香霖堂の朝は遅い
「はずだったんだがな……」
だが、今日はお店の店主である、森近霖之助が朝早く起きてしまった
「…まあ、目が覚めたのは仕方がない」
布団の中でそう思いながら少しだけまどろむ
(早起きは三文の得というが…)
ちょっとだけ、馬鹿らしく思ったが
「すぅ…すぅ……」
「……神綺の寝顔を見れるのなら…三文以上だな」
隣で、無防備に眠っている炉理魔界神の姿を見て
香霖が思わず微笑む
(昨日は、色々あったからな)
服を探す事や、なれない姿で料理をしたり、片付けたり
(流石に疲れたのだろう…)
眠っている神綺の頭を撫でていると
「…ん~……ふぇ?」
「やあ、起きたかい?」
幸せそうに、目を細めていた神綺が目を覚ます
そして……
「……」
しばらく、ボーっとして
「夢ですね……」
「おいおい…」
魔界神が夢と認定しました
「夢なら……何してもいいですよね…」
そういうと、再び魔界神は目を瞑ると
「えへへっ……」
(ゴロゴロ…)
香霖の胸元に頬擦りをしてきた
……今の香霖の心の中は
(……はっ!い、いかん、余りに衝撃に走馬灯が見えた)
小さな魔界神との生活…プライスレス(お金じゃ買えない)
とりあえずこのままだと、香霖の理性が耐えれそうにないので
「……いや、夢じゃないから…」
神綺の頬をぷにぷにと突付く
「(ぷに)ふぇ…(ぷに)む~…」
(面白いな……)
しばらく突付いていようかと思っていたが
神綺が半目を開いて香霖を見る……
(やっと起きてくれたか…)
香霖がそう思っていると
(ちゅっ!)
(い、今起こった事をありのままに話す……
神綺が起きたと思ったら、そのまま頬にキスをされていた
夢オチや、死ぬ間際の夢とか…そんなチャチなもんじゃない!
なにか…お金などでは買う事の出来ない
そんな幸せって物の片鱗を感じたぜ…)
店主思考停止中……
「はっ!いかんいかん……神綺!そろそろ朝だから起きて」
このままでは、押し倒してしまう可能性が高くなってしまうので
香霖が、神綺を(ゆさゆさ)とゆする
「……む~…」
今度こそ目を覚ます
(きょろきょろ)
そして辺りを見渡して……
「香霖さん?」
「ああ、おはよう」
香霖に挨拶をされると
「おふぁおう…ごらいまふ…」
思いっきり眠そうに挨拶をしてきました
(ああ、これはどうしようもないかな)
このまま置いておいたら再び眠ってしまうだろう
「仕方がないな…」
香霖は笑いながら、神綺をそのままベッドに置いておくと
台所に向かった
香霖が台所に行ってから少しして
「…これで良いかな」
何かを持って再び寝ぼけている神綺の元にやってきた
そして、もう一度神綺を起こす
「ほら、もうそろそろ起きないと……」
「……みゅ~」
寝ぼけているが少し目を覚ました神綺に対して
香霖が何かを渡す
「ほら、ホットミルクだ……これでも飲んで」
「…ふぁい」
寝ぼけながら、ちびちびとミルクを飲んでいく
「ふう…おはようございます香霖さん」
どうにか目が覚めたのか神綺が香霖に挨拶をする
「ああ、おはよう」
もはや三回目になる挨拶をかわす
しばらく神綺がミルクを飲んでいると
香霖の顔を見て顔を赤くした
「ん?何か僕の顔についているかい?」
顔に、何かついているのかと香霖が問いかけると
「え、ち、違います……ただ…夢を思い出していただけです」
「夢?」
香霖が問いかけると
「はい…な、内容は…言えないですけど…」
そう言ってから、顔を赤くして下を向く
(……なるほど…確かに言えないよな)
だが、香霖にはわかった、先ほどまで寝ぼけていた事を
夢と思っているのだろう
(……ふふふっ…)
「もしかして、僕が出てきたとか?」
「ごぶっ!?」
わかっているのに改めて聞こうとする……香霖堂の店主は悪人です
いきなり、自分の夢を言い当てられたので
飲んでいたホットミルクを少し吐き出してしまった
「けほっ、けほっ……な、なんでわかるんですか?」
(それは、君が現実で行った事だから…という前に)
香霖がタオルを持ってくると
「…とりあえずそのままだと、なんだから顔についたミルクを拭いたほうがいい」
今の炉理魔界神の顔は
むせ返ったせいで、顔に白いミルクがついています
(なんか…エロいな(作者))
香霖がタオルで神綺の顔を拭くと
「…先に台所でご飯を作っているから…落ち着いたら来てくれ」
「は、はい……」
先ほどよりさらに顔を赤くして、神綺がうなずく
「ああ、そうそう…」
香霖が部屋を出ていく間際に…
「キスをするときは、一言断ってからのほうが心の準備が出来たんだけどね」
そう一言告げて、台所に向かった
その後、しばらくしてから魔界神の悲鳴が聞こえた
「……よし、出来上がりだ」
今日の朝ご飯は、
スクランブルエッグに食パンそして、サラダだった
この男、意外といろんな物作れるのである
「…出来たのはいいが……遅いな」
先ほどの悲鳴からかなりの時間が経っているはずである
(もうそろそろ、落ち着くと思うんだが)
心配になったので、香霖は様子を見に行く事にした
香霖が神綺のいるところに行くと
「えい、えい!…な、なんで?…う~ん」
(なにやっているんだ?)
