Coolier - 新生・東方創想話ジェネリック

Q.クリスマスはどう過ごしますか?

2010/12/24 03:11:19
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A.紅魔館にて



「はっ。 クリスマスだなんて、くだらない」
「本当よ。吸血鬼が神の降誕を祝うだなんて、滑稽話もいい所だわ」


紅い館の大きな一室。
傍に従者を従えて
黒の翼の館の主と、虹の翼の妹が
紅茶を片手に、にやりと笑う。


「挙句の果てにはプレゼント?」
「無償の贈り物ほど怖いものはないわ。 そんなものに釣られるような卑しい妖怪だと思って?」
「そうでしょ咲夜?」
「仰るとおりでございます」


いつも瀟洒なメイドさん。
ポットを片手に微笑みながら
そっとおかわり注ぎだす。


「私たちを畏れる故なら別だがな」
「この幻想郷、今更私達に供物を納める者はそういない」
「賢いわフラン。いい当主になりそうね」
「いずれお姉様を超えるわよ」
「あらあら、楽しみにしてるわ」


指を重ねて絡まる視線。
だだもれカリスマ、迸る血潮。
メイドは常に命がけ。
ああ、今宵も月が紅いから、姉妹の秘宴が幕を開ける。










「プレゼントですよー!!」

「 「 うー!! 」 」





そしてやってきた門番美鈴。
おっきな包みを肩から提げて
笑顔と共にやってきた。
さようなら禁断の館、こんにちはこうもり組。
この場は今から、美鈴が全てを支配した!


「ほらほら、そんなに走ったら転んじゃいますよ」
「プレゼントは!? プレゼントは?!」
「そうですねぇ。明日の朝までまってもらいたい所ですが……奮発しちゃいましょう!」


ほくほく美鈴ごそごそ探り
プレゼント二つ取り出した。
真っ赤な包装、虹のリボン。
優しく渡され頭をなでられ
二人は大事に抱えつつ


「ありがとう美鈴!」
「も、もう開けてもい、いいいかしら?」
「それはちょっとだけ待ちましょう。ほらほら、ご飯が冷めますからね」
「はーい!!」


駆け出す姉妹を笑顔で見送り、ふいと後ろをふり向くと
むくれる従者がぽつんと一人。


「どうしたんですか? 咲夜さん」
「いえ別に。大層人気のご様子で」


ぷいとそっぽな咲夜さん。
姉妹の人気を独り占め。
悔し妬ましぱるぱるぱる。
ご機嫌斜めな咲夜さん。
あらあらあらと美鈴は、顎に手をあて首を捻ると
咲夜の腰を抱き寄せた。


「ひゃぁっ?!」
「拗ねないでください咲夜さん」


耳元で息を吹きかけ、こそっと呟く凛々しい美鈴。
天然ジゴロの異名の所以、あっというまに骨抜き咲夜。
よろめく身体を抱きとめて、ふんわり胸に抱きしめる。


「だって、クリスマスにプレゼントをあげる人がいないのは寂しいでしょう?」
「まぁ、それはそうだけど」
「大丈夫です。私はいつだって、咲夜さんを忘れてたりしませんから」
「……あのね、そういう事言ってたんじゃないのだけれど」


にぶにぶ美鈴、的外れ。
あははと笑って頭をなでると
やらしく腰元撫で回し、じっと眼を見て囁いた。


「今夜、咲夜さんの部屋に行きますから」
「うぇえっ?!」

いつもは「行ってもいいですか?」なのに
今日はなんだか強気な美鈴。
恋は乙女をアグレッシブにエキサイト。
弾幕も恋もパワーなのである。


「え、その美り」
「行きますから」
「そのあ」
「抱きますから」
「め」
「寝かせませんから」
「」


あわあわ遮る咲夜さんを
熱烈ちゅっちゅで黙らせて
いざ颯爽と食卓へ。


「……綺麗にしててくださいね?」
「ばかっ!」


悔し紛れにナイフを投げるも
いつもと違って余裕余裕。
ピースサインの内側で、いとも鮮やかに受け止める。
本気の美鈴恐るべし。
恋に戦い、負け知らず。
でも弾幕勝負は勘弁な!


「……もう」


額を拭って息つく咲夜。
真っ赤な頬をナイフで冷やし、そっと見上げて目を瞑る。
だけれど口元にやけっぱなし。
幸せそうなお二人さん。










A.地霊殿にて



古明地さとりは一人考える。
古ぼけたランプの明かりの元、ベッドに腰掛け、手袋を編みながら考える。

いつか聞いた、地上で流行っているこの行事。
みんなで贈り物を交換したり、大事な人と共に過ごす一日。
色々な話を聞いたが、どうにも自分には今ひとつ当てはまりそうにない。
いや、ペットの二匹も大事だけれど。


「はぁ……」


軽く眼を閉じ、息をついてから手を休める。
全く、自分はいったい何をやっているのだろうか?

