響子のデスボシャウトで、寝静まっていた鳥たちが一斉に飛び去っていった。
私も逃げたかったけど、屋台のお客さんを残していくわけにもいかない。仕方なく、持っていたフライ返しで耳をふさいだら熱かった。
「うっさいな」
小傘は、今まで聞いたことないような冷たい声でぼやいた。
幻想郷屈指の気の弱さを持つのが彼女。なのに、相手が響子のときだけやたら強気なのはなぜなんだろう。
で、その響子は。
叫んだらスッキリしたのか、屋台の前でご満悦だった。
「ムシャクシャしたときはシャウトに限るぜ」
とかなんとか言って、悠々と屋台に戻ってくる。獣のような耳が二回、跳ねた。
そっすか。
としか答えようがない。
だから嫌だったのだ。こいつに酒を与えるのは。でも最初は一応お客さんとして来たしお金も払ってくれたので、無下にはできなかった。
私は溜息をつきそうになったのを、お客さんの前だからと堪えた。プロ意識大事。
「腹が立つたびにそんな声量で叫ばれちゃ、たまんないよ。うなぎ、おごるからさ。たらふく食べて、忘れちゃう方向で頼むよ」
「うなぎだあァアアアアーッ!?」
きーん。
また叫ばれた。
今度は不意打ちだ。耳が痛い。
「毎日毎日毎日毎日うなぎばっかり食わせやがって!!」
「うなぎ屋だからね」
「たまには鳥肉食わせろよおおおおオオオオッ!!」
「んだとォオッ!?」
あ、やば。
あまりの暴言に、つい叫び返してしまった。
落ち着けみすちー。相手は酔っぱらいだ。怒っても仕方がないぞ。そう自分に言い聞かせる。
しかしすっかりテンションが上がってしまったらしい響子は、なおも私に怒りを投げかけてくる。
「オウ!? キレてるんですか!?」
なぜか丁寧な口調だった。
「……キレてないよ」
「女将キレちゃったんですか!?」
「キレてない」
「じゃあ鳥肉食わしてくれるんですかアアアアア!!?!!!??!??」
「それはダメなのだアアアアア!!?!??!?」
あー耐えられん、これ。
鳥肉というワードが出ると考えるより先にプッツンしてしまう。脊髄だか脊椎だかが乱反射して顔面ダイアモンドダストである。
プロだって、プロだってキレる。
「こんなよお。チンケなチン毛商売しやがってよお」
酔っぱらい、いよいよクダを巻き始めるの巻。
「半端なことしやがってよぉお。私とビッグな夢を掴むんじゃなかったのかよお」
「そんな約束してないでしょ」
たぶん、バンドのことを言っているんだろう。
彼女と私は、鳥獣伎楽というパンクバンドを組んでいる。けれど彼女が言うような、ビッグなアメリカンドリームみたいなものを追いかけているつもりは、私にはなかった。鳥獣伎楽は、いわば趣味の延長である。……まあ屋台もほとんど趣味のようなものだが。
だが、私のこんなスタンスが、響子には中途半端なことをしているように映るらしい。どっちかにしろ、やるならひたすらやれ。そんなふうに文句を言ってくることは、今までにもたびたびあった。酒が入ったときのみだが。
たぶん、本音の愚痴なのだろうけど。かといって本気で私のことを変えたがっているわけでもないと思う。この話でマジな喧嘩になったことはないし。
ちなみに、素の響子はめっぽうおとなしい女の子である。
「ビッグうぅ~~~」
「もう、飲みすぎだよ響子」
「ビッグマン~~~」
「わかったわかった」
「俺とお前とビッグマン~~~」
響子はブツブツ呟きながら、カウンターに突っ伏した。ゴツンとか鳴った。その拍子に空のさかずきをひっくり返したが、気づく様子はない。
「危ないなあ」
空でよかった。中身が入っていたら、隣に座っている小傘の席まで酒浸しに……。
目の前には、瞳のハイライトがない小傘がいた。
表情は何もなかった。
こわい。
