Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

紅魔館のお母さん

2007/12/08 09:12:20
最終更新
サイズ
16.64KB
ページ数
1

分類タグ


 紅い屋敷の門番さん
 屋敷の中の人達をいつも守っている
 お母さん




 ところで今日は
「美鈴……暇だからチェスの相手をして」
 珍しくお嬢様が門の前までやってきました
「あれ?咲夜さんは?」
 いつもお嬢様の隣にいる
 華麗な従事者の姿が見えない
「疲れているみたいで眠っているの」
 華麗なメイドの咲夜さん
 だけど、疲れはたまるもの
 お嬢様も、咲夜が倒れるのが心配ですから
 こういうときは、ちょっとだけホッとする
「いざ倒れられると、大騒ぎになりますからね」
「ええ……というわけで、ちょっと相手をしなさい」
 トップの命令にはかないません
 まあ、今は誰も門の前に来ませんから
「少しだけですよ?」
「ええ、もし勝てたら褒美を上げるわ」
 実はお嬢様、結構チェス強い
 才能はあると思います





「……美鈴、もう一回」
「はあ……」


「もう一回よ!」
「はい……」


「……私の負けね」
「何とか勝てましたね」

 ところが美鈴が勝っちゃった
「なんでかしら?……」
 悔しがりながらも、お嬢様が美鈴に問いかける
「お嬢様、私がどれだけ門番してきてるかおぼえてます?」
「え~と……」
 お嬢様が考え込むと
 美鈴がそれを止める
「私は、紅魔館を守るために部下に指示を
 出さなければならない時もあるんです」
 話を聞いてお嬢様も納得した
 美鈴は実践でチェスをしているのだ
 命を賭けて
 レミリアは少しだけ自分を恥じた

「これからも、紅魔館の守りを任せたわ」
「はい!」
 
 美鈴が勢い良く返事をすると
 レミリアが先ほど言っていた
 褒美の事を思い出す
「私に勝った褒美だけど、何か欲しい物はある?」
 レミリアの能力は運命を操る
 ある程度の事なら何でもできる

「でしたら……」

 美鈴のお願いを聞いたレミリアは
「本当にそんなので良いの?」
 レミリアが不思議そうにしたが
 美鈴がほしいと言った事
 レミリアは許可を出しました





 そして次の日


「……なんて事…」
 十六夜咲夜が目を覚ます
 気がついたら、己の敬愛する主の部屋で
 眠っていた事に気がつく
「……私とした事が…」
 しかも、その主が自分の隣で眠っているではないですか
「……主より先に眠ってしまうなんて……」
 とりあえず、ご飯を作らなきゃと思っていたら

(がちゃ)

「おはようございます」
 何者かが部屋に入ってきた
(誰!)
 咲夜はナイフを構えます
 ですが入ってきた人物を見て
 ナイフを下ろします
「……なんで貴方がここに居るの?…美鈴」
 門の番をしているはずの
 紅美鈴がそこに居た
「はい、ご飯持ってきましたよ」
 美鈴が持ってきたものは
 お腹に優しいミルク粥
「……なんで…」
 咲夜がなにかを言おうとしたら

「……ん~…おはよう…咲夜…」
 お嬢様が起きました
 そして美鈴を見て
「おはよう、お母さん」
「お、お嬢さま?」
 寝ぼけているのかと思っていたら
「はい、おはようございます
 朝ご飯できてますから、二人で食べてね」
 美鈴がそう言って
 部屋を出て行きました 

「ん~、いい匂い……咲夜?どうしたの」
 いろんな事がいきなり起きて
 咲夜は混乱してました
「お母さん……」
 それを見てお嬢様
 ポン!と手を叩き
「咲夜に言ってなかったわね……」
 お嬢様が昨日の夜の事を話し始める
 そして、美鈴が言った褒美の事も

「今日一日、紅魔館お母さん御免状を
 出しているから」
「お母さん御免状?」
 
 美鈴が言ったのは
「今日一日だけ、紅魔館のお母さんになる」
 と言ったものでした

「だから、今日は美鈴には逆らわないわ
 咲夜も、ある程度の事は多めに見てね?」
 お嬢様からそういわれては
 咲夜はどうする事もできない
「わかりました……」
「とりあえず、美鈴が持ってきてくれた
 ご飯食べましょう?」
 美鈴が持ってきてくれた
 お粥は、薄味で朝のお腹にはちょうどよかった
(おいしい……)
 けして、贅沢な食事ではなかったが
 とても暖かい朝ご飯でした