帰ってくる当てのない妹のために、流行にかこつけて手袋なぞ編んではみたものの
相手の見えない空しさ、苦労を話すことのできない寂しさが募るばかりで
完成を目前にして、すっかり気力を失くしていた。


「ああ、そういえば……」


――私は、今のあの子の手の大きささえ、はっきり覚えてないのに……

苦笑しつつ、手の内に有る一組の手袋を見つめる。

噂に聞いた、クリスマスのイメージカラーの赤と緑。
なんとなく私達に似てる、なんて思いながら選んだこの2色。
自分と同じく、色の薄い彼女に映えるだろうと、ようやくここまで作ってきたのに
もおうどうでもいいやと、机の上に無造作に置く。


「そうだ。あの子達の様子を見てこないと……」


自分に対しての言い訳がましく、そっと立ち上がりドアのノブに手をかける。








「お姉ちゃん」


その時、優しく首もとで組まれる腕。
ふと右を向けば、後ろから肩に顎を乗せながら微笑んでいる
最愛の妹が一人、そこにいた。


「なんで途中でやめちゃうの?」
「……誰かさんがいつまでたっても帰らないから、腐る前に捨ててしまおうと思って」
「わぁ、毛糸って腐るんだ。私初耳」


にこにこと笑いながら腕を放すと
机の上においてある手袋を拾い上げる。


「綺麗な色してるね。お姉ちゃんが考えたの?」
「色んな人に聞きまわったけどね。ヤマメが編み物上手で助かったわ」
「ふーん」


しばし目の前でひらひらさせると
完成している片方の手袋に、自らの手をそっと入れる。


「わっ、ぴったり! 私、最近お姉ちゃんに、手、みてみらったっけ?」
「……これが姉の力よ」
「なぁにそれ」


おかしそうにくすくす微笑み、ふわりと正面から姉を抱き寄せるこいし。


「ごめんね、お姉ちゃん。私、お姉ちゃんにあげるプレゼント探してたら、こんなに遅くなっちゃった」
「もういいのよ。あれをほどく前に帰ってきてくれたから」


帽子をとり、愛しむように頭をなでるさとり。


「それで? プレゼントは何か決まったのかしら?」
「んー? ふふ、あとのお楽しみね」


軽く首をかしげ、姉の手を引くこいし。


「さっ、ご飯にしよ? 私お腹すいちゃった」
「あの子達を呼んできてからね。先に食器の準備をしてなさい」
「はーい!」


軽く鼻歌などを歌いながら、ドアを開けて出て行くこいし。


「……まったく」


呆れたように眼を落として頭をかくさとり。
しかし、久々にみた妹の笑顔に、やはり気分は舞い上がり


「……さて、こいしのお皿はまだあったかしら?」


なんて、うきうきしながら外へ向かうさとり。
暗い暗い旧地獄、明るい話がここに一つ。










A.彼岸付近にて



「ほら小町。そろそろ食器を並べなさいな」
「ああ、はいはいはい」


居間でぼんやりと新聞など広げていた小町。
鍋を抱えた映姫に促され、いそいそと食器を棚から取り出す。


「おお、今日はシチューですか」
「ええ。最近冷え込んできたし、温まるものをね」


机の上に鍋を置き、中を覗き込んでうっとりする映姫。


「ああ……いいわね、シチュー。白くてはっきりしてて……」
「四季様。シチューとかカレー出す度に悦に入るのやめましょうよ」
「あら、いいじゃない。ささやかな幸せを最大限楽しむのが、長生きのコツよ」
「そんなもんですかねぇ」


頭をぽりぽりかきながらあぐらをかく小町。
四季は静かに正座すると、手を合わせて


「では、いただきます」
「いただきまーす」


ぱちんと手を合わせてから、豪快にスプーンでかっこむ小町。


「うおあっちぃ?!」
「静かになさい、まったく」


呆れた顔で叱咤すると、スプーンで自分の器から一杯掬い、軽く息を吹きかけ冷ましてから


「ほら、あーん」
「ええあおうぅいえあ?!」


顔を真っ赤にしてあたふたしていた小町だったが、深呼吸してから気を落ち着かせると
ぱくっとスプーンを口に咥えた。


「おいしい?」
「んむ……」


こくこくと頷く小町に、映姫は微笑みながら食を進める。
小町はしばらく、黙々とシチューに舌鼓をうっていたが


「そういえば、そろそろクリスマスですねー」
「ああ、そうね。寒くなったと思ったらもうそんな時期」
「けっこう私ら、クリスマスカラーですよね。緑に赤で」
「あら、そんな話をふって、なにを期待してるのかしら?」
「いえ、別に」