「わ、悪いね小傘。こいつ、根はいい奴なんだけど、酒癖が悪くてさ」
「うん。知ってる」
彼女は表情のないまま答えて、焼き茄子を頬張った。不機嫌さが半端ない。
何だろうなあ。彼女は、響子の事が嫌いなのかなあ。
「嫌わないであげてね」
私がそう言って微笑むと、彼女は初めて笑顔を返した。
あれ? 思わぬ反応だった。
「あはは。いや、嫌ってるわけじゃないんだよ。好きでもないけど」
と彼女は言った。
「そっか。いやさ、さっきから言葉に容赦ないからさ」
「響子なら、気にしなくていいから」
なんだ。逆に、仲がよすぎるのか。
どうやら私は心配しすぎていたらしい。よかったよかった。
たぶんよかったんだと思う。
「えと、付き合い長いんだっけ?」
「そこまででもない。一年ぐらいかなぁ。あ、お酒もらっちゃお」
小傘は響子のさかずきととっくりを、こっそり盗み取った。
友達同士らしいから、特に咎めなくてもよさそうだった。どうせ酔っぱらいは、どれだけ酒を飲んだかなんて憶えていないだろうし。でもまあ礼儀として、これだけは一応聞いておこう。
「おちょこ、いる?」
「ううん。これでいいよ」
さかずきの淵ギリギリまで注がれた清酒が、月光に照らされて、屋台の木目を映す。最後に一滴零れ落ちると、ぴちょんと波打った。小傘はそれを、響子が口を付けていなさそうなところを探してから、傾ける。
素直に新しいさかずきを使えばいいのに。
「……ぷは。効くねー」
にっこり上機嫌になる化け傘さん。
響子を冷たい目で見ていたときとはまるで別人だった。
「そう言う女将は、響子と長いの?」
「まあ、……そうだね。前まで、ご近所だったしね」
響子が山にいた頃は。
彼女がお寺に棲み着いてしまった今では、小傘のほうがご近所さんなのだろう。
ちょっとだけ嫉妬しちゃう。
しないけど。
「そっか。バンドはその時の縁か」
小傘は何か納得したらしい。腕を組んでうんうん頷いた。
「いいなあ。一緒にさ、ギターやってさ。酒飲んでさ。私、時々羨ましいなって思うの」
「私たちが?」
「うん。響子がバンド始めるって言ったとき、私、『ああやっぱりな』って思って。なぜかわかんないけど、ちょっと悔しかったんだよね。先を越されたような気がして」
「へー。意外」
「ふふん」
彼女は満足そうに笑った。そう言うと思った、とでも言いたげだ。
「『私も入れてよ』って、その時言ったの。冗談めかしてだけどね」
「え、そうだったの?」
「そだよ。……や、でもねそしたらね」
興が乗ってきたのか、小傘は声の調子を上げていった。
「響子ったらさー、『お前とじゃビッグになれねえよ』って、わざわざグラサンかけてから言うの!」
「うわ、うっざ」
すごく想像しやすかった。
「ね。そんな突き放すことないでしょ?」
当の響子が寝ている横で、二人してケタケタ笑う。
……まあ、ね。
響子は実際、面白い。根は真面目でまっすぐなのだが、あらぬ方向へと真面目にまっすぐ進むので、見ていて飽きない。単純に言えば、愛すべきバカというやつか。
「こいつ、いつも形から入るんだよねえ」
パンクバンドだから近づきがたい雰囲気を出さなきゃいけない、と思っているんだろう。響子は。それでわざと小傘を突き放したりもする。悲しいことに、全部誰かの真似事でしかないのだけど。
一応相棒だから、そうフォローしておいた。全然フォローになっていない気もするが。
私がバンド結成話を受け入れたのも、このバカがどこまでやらかしてくれるのか、気になったからだった。おかげで、私まですこぶる評判を落とす羽目になったが、後悔はしていない。ちょっとしか。
響子はすっかり熟睡状態なので、もう少し噂話をしよう。彼女の面白エピソードは、他にもたくさんある。
「こいつが山にいた頃、山彦の仕事がなくて暇だからって、一人でラップやってたのね」
