百年越しの言葉

先日、Wojk(リグルは/男の子だろ/常識的に/考えて)の会の会員になりました。
会長のY・Yさんから「あんなに可愛い子が女の子な訳ないじゃない」という有り難いお言葉をいただきました。合掌。



～注意書き～

・短いよ！
・いや幽香はドＳだろjk
・幻想郷に男なんかいるわけねぇだろこーりん？眼鏡外したら美少女に決まってんだろ
・霊夢と紫がいい人なんてありえないね
・リグルは泣きながらいじめられるのがいいんだはぁはぁ
・いや幽香はドＳだろjk

これに一つでも当てはまってしまう人は申し訳ございませんがお引き取りください。
ここまで言っても帰らない人は













作者と気が合うかもしれません。



～注意書き　終～












覚えているかな、幽香さん。

初めて幽香さんを見た時、僕は動けなくなっちゃったんだよ。
月明かりに照らされて踊る、幽香さんがあんまり綺麗だったから。
でも僕が見とれていたら幽香さんが振り返って
「雑魚に興味はないわ。去ね」
って笑顔で言うもんだから、
僕はもう怖くって速攻で家に帰った。
それで夜が明けるまで布団にくるまって震えていたんだ。

だけど夜が明けて呆けた頭で真っ先に思ったのは
強くなったら幽香さんの隣に行けるのかな、ってことだったんだ。

多分もう、その時には幽香さんに一目惚れしちゃってたんだと思う。

その後はもう、めちゃくちゃだった。
霊夢とか魔理沙とか、とにかく手当たり次第に喧嘩を売って。
そのたんびに返り討ちにあって。
30回位ボロボロにされてから、このままじゃ駄目だと思った。

僕は博麗神社に行った。
霊夢に僕を鍛えてくれってお願いしに行ったんだ。
霊夢はすごくめんどくさそうな顔をしたけど、意外とあっさり了解してくれたよ。
…そのかわり、大事にしてたビックリマンシール全部取り上げられちゃったけど。
霊夢も暇だったんじゃないかな。
いやんなる程みっちり鍛えられたから。

大体一年ぐらいしてやっと一発霊夢に入れられたんだ。
次からは難易度が跳ね上がったけど。

十年目に霊夢に勝った。
そしたら霊夢はもう、修行に付き合ってくれなくなった。
自分にはもう教えられることはないから他を当たれ、って。

それからは幽香さんの知ってる通り。
毎月一度、満月の夜に太陽の畑にきて幽香さんに勝負を挑み続けた。
初めのうちは避けるのが精一杯で反撃できないし、結局当たってしまうし。
散々だったなぁ。

どうにもならないのが悔しくて、実はマヨヒガまで八雲の大妖怪に修行をつけて貰いに行ったんだよ。
正直相手にしてもらえると思わなかったんだけど、
その日は機嫌がよかったみたいで、いろいろ教えてくれたよ。
ただ、どうして強くなりたいのかって根掘り葉掘り聞かれたけどね。
仕方ないから誤魔化しながら説明したんだけど、
ちょろっとしゃべっただけで
「つまり幽香に惚れているのね」
って。
あれは吃驚した。この妖怪には絶対敵わないなって思ったな。
まぁ
「そう言うことなら協力してあげましょう」
って言われたから、
その後も結構鍛えて貰いに行ったんだけどね。

ともかく僕は死に物狂いだったんだよ。
この百年、他には何もなかった。
ただ強くなって、幽香さんに勝って…
それだけだった。

そして、幽香さんに出会ってから今日が百年目。







たった今、僕はあなたに勝ちました。

だから、言わせてください。
このために僕は強くなったのだから。








「幽香さん、僕のお嫁さんになってください」



幽香は傷だらけでうれしそうに微笑む。
「百年越しのその想い。確かに受け取ったわ、リグル」

眩しいほどに輝く月を背に、蟲の王はゆっくりと妖の花に口づけた。








長い長いくちづけの後に幽香はぞっとするほどの笑顔でこう言った。
「あぁリグル？私に子供を産んでほしかったら次は紫に勝つことね」

それを聞いたリグルは一週間とかからずに紫を倒したという。

風呂場で唐突に思い出した。
マッチョなリグルを。
SSにしたら。
こうなった。