慌ててそっぽを向く小町に苦笑して


「ま、いい子にしてたら、明日の朝にでもなにかあるんじゃないかしら?」
「この年でいい子もないもんでしょう」
「はいはい」


音を立てないようにスプーンでシチューを掬うと、ふと思い出したように


「そういえば小町、今日は泊まっていくの?」
「え? あ、あー……いいんですか?」
「どうせ一人寝だし、構わないわ。晩酌に誰かいれば、それはそれで楽しそうだし」
「んー、そんじゃ、お言葉に甘えて」


小町は軽く頭を下げると


「そういや四季様って、布団派でしたっけ? 前はベッドだったような気がしたんですが」
「ええ。昔は部屋の汚れとかで、高さがあった方が安心してたけど。最近は布団の方が落ち着くから」
「へぇ」
「それにね」
「へ?」

映姫は急に顔を近づけると、いたずらっぽい表情で









「ベッドのきしむ音より、布団の衣擦れの方が、風情があるじゃない?」










A.命蓮寺にて



「まったくこのご主人は……」


ため息をついて、自分の主を見下ろすナズーリン。
今日は命蓮寺でクリスマスパーティ。
宗派がどうとか色々議論はあったが、とりあえず楽しければよしということで半ば強行開催。
始まってみれば誰も彼もが大騒ぎで、すっかり夜も遅くなってしまった。


「ほら、ご主人様。せめて部屋まで戻ってから休もう」
「んんー……」


そして現在。
パーティも終わり、各々が自室に戻っている中
星がそのまま酔いつぶれてしまい、ナズーリンが仕方なく傍でつきそっている。


「もう……このまま夜を明かすつもりかい?」
「えー……ぅ……」


駄目だこのご主人、なんとかしないと


「ほら、よいせっ……っとと」


苦労して肩に主の腕を回し、よろよろと立ち上がるナズーリン。
くそっ、なんで酔っ払いはこんなに重いんだ。


「さぁ、早く部屋にもどぅぉっとぉ?!」


と、歩き始めたのもつかの間。
肩にかかった体重でバランスを崩し、足をもつれさせる。


「おっとっとっ?!」


と、すんでのところで星が多少覚醒し、どうにか体勢を立て直す。


「お、起きたかご主人様、さぁ、はやく戻ろう」
「……ナズーリン?」
「ん? なんだい」
「……えへへ、ナズーリン!」
「うわぁ?!」


ほっとして少し気を抜いてしまったのがいけなかった。
まだ酔いが回っている星は、ナズーリンを確認するなり笑顔になると
そのまま畳に押し倒した。


「ちょっ、酒の匂いが…ご主人様、よさないか!」
「んん……はぁ、あったかいですね、ナズーリンは」


そのままナズーリンを腕の中に抱き寄せ、身体を丸め抱き込んでしまう星。

――いかん、腕と胸の感触が幸せすぎる!


「こらっ、こんな……はやく戻らないと、明日に差し支えるだろう?!」
「んふふー……はぁ……」


ナズーリンの小言も意に介さず、ますます幸せそうに、にこにこ笑う星。


「ねぇナズーリン……」
「な、なんだい?」
「ナズーリンって……おいしそうですよねぇ」
「は!?」
「クリスマスですし……プレゼントもらわなきゃいけませんよね?」
「ちょ、ご主じ」


身の危険を感じ抗議するも、未だ酒の味の残る口で封じられるナズーリン。


「んっ……!」
「んぅ……ふふ、ちょっとだけだから、いただきまぁす……」
「あ……」


艶を帯びた声を耳元で囁くと、そっと服に手をかける星。

――もういい。私知らない。全部ご主人様が悪い。私悪くない。私全然悪くないもん。



そうして、ナズーリンは考えるのをやめた。










A.アリス邸にて



「まったく、あんなにはしゃぐから」
「だってよぉ……」


暖炉の傍でくしゃみする魔理沙に、呆れて紅茶を淹れるアリス。

雪がしんしんと降り積もる中、急にやってきて
『アリス、雪合戦しようぜ!』なんていうものだから
仕方なく付き合っていたら、あっさり魔理沙が風邪をひいてしまった。
自分はさほど寒さに影響されないが、やはり人間の身であれだけ外ではしゃぐのは命取りだったか。
……む、ならば私のほうにも非があるのかしら?