「ラップ?」
「ヨーヨーチェケラッチョって。本業で噛まないように練習も兼ねて、とか真面目装って言ってたんだけど、たぶんあの頃からイカした音楽やりたいとは思ってたんだろうな」
話しながら手持ち無沙汰なので、手元の綺麗なコップを布巾で意味もなく拭った。キュッキュ。
「声がでかいせいで、よくそれが人間に聞かれてたらしくて。『誰もいない山で読経する声が聞こえる』って、人里で噂になったの」
「読経に聞こえるラップ……」
「実際あれは読経としか思えない」
「そりゃひどい」
小傘はこの時点でもう笑い混じりだけど、話にはまだ続きがある。
「普通、そんなふうに思われてるって知ったら、もうやめるじゃん。『ああ自分、ラップの才能ないな』って思うとこじゃん」
「うん」
「そこが響子でね。『ああ自分、読経の才能あるな』って言って、お寺に入門しやがって」
「パンクだ……」
「で『修行厳しすぎるだろ』って半ギレする毎日よ」
「パンクだ……!」
「その上『船長がたまにかっこよくてヤバイ』って寺の中に色恋沙汰持ち込んだりしてんの」
「パンクだ……パンクか?」
コップがキュッキュと鳴り続けているが、手は止めない。
「響子の中ではパンクなんだよ。あん時は特にさ、『ねえ私パンクじゃね? 超パンキッシュじゃね? デストロイヤーじゃね? 穴あき銀座ゆーけーじゃね?』とか、事あるごとに聞いてくるような状態よ。もう自分がパンクすぎるから、そうだパンクバンドやろうって思ったらしい」
「パンクって何だっけ」
「そんなことはどうでもいいのさ。響子時空に理屈は不要なの」
響子時空に最も巻き込まれたのが私だった。結局、話に乗ることに決めたのは私だから、どっちもどっちなのだが。でも響子に比べれば、私の迷惑度はかなり低いはず。
響子は、はっきり言って迷惑極まりない存在だ。なのだが、なぜだか許せてしまうのもまた彼女の不思議なところだった。
「そういう奴なんだよ」
うん。
どうしてかフォローになんねえ。
「えーっと、でもね。そうやって無茶してんのに、うっかり聖さんに叱られると、一日中めっちゃヘコんでんの」
「え、真面目だ……」
「練習は毎日絶対欠かさないし」
「真面目だ……!」
「寺の修行もちゃんとしてるらしい」
「真面目だ……!!」
不真面目な格好をしておきながら、やるからにはきちんとやる辺り、実は偉いのである。そうそう。こういう話をしたかったのだ。
その彼女に私は、ついさっき中途半端だとかグダグダ言われたけれど。よく考えてみたら響子も寺の修行とバンドを両立させているので、私と同じじゃないか。
本人は、それに全く気づいていないのだろう。
あるいは、気づかないようにしているのかもしれない。真面目ちゃんがパンクやっているなんて、心ない奴の笑い者にばかりなりそうだし。
「本当ね、根は真面目。ストレス抱え込むタイプなのよ、バカのくせに」
言ってちらっと響子を見やると、熟睡していた。
「そっかー。案外イイ奴なのかねえ」
「イイ奴かどうかはちょっと疑問だけど、謎の魅力あるよ」
「ほほー」
「ただ、直接そう言ったらキレる」
「あー、わかる」
「『ハァ~~~!? てめー人のパンクオブメンボク潰す気ですかアアア!?』」
「パンクオブメンボクて」
寝ているところを起こすといけないので、小声で叫ぶ器用な私。
「まったくカワイイ相棒だよ」
「そうかそうか。うん。綺麗にまとめようとしてるけど、話の九割は陰口だったよ」
「ふ。鋭いね君」
ニヒルに笑ってごまかす私。
仕方ないね。バンドメンバーにまつわるいい話なんて、この世には存在しなかったのだ。
「でもわかるよ。みすちー、響子のこと大好きなんだね」
「えっ」
いやいやいやいや。
は?