 朝、門番隊の朝は早い
 美鈴が朝早く起きるのは当然だ
 そして門番隊の古参である
 六人の門番隊も美鈴に続く

「あれ?門番長いません」
 いつもなら、門の前に立っていて居る 
 美鈴が居ないので、皆が驚いていると

「みんな、おはよう」
「「「「「「あ、隊長」」」」」」
 
 古参門番隊が美鈴の方を向くと
「「「「「「えっ!?」」」」」」

 そこには、エプロン姿の美鈴が居ました

 普段しない格好に古参門番隊も驚く
「そうそう、今日一日はお嬢様に
 お母さん御免状もらったから
 ……今からみんなの分のご飯作るから
 寝ている子起こしてきてあげて?」
 その言葉に
 六人が頷くと
 任務と真実を教えるため
 彼らは同胞の下に走った

 門番隊宿舎に電撃走る

「おい、起きろ折原(仮名)」
「まだ眠いですよ……住人さん(仮名)」
「バカ野郎!……お前今門番長がエプロン姿で
 みんなの朝ご飯作ってくれているんだぞ!?」
「なっ!?本当ッスか!起きます」

 門番隊が完全に起きるまで
 その間わずか3分

 今までの記録をはるかに上回る
 新記録だった


 門番隊の皆が食堂に集まると
「あ、皆今日は早いね……
 一人ずつよそって上げるから
 順番に並んでね」

 エプロン姿の隊長の姿に感動しているのに
 しかも、ご飯をよそってくれると言うのだ
 古参の六人だけでなく
 新入りすらも感動していた
 中には、泣いている子も居た

 そして
「うお~私が一番乗り!!!」
「まて!ここは年季の順でしょ!?」
「だまれ!貴様に隊長のご飯を食べる資格は無い!」
「新入りだろうが古参だろうが!そんなのは関係ない!」
「古参の六人!我々は今貴方達を超える!」
「かかって来い!お前らに真の壁と言うものを見せてやる」

 我先にと門番隊のバトルが始まる
 ……かと思われた

「こら!……きちんと皆の分しっかりとあるから
 喧嘩したら……」
 美鈴が門番隊の皆に向かって
 人差し指を突きだし
「めっ!」
 門番隊騒然
 時が少しだけ止まる
(お、おい……俺もう死ぬのかな…)
(バ、バカ野郎……俺もだよ…)
(大丈夫……俺は真理を得た…)
(我が、門番隊人生に一片の悔い無し)

 時が動き出す
「ですからね、はい、一人ずつ並んでください」
 その言葉に、大きな声で皆が
 (はい!)
 そう叫んだ


 メニューは
 鮭の切り身
 ご飯
 お味噌汁
 ほうれん草のひたし
 などの朝の基本


 作者
「こんなすばらしい物が…幻想入りしたか」



 皆に配り終わると
 美鈴が、手を合わせて
「はい!皆頂きます!」
(頂きます!)
 合掌をすると

 門番隊が食べ始める
 いつもはうるさい食事だが
 今日は皆静かだった

(う、うまい……私泣けてきた)
(ああ、門番長手作りの料理だぜ?)
(……ああ、時が見える…)
(私、この料理の事けして忘れない…)

 食事が終わると
「それでは、ご馳走様!」
(ご馳走様!)
 大量に作った料理が綺麗になくなっていた


 食事が終わった後
 朝の警護に行くものと
 そうでない者に別れる
 いつもなら、美鈴も門の前に行くのだが
「ごめんね、今日は一日だけお休みさせてもらうから」
 美鈴がそういうと
「隊長!今日は一日我々にお任せください」
 門番隊の方々は全てがそう言った
 美鈴は部下からも愛されているのだ
 
