○月×日
今日もアリスはかわいかった。
あのつぶらな瞳を見つめているとなんだかほんわかとしてくる。
○月△日
アリスの一挙手一投足が私を魅了してやまない。
……あれ? この表現っておかしいか?
まあいいか、比喩表現ってことで。
○月◇日
なんでアリスはああまで魅力に溢れているのかを私なりに考察してみた。
やはりまず挙げられるのは、なんといってもアリスが持っている独特の雰囲気、空気感だろう。
とても妖怪とは思えないほどの柔和さが、とてつもない癒し成分を周囲に撒き散らしている。
さらに、全体的に丸みを帯びたフォルムから感じられる女性らしさが、それを増大させている。
ああ、いとおしいのぜ……。
○月●日
今日もアリスは元気だった。
アリスかわいいよアリス。
○月■日
今日は嫌な夢を見てしまった。
アリスが死ぬ夢だ。
いつもは夢なんか起きてすぐに忘れてしまうのに、今日に限って夢の情景が網膜にこびり付いて離れなかった。
アリスが死に、一人遺される私。
アリスの墓の前で、延々と泣き続ける私。
思い出すだけで、頭がおかしくなりそうだった。
でも、元気なアリスの顔を見たら、幾分か気分は和らいだ。
そうだ。
アリスは今、生きているんだ。
まぎれもなく、この私の前で。
○月□日
昨日は、アリスが私より先に死ぬという夢を見てしまったが、しかし実際には、私の方が先に死ぬだろう。
なぜなら、アリスは妖怪で、私は人間だからだ。
そこには抗うことの出来ない種族の差、寿命の差がある。
私が死んだ後、アリスは一人で生きていくのか。
この魔法の森で、たった一人。
私と出会う前、そうであったのと同じように。
そう思うと、なんともやるせない気持ちになった。
もっともアリスのことだから、私がいなくなっても、何でもないように生きていくのかもしれないけど。
○月▲日
今日はふと、アリスと出会った日のことを思い出していた。
あの日、私が異変の解決に精を出していると、予期せぬ形で私達は顔を合わせた。
あれから、結構な時間が流れた。
私は今も、アリスと共にいる。
時間の許す限り、命の許す限り、私はこれからもこうして、アリスと共に生きていきたい。
死が、二人を分かつまで。
○月▽日
今日、この日記をアリスに見られた。
私は狼狽した。
きっとアリスは、私がこんなにもアリスのことを想っているということを知らなかっただろう。
それを知ったら、果たしてどう思うのだろう。
気持ち悪がられるかもしれない。
嫌われるかもしれない。
もう、今までのような関係ではいられなくなるかもしれない。
様々な考えが私の脳裏をよぎり、駆け抜け、私はただその場に立ち尽くしてアリスの反応を待つ他なかった。
しかし、アリスの反応は私の予想とは全く異なるものだった。
アリスは、「もう、魔理沙ったら」などと言いながら、いきなり私に抱きついてきたのだ。
今思えば、アリスはちょっと泣いていたような気もする。
なんでそうなったのかは、未だによく分からない。
分からないが、とにかくよかった。
アリスに、嫌われたりしなくて。
「そういやあんたさ」
「なんだ? 霊夢」
「例のツチノコって、まだ飼ってんの?」
「当たり前だ。毎日ちゃんと観察日記も付けてるぜ」
「ふーん。案外ちゃんとしてんのね」
「当然だぜ」
了
代わりに俺は土下座するから
前のツチノコの続きかよっ
騙された……けど、何だろうこの高揚感。
クソッ、オチ見るまで気付かなかった…www
ちくしょう!純粋なマリアリだと思…いや、マリアリ…なのか…?いや…しかし…
ってかアリスw
前回の続きなら結局マリアリに…なるのか…な?
ところでツチノコって妖怪?