「えい、えいっ!…ふえ~(涙目)」
とりあえず、何があったのか分からないが
「神綺…朝ご飯できたぞ?」
「!?」
香霖が来た事に気がつくと
「え、香霖さん?」
驚いて振り向くと
「……羽?」
魔界神の背中には羽が生えていました
「あっ!み、見ないでください!」
恥ずかしいのか、両手で羽を隠そうとするが
両手で隠そうとするのは無理であった
「み、見ないでください…ひっく…ひっく」
遂に泣き出してしまいました
改めて、今の状態を説明すると
ハダワイ×背中に羽が生えている幼女×涙目=測定不能
「な、なんで羽が…」
「う~……」
とりあえず……
「まあ、先に朝ご飯を食べよう」
「ぐすっ……はい…」
朝ご飯を食べる事にしました
「「ごちそうさまでした」」
あっという間に朝ご飯を食べ終わると
「では……その羽の事について聞こうか…」
「…はい……」
神綺がシュンとした顔でうなずく
「……いつもなら、けして出て来ないはずなんですけど」
(ひょこひょこ…)
「…さっき…思いっきり驚いたから…タガが外れちゃって」
(ペコ…)
「うぅぅ…戻らないんですよ…」
神綺が涙で話しかけるのだが…
(背中の羽が気になって仕方がない)
香霖には、神綺の背中の羽の方が気になって仕方がなかった
「香霖さん?」
神綺が何も言わない香霖を下から見つめる
「なあ、神綺?」
「は、はい……」
思わず身を硬くする神綺に対して
「その羽って、触れるのかい?」
香霖がそう問いかける
「え~と…触れますけど?」
香霖の意図が読めないが、とりあえずそう答える
「触ってみていいかい?」
「だ、駄目ですよ!」
突然のそんな風に言われたので神綺が反対する
「なんで?……こんなに可愛いのに…」
「そ、そんな…可愛いなんて…」
(ぱたぱた~♪)
香霖に褒められたのがうれしいのか
うつむく炉理魔界神
「どうしても駄目かい?」
駄目押し気味に香霖が微笑む
「す、少しだけですからね?」
もうリンゴに負けないぐらいに
赤くなった顔で神綺がそう答えた
お店の看板を「本日臨時休業中」と香霖が変えてくる
「では早速……」
香霖が神綺の前に戻ってくると、神綺を軽く持ち上げる
そしてそのまま
「あ、あの…」
「ん?なんだい?(撫で撫で)」
「むふ~(満足)……じゃなくて、どうして香霖さんの膝の上に?」
香霖の膝の上でヒョコンと座りながらそう問いかける
「嫌かい?」
「い、嫌じゃ…ないですけど…」
むしろ、少しうれしいと言いそうになるのを押さえる
「なら問題ないな……では改めて」
香霖がそう話すと、神綺の背中に生えている羽を撫でる
「…んっ!(ぴくん)」
思わず、声がでそうになるのを押さえる
香霖も、手を止める
「す、すまない…痛かったかい?」
香霖が心配そうに聞いてきたので、神綺があわてて否定する
「い、いえ……ただ、羽は少し敏感なんで…」
「痛くはないんだね?」
香霖の言葉に、頷く神綺
「そうか、ではもっと優しく…」
しばらく羽を撫でていると
「ん~♪……」
神綺が気持ちよさそうに目を細める
その様子を見て、今度は香霖が頭を撫でる
「♪~~」
もう、完全に香霖に身体を預けている
既に、背中の羽も香霖の身体に触れている状態である
(やばっ!すごい苛めたい!)