 そして、古参の六人が美鈴の前で
「隊長、今日は我々が責任持って
 守りに着きます!」
 そう言った
 だが、ここで紅魔館門番隊の歴史に残る台詞が
 美鈴が古参の一人の前に行くと
「今日は隊長じゃなくて……皆のお母さん
 なんだから…」
 そう言って、その幻想郷にも名に響くその胸に
(むぎゅっ!)
 思いっきり抱きしめた
「「「「「なっ!?」」」」」
 古参の一人に対して殺気の篭った目が向けられる
 だが、その古参は
(……これが…理想郷……私…夢が…かなった)
 死ぬまでに一度でいいからやってみたかった
 事が出来たので、その目はとても穏やかだった

 美鈴が皆の方を見ると
「ん?……皆も頭撫でてほしいの?」
 そう一言言った
 
 門番隊の皆が今日の事を
「門番隊の仕事は、けして楽なものではない……
 だが、これだけは言える……我々はこの時のために
 今まで生きてきたのだと……胸を張って言える!」
 なお、この伝説は後に語り草になる



「みんな!まかせるね」
(オッス!)
 士気が凄まじく上昇した門番隊が
 美鈴を送り返した




 紅魔館の地下
 悪魔の妹と言われている
 フランドールは
「……暇だな…」
 暇を持て余していた
 そんな時
「妹様…」
 だれかが地下にやってきた
「あ、メーリン!」
「はい……」
 いつも遊びに来てくれている美鈴であったが
「でも妹様、今日は一日紅魔館のお母さんです」
 そういわれて、フランは
「お母さん……」
「はい」
 しばらくフランがうつむくと
「お母さん!」
「ん?なんです?いm……フラン?」
 美鈴が改めて言い直すと
「おか~さん!」
「うわっ?」
 フランが美鈴に向かって飛びついてきた
「ど、どうしたん……」
 美鈴がフランを見ると
「……どうしたのフラン?……泣いたりして?」
 優しく頭を撫でながら
 美鈴がフランに話しかける
「…うん……なんでか…ヒック
 涙が出てきて…う~…」
 美鈴の中に考えがあった
 長い間、優しさに飢えていたのだ
 しかも無条件で甘えさせてくれる
(寂しかったんですね……)
 母親というものを知る事は殆ど無かったのであろう
 美鈴は、フランの頭をただ撫で続けた

 フランが泣き止むと美鈴が
「そしたら、一緒にクッキーを作りましょうか?」
 その言葉に、フランが喜ぶ
「うん!」
 背中の羽をパタパタと羽ばたかせ、体全身で喜びを
 アピールすると、美鈴の背中に抱き付いてきた
「……おか~さん」
「はいはい」
 

 台所に行く途中で
「ねえ、お母さん?お姉さまも呼んでいい?」
 フランがそういったので
「はい、いっぱい作って皆に食べてもらいましょうね」
 美鈴はそう答えた
 その言葉に
「うん!」
 フランが精一杯答えた



 しばらくすると
 お嬢様もやってきた
「お姉さまをつれてきたよ」
「まあ、たまにはこういうのもいいわね」
 そういってから二人が小さく
「「お母さん」」
 そう答えた

「それでは、まず卵を割って……」
(ぐしゃっ!)
(ぐしゃっ!)
「「う~」」
「大丈夫ですよ……卵は潰さないといけませんから」
 
 美鈴が二人と一緒に料理を作っている
 最中に、後ろから視線を感じた
(これは…呼んだほうがいいですね)
 
 作業の途中で美鈴が
「それでは、ここで料理のプロを呼びましょうか」
 美鈴の言葉に、レミリアとフランが振り向く
 振り向いた二人に
「いいですか?……」
 こっそりと耳打ちすると

「はい、せ~の」
「「「咲夜おね~ちゃん」」」

「は~い!」
 美鈴の計略で思わず出てきてしまった咲夜さん
「はっ!?」
 また隠れようとするのを
「それでは、咲夜お姉ちゃんが一緒に料理を
 してくれるから、一緒につくろうね?」
 その一言で逃げられなくした




 咲夜と美鈴が一緒に教えたおかげで
「「「「上手にできました~♪」」」」
 すごい失敗も無く
 美味しそうに焼けたクッキーが出来上がりました
 出来上がったクッキーを小さな袋に詰めると