君は今まで何を聞いていたんだ。
「いいねーラブだねー。ラブアンドピースだねー。羨ましいなー。きっと普段から見つめ合いながらセッションして、互いの鼓動を合わせるように音色を重ねて、互いの呼吸を感じるように寄り添って、ライブで高まりすぎて思わず演奏中にディープキスしちゃったりするんだろうなー」
「しねえよ」
とっても意味不明なことをのたまう彼女。いつしか頬が赤くなっていた。言っていて自分で恥ずかしくなったのか、単純に酒のせいなのかはわからない。わからないが、たぶん前者だと思う。
ふざけんなこのやろう。
ライブ中にこの話思い出しちゃったらどうしてくれるんだ。
決して暖かくなかったはずの夜風が、のれんを揺らした。小傘は気にもせず、さかずきに酒を注ぎ足している。私も、むしろなんとなく暑く感じた。
別に、照れちゃったわけではない。少しお喋りしすぎただけだ。けれどコップは無駄に拭きすぎだったので、しまう。
「いいなー」
小傘はそう繰り返して、酒を煽る。表情は柔らかかったが、心底羨ましそうだった。
「なんなら、小傘も一緒にバンドやる?」
いい機会だ。私は持ちかけてみた。すると小傘の顔が、ぐっと明るくなった。
「いいの!?」
「準メンバーでよければね」
「やるやる、私ベースやりたい!」
渋いところを希望された。
が、ベースは私だ。
「そこは間に合ってるな。ドラムなら」
「いいよ!」
何でもいいらしい。
この様子だと経験は、……ないんだろうな。聞くまでもなく。
一応、声はかけてみたものの、鳥でも獣でもない小傘が正式メンバーになるのは、きっと難しいだろう。響子の反対で。
ビッグになれなさそうだしな。
可哀想な小傘ちゃん。でも嬉しそうなので、今はそっとしておくことにした。
文句なら響子に言ってね。
全ては響子が悪いのだ。
「ハッ!?!!!?!????!!???」
その酔っ払いが、いきなり叫んだ。
鳥が飛んだ。小傘も跳んだ。私も跳んだ。
びっくりした。
「寝てた!!!!!!!!!!」
「知ってる」
「おはよう」
小傘の機嫌がみるみる悪くなっていく。
響子は起きた。
寝起きでもハイテンションである。
ぼけーっとした表情だ。少しは酔いが覚めてくれているといいのだが。
「みすちーに求愛される夢見た」
「ぶっ!」
小傘の口から酒が飛んでいった。慌てて口元を押さえていたが間に合わなかった。私は無言でそっとハンカチを差し出した。目は合わせない。合わせられないわけじゃない。合わせないだけ。まじで。
「一緒にセッションしようとか、キスしようとか言われた気がする」
「……」
全部聞かれていた。
しかもさりげなく内容を改悪されていた。
ぐっすり寝ているからって、陰口なんてするもんじゃなかった。反省する。心から。
「そ、それは、夢だね。ドリームだね」
「は?」
「夢は、ドリームよ」
慌てて取り繕おうとしたけど、意味不明だった。私、意味不明。まずい。色んな衝撃で、ただでさえ悪い頭がさらに悪くなっている。響子は私以上に頭の悪そうな顔をしているが。
「くすくす」
小傘は笑っていた。
できれば忘れてほしいので、悪いが響子にはさらに飲んで潰れてもらうことにした。
「何でもない! もう一杯飲んでもう一回寝ろ!」
「は? はぁ?」
「くすくす」
「お代はいいから飲め!」
「う、うん。それなら飲むわ」
「くすくす」
過酷な飲み方だけど、仕方ないのだよこれは。酩酊と睡眠を永遠に繰り返せ、フェニックス。
ちなみに、お代は潰した後で勝手に財布から抜く。
「みすちー!!!!!!」