香霖の中に思いっきり『いぢめたい』という気持ちが出てきた
(いや、流石にそれは……)
一旦は何とか押さえたが、だんだんと頭を撫でているうちに
再び、その気持ちが出てきた
(駄目だ……我慢できない)
そして遂に……
「はむっ!」
「ひっ…ひゃ~~~~!?」
香霖が、神綺の背中に生えている羽に甘噛みをした
「む~……」
顔を膨らませて怒っている魔界神の姿がそこにあった
「あ、あの……神綺さん?」
「なんですか!?」
思いっきり怒っていた、それを示すかのように背中の羽も威嚇するように立っていた
「ごめんなさい…」
「…知りません!」
ご機嫌斜めな魔界神に謝っても許してくれない
「あと…」
「……なんですか…」
少しだけ香霖の方を見る
「いや、そろそろどいてくれないと…足が痺れて」
「…嫌です」
神綺は、香霖の膝の上で座ったまま怒っていました
ようやく許してもらった頃には
「うう…足が…」
「香霖さんが悪いんですよ…」
すでに足が痺れて歩けない状態でした
そのまま、朝と昼が過ぎて晩御飯が終わり
二人ともお風呂も上がった後の、のんびりした時間
「あの…香霖さん?」
神綺が、ためらいがちに香霖に話しかけてきた
「ああ、なんだい?」
本を読みながら答えると、神綺が寄ってくる
「……」
そして無言のまま香霖を見ると
「えい!」
座っている香霖の膝に座る
「な、何を?」
突然膝の上に座られたので驚いていると
「……も、もう一度だけ…チャンスをあげます」
「チャンス?」
神綺が顔を赤く染めると
「ま、また…羽根を撫でてもいいですよ?」
そう答えた……
一時間後、そこには座ったまま眠っている香霖と
「すぅ…すぅ……」
完全に安心しきった無防備な姿の魔界神の姿がありました
魔界神は今、幸せそうに眠っています
なお、これ以降、香霖堂で座りながら本を読んでいる店主の膝には
かなりの確率で、小さな魔界神の姿が見られるようになるのであった。
堪能させて頂きました。
しかし咲夜さん・・・・・
店主…こ、これはいかほど!?って・・・・(汗
ネタ…永琳絡ませてクスリ系とかどうでしょう?
その下で神綺じたばた じたばた(もぞもぞとか、なんでもよし!)
座ってようがあお向けでいようが香霖に意識があろうがなかろうがいいから、香霖の腕の中から出ようとじたばた もぞもぞ
>タカが外れちゃって
タガ(箍)が外れちゃって
え?炉利神を書くならやっぱスク水ネタは外せないのでは?もうやってましたっけ?
惜しむらくは今が冬ということ…悔しいのう、悔しいのう…
他には・・・お返しの耳はみとか背中なめとか
あとは寝ている香霖に馬乗りになってゆさゆさして起こそうとするとか、
その拍子に見えちゃって(ナニガ)二人とも赤面とか・・・。
今回もあまあまで幸せになれました。 ありがとうございます。
Exactly(そのとおりでございます)
相変わらずの甘すぎで悶え死ぬ所でした・・・
もう神綺様は幼女のままでいいと思うんだ。うん。
>確立
確率かと。
シチュ……新妻は裸エプロン。
というか、既出ですか?かまいませんよ。
そういうネタならいくつでも!
美味しい話、ご馳走様でした。
前回のコメントで自分がやったのもあってジョジョネタがwww
犬耳生やして幼児化する香霖、それを見た炉利神綺が妙にお姉さんぶるけど全部裏目に出てしまうという一日とか。(この状態を咲夜さんに見つかるとかもあり)
ネタ募集を見て真っ先に思いついたネタです。 真っ先に思いついたのがコレって俺頭大丈夫かな~(´・ω・`)
あと、猫系だったら酒でなくても、またたびやらキウイ(キュウイ?)やらでも
肩車とかもどうだ!
それと手をつなぎながら一緒に里へおかいもの。
あとご飯の時に神綺が「あ、香霖さんほっぺたにごはんついてますよ~」と言って香霖のほっぺたに付いているご飯つぶを取って、そのまま…(以下省略)
水着でゴー
水着でなくても構いませんがね
2度目でも破壊力が衰えないというのはどういうことなんだ脇役さん!!
おかげで宿題が進まねぇよ・・・