「はいどーも、皆さんこんばんはー! 今日も村紗水蜜の3732ラジオのお時間がやって参りました! パーソナリティはわたくしキャプテン・ムラサこと村紗水蜜と」
「雲居一輪でお送りします」
「今日も1時間、お仕事の合間に、勉強のお供に、幻想郷の皆さんにひとときの癒しをお届けします! はいじゃCM~」
「この番組は、貴方の心を豊かにする信仰・命蓮寺と、失せ物探し専門・ナズーリン探偵事務所の提供でお送りします」
~CM~
「しかしいっちゃん、ここのところ一段と冷え込んできたねー。今日も寒い寒い。ほらもう手がかじかんじゃって」
「そうですね。厚着をしている方の姿も増えてきました。皆さんも風邪などには充分に気を付けて下さい」
「もうすぐ冬だねえ。私もいい加減半袖セーラーは止めようかなあ。いっちゃんは頭巾であったかそうだよね」
「これですか? 別に防寒具というわけではないんですが」
「はい、そんなところで今日最初のお便りは、ラジオネーム・街の花屋さんから。『ムラサさん一輪さん、こんばんは』はいこんばんはー。『いつも命蓮寺、お参りさせていただいてます』ありがとうございますー。『ところで私、いつも疑問に思っていることがあります。』はいなんでしょう? 『一輪さんはどうしていつも頭巾を被っているんですか? あの頭巾の下には何かとてつもない秘密があるんでしょうか? 教えてください一輪さん!』だそうですが、いっちゃーん?」
「は、はい!? この頭巾ですか?」
「そうそう、そういえばいっちゃんとも長い付き合いだけど、いっちゃんがその頭巾取ったところって見たことない気がするんだよねー」
「そうでしたっけ?」
「いっちゃんってば、一緒にお風呂入ろうって誘ってもいつも断るしー」
「あ、あまりそういう、その、他人に肌を見せるのは、その……」
「おおう、今この番組がラジオなことを皆さん悔やむといいですよ! 赤面いっちゃん可愛いなーもう!」
「や、やめてください水蜜さん」
「で、頭巾ですよ頭巾。実際ねえ、なんで被ってるの? ねーねー」
「なんでって言われましても……私も命蓮寺の僧ですから。剃髪の代わりです」
「そうそう、実は頭巾の下は坊主なんじゃないかって心配してた人、安心してくださいねー。ちゃんといっちゃん、髪はありますから」
「……誰が心配してたんですか?」
「心配する人ってのはいるんですよ、いっちゃん」
「はあ」
「いつもいっちゃん、参拝客の案内とかしてるでしょ?」
「ええ、見回りの傍らに……幻想郷は平和ですし」
「そうするといっちゃんの真面目で誠実な態度に、心惹かれちゃう檀家の方も結構いるらしいんですよ、ナズにゃん調べによりますと」
「そ、そうなのですか?」
「先日檀家の方に行ったアンケートによりますと、いっちゃんに対する反応は《丁寧に案内してもらえて感謝しています》《入道に子供の相手をしてもらえて助かりました》《受付係さんの笑顔が素敵です》《僕を雲山で殴って下さい》等々――」
「何時の間にそんなアンケートを、というか私、受付係では……それに最後のは何ですか」
「でも一方で、非常に残念な結果が」
「残念?」
「《いちさん》《雲井さん》《受付の人》等、いっちゃんの名前をちゃんと覚えてない人が実に7割強。《受付の人はみんな同じに見えてしまって》と大変失礼なコメントまで!」
「そんな!?」
「というわけで船長としましてはですね、このあたりで皆にいっちゃんのことをちゃんと覚えてもらうために、大々的なイメチェンを図るのはいかがかと思うわけですよ」
「い、いめちぇん、ですか?」
「そう、まずはその頭巾を脱いで、その地味な服も着替えて、幻想郷デビューを果たすべきよ。もっと腕にシルバー巻くとか! で、いっちゃんの存在を幻想郷にアピールしないと」
「そんなこと言われましても……私は別に目立ちたいわけでは」
「駄目よいっちゃん! そんなこと言ってたらこの幻想郷では埋もれてしまうのよ! いっちゃんってば帽子もないしスペカは雲山だし設定テキストも投げやりなんだから! このままじゃ70位よ!?」
「何の話ですか!?」
「というわけでいっちゃん、まずは頭巾を脱ぐ! 僧衣も脱ぐ! 僧衣を脱ぐ日は今この時よ!」
「や、止めてくださいー!」
~しばらくお待ち下さい~
「……水蜜さん? み、水蜜さん、大丈夫ですか?」
「…………ハッ。わ、私としたことが……すみません、ちょっとトラブルが。あ、いっちゃん、頭巾被ったのね。良かった……」
「どうしたんですか? 私が頭巾を脱いだ途端に固まってしまって……」
「いや、ね……美しすぎるというのは一種の凶器なんだと……九十九十九の世界ね」
「何のことです?」
「いっちゃん、頭巾を脱いで外出するときはサングラス掛けた方がいいよ」
「はぁ……あ、CMです」
~CM~
「そうそういっちゃん、人里にある本屋さんは行ったことある?」