「ほら、ちゃんと脱いで。着替え貸してあげるから」
「わっ、わっ、じ、自分で脱げるぜ!」


手際よく脱がせようとするアリスを真っ赤になりながら制し、慌てて服をぬぐ魔理沙。


「……なぁ、下着もか?」
「あなたが服の中にまで雪を入れてなかったらよかったのにね。安心しなさい、下着は新品だから」
「そういうんじゃ……あ、あっち向いててくれよ!」
「はいはい」


なにを恥ずかしがるのやら、と首をふりながら、衣擦れの音を後ろにぼんやりと窓の外をみつめるアリス。


「……そういえば、今日ってクリスマスだったのね」
「なんだ、気づいてなかったのか」
「最近行事ごとになんだか疎くなってね。 もう年かしら」
「まだ早いぜ」
「……あら、もしかして、プレゼント期待してうちにきたのかしら?」
「ぶっ?!」


後ろで吹き出した後、軽く咳き込む声が聞こえて


「い、いや……まぁ、本心を言えば」
「そう。 悪いわね、なんにもなくて」
「いいさ。 その代わりにこの服を借りてくぜ」
「いいわよ別に」
「なんだ、そっけないな」
「だって同じデザインの服はまだあるし。 ……いい加減いいかしら?」
「おう。 ばっちりだぜ」


自信満々の声に振り返ると、どこにあったのか、カチューシャまでばっちりきめた魔理沙が仁王立ちしていた。
アリスと髪質は違うが、似た系統の色の髪に、こじんまりとした体型故に多少裾が余る服。
普段と比べて色彩が豊かな服を着ているので、一層絢爛とした印象を受ける。
姿勢が姿勢だけにお転婆な印象を受けるが、きちんとしていれば人形のような可愛らしさだろう。


「あら素敵」
「ふふん。私ともなれば大抵のものは着こなすからな」
「あらそう。ところで、そこに置いてあったカチューシャは呪われてたけど、勝手に使ってないなら大丈夫ね」
「うぉっ?!」
「冗談よ」


あくまでそっけなく言い放ち立ち上がるアリスに、恨みがましい視線を送る魔理沙。


「……なんだかアリス、つまんないぜ」
「そう言われてもねぇ」
「クリスマスだぞ? もう少し心にわき上がってくるものはないのかお前には」
「そうねぇ」


棚からクリスマスのオーナメントを取り出し、窓辺に飾り付けてから考え込むアリス。
頭の先から爪先まで乙女満載の魔理沙にとって、今日は相当テンションが振り切れる日に違いない。
そんな時に味気ない反応ばかりされたら、それは拗ねても仕方がないか。


「わかったわよ。プレゼントはないけど、なにか一つぐらい頼みごとを聞いてもいいわ」
「ほんとか?」
「ええ。さすがに限度ってものはあるけど」
「おお。そいつは太っ腹だな」
「話を聞いてた?」


まるでいたずら前の子どものように、楽しそうに腕を組んで考え始める魔理沙。
が、ふと窓辺に目をやり、ツリーやジンジャーブレッドマンを見つめていると
真剣な表情で考え込み、僅かに頬を染めたかと思うと
見る見るうちに真っ赤になってしまった。


「どうしたの?」
「い、いや、その……」


魔理沙は言いにくそうに頬をかくと


「きょ、今日ってクリスマスだろ?」
「ええ」
「クリスマスってのは、その……まぁ、プレゼントをもらう日だろ?」
「そう聞いてるわね」
「で、で……その、なんというかだな」
「?」
「その……大人にとっては、もっと色々あったりなかったりするんじゃないか?」
「色々?」
「だから……」


言いにくそうに口元をもごもごさせながら伝えようとする魔理沙を、内心笑い出しそうになるのをこらえてみつめるアリス。
言いたいことはわかるが、やはり純情乙女には口に出すのも恥ずかしいとみえる。
あれだけ普段男勝りなのに、肝心なところでは女の子なのである。


「なによ。言ってみなさい」
「だから、その……」


遂にうつむいてしまって、手を握ったり開いたりしながらもじもじする魔理沙だったが
意を決して顔を上げると、アリスの耳元に口を近づける。


「…、――――、――」
「……はいはい」


言い切って顔から煙が出そうになる魔理沙の頭をなでて、優しく声をかけるアリス。


「それじゃ、いい子にして楽しみにしてなさいな。プレゼントはいい子にあげるものでしょう?」
「お、おう……」
「さて、それじゃクリスマスの雰囲気を味わうためにも、晩御飯のレシピは変更しましょうか」