「それでは自分の好きな人にクッキーを
 あげてください」
 そう言って
「はい」
 美鈴は、三人にクッキーを渡した
 フランが喜び、レミリアも満更でない様子で
 咲夜も顔は普段のままだが
(口が笑っていますね)
 美鈴にはわかっていた




 美鈴は、眠ってしまった二人を咲夜に任せると
「すいません、ちょっと門の前に行ってきますね?」
 美鈴が門の前に急いだ



「前方より魔理沙接近!今こそ
 門番長……否!我らのお母さんに
 恩を返す時!行くぞ!!!」
(お~!!!!)
 いつもより気合を入れている
 彼らのおかげで

「な、なんだ?今日はやけに気合が入っているな?」
 魔理沙も、少し戸惑った
 しかし、やはり力が違う
「あ~面倒だから一気に行くぜ!」
 そう言って八卦炉を構えられる
「くらえ!マスタースパーク!」
 高威力、広範囲のボムが打ち出される
「そ、総員退避!」
 道中でボムを使わせる事に成功
 これだけでも今回は成功である
 だが、今日の門番隊は違った
「いまだ!畳み掛けろ!」
 古参の六人が魔理沙に近づく
 それに対して魔理沙が
「くっ!もう一発!」
 ゼロ距離から
 再びマスタースパークを放ってきたのだ
(いかん!このままでは!)
 古参の六人が死ぬ覚悟を決める
 彼らの心は一つだった
(門番長に抱きしめられたのだ……)
 『我ら!既に悔いはない!』

 そして光の渦に巻き込まれる
 
 そして、その光が止むと
「……く~、今日は門だけで
 ボム二発使っちまったぜ」
 魔理沙が紅魔館に入っていった

 そして、外には
「「「「「「た、隊長!」」」」」」
 
「皆……無事?」
 六人の古参をかばってゼロ距離
 マスタースパークを受けた美鈴の姿が

「だ、だけど……た、隊長が」
 門番隊の全てが集まってくる
「「「「「「そうです!我々の事など……」」」」」」
 そう言った古参の門番隊に
「あなた達も、私の子供みたいなものですよ
 ……自分の子供を守らない親なんて居ますか?」

 全門番隊が泣いた


 しばらくすると
「今日は、二発ボムを使わせたから
 ……いつもより頑張ったね」
 美鈴の傷が癒えたので
 門番隊を褒めると
「……図書館に行ってきますね?」
「「「「「「はい!」」」」」」
 図書館に行く事にした




 図書館の中では
「むきゅう……」
「パチュリー様!大丈夫ですか」
 パチュリーが倒れていた
「ちょっと本を借りるぜ?」
 魔理沙の方もボロボロだったが
 既に、大量の本を抱えていた

「あばよ!」
「も、もってかないで~」
 魔理沙が本を持って帰ろうとしたら

(がしっ!)
「あ~」
 何者かに捕まえられた
「な、なにするんだ?」
 捕まえた人物の方を見ると
「なんだ、中国か……」
 魔理沙の顔が少しだけ引きつる
「お久しぶりですね……魔理沙ちゃん…」
「ちゃん?」
 いつもと口調が違うのでおかしいなと思っていると
「よくも家のパチュリーちゃんをいじめてくれましたね?」

(ごん!)

「痛いぜ……」
 パチュリーの本を勝手に借りて、返さない
 魔理沙……紅魔館のお母さんに怒られました

 魔理沙  ストレス+9


「今日は一日紅魔館のお母さんなんですよ」
「へ~……」
 拳骨の後、持っていくはずだった本を元に戻させると
 先ほど作ったクッキーをお茶請けに
 お茶を持ってきていた
「……そんなの私は聞いていないけど?」
 パチュリーがそう言っているが
 少しだけうれしそうだった
「ですから、パチュリーちゃんも」
(むぎゅう)
「む、むきゅー」
 美鈴が後ろからパチュリーを抱きしめた
 ひとしきり抱きしめた後
 魔理沙が
「よし、ついでだから私も抱きしめてくれ!」
 そういうと
「残念ですけど、魔理沙ちゃんは紅魔館の子じゃないから
 駄目です」
 そういうと
「ちぇっ……」
 拗ねて
「……今日はもう帰るぜ…」
 帰ってしまいました





 夕方になると
 美鈴は厨房に来ていた
「さて、今日は咲夜さんのかわりに
 中華料理を作り上げますよ」


 今この場に居るのは
 門番長の紅美鈴ではない

 皆のご飯を作る炎のお母さんだ

「身体は料理で出来ている!
 