そうして響子はさらに酔っ払った。
「おめえよぉ!!!!!!!!!! お前さあ!!!!!!!!!!!」
今までで一番でかい声で叫んだかと思うと、
「いつもありがとう……」
ぼそっと呟く。
なんじゃこりゃ。
どうしろってんだ。
「いえいえ、どういたしまして」
「は!?!!!????!?? 調子のんなカーーーーーーーーーーーーーーース!!!!!!!!」
「……ああ」
コレ適当にあしらっておいたほうがいいやつだ。
そのうちおとなしくなるはず。
「みすちーお前!! ……いつもありがとうね。ほんとありがとうね」
「うん。うん」
「愛してるよみすちー」
「うん。うん」
「ヤッホオオオオオオオオオオオオオオウ!!!!!!!!!!! みすちー愛してるウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!!!!」
「やめて!?」
クッソこいつ遠吠えし始めやがった。
「ブラジルの人聞こえますかアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!! 愛してるんだああアアアアアみすちーをオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!」
「やめて!! 恥ずかしい!」
小傘は突っ伏していた。寝た振りをして笑っている。わかってっからなオイ? 半分ぐらいお前のせいだろうにクッソ。お前がディープキ、キ、とか言わなければクッソお前クッソ。
響子は訳の分からない叫び声を上げ続けている。
「L!!!!!!! O!!!!!!!! V!!!!!!!!! E!!!!!!!!! ライオン!!!!!!!!!!!!!!!!」
うわあ。
やばいこれ。さらに飲ませたのは失敗だった。明らかにさっきより酷いことになってる。
ただ叫ぶだけならまだいいが、大声で愛を囁かれるものだからさすがに恥ずかしい。あーでも、やめてほしいはずなのにちょっと胸がキュンとなるのはなぜ。なぜなの。あれっ。どうして。チクショウなんだこれふざけんな。響子め。何をした。早く力尽きろ。今すぐ倒れろ。いっそ死ね。な?
「みすちー!!!!!!!! 好き!!!!! 結婚しよ!????!!!???!!!??!?」
「ゃ……や……だ……」
どっかに逃げてたはずの鳥たちが「ヒューヒュー! お熱いね!」とか煽ってきた。うるせえよ。いやうるさいのはお互いさまだけど、お前らも寝ろ。うるさいけど頑張って寝てください。おねがい。私を見ないで。
今すごく恥ずかしいの。
響子は邪気の一切ない、明るい表情をしていた。無駄に。無駄にイイ笑顔。提灯の赤い光を、頬の柔肌が反射している。
「みすちー!!!」
ああもう何だこのやろう。何でか知らないけどドキドキするわこのやろう。次はどう告白する気だこのやろう。どんな愛でも受け止めてやるぜこのやろう。私らパンクだからなこのやろう。パンクって何だっけこのやろう。
「みすちー!!!!!」
「何よ、もうっ」
私が応えたとき、ふと彼女の笑顔が消えて。
「……朝だ」
赤い陽が差した。
……あぁ、うん。
朝か。
眩しいね。
お天道様のアマテラス救世観音フラッシュが、全員のテンションを一気に下げる。
みんな、死んだ鳥肉のような目になった。
モーニンモーニン。君の朝だよ。
モーニンモーニン。
きみのあさーだよー。
「寝るか……」
「寝るか……」
「寝るか……」
寝るか……。
こういう酔い方するのって、いるよねえ。
やっぱり小説っていいねぇ。