は芳香の自慢がしたくてたまらなかった。その利害の一致が、この催しを支えていた。
「青娥、死ぬのは駄目だ」
帰路の中、芳香は突然思い出したように言った。
「ふりよ、ふり。大体あなた、死なないじゃない。せっかく死なない身体なんだからもっと好きにしていいのよ」
青娥にはこのやり取りが何度目になるか、もうわからなかった。
「ねえ、やってみたい死に方とかないの」
「ん? んん……」
「なんて、あるわけないわよねぇ」
「……あぁ、ある、あるぞ! あの死だけは覚えてる! だからもう一度やってみたい」
青娥は思わず芳香を見つめた。とても信じられなかったのだ。
しかし芳香はその視線の意味に気づくことなく、満面の笑顔で答えた。
「心中」
その言葉を理解する前に、青娥の身体はすさまじい速度で地面に吸い寄せられた。
青娥はもがこうとしたが、芳香の怪力の前ではなんの意味もなかった。
爆発がやってくる。もうすぐだ。
通算67発目ですが、まだまだ真似たい方は多くいる。創想話はすばらしい。
それと、これまでの「爆発音がした」を創想話スレまとめwikiにまとめて下さった方、ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。
智弘
作品情報
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投稿日時:
2012/04/01 00:08:10
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 00:13:34
やるじゃん
3.
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愚図
■2012/04/01 00:15:43
arca氏がすごくしっくり来る。
4.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 00:18:11
面白いです
7.
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euclid
■2012/04/01 00:21:55
毎回毎回本当にスゴひ
8.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 00:22:23
愛がある
9.
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奇声を発する程度の能力
■2012/04/01 00:27:00
発想が面白いですね
10.
111111
点
名前が無い程度の能力
■2012/04/01 00:33:39
ネタかぶった…。めっちゃかぶった。
14.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 00:46:14
すばらしいww
15.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 01:09:36
的確過ぎワロタwww
18.
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点
名前が無い程度の能力
■2012/04/01 01:23:31
相変わらず上手いw
19.
7777777
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 01:34:20
オマエダタノカ…
20.
7777777
点
名前が無い程度の能力
■2012/04/01 01:58:08
b
21.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 02:33:16
毎度すごい
24.
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点
カンデラ
■2012/04/01 04:29:51
凄い!
27.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 10:02:50
爆発にも色々あるのが面白いww
30.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 11:08:08
最後のせいよしを100kbで頼む
32.
7777777
点
名前が無い程度の能力
■2012/04/01 14:18:46
素晴らし芸風
34.
7777777
点
名前が無い程度の能力
■2012/04/01 16:13:43
よくこんなに書き分けられるなぁと感嘆するばかり
持ってけ7777777点!
35.
7777777
点
名前が無い程度の能力
■2012/04/01 16:54:06
おねがい!せいよしもっとおねがい!
36.
7777777
点
ずわいがに
■2012/04/01 18:45:32
ハイセンスだ!
39.
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名前が無い程度の能力
■2012/04/01 21:36:41
爆発! せずにいられないッ!
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