 右手に中華なべ…左手に中華包丁…

 ただ一度の慢心もなく……
 
 ただ一度も油断もしない…

 料理人は常に一人

 厨房の奥で料理を作る

 故にその料理に意味はあり

 きっとその料理は……皆のお腹を満たせていた!」 
 美鈴が気合を入れて満貫全席を作り上げる
 

 今日はメイド隊と門番隊
 そして、お嬢様と妹様、メイド長も一緒に
 料理を食べる事になった

「おか~さん!」
「はいはい……ほら、フラン…口元にエビチリがついてますよ?」


「ねえ?お母さんあれとって?」
「はい!……だめですよレミリア?ピーマン残したら」


「「「「「「隊……お母さん!」」」」」」
「はい!皆は肉だけじゃなくて野菜も食べる事!」


「え~と……」
「はい……あなた達もいっぱい食べてね?」
 メイド隊の子達にもご飯をよそった


「……え~と…消極的に料理を頼む方法は…」
「この料理は、漢方も使っていますから……少しだけでも食べてね?」


「……この点心の作り方教えてくれませんか?」
「いいですよ?……パチュリーちゃんに栄養つけるのに
 いいですから、ぜひ…」





 だけど、一人だけ来ない人が居る
(咲夜さん……)





「ふう……」
 咲夜は部屋に閉じこもっていた
「……おかあさん…か…」
 咲夜がため息をつく
「…恥ずかしくて言えないわよ…」
 なんだか気恥ずかしくて
 咲夜には言えなかった
 この紅魔館に始めてきた時には
 美鈴に育てられたようなものだから
「……美鈴お母さん…」
 そう簡単に言えた
 だが、今は紅魔館のメイド長
 迂闊にそのような事は言えない
 それが、お嬢様の命令であってもだ

「はあ……」
 もう一度ため息を着くと
「……美鈴お母さん…」
「なんですか?咲夜」
 後ろに本人が居た
「えっ!」
「部屋のドアならノックしましたよ」
 物思いに耽っていたせいで
 ドアを叩く音に気がつかなかったのだろう
(しまった……)
 咲夜が美鈴を部屋から出そうとしたが

「咲夜……」
(きゅっ)
「あっ……」
 それよりも先に美鈴が咲夜の身体を
 後ろから抱きしめた
 そして、咲夜の頭を何度も撫でる

 しばらくそのままでいると
「……貴方も私の娘です……」
 咲夜の耳元で言い聞かせるように
 そうつぶやいた
「貴方も……私の自慢の娘ですよ…」
 もう一度つぶやくと
 咲夜は美鈴の真正面を向いて
「……美鈴…お母さん…」
 その胸で、少しだけ泣いた




「さて、お腹空いたでしょう?」
 咲夜が落ち着いてから
 美鈴が持ってきたものを取り出す
 こっそりと持ってきたのは
「……おにぎり?」
「はい、皆料理を全部食べてしまったから
 ……でも、中に入っているのは
 ……秘密で作った、豚の角煮です」
 美鈴が咲夜の前で人差し指を口に当てると
「……皆にはないしょですよ?」
「ええ、こんな美味しい物を渡す訳ないでしょう?」
 そう言って、二人は笑った



 しばらくして、レミリアの部屋
「……お姉さま…」
「なに?フラン…」
「ちょっとお腹減っちゃった」
 フランがそういうと
「…こっそりと何かないか食べに行きましょうか?」
 レミリアも同じ事を考えていたみたいでした

 その時
(コンコン!)