「霧雨書店さんですね。何度か利用しています」
「あの本屋さん、奥の方に秘密のコーナーがあるの知ってた?」
「秘密の、ですか?」
「そう、奥にある《STAFF ONLY》と書かれた暖簾の向こうには、実は店頭には並べられないような本が所狭しと並んでいるのよ……」
「ええっ!? そ、そんな……い、いかがわしい本が、ですか」
「ううん、ただの在庫」
「……え?」
「やーい引っかかった引っかかった。いっちゃんどんな本を想像したのー?」
「み、水蜜さん、からかわないでください!」
「はいはい、それに関連して次のお便り。ラジオネーム・本読みさんから、『船長、いっちゃん、こんばんはー。いつも本を読みながら楽しく聞いてます』はいありがとうー。でも本を読みながら聞けるものなのかしら? 『私、面白そうな本を見つけると手当たり次第に読みたくなるんですが、この前本屋さんで気になる本を見つけてしまいました』ほほう? どんな本でしょう。『その本に登場するキャラのモデルが、おふたりのよく知っている方のような気がするんです。買って読んでしまったので、実物をこのハガキと一緒に送りますね。』――というわけで、その本の実物がここにあります」
「…………」
「タイトルが『ネズミの僕はトラに噛みつく』。なにやらアヤシゲな匂いのするタイトルですねー。そしてオビが……うわあ。《そう、そのまま呑みこんで、僕のダウジングロッド……》。これっていったいどういうセンス」
「だ、大道芸とかサーカスの話でしょうか?」
「裏表紙の粗筋を読んでみましょう。《トラというあだ名の僕の上司は、あだ名のわりにいつも頼りない。大切なものをなくしては、探し物の得意な僕に泣きそうな顔で頼み込んでくる。そんな彼に呆れながら、僕は彼の下でネズミのように働き続けている。どうしてかって? それはね――》……」
「……そ、それは?」
「《夜の彼は、僕に噛みつかれて可愛く啼くからさ》」
「――――」
「ヘタレ上司とやり手の部下、年下攻め。うーんツボを心得た内容ね」
「ど、どんなツボですかっ」
「中身は……さすがにちょっとこのラジオで朗読するには憚られるのでやめとこっか。でもいっちゃん、この関係って確かに、何だか身近にあるような気がしない?」
「そ、そうでしょうか……?」
「トラとネズミ、上司と部下、探し物の得意な――」
「あ、あの、水蜜さん」
「あれ、そういえばこの本の著者の名前、三輪雲――」
「CM! CM入ってくださいー!」
~CM~
「村紗水蜜の3732ラジオ、今日は雲居一輪がお送りしています。水蜜さんはちょっとお休み中です。ごめんなさい。さて、ここからはゲストをお招きしています。我らが命蓮寺の住職、姐さんこと聖白蓮様です」
「こんばんは。聖白蓮、17歳です☆」
「……姐さん、それはさすがにサバを読みすgっがっががががが、がーっ!?」
「はいはい一輪さん、番組を進めましょうか。私宛のお便りが届いているんですって?」
「姐さんのアームロックに法界の火が見えました……ええと、こちらですね。ラジオネーム・フルーツマイスターさんから。『こんばんは、水蜜さん一輪さん』こんばんは、今日は水蜜さんがお休みでごめんなさい。『命蓮寺には何度か伺わせていただきました』ありがとうございます。『今日は命蓮寺の聖上人に、どうしても伺いたいことがあってお手紙を書きました』」
「あらあら、何かしら?」
「ええと………………」
「一輪さん? どうかしたのかしら?」
「い、いえ、その――」
「どれどれ、私に読ませて頂戴」
「あ、姐さ――」
「ええと……『聖上人は、どうして髪を染める金が無くなったヤンキーみたいな髪の色をしているんですか? 白髪染めですか? 教えてください!』――――――」
「あ、姐さん? あのですね、ええとですね――」
「誠に失礼で、無礼千万である! いざ、南無三――!!!」
「姐さん落ち着いて――あああっ!? 放送機器が――(ブツッ
~しばらくお待ち下さい~
「というわけで、今日もお別れの時間となってしまいました。明日もこの時間にお会いしましょう。村紗水蜜の3732ラジオ、今日は雲居一輪の単独パーソナリティでお送りいたしました。さようなら~」
《そう、そのまま呑みこんで、僕のダウジングロッド……》半ズボンでボクっ子ナズーリン……(吐血)
とりあえず雲山・・・雲山には・・・
水密…ムチャしやがって…
いっちゃんかわいいねいっちゃん
そしてデュエルするムラサ思い浮かべて吹いたwww>腕にシルバー
僕を雲山で殴って下さい
デスノだと・・・
マイナーすぎる
白蓮さんは妖怪になってから幻想郷単位で17年なんだよ!
永遠の17歳さ!!
これはいっちゃんに投票せざるを得ないっ!
こんな楽しいラジオがあれば毎日でも聞くんやけどなー。
兎に角、いっちゃん可愛いよいっちゃん
幻想郷のシャークさんですねわかります。