ぽんぽんと頭をたたき、キッチンへ向かうアリス。


「ほら、手伝いなさい。料理も上手って霊夢から聞いてるわよ」
「お、おう!」


照れ隠しに顔をふり、笑顔でアリスの後を追う魔理沙。
人形たちが妬ましそうでありつつ、どこか幸せそうな目線を送っていたのは、また別のお話。










A.蓮子宅にて



「メリーにクリスマスがハッピーニューイヤーよ!!」
「意味が分からないわ蓮子」


遅くまであった講義も終わり、まとめもそこそこに切り上げ蓮子宅に集まった蓮子とメリー。
ほどよい感じにアルコールも入りつつ、どこかけだるいながらもまったりと幸せそうな二人。


「あれよ。外国ではクリスマスと新年を同時に祝うでしょう? あれがなんだか許せないわ」
「どうして?」
「折角のお祭りごとなのよ? ちゃんと別々に祝わなきゃ損じゃない」
「損得の問題かしら」


首を振りシャンパンを一口飲み干すメリー。


「ああそうだ、メリー。折角あなたの名前がついてるんだからもっとテンションあげなさいな」
「また無茶を言うわね蓮子」
「いいじゃない。今日は酔っ払ってメリーといちゃいちゃしてから寝るって決めてたんだから」
「勝手な予定極まりないわね」
「だってメリーだって同じ考えだったでしょう?」
「……まぁ、ね」


上目遣いで見上げる蓮子に、ため息をつきながら答えるメリー。
――そういう手を使ってくるから、私ははぐらかせなくなるのに。本当にきたない。


「あー、どうせなら活動おさめに、サンタクロースでも捕まえてみたいわね」
「あなた去年も同じこと言ってたけど」
「だってぇ。幻想の極みであるサンタでも引っ張ってきたら、もうなんか、いろいろと楽しいじゃない」
「色々と落ち着きなさい。話がまとまってないから」
「んふー……サンタかぁ。あの幻想チックなサンタさんなんかいるのかなぁ」


顎を机に乗っけてごろごろする蓮子に苦笑しながら
グラスをそっと置き、人差し指を口元にあてて断言するメリー。


「いるわよ。絶対に」
「あら、メリーにしては強気な発言」


蓮子はにやにやすると、ぼすっとメリーの正座の上に腰掛けて


「メリーのその発言に関しての、根拠はいったい何かしら?」
「あら、だって」


メリーはそのまま蓮子を胸元まで抱き寄せ、肩に顎を乗せて微笑むと









「サンタクロースは、幻想になってないもの」







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サタンなら俺の隣で寝てるよ
樽合歓
http://ameno-ji.srv7.biz/
コメント



1.名前が無い程度の能力削除
サタンはお引取りいただきますw
2.名前が無い程度の能力削除
マリアリやばかった
3.奇声を発する程度の能力削除
サタンww
A.何時も通りの日常を送りますけど…
4.名前が無い程度の能力削除
蓮メリちゅっちゅ

サンタ捕まえてくる
5.虎姫削除
本気の美鈴に惚れてしまうw

ナズちゃんは悪くないよー
6.名前が無い程度の能力削除
俺はもういっそのことサタンでもいいやw
こいしからのプレゼントが気になる
7.名前が無い程度の能力削除
爆発しなくていいからRECさせろこのリア充ども
8.名無し削除
全員さっさと結婚しろ
9.削除
>ピースサインの内側で、いとも鮮やかに受け止める。
美鈴「北斗神拳・二指真空把!」

こんな事を考えてしまった自分を許してください。

甘かったです、ハイ。
10.名前が無い程度の能力削除
映姫さまがかわいすぎてやばい
11.名前が無い程度の能力削除
全コンビ微笑ましくて善き哉善き哉。
大人向けにビターで甘い美咲、近くて遠い、遠くて近い姉妹の距離が魅力のこいさと、熟年夫婦みたいな彼岸組、行け、そこだ星ちゃんやっちゃえ!な星ナズ、少女漫画みたいな甘酸っぱいマリアリ、最高の相棒な蓮メリ。
そしてオープニングのカリスマが三分後に消滅しているこうもり組の姉妹がキュートでした。
12.名前が無い程度の能力削除
語呂が良くて読んでて気持ちよかったw
天然ジゴロ吹いた。