 誰かが部屋のドアを叩いてきました
「(誰かしら?)入ってらっしゃい」
 こっそりと入ってきたのは
「失礼します……」
「誰も見ていませんね?」
 美鈴と咲夜だった
「どうしたの?」
 レミリアが聞くよりも先に

「夜食のケーキですよ」
 美鈴がそういうと
 咲夜が
「本当は駄目なんですけど」
 美鈴の方を見て
「……今日はお母さんが許可してくれましたからね」 
 咲夜が笑う
 フランも笑った
 レミリアも笑った
 美鈴も笑った

 そして、もう眠る頃になった時
「……もう少しで、お母さんはおしまいですね」
 美鈴がつぶやく
 その言葉を聞いた三人は
 ちょっとだけ悲しい顔をした
 美鈴がそういって
「我がままを聞いてもらってありがとうございました」
 お嬢様と続くはずだったが
 レミリアが美鈴の口を手でさえぎる
「~~っ?」
「……まだ、娘なんだから…」
 レミリアが他の三人に目を配らせる
「……今日だけは…一緒に寝よう?」
 顔を真っ赤にさせて
「お母さん…」
 レミリアはそう答えた


 

 紅魔館の門番が一日だけ
 お母さんになった日のことでした



 おまけ

 魔理沙はとぼとぼ帰ったいた
「……ちぇ…なんだよ…」
 何で知らないが寂しかった
(……お母さん…か…)
 魔理沙は家出をしてこの場所にいる
 親父の事はどうでもいい
 だが
 時折とても寂しくなるのも事実だ
(……くすん…)
 魔理沙が自分の家に着くと
 誰かが既に中に居た
(泥棒?……いや違う…)
 泥棒が居たら魔法でわかるはずだ
(アリスか?)
 魔法使いならそのぐらい簡単だ
 だが、今日はアリスは魔界に帰ると昨日言っていたはずだ
 魔理沙が用心しながら中にはいると

「遅かったね?魔理沙」
 そこには
「み、みみ…」
 自分を育ててくれた
「魅魔様!」
 魔法使いとして御師匠が居た
 魔理沙は魅魔に向かって思いっきり抱きつくと
「うわ~ん!魅魔様~!」
「ふふっ……全く…昔と同じで泣き虫だね…」
 その胸で泣いた


 その日、魔理沙は己の師匠にベッタリだった
 魅魔も満更ではなかったらしい

 そこにあるのは、師匠と弟子ではなく
 母と娘だった



 ふひ~、授業中に頭に電波が届いて
 家に帰って書き続け、
 こんな作品が出来ました
 古参の門番隊は、東方の中で唯一ボス戦にまで出てきた
 根性のある彼女達です
 
 ……団欒はあったかいんです…
 紅魔館門番隊に入りたい人は感想で手を上げて
 作者ノ

 魅魔様を最近見かけないから
 思わず書いちゃったぜ!後悔はしていない!
 魔界神は……いつも出してるから、たまにはね?


 訂正入れました
脇役
コメント



1.名無し妖怪削除
これは紅魔館美鈴お母さん伝説のほんの序章に過ぎないのであった
2.卯月由羽削除
これは……魔界のお母さんや式の式のお母さんに勝るとも劣らないお母さん……!
3.名無し妖怪削除
なんという鍵っ子…
4.名無し妖怪削除
名前は得ました。大丈夫ですよ咲夜さん。私も、これから頑張っていきますから。
脇役さんの作品はほんといい!いつもながら楽しませていただきました。
今後の投稿にも期待しています。
ところで美鈴途中で固有結界を使っていませんでしたかw
5.三文字削除
美鈴お母さんは最高だ・・・
取りあえず、美鈴の「めっ!」は凄まじい破壊力があることが分かりました
6.時空や空間を翔る程度の能力削除
             , -、
          ,. ---oo ノ
         ,' ,    ヽ, 
         i ルノノハノ)ノ
        ノ .l | ゚ ヮ゚ノ!| お母さんと聞いて
       ノ; ,く_つrレつ.  歩いて来ました。
       ´ノ ン/  ハ!´
     (((  く/_,.イ_、」
7.名無し妖怪削除
門番隊の人の名前はもしや鍵作品からきてるのかい?
それだったら住人じゃなくて往人だと思うんだぜ


いや、それにしてもめーりんカーチャンはいいなぁ
8.祟と祚を操る程度の能力削除
やはり、めーりんくれいどるは最強だな
9.名無し妖怪削除
めーりんお母さんは、良いものだ!
妖々夢編、永夜抄編、花映塚編、風神録編も期待してもいいですか?
10.名無し妖怪削除
美鈴に料理を教わる約束をした小悪魔は、出番の量の割には結構いいおもいをしてる気がする。二人でお料理か・・・


お父さんは駄目ですか?by妖忌(爺さんは用ず
11.高冷削除
無限の中華w
お母さんの破壊力はすさまじいぜ
12.名前が有ったらいいな削除
後書きの魔理沙+魅魔様にも泣けてきたぜ・・・
13.辛子を塗り捲る程度の能力削除
ちょwwwww脇役氏Verの古参門番隊が出来ておりますwww

それにしても、何と言う母性的な美鈴。
14.脇役削除
 感想感謝!
出来たらこの休みの間に香霖堂に神様のお話を少し書けたらと思っています

>これは紅魔館美鈴お母さん伝説のほんの序章に過ぎないのであった
 
そして、幻想郷の全てのお母さん達が集まり自分達の子供を自慢する戦いに

> これは……魔界のお母さんや式の式のお母さんに勝るとも劣らないお母さん……!

なお、この事件の後迂闊に美鈴に攻撃したら紅魔館全体から攻撃を受ける事に

>名前は得ました。大丈夫ですよ咲夜さん。私も、これから頑張っていきますから。
脇役さんの作品はほんといい!いつもながら楽しませていただきました。
今後の投稿にも期待しています。
ところで美鈴途中で固有結界を使っていませんでしたかw

ありがとうございます、今後とも頑張ります
 『アンリミテッド・脇役・ワークス』…なんちゃってww

>美鈴お母さんは最高だ・・・
取りあえず、美鈴の「めっ!」は凄まじい破壊力があることが分かりました

かつて、魔界神も使っていた奥義です 破壊力は……8を横にしてください

>お母さんと聞いて 歩いてきました。

貴方の出番は別の作品だから、香霖堂に歩いてお帰り!

>門番隊の人の名前はもしや鍵作品からきてるのかい?
それだったら住人じゃなくて往人だと思うんだぜ
いや、それにしてもめーりんカーチャンはいいなぁ

何のことかな?(汗)私はただ門番隊に仮名をつけただけですよ?
……変な人形遣いや、尾根の主人公など知りません。
美鈴おか~さん……いいね

>やはり、めーりんくれいどるは最強だな

ちなみに、ローリングクレイドルって技を絶対王者といわれる方が使ってました……絶対門番の必殺技にww

>めーりんお母さんは、良いものだ!
妖々夢編、永夜抄編、花映塚編、風神録編も期待してもいいですか?

ごめんよ~ 紅魔館以外は書ける気がしないんだ……誰か書いてくれ

>美鈴に料理を教わる約束をした小悪魔は、出番の量の割には結構いいおもいをしてる気がする。二人でお料理か・・お父さんは駄目ですか?by妖忌(爺さんは用ず

ん~香霖と魔理沙と魅魔ってネタなら出来そう…そんなんでもいい?

>無限の中華w
お母さんの破壊力はすさまじいぜ

美鈴+お母さん+優しさ=破壊力

>後書きの魔理沙+魅魔様にも泣けてきたぜ・・・

俺、香霖堂に神様のお話終わったら……魅魔様で新作書くつもりなんだ…
(死亡フラグ)

>それにしても、何と言う母性的な美鈴。

元より、美鈴はお母さん…マイ!ジャスティス!!
そして、古参の名前は通称レ・キャルト・ピオネール
(最古の四人)と呼ばれています(このネタわかるかな?)
15.幻想入りまで一万歩削除
何故でしょう、ものすごい出遅れた感が・・・
こんなときは美鈴母さんになぐさめて っは!殺気!!・・・ぎゃーーーーー

すさまじいまでの破壊力(お母さん)、堪能させていただきました。素直になれない咲夜さんに萌えた。
16.名無し妖怪削除
物凄くほっこりしました……
やっぱり紅魔館は仲良し大家族ですよね。
17.名梨削除
ああもうっ……最高だっ!! 以上っ!!

>通称レ・キャルト・ピオネール(最古の四人)
からくりサーカスですなっ?
18.逢魔削除
……心が温まる思いです。
………許してくださるなら、私がいた証に刹那を出してやってください………
19.名無し妖怪削除
今更ながらに門番隊に入りたい人挙手というのを見つけたw
当然ながらノ
20.イスピン削除
大丈夫です…私も美鈴さんも、答えを得たんですから…
いや、もう自分でも何言ってるんだか

古参の6人てあれですか、美鈴通常攻撃2でバックに出てくるあの6人ですか。
注)本日の弾幕はLUNATICです って感じですか。
21.名無し妖怪削除
お母さんは良いものだ……!としか言いようがありません。ホント素晴らしい。ホンット素晴らしい。
>逃げれなくした
ら抜きはあまり使わない方が良いと思います。
>残念ですけ、
ですけど、では?
>咲夜さんの変わりに
代わりに、では?
>門番長の抱きしめられた
門番長に、では?
>お母さん何ですよ
>何で知らないが
「なので」の時は何でとは書けません。
22.名無し妖怪削除
「めっ!」で撃沈しました
脇役さんのほのぼの系作品は、ストレス社会で疲れきった心を癒してくれるんだぜ!!
23.h削除
紅魔館お母さん伝説は序章に過ぎない。
永遠亭お母さん伝説と続き、幻想卿お母さん伝説と続くのだ。
24.名無し妖怪削除
美鈴は元々優しい性格だから、これがあるべき姿なのかもしれない
唯一の心残りは、こぁを抱きしめるシーンが見たかったよ…
25.脇役削除
 本来余りやらない 二度目の返信です
 誤字訂正させてもらいました

>幻想入りまで一万歩様
 時間的に、少しだけ惜しい 咲夜さんはツンデレ…に近い感じです

>物凄くほっこりしました……
やっぱり紅魔館は仲良し大家族ですよね。

紅魔館大家族……美鈴がお母さん 咲夜とパチュリーがお姉ちゃん
 フランとレミリアが子供……小悪魔はパチュリーのペット(言いすぎ)

>名梨様
 そのとうり、レ・マン・スカラティーヌとか使わせたかったんですけどね

>逢魔様
 剣を持っているのなら戦闘のシーンがあったほうがいいでしょう
 香霖堂に神様では戦闘がもうないから、別の作品案あるのでそちらで使います よろしく ノシ

>今更ながらに門番隊に入りたい人挙手というのを見つけたw
当然ながらノ

 作者も改めて…ノ

>イスピン様
 ルナですね、弾幕は…あとさらに硬くなって自機に突っ込んできます

>お母さんは良いものだ……!としか言いようがありません。ホント素晴らしい。ホンット素晴らしい。

 感謝……私でなく美鈴お母さんのお手柄ですね…誤字直しました
 
>「めっ!」で撃沈しました
脇役さんのほのぼの系作品は、ストレス社会で疲れきった心を癒してくれるんだぜ!!

 そういわれるとありがたい 拙い文章で申し訳ありませんがこれからも頑張ります

>h様
 …むう…永遠亭 エーリン伝説編と マヨヒガ狐耳のおかーさん編か…
 誰か作って…

>美鈴は元々優しい性格だから、これがあるべき姿なのかもしれない
唯一の心残りは、こぁを抱きしめるシーンが見たかったよ…

 実は案の中にあったんですけど
 『小悪魔はパチュリーが抱きしめてあげる事』
 って私の広辞苑に書いてあったので 書きませんでした。謝ります
26.名無し妖怪削除
なんか色んな人や物が幻想入りしてるな…
朝食はご飯に味噌汁でFA
27.名無し妖怪削除
こういうお母さんは幻想郷入りしてるんだろうな…
でも!でも、味噌汁もご飯も幻想入りだなんて認めない!ほうれんそうも昨日食べた!
認めない… うわあん
ところで魅魔様と魔理沙とこーりんでなら書けるって本当ですか?期待しています。
28.名無し妖怪削除
おっかさ~んと叫びたくなる
幻想郷のお母さん伝説、読みたいわぁ
29.名前が無い程度の能力削除
うん マスパ食らってもいいから門番隊になりたい
30.名前が無い程度の能力削除
これは良い話
31.名前が無い程度の能力削除
いつ見ても美鈴お母さんは素晴らしい!
32.名前が無い程度の能力削除
お、お母さ